COLUMN

【グループ会社インタビュー】 ㈱エー・アンド・ケー・コム 谷口 一也 社長 窪田 康之 専務

  • INTERVIEW
  • グループ企業
2024.12.03

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2023年にグループ入りした株式会社 エーアンドケーコムの谷口 一也 社長・窪田 康之 専務へ、インタビューしました。

 

◆グループ入り・経営者就任の経緯

-杉原-
今回は、株式会社エー・アンド・ケー・コムの谷口社長と窪田専務にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します。
エー・アンド・ケー・コムは、2023年12月にディ・ポップスグループ入りされたんですよね。

もともとは創業者の方がいらっしゃって、グループ入りをきっかけにお二人に経営のバトンを回された。その経緯を教えていただけますか?

-谷口-
M&Aを考えているという話は聞いていました。というのも実は別のM&A案件が更に1年前にあったんですが、その案件はなくなったんです。しかしその後また同様の動きをされてるのはよく知りませんでしたね。

2023年9月頃のある時、M&Aの話が具体化してきて、候補何社かあるうちの1社でディ・ポップスグループの後藤社長と会ってほしいというお話を受け、谷口・窪田の2人でこの渋谷ヒカリエの本社に来たことがありました。ただ、そのときは数ある中の1社という感覚だったので、そのあと時が流れ11月頃、「ディ・ポップスグループにM&A決まったから」という話を受けました。我々としては正直「え!」という驚きでした。

そこからすぐ創業者が退任するとの話を受けました。「退任してその後の経営はどうされるんですか?」と伺ったら、「私が社長で、窪田を専務で今後の会社をお願いしたい」ということでした。驚きはありましたが、いずれにしろそれを聞いて「じゃあ私たちも辞めます」という考えはなかったので、「やります」とだけ伝えました。

ただ実際に社長と専務になるとしても、私たちは会社経営は一切やったことがなかったので、正直交代後の方がいろいろありましたね。。。

-杉原-
それは驚きも大きかったですよね。もともと前体制のとき、お二人は営業部門長と管理部門長で幹部だったわけじゃないですか。実質現場はお二人で回していたんですよね。

そこから、12月に社長と専務就任ということが決まり、そのお話を聞いてからの数ヶ月というのはどういう変化があったのでしょうか。

-谷口-
まず1番初めに取り組んだことは、財務数値の確認です。それまでは売上総利益まで私たちも把握していましたが、その先の営業損益は、創業者のみ把握している部分だったので、今まで見ていなかった部分まですべて開示してもらい細かい確認作業を行いました。

他にも銀行からの借入れも創業者に確認をしながら、何のために借りたのか、いつまでに返す必要があるのかなども把握、管理していきました。それでも実態がわからない部分も出てきたので、都度税理士さんに相談し教えていただきながら今に至ります。

-杉原-
窪田専務はいかがですか。M&Aや経営についてどのような心境だったのでしょうか。

-窪田-
そうですね、今谷口社長が言っていたような、お金のところが1番動きが見えてよかったというのはありますが、その全体像を理解するまでは時間が必要でした。

それと、契約締結後すぐ2023年12月6日に、ディ・ポップスグループのグループ総会があり、そこで挨拶をしてほしいと話がありました。私たちもまだ契約したばかり引継ぎもこれからという混乱した状態で、早速役員として挨拶と会社紹介をするという場面では正直戸惑いました(笑)

◆ディ・ポップスグループの印象

-杉原-
それ以降、グループにジョインして10か月ほど経ちますが、実際にジョインしてからのディ・ポップスグループの印象はどうでしたか?

-谷口-
グループにジョインして最初の頃は、勝手がわからずどうしたらいいのかなと思っていたところは正直あります。グループ会社もたくさんありますので、各社の社長さん含めていろいろな方とコミュニケーションをどう取っていくべきなのか初めはわからないところがありました。

ただ今は、いろいろなグループ会社の社長さんなど、いろいろな方とコミュニケーションを取らせていただいて関係値もできて来ました。

じゃあそれを今後ベンチャーエコシステムにどう活かすというか、どういうところに繋げていけるのかというところは次のステップかなと感じています。

それと、若いメンバーがたくさんいらっしゃるので、我々の世代よりも若い人たちの刺激を受けるという意味ではよかったなと。そして弊社の若いメンバーに関しても、M&Aをしたことでモチベーションが上がったなという実感もあります。

窪田さんはどうですか?

-窪田-
はい。今まで自己流でやってきたところも多くありましたので、視野が少し狭かった部分に気がつきました。そしていろいろな事業の会社の代表者、メンバーと話していてとても刺激を受けますし、話題も情報もたくさん教えてくれるので、そういった意味でも視野が広がりました。

今後は我流ではなく専門的に改善していかなくてはならない点もあるなという気づきがありましたね。

-杉原-
人材系など他のグループ会社と定期的にミーティングをされていると伺いましたが、ほかのグループ会社からするとお二人のほうが先輩なので、教える領域などあるのではないでしょうか?

-窪田-
そうですね。採用に関しては、弊社は広告媒体を使ってずっとやってきたんですが、 グループ会社さんはどちらかというと人材紹介会社を使って採用活動を行っていると聞きましたので、広告媒体での採用手法や利用媒体について共有しています。グループ会社の中でも広告媒体を強化したという会社さんがいらっしゃいました。

-杉原-
そうやって学びあえるのはいいですよね。そういう意味では、これから徐々にこのコラボが生まれていくといいですよね。

-谷口-
そうですね。ベンチャーエコシステムの流れを活用して、 例えば人材会社間で、人材をどうグループ内で共有できるかとか、グループの中で繋いでいけるか等考えられたらいいなと思います。あとは採用がグループ全体でどういうことが出来るかなど、コラボできていけたらと考えています。

◆エー・アンド・ケー・コムの事業概要

-杉原-
ありがとうございます。では次に、エー・アンド・ケー・コムの事業概要について教えてください。

-谷口-
人材ビジネスをやってる会社で、基本は人材派遣、人材紹介、業務請負、販促イベント、この4本柱で運営してる事業になります。取引先としては、大手の家電メーカー、家電量販店、通信キャリアなどになります。

もともと、量販店で家電を販売するスタッフをメインに行うところが最初のスタートだったんですが、それが広がって今の事業になりました。

-杉原-
実際会社を引き継いで経営をすることになり、この間10ヶ月で変えたこと、もしくは変えなかったことってどんなことがありますか。

-谷口-
私は、基本的には変わってないと思っています。今までと同じことをやってるだけなんですけれど、それでも経営者になったっていうことは、冒頭にお伝えしたように、 会社の運営・経営状況っていうのを、お金の部分含め細かく見るようになって、その先のどういうところをどう削減するべきなのかとかを深く捉えるようにはなったかなと思っています。

なのでこれからはお金の流れを注視しながら、今度は投資をするためにどういうことが必要なのかという点が今の段階です。

-杉原-
窪田さんは、いかがですか。

-窪田-
そうですね。私も基本変わってないんですが、逆に変えないように意識しているというか、実務に携わることや、 チェックは目を光らせることとか、従業員の顔を見て会話をすることとか、経営者だからといって態度が変わるようなことがないように意識はしてますね。

変えたこととしては、これまで朝1番に出社していたんですけど、それをちょっとやめました。あまり圧にならないよう、 時間的に余裕を持った方がいいかななど、あえて意識してやっていますね。

-杉原-
エー・アンド・ケー・コムのコアメンバーというのは何人ぐらいなんですか。

-窪田-
40名です。

-杉原-
この新体制で一緒にやっていきましょうとなったときに、ある程度減る可能性はあると思うんですが、 これが何人ぐらいが自分たちから見たら一緒にやっていこうと思うメンバーなんですか。

-窪田-
全員です。

-谷口-
その40名というのは、正社員という意味では、現場にも正社員がいますので、 現場を含めて一緒にやっていこうっていうところは変わらないと思います。本部で言うと20名弱いるので、まずはこのメンバーがよりモチベーションを上げていかなきゃいけない点があります。この10月から組織編成をしましたので、すっきり落ち着いてきました。

-杉原-
M&A後って一般的には何かしら変わることがあると思うんですよね。体制が変わって翌月から、100%でスタートだとはならないので、 10か月ぐらいかかったって感じですよね。これからに期待したいと思います。

◆人材派遣業界の動向

-杉原-
人材派遣、人材紹介、業務請負、販促イベントの業界のトレンドって何かありますか。実際今人材業界は追い風・向かい風などありますか。

-谷口-
向かい風ですかね。ご存じの通り人材不足といわれていて、 やっぱり需要はあるんですけど、なかなか供給ができないっていうところはあります。採用も、良い人材の取り合いっていうところで、リファラルで人を集めてるような感じがちょっと強い状況にあるんですけど、 なかなか厳しいなと感じています。仕事(需要)はたくさんあるんですけど供給(人材)が足りてません。

-杉原-
そこも聞きたかったところです。仕事はあるんですよね、ニーズがあるので。イベントで考えると、今の時代何でもオンラインで買える一方で、やっぱリアルでも買うとか、その説明を受けながら買うという体験っはなくならないと私は思うんですけども、そういう意味でのニーズとして、メーカーさんからの要望というのは続いているんですか。

-谷口-
そうですね、続いています。リアルで購入したいというニーズは基本的に変わらないと思います。

-窪田-
あと、家電量販店も結構変わってきていて、 ライフスタイル提案とか、飲食店やアパレルとの共同出店とかで変わってきてるんで、そういった意味でも、人が集まるところがどんどん特化・集約している気がするんですよね。家電、通信は比較的落ち着いてますけど、今後もニーズは続くという点は、各取引先の情報からは感じます。

-杉原-
コロナ中はやっぱり厳しかったですか。

-谷口-
それがそうでもなかったんです。お店の一時閉店などいろいろありましたけど、コロナ渦の支援や施策もあったので、乗り切れました。

今や家電量販店はライフライン全般を扱うお店なので途絶えさせてはいけないという感じでした。

-杉原-
エー・アンド・ケー・コムさんの採用の部分の向かい風はどういったところで感じていましたか。

-窪田-
働くメンバーは、ベテランもいれば、中堅・若手もいて、家電では40代以上の中高年や60代以上の高齢の方も多いです。やはり通信も家電も商品・サービスが複雑化してますし、時代の流れとしても 営業とか販売の仕事はちょっと・・っといわれることが増えてきていますかね。

-谷口-
逆に登録型派遣では人がなかなか集まってこないとなると、どういった事業で売上を作ろうかなという課題もあります。派遣ではなく委託という選択肢をすると、再委託でいろんな協力会社さんにお願いをして、そこから人材をあげてもらって売上をつくる傾向もありますね。
それだと売上は立つけど利益が薄くなるので、本来の人材ビジネスの姿に戻さないといけないという課題はありますよね。

-窪田-
あとは、外国籍の方の活用ですよね。外国籍の方はネットワークをすごいもってるんですね。コミュニケーションと就業サポートをすれば、紹介で人材も増えていくような仕組みはできるかなと思います。

-杉原-
採用が難しいというところで、御社なりの今の取り組みとか工夫などありますか。

-窪田-
強化している点が3点あります。
まず、自社採用ホームページを作り、高額な広告媒体に頼らず採用できる仕組みを構築しています。

次に、先ほどの外国籍の方の話じゃないですけど、お仕事を探している方を紹介してもらうという制度を強化しているという点です。

あとは、新卒採用です。弊社では現時点で2025年4月に7名が入社予定なので、まず現場に入って業界や実務を経験してもらい、そこから本社配属に上がってくる仕組みで現場力を強化していきます。

◆世代ギャップについて

-杉原-
さっき触れたような話なんですけども、若手が多いこのディ・ポップスグループの中で、世代の時代のギャップを感じることありますか。工夫されていること等あれば教えてください。

-谷口-
そうですね、世代のギャップは当然持って当たり前とは思っているんですけど、指導の仕方には気を付けていますね。教え方とか指摘の仕方1つにしてもですけど、昔と同じやり方ではダメというところはもう体感してるので(笑)、どうやってやっていくのがいいのか。全く何も言わないのは良くないというのもありますし、そういった部分でのギャップを感じながらやってるというのが結構メインテーマかなと思います。

-窪田-
そういった意味では、その人がどうしたいのか、どうしてほしいのかという点には気づけるようにしたいと思います。例えば、厳しく指導してほしいタイプなのか、それだと耐えられないのでソフトな方がいいタイプなのかっていうのを察しながら接するようにしています。比較的後者の方が多いんですけど、ただ中には成り上がりたいという若手もいると思うので、 そのコミュニケーションを間違えないようにしています。

-杉原-
あとお2人が、突然引き継ぐことが発表されて、社長や専務として 失敗することもあるかもしれないけど、挑戦している姿を見せてるだけでも、メンバーは感じるところがあるんじゃないでしょうかね。

-谷口-
そう思ってくれていたらありがたいですけどね。ただ正直複雑だったんじゃないのかなと、勝手に思ったこともありますけどね。やっぱりメンバーにしてみれば、 突然M&Aによって会社が変わって、創業者や社長が退任していくことを、私たちとは別の立場でメンバーも「え?」と思ったことはあるんじゃなかったのかな。後日話してみてやっぱりそう感じてるメンバーは多かったので。

-杉原-
では別の聞き方をすると、ディ・ポップスグループは、ベンチャー魂に溢れて、若くて、起業したいって思う人もいたりする。そんな環境のグループに入ったことで、メンバーの皆さんの変化などを感じることはありましたか。

-窪田-
そうですね。例えば採用ミーティングでいうと、「負けたくない」というか、ライバルを意識しているなあと感じた点はありますね。また、グループ内でもしかしたらFA制度を活用して転籍ができるという制度があることもそうですよね。

他にも、持株会の話では何人か積極的な参加者がいたりとか、新しい発見もありましたね。

◆「ベンチャーエコシステムの実現」について

-杉原-
なるほど、様々な変化のあった約1年でしたね。続いて大事な質問です。ディ・ポップスグループが目指している「ベンチャーエコシステムの実現」に対して、まずどんな風に感じていらっしゃいますか。

-谷口-
そうですね、非常に良いものだと思っています。じゃあ私たちに何ができるかっていうところで言うと、当然グループ内でのエコシステムなので、 例えば、我々の社員を、グループ会社さんに提供しながらやっていくとか。例えばディ・ポップスの携帯ショップでは研修システムがあるというお話も聞いたので、我々の新入社員や社員研修として参加させてもらうとか、逆も然りですが、そういったところもエコシステムの1つになるのではと思います。

あとは、DXの部分です。。。弊社はDXに弱いので、それをこう、どういったところで、どういったグループ会社さんにお願いをしてできるのか等相談させていただきたいと思います。

-窪田-
私は、逆の意味で言えば、ベンチャーってやっぱり失敗するリスクもあるという中で、何かトラブルや良くない場合に助け合うみたいな部分も裏メニューとしてあるのかなと感じています。いい時だけじゃないので悪い時には支えあえるような。

-杉原-
ありがたいコメントですね。さて、ではエー・アンド・ケー・コムさんの10年後の理想の姿を教えてください。

-谷口-
やはり人材の育成が必要ですよね。新しい主力メンバーを今以上に増やしていきたいいと思いますので、その人材の育成が一つあります。

それと10年後の家電業界がどうなっているかも正直わからないですし、通信業界も今後も堅調に続いていくとは思うんですけど、どうなっていくかは見えないという流れで、これまではこの2本柱でずっとやってきましたので、それだけだと厳しいのは永遠の課題でした。もう1、2本大きい柱を立てていかないと、 これ以上の成長はないと思っていますので、10年後はそういう柱を増やし、 売上も3年以内に30億を目指してやっているので、それ以上に売上を増やしていけるような10年後であってほしいと思いますね。

-杉原-
素晴らしい。それに向けての課題はありますか。

-谷口-
やっぱり採用力であったり、営業力もそうですし、さっき言ったような人材の育成っていう、どうしていくかというところを課題としてあげたいと思いますね。

あとは今多様性の時代の中で、エー・アンド・ケー・コムを選んでくれたからには愛社精神を持ってもらえるような会社にして行けたらなと思います。当然グループ内転籍などもいいですが、エー・アンド・ケー・コムへの思いを持ったメンバーが増えていけばいいなと考えています。

◆ホームページを訪れた読者の方へ一言

-杉原-
最後に、このホームページを訪れた読者の方へ一言お願いします。

-谷口-
それではせっかくなのでエー・アンド・ケー・コムのメンバーに対して伝えたいと思います。私は現在54歳ですが、この年でも気持ちを切らさず頑張っています。若いみんなに負けじと頑張るので、これを見て、さらに頑張ってもらえる気持ちになってもらえたらありがたいと思います。

-窪田-
そうですね、ディ・ポップスグループの仲間になったので、メンバーにはこの機会をチャンスととらえてどんどん挑戦をして何かをつかんでほしいなあと思います。あと、ディ・ポップスグループのみなさんって笑顔で明るいですよね。本当は大変な苦労もされていると思いますが、ポジティブで、悪口とかもきかなくて、みんな笑顔で接してくれるというところはすごく見習いたいです。そういう雰囲気が私自身好きですし、A&Kもそうしていきます。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

 

◆追記 グループ社長合宿での学びや気づきについて

先日、D-POPS GROUP 代表 後藤の主催で、グループ会社社長合宿が行われました。海の見える素晴らしい環境での合宿で、経営戦略を明確に描けるようになることや経営者の人間的な成長を実現することを目的として実施しました。

◎谷口社長の感想
この度は、グループ社長合宿に参加させて頂き本当に有難うございました。
M&A後、経営者という立場で初めてこの様な貴重な刺激ある学びを受けることが出来、感謝しております。それで終わらせることなく行動に移し形に出来るよう日々精進して参ります。

また、その環境も素晴らしい天候に恵まれ最高の場所、最高の景色、食事、空気・・
何から何まで感動の連続でした。そして何よりも最高の運気を体中に染み込ませ帰宅する事が出来たこと、その運気を減らすことなく今後に生かしていき更に気を高めていきたいと思います!

今回の合宿では、特に経営者としての人間的な成長の実現、経営戦略を明確に描くこと、その為の3つの杭を打ち込む事の重要性、強運の引き寄せ方、それ以外にもたくさんの刺激ある学びを受けることが出来ました。

一つ一つ自分の中で整理をし実現に向けて尽力する所存です。グループのエコシステムサークルを更に大きくする為にその1歯車として加速させるべく尽力して参ります。

また、各グループ社長の色々な考え方や課題、悩みも聞くことが出来、そこでのディスカッション、アドバイザーの皆様からの沢山のアドバイス、今後の学びになり最高の合宿でした。有難うございました!

2025年1月20日

 

【株式会社エー・アンド・ケー・コム】
代表者:代表取締役社長 谷口 一也
所在地:東京都新宿区新宿5-16-11 新宿光ビル3F/4F
設 立:2001年1月
サイト:https://www.a-kcom.co.jp/

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D-POPS GROUPでは、現在約25社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、株式会社ディ・ポップスグループ 常務執行役員 経営企画室室長 及び 株式会社フェイスフル 代表取締役の加藤さんへインタビューいたしました。 (このインタビューは2025年12月に実施しました。) ◆入社の経緯 -杉原- 今回は、ディ・ポップスグループ 経営企画室室長でM&Aを担当されている加藤さんにお話を伺います。加藤さんは、グループ会社である株式会社フェイスフルの代表も務められています。本日はよろしくお願いいたします! 加藤さんは2006年8月にご入社されたと伺っていますが、それまでのご経歴と、入社の経緯を教えていただけますか? -加藤- 前職は仙台の会計事務所で、財務コンサルタントとして医療法人の設立支援やメディカルモールの開業支援などを担当していました。そこで5年ほどがむしゃらに働きました。 当時は、成果を出せば出すほど給与に反映される報酬形態の会社で、23歳という若さで地方企業に関わらず、年収500万円ほど稼いでいたんです。今から20年前の物価感覚で言えば、かなり破格の待遇だったと思います。 ただ、若くして稼げるようになった分、いつの間にか意識の矢印が「お客様」ではなく「自分の収入」に向いてしまっていました。「このお客様なら、この位の保険を契約してもらえるな」と、自分の利益を優先して考えてしまう。そんな慢心があったのだと思います。 そんな時、学生時代のアルバイトから大変お世話になり、恩人が独立して事業を始められたんです。その社長は「加藤が頑張っているなら」と私の最初のお客様になってくれました。しかし、私が昇進したことで、直接その方を担当するポジションから外れてしまい、気持ちが離れてしまいました。しばらくして、彼の事業が行き詰まり、廃業してしまったんです。 普通高校で簿記を学び始めた頃、私は「将来、社長の役に立ちたい」という純粋な志を持っていました。それなのに、目先の利益に目が眩み、大切な恩人の変化にも気づけなかった。自分の慢心が招いた結果だと、激しい後悔に苛まれました。 「社長を外部コンサルタントとして遠くから支えるよりも、近くの1人の社長の右腕になったら、どれだけ社長を支え、事業をスケールできるだろう」と思って転職活動をはじめしました。 -杉原- そのときに後藤社長に出会われたんですか。 -加藤- はい。当時、ディ・ポップスともう一社の2社を受けていました。 もう一社の方は、内定後すぐに「今すぐ入社してほしい」という条件でした。しかし、当時の私はまだ仙台に住んでおり、娘が生まれる直前というタイミング。どうしても「3ヶ月待ってほしい」と伝えましたが、それでは難しいと断られてしまったんです。 一方、後藤社長は違いました。私の事情を正直に伝えると、「分かった。3ヶ月待つよ」と言ってくださったんです。その懐の深さに触れ、ディ・ポップスへの入社を決めました。 今でも忘れられないのは、面接の密度です。1次・2次と2回を行ったのですが、すべて後藤社長が自ら面接対応してくださり、それぞれ3時間以上、計6時間以上も将来の目標や想いを聞き、できる事をお伝えしました。あの濃厚な対話があったからこそ、この人の元で再出発しようと確信できました。 ◆入社当時のディ・ポップスについて -杉原- 3時間!すごいですね。加藤さんが2006年に入社した当時の役割は何だったんでしょうか? 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-加藤- 店舗のオペレーションを正確に把握するために、2週間だけ現場に入ったことがあります。現場でどこにどのような課題があるのか、その流れを一通り理解した上で、再び本社の業務に戻りました。 入社時は管理部という所属でしたが、私の出す提案が企画寄りであったり、工夫や改善を求められる内容が多かったりしたこともあって、「『経営企画』という名前に変えて、もっと外に出て動きなさい」とアドバイスをいただいたんです。そこから約10年間、経営企画として長く務めることになりました。 ◆M&A戦略の始動とフェイスフルとの出会い -杉原- 2017年にフェイスフルの代表取締役に就任されていますが、ここにはどのような背景があったのですか? -加藤- グループが売上100億円を達成した2015〜16年頃、販売制度の変更という大きな逆風が吹いたんです。3ヶ月で1億円の赤字を出すという、グループにとって2度目の大きな危機でした。 この時、当時の幹部メンバーたちが「守りに入るのではなく、挑戦する姿勢を見せよう」と、それぞれが新しい領域へ踏み出すことになりました。人事を担当していた堀さんが、グッド・クルーの社長として牽引したり、岩間さんがM&Aで譲受したジーネクストの社長に就任したり。藤田さんがアドバンサーを、保坂さんがSTAR CAREERを設立したりと、当時の幹部から大きく動き出しました。 その中で、私はM&Aの責任者を任されることになりました。 -杉原- M&A戦略へと舵を切ったのは、必然だったのでしょうか。 -加藤- そうですね、私が担当したのは自然な流れでした。後藤代表は以前からM&Aをやりたいと仰っていましたし、自社内のリソースだけで積み上げるビジネス(オーガニック成長)だけでは、成長の角度を劇的に上げることはできないという危機感がありました。労働集約型のモデルだけでは、成長を逆算して描くのが難しかった。そこで、M&Aを成長戦略の柱に据えることになったんです。 実はフェイスフルという会社も、私がM&A担当として譲り受けた会社の一つでした。 -杉原- 自らM&Aを決めた会社の代表に、そのまま就任されたわけですね。 -加藤- はい。M&Aの1号案件はgraphDという会社で、そして2社目に買収したのがフェイスフルでした。自分で買収を提案して推した会社ですから、その後の舵取りも自ら引き受けることになったというのが代表就任の経緯です。 -杉原- 2015年から16年にかけて、組織のあり方が激変したのですね。 -加藤- まさに、今のグループ経営の土台が作られたスタートの時期でした。 -杉原- M&A担当として2社目に買収したのがフェイスフルとのことですが、当時の事業概要を教えてください。 -加藤- 実は、M&Aした直後数ヶ月でピボット(事業転換)を余儀なくされたんです。 当初、フェイスフルは記事制作代行の事業をメインで行っていました。ところが、そのタイミングでキュレーションメディアの信頼性問題が社会的に発生し、業界全体に激震が走ったんです。その煽りを私達も受けて、私たちの手がけていた記事も炎上してしまいました。 売上の7〜8割を占めていた主力事業が続けられない状況になり、一気に大赤字に転落。普通ならM&Aは失敗だったと諦めてしまうような局面でしたが、ここで撤退してしまえば次の一手が打てなくなります。そこで、不採算となった旧事業を切り離し、再起を図ることにしたんです。 ◆持続可能なBtoBモデルの構築へ -杉原- そこからどうやって、現在の事業へと作り替えていったのですか? -加藤- 現在に至るまでの事業は、買収したときの中身を引き継いだのではなく、完全にゼロから作り上げたものです。 当時、弊社の社外取締役でファインドスターグループの内藤社長が、取締役会で「既存のビジネスを少しずつずらしていくと、新しいビジネスチャンスが見つかるよ」というアドバイスをいただいていました。そこで、「もし自分たちが携帯電話を店舗販売していなかったら、何ができるだろう?」と考え、ターゲットを法人(BtoB)に絞った通信コンサルティングに振り切ることにしたんです。 新規事業を立ち上げたわけですが、当時、私はずっとディ・ポップスグループの役員で銀行担当も兼務していました。周囲からは「現場が疲弊しない、持続可能なビジネスを作ってくれ」という期待もあり、それなら「銀行をリファラルパートナー(紹介者)に迎えたモデル」がベストだと思い付き、ご提案してパートナーになっていただきました。 ◆フェイスフルの強みと「働く仲間」への想い -杉原- 現在のフェイスフルの事業を一言で表すと、どのような事業になりますか? -加藤- 一言で言えば中小企業の支援事業です。もともとはメディア事業を譲り受けたわけですが、それをピボットし、全く新しい形で中小企業の課題解決を行う現在のコンサルティングモデルを構築しました。 -杉原- 数あるコンサルティング企業の中で、フェイスフルの強みはどこにあるのでしょうか。 -加藤- やはり、長年携帯ショップを経験を積んできたスタッフがコンサルティング提案するので、ノウハウをすべて活かせることが、圧倒的な強みですね。 他社の法人向けOA機器サービス会社は、商材を売って終わりの売りっぱなしになりがちです。その後のフォローが難しいし、キャリアさんとの深い付き合いがないので、踏み込んだ調整も難しい。 私たちはキャリアさんとの強固なリレーションを背景に、公正中立な比較提案ができますし、何より現場を熟知したメンバーがそのまま移籍して活躍できる環境があります。 -杉原- 働くメンバーの環境という視点も、事業立ち上げの背景にあったのですね。 -加藤- 実は、そこには裏の目標もありました。店舗業務はどうしても土日がメインになりますが、BtoB(法人向け)事業であれば平日メインの働き方を作ってあげられる。 メンバーがキャリアアップしていく中で、より高い専門性を身につけ、付加価値を乗せていける。そんなBtoBの領域を深掘りすることで、働く仲間の将来の選択肢を広げたかったという想いがあります。 -杉原- 店舗での店舗営業(BtoC)から、法人営業(BtoB)への転換は、メンバーにとってかなり高いハードルだったのではないでしょうか? -加藤- そこはもう、今でも大きな葛藤があり、試行錯誤の連続です。営業スタイルも必要な知識も全く違いますから、その超えられない壁は想像以上に大きいものでした。 フェイスフルのメンバーは圧倒的にグループ内からの転籍組が多いのですが、最初から法人営業として募集し、専門特化して作られた組織とは立ち上がりの性質が異なります。いかにして店舗で培った接客力を、法人の課題解決力へと昇華させるか。そこは常に組織としての課題であり、挑戦でもありますね。 ~後編に続く~ ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社ディ・ポップスグループ】 常務執行役員 経営企画室室長 加藤 貴博 【株式会社フェイスフル】 代表者:(共同)代表取締役 加藤 貴博 所在地:東京都渋⾕区渋⾕2-21-1 渋⾕ヒカリエ32階 次回後編のインタビューでは、 ・M&A責任者としての奔走 ・「人」を重視するD-POPS GROUPのM&A ・後藤代表が大切にする「気の流れ」 ・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて ・5年後の理想の姿 などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!
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2026.03.12
起業家の未来が変わる1日。ベンチャーエコシステムサミット2025、熱狂の舞台裏~後編~
今回は、2025年10月に開催したベンチャーエコシステムサミット2025の主催である後藤社長と運営本部の3名にインタビューいたしました。 (このインタビューは2025年12月に実施いたしました。) 前編の記事はこちらからご確認ください。 ◆懇親会について -杉原- 懇親会では、90年代の洗練された音楽やライブパフォーマンス、そして吟味されたお酒や食事が用意されており、一般的な講演会後の懇親会とは一線を画すものでした。ここにも後藤社長の並々ならぬこだわりが詰まっていたと思いますが、詳しく教えていただけますか。 -後藤- もともと「最高にクールな音楽を生演奏で聴きながら、お酒を飲める」という空間を作りたかったんです。最初はジャズも検討したのですが、普通のジャズバンドではどこかありきたりだなと。もっとエッジの効いたかっこよさを追求したくて、グループ会社であるopztの赤松社長に相談しました。 赤松さんから「どんなアーティストがいいですか?」と聞かれた際、「自分たちの世代が学生時代に心酔していた、90年代の伝説的なアーティストが理想だ」と伝えたんです。そこからいくつか提案をもらったのですが、私のこだわりが強すぎて、なかなか首を縦に振れなくて(笑)。 最終的に「そこまで仰るなら、最初にかっこいいと挙げていた二組に出演交渉してみます!」と動いてくれて、結果として私が青春時代に憧れた伝説のアーティスト二組の出演が決定しました。彼らは今でもコアなファンが多く、高額なチケットでも即完売するような方々です。40代後半以上の世代には懐かしく、それ以下の世代には「90年代にこんなに格好いい音楽があったんだ」という発見を共有したかった。 最高の音楽が揃うなら、飲み物も最高でなければならない。そう考え、飲み物は私のポケットマネーで別途用意することにしました。舌の肥えた社長たちが集まる場ですから、皆様に心から満足していただきたかったんです。お酒を取り扱うビジネスをしている友人のファイブニーズ 岡崎社長に相談し、実現したのが「Goto’s Bar」です。 ホテルのラインナップに加え、特設した「Goto’s Bar」では、私が愛してやまないケンゾーエステートのワインをはじめとする銘酒を揃えました。自分が最高だと感じる音楽とドリンク。この組み合わせで、皆様に極上の時間を過ごしていただけたのではないかと思っています。 -杉原- まさに大人の社交場ですね。その後の2次会でも、素晴らしいエピソードがあったと伺いました。 -後藤- そうなんです。懇親会で乾杯の挨拶をしてくださったポジティブドリームパーソンズ(PDP)創業者の杉元さんが、自社で経営する「ザ・テンダーハウス」を2次会会場として手配してくださったんです。1階をほぼ貸し切り状態で使わせていただき、参加者だけでなく運営メンバーまで招いていただきました。 宴もたけなわとなり、私が支払いをしようとしたところ、ある後輩経営者が「後藤さんにこれ以上出させるわけにはいきません。僕が皆から集めます!」と立ち上がってくれたんです。すると、杉元さんと共に乾杯を務めてくださったウィルグループ創業者の池田さんが、「いや、ここは俺が全部払うわ!」と、その場の支払いをすべて引き受けてくださって。 私が心から尊敬するお二人の先輩による、あまりにも粋な計らい。そのお気持ちが本当に嬉しく、胸が熱くなりました。 -杉原- これほどこだわりが凝縮されたセミナーや懇親会となると、会場となるホテルのスタッフさんとの連携もかなり緻密に行われたのではないでしょうか。準備の過程での裏話などがあればぜひ教えてください。 -柴田- 本格的な打ち合わせが始まったのは2024年の12月でした。正直なところ、私はそれまで社内イベントの経験しかなかったので、「これほど前から準備する必要があるのだろうか」と疑問に思う瞬間もありました。ですが今振り返れば、あの時期から動いておいて本当に正解だったと感じています。 開催の半年前からは、まさに怒涛のスケジュールでした。先ほど後藤社長がお話しした食事や飲み物はもちろんですが、客席の配置にも徹底的にこだわりました。1テーブルに並べる椅子を8脚にするか9脚にするか。図面だけでは実際の感覚が掴めないので、後藤社長と一緒に何度も会場へ足を運び、実際に椅子を並べて座ってみたんです。「この間隔なら窮屈さを感じず、リラックスしていただけるか」と一つひとつ検証しながら作り上げていった時間は、非常に濃密なものでした。 また、先ほどお話しした「Goto’s Bar」の設置にあたっては、ホテルの持ち込み料という現実的な課題もありました。こちらが独自にお酒を用意したい一方で、ホテル側としてもビジネスとして利益を確保する必要があります。 そこで私は、ホテル側にこうお伝えしました。「今回の参加者は、数億から数千億円規模の企業を率いる経営者ばかりです。この会場を素晴らしいと感じていただければ、今後皆様のビジネスに繋がる可能性が非常に高いはずです」と。ホテルの皆様にもその趣旨を深くご理解いただき、最終的には持ち込み料を無料にしていただくという、大変ありがたい柔軟なご対応をいただきました。 もう一点、ホテルのスタッフさんは土日がメインの稼働となるため、連絡も土日が中心になります。開催日が近づくにつれ、週末も一時も携帯を手放せない状況が続きました。さまざまな調整で無理をお願いすることも多かったのですが、イベント終了後、ホテルのスタッフの方から「ホテル側の視点から見ても、本当に素晴らしい会でした」と言っていただけたときは、報われた思いがして本当に嬉しかったですね。 ◆運営メンバーについて -杉原- 当日はD-POPS GROUPから約20名もの運営メンバーが駆けつけ、一丸となってサポートされていましたね。事前に綿密な打ち合わせを重ねたと伺いましたが、特に進行を管理する松谷さんは、かなり詳細な運営資料を作成されたそうですね。チーム連携において工夫された点を教えてください。 -松谷- そうですね。実は今回の運営メンバーの半数以上は、直接仕事をするのが初めてだったんです。そのため、最初は「なぜ彼が仕切っているんだろう?」と思われないか、少し不安もありました(笑)。 ただ、今回は後藤社長が強い想いを込めて創り上げているイベントであり、細部にまで多くのこだわりがありました。運営として最も重要なのは、いかにそれらの情報をメンバーへ正確に共有できるかだと考えていました。 単に「ミスなく運営する」こと以上に、このイベントの至上命題である「起業家の一日を変える体験」をどう創り出すか。そのために、なぜタペストリーをこの位置に掲げるのか、なぜこの座席配置なのかなど、一つひとつのこだわりに対して「なぜそれを行うのか」という背景や意図を伝えることが、非常に重要だと思ったんです。 私は、後藤社長のビジョンを皆に橋渡しする立場。その想いを正しく伝播させるために、必然的に詳細な資料が必要になったという形ですね。 また、例えば駅前でプラカードを持って誘導する役割などは、他のスタッフからは見えない場所での孤独な作業になります。私自身の経験からも、こうした役割はつい気が緩んでしまいがちなのですが、そこを自分事としてやり抜いてもらえるよう、事前にしっかりと意義を伝え、お願いをしました。 -杉原- 一人ひとりの高い意識が、あのスムーズな運営を支えていたのですね。 -松谷- 実は、運営チーム全体でのミーティングは事前の1回と当日の朝だけだったんです。細かい指示をすべて出す時間は到底ありませんでした。そのため、各チームリーダーに情報を集約し、あとは「現場の判断に任せます」とお願いしたんです。 それでも、案内プラカードを掲げて誠実に対応してくれたり、遅れて来場された方へ即座にお声がけしたりと、全員が期待以上の動きをしてくれました。マニュアルを超えて、それぞれが自律的に素晴らしい対応をできたのは、D-POPS GROUPが大切にしている「感情移入」というスタンスや、クレドが全社員に深く浸透しているからこそ実現できたのだと確信しています。 ◆イベントグッズや映像について -杉原- 何度も打ち合わせを重ねた結果というだけでなく、日頃から「気配り」を当たり前に実践されているメンバーの皆さんの姿勢、本当に素晴らしいですね。 また、今回は事前公開された特設サイトをはじめ、当日の冊子やクリアファイル、Tシャツなどのグッズ類、さらには千本さんや藤崎さんをご紹介する映像演出まで、クリエイティブの質の高さも際立っていました。こうした制作物関連はどのように準備を進められたのでしょうか。 -川口- サイトや冊子、グッズの制作に関しては、グループ会社のアイデアランプさんに多大なるお力添えをいただきました。 弊社のコーポレートサイトも手掛けていただいているので、D-POPS GROUPが求めるビジュアルイメージはもちろん、私たちのビジョンやフィロソフィまでも深く理解してくださっています。 そのため、今回の「起業家の未来が変わる1日にしたい」というコンセプトをお伝えした際も、意図を汲み取るスピードが非常に早く、本当に心強かったですね。 ただ、後藤社長のこだわりは、私たちが想像する以上に細部まで及びます。 例えば特設サイトの「Speakers」セクションにあるスプラッシュのデザイン。当初は少し丸みを帯びたデザインだったのですが、社長のイメージは違いました。「ユニコーンが力強く駆け抜けた瞬間の、鋭く、勢いのある線でなければならない」という強い想いがあったんです。 アイデアランプさんと何度もやり取りを重ね、社長の理想とする力強さを表現したスプラッシュへとブラッシュアップしていきました。社長自らが細部にまで魂を込める姿勢を見せてくださるからこそ、私も「このイメージを絶対に具現化したい」と強く思いますし、クリエイターの皆さんもそれに応えてくださる。こうした関係性を築けていることに、改めて感謝しかありません。 -杉原- 映像も素晴らしかったですね。 -川口- オープニングムービーや千本さんや藤崎さんの紹介映像などを制作してくださったのは、ポイントゼロさんです。先ほどお名前の挙がったPDPの杉元社長からご紹介いただいたご縁で、以前から弊社のコーポレートサイトの動画などを手掛けていただいています。 制作前の打ち合わせでは、後藤社長から「このイベントに込めた想い」や「動画を通じて伝えたいメッセージ」を直接語っていただきました。長年のお付き合いで社長のこだわりを熟知してくださっていることもあり、映像の仕上がりはほぼ一発OK。こちらの期待を遥かに超えるクオリティを提示してくださいました。 今回のイベントの世界観を創り上げるにあたって、アイデアランプさん、そしてポイントゼロさんの協力は不可欠でした。私たちの想いに伴走してくれる素晴らしいパートナー企業と出会えたことを、本当に幸せに思います。 ◆後藤社長と準備を進める中で感じたこと -杉原- 後藤社長の並々ならぬ想いとこだわりが、これほどまでに細部まで宿っていたのですね。今回、運営本部の3名が後藤社長と伴走しながら準備を進める中で、それぞれが感じたことや学んだことを教えてください。 まずは柴田さんからお願いいたします。 -柴田- そうですね。私はこれまで会議や研修を通じていろいろな教えをいただく機会はありましたが、後藤社長とここまで密に、いわゆる実務を共にしたのは、実はおそらく初めてのことでした。 今回、間近でお仕事をさせていただいて心底すごいと圧倒されたのは、後藤社長の凄まじいまでのプロ意識です。 「仕事は細部に宿る」という言葉は、私も入社した時からずっと聞かされてきました。挨拶や店舗を清潔に保つことなど、自分なりに意識して取り組んできたつもりです。 しかし、後藤社長が実際にどれほどの熱量で細部にこだわっているのか。その真髄を目の当たりにする機会はこれまでありませんでした。今回のイベントを通して、席次表のひとつ、食事の一品にいたるまで、「本当にここまで見るのか」「ここまでやり切るのか」という徹底した姿勢を目の当たりにしました。これほどまでに細部を突き詰めて仕事を完遂させるからこそ、あれほど心強い最高の応援団がついてきてくださるのだと、肌で感じることができました。 そして何より、後藤社長の最も素晴らしい点は「最後の最後まで逃げずに決定し続けるプロ意識」です。この姿勢を自分も日頃の仕事の中で徹底しなければならないと、改めて身の引き締まる思いがしました。 -松谷- 私も、後藤社長と仕事で直接ご一緒させていただくのは今回が初めてでした。 準備期間中は、柴田さんと同じく「ここまでこだわるのか」という驚きの連続でしたね。例えば席次表ひとつとっても、一度作って終わりではありません。後藤社長は一人ひとりの関係性をすべて考慮しながら作成されるのですが、その後も「一旦こう決めたけれど、やはりこの卓の組み合わせを変えよう」といった調整が5回ほど繰り返されました。 私たちが制作側として仕事を受ける際、通常は依頼者側がそこまで細部を詰めていないケースも多いものです。しかし後藤社長の場合、常に制作側の想像の上を行く構想をお持ちなので、受ける側も極限まで考え抜かなければなりません。ひとつ課題をクリアするたびに期待値が上がり、さらに高いレベルで応え続ける。そうした真剣勝負を繰り返す中で、「仕事の質とはこうして高まっていくものなのだ」と身をもって体感することができました。 また、イベントが終わってから今にかけて、深く実感していることがあります。後藤社長は日頃から「良い気が流れているか」「幸運を引き寄せられるか」というお話をされますよね。私はグループにジョインしてから、その言葉の真意を頭では理解しつつも、実体験として「これだ!」と感じる機会がなかなかありませんでした。 ですが、今回のイベントを通じて、それがようやく分かった気がします。会場全体に満ちていた「良い気」、そして参加者の皆さんの溢れんばかりの満足感。その源泉を紐解くと、後藤社長が創業したディ・ポップスの原点である店舗ビジネスに行き着くのだと感じました。 今の時代、接客業を敬遠する若者も少なくありませんが、無くなれば誰もが困る大切な基盤です。その現場で培われた「隅々にまでこだわる姿勢」が、まさにこの「良い気」を生み出している。自分たちの手で良い流れを作り出しているのだと、社長の隣で強く実感できたイベントでした。 -川口- 私はお二人とは逆に、日頃から後藤社長の側で仕事をさせていただいているので、昨年「このサミットをやるぞ!」と後藤社長が宣言された瞬間に、「これは、相当忙しくなるぞ・・・!」と覚悟を決めました(笑)。 お二人が仰ったこだわりの部分は、ある程度予測できていたというか、一度で決まらないことも承知していました。ですので、これまでの経験を活かして前倒しで動くよう心掛け、細心の注意を払って臨んだつもりです。それでも、今回の社長の熱量はこれまでにないほど凄まじく、何とか必死に食らいついていったという感覚です。 今回、以前から社長に教わっていたことで、ようやく腑に落ちたことがあります。それは、「どれほどお金をかけたものよりも、こちらの想いや熱量を詰め込んだものこそが、相手に伝わる」ということです。 莫大な広告費を投じて人を集めても、そこに魂がなければ何も伝わりません。今回は全員が招待制で、派手な広告を打ったわけでもありませんが、後藤社長の想いが純粋に乗っていたからこそ、参加者の皆様の満足度がこれほどまでに高まったのだと実感しています。 松谷さんが仰った「会場の気の良さ」も、細部の細部にまで後藤社長がこだわり抜き、一つひとつに想いを込め尽くしたからこそ生まれたものです。「ここが少し変だ」「対応が悪い」といった不満が出る隙がないほど徹底されていた。その想いが伝わったからこそ、参加者の皆様が自発的に「本当に良いイベントだった」と周囲に広めてくださっています。こうして少しずつベンチャーエコシステムという輪が広がっていくのだと体感できたことが、私にとって最大の収穫でした。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」について -杉原- ありがとうございます。今回のイベントを通じて、D-POPS GROUPが目指す「ベンチャーエコシステムの実現」というビジョンが、より多くの方々に深く伝わったことと思います。最後に、その実現に向けての現在の想いをお聞かせください。 -後藤- 我々にとっても、この日が真のスタートラインだったと感じています。 ベンチャーエコシステムを創り上げるという意味において、ようやくその入り口に立った。そんな感覚があるんです。というのも、起業家や経営者のみならず、幹部や社員、そしてその家族に至るまで、経営に苦しんでいる方々と触れ合えば触れ合うほど、私たちが成すべきことが次々と見えてきますよね。それはもう、無限にあるのではないかと思うほどに。 私は、自分の人生の中でこのエコシステムをある程度の形にまで持っていきたいという強い気持ちで取り組んでいますが、これは同時に途方もない挑戦だとも自覚しています。どれだけやり遂げても終わりがありません。80点、90点までは到達できたとしても、おそらく100点満点というゴールは存在しない。 「もっとこんな支援をしてあげたかった」「あの方を救えなかったか」という悔しさは、これからも消えることはないでしょう。私たちが支援しきれなかった方が、後に素晴らしい経営者として名を馳せるようなこともあるかもしれません。 そうした意味で、このエンドレスな戦いに挑む私たちにとって、このサミットは「これからどのようにベンチャーエコシステムを構築していくべきか」を見つめ直す、大きなターニングポイントになったと確信しています。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太
  • INTERVIEW
2026.02.26
起業家の未来が変わる1日。ベンチャーエコシステムサミット2025、熱狂の舞台裏~前編~
今回は、2025年10月に開催したベンチャーエコシステムサミット2025の主催である後藤社長と運営本部の3名にインタビューいたしました。 (このインタビューは2025年12月に実施いたしました。) ◆イベントを終えての感想 -杉原- 本日は、「ベンチャーエコシステムサミット2025」の主催者である後藤社長と、運営本部の柴田さん、松谷さん、川口さんにお話を伺います。 まずは、イベントの大成功、本当におめでとうございます!参加者の方々からの反響も凄まじかったですし、私自身も一参加者として心から楽しませていただきました。大きなプロジェクトを終えられた今、率直なご感想をお一人ずつお聞かせいただけますか。 -後藤- 今はただ、安堵の気持ちでいっぱいです。というのも、起業家の方々は非常に目が厳しいんですよね。たとえ言葉で「よかったです」と言ってくださっても、本心でなければ表情ですぐに分かってしまいます。もし納得いかない点があれば、遠慮なく直接フィードバックをくださる方々ばかりですから。 そうした厳しい視点を持つ起業家の皆さんに満足していただけるイベントを無事に開催できた。その意味では、とにかく「ホッとした」という言葉に尽きますね。 -杉原- 全力を出し切ったかと思いますが、イベント終了後に体調を崩されたり、熱を出されたりしませんでしたか? -後藤- 幸い高熱までは出ませんでしたが、一瞬ガクッときましたね(笑)。やはり本番までは気を張っていたのか、翌日は何とも言えない脱力感というか、ぐったりしてしまいました。 -杉原- 本当にお疲れ様でした。それでは続いて柴田さんお願いします。 -柴田- そうですね、私も後藤社長と非常に近いのですが、一言で表すなら「熱狂」と「安堵」、この2つに集約されます。 ただ、私の感じた「安堵」は後藤社長のものとは少し性質が違っていて、まずは何よりも「無事にイベントを完走できた」という事務局としての安堵がひとつ。 そしてもうひとつは、今回私はグループの事務局長という立場で参加させていただいたのですが、準備期間中は運営本部の皆さんに少なからず負担をかけたり、思い通りに進まず苦労した場面もありました。だからこそ、終了後に皆さんから「素晴らしいイベントだった」という言葉をいただいたとき、ようやく肩の荷が下りたような安心感がありました。 振り返ってみれば、準備から本番まで走り抜けたあの期間は、まさに「熱狂」そのものだったなと感じています。 -杉原- 皆さん本当に生き生きとされていて、内側から輝いているようでしたね。続いて、松谷さんはいかがでしょうか。 -松谷- 私は今、静かに込み上げてくるような充実感に包まれています。イベントの最後、千本さんのご講演と後藤社長の締めのご挨拶を伺っている時、形容しがたいほどの感動を覚えたんです。 この形で開催できて本当に良かった。まるで、重厚で美しい交響曲を聴き終えた時のような、晴れやかな心地でした。会場全体のバランス、そして登壇者の方々や参加者の皆さんが放つ凄まじい熱量とパワーを肌で感じ、「このイベントを形にして、本当に良かった」と心から実感しました。 また、スタッフ一人ひとりの動きも素晴らしかったです。私たちが大切にしている「感情移入」というスタンスを、全員が現場で体現してくれていたことも印象的でした。 -後藤- スタッフの動きについては、参加者の方々からも本当によく褒めていただきました。スタッフの細かな動きまでしっかり見ているあたりは、さすが経営者の方々だなと感心しましたね。 駅から会場までの道中、看板を持って誘導に立ってくれていたスタッフもいましたが、屋外での案内業務は想像以上にハードな仕事です。そうした陰の努力まで見てくださった社長の皆さんが、「運営が本当に素晴らしかった」と口々に仰ってくれました。会場内での細やかな配慮も含め、皆さんの対応は一貫して見事なものでしたね。 -杉原- ありがとうございます。それでは、川口さんお願いいたします。 -川口- 私も皆さんと同じく、まずは無事に終わってホッとしたという思いと、まだ10月ではありましたが「この1年をやり遂げた」という達成感でいっぱいです。 実は、このイベントの準備をスタートしたのは2024年の12月からなんです。ホテルの会場見学から始めたのですが、当初は予約を取ること自体が難しく、日程調整に奔走したところからのスタートでした。そうした経緯もあり、自分の中ではこの1年間の全エネルギーを注ぎ込んだような感覚があります。 今年1年、「ベンチャーエコシステムサミットを成功させよう、盛り上げよう!」という強い気持ちで走り続けてきました。10月にしては少し気が早かったかもしれませんが、自分にとって今年最大のミッションを終え、今は心地よい脱力感に包まれています。 ◆イベント開催の理由 -杉原- 1年も前から準備を重ねてこられたのですね。一参加者として、後藤社長の熱い想いがダイレクトに伝わってくる素晴らしいイベントだと感じました。改めて、ベンチャーエコシステムサミットを開催しようと決めた背景や理由を教えていただけますか。 -後藤- D-POPS GROUPでは毎年、年末のグループ総会に、KDDIの共同創業者であり弊社の会長を務める千本さん、そして元駐米大使で弊社顧問の藤崎さんが登壇しています。お二人の話には、毎年魂を揺さぶられるような「特別なもの」を感じるんですよね。 ふと思ったんです。これほど価値のある体験をグループ内だけに留めておくのは、社会的な損失ではないかと。内輪だけで完結させるのではなく、今まさに全力で挑戦している起業家の皆さんに「見て、聴いて、感じてほしい」と考えたのが、一番の動機です。 それと同時に、これまでにない「ベンチャーエコシステム」を構築し、社会の役に立つプラットフォームを作ろうとしている。その私たちの姿勢を多くの方に知っていただきたいという思いもありました。 世の中にはVCやエンジェル投資家、国や自治体による支援など、多種多様なベンチャー支援が存在します。しかし、現状はどこか「縦割り」なんですよね。あらゆる角度から全方位的な支援ができるプラットフォームは、まだこの世に存在しないと思っています。もちろん、我々もまだその完成形には達していません。ですが、このエコシステムに関わる起業家やメンバーが、「自分たちは世界で初めてのプラットフォームを作り上げようとしているんだ」と実感できる場所まで辿り着きたいと考えています。 その構想を世の中にしっかりと伝えていくためには、今回のタイミングがベストでした。あれだけの起業家が集まれば、彼らのインフルエンサーとしての発信力は凄まじいものがあります。1人が10人に伝えてくれれば、一気に数千人にまで広がっていく。素晴らしい起業家の皆さんにエコシステムの意義を伝えることは、今後の展開において非常に大きな意味を持つと確信しています。 -杉原- 確かにおっしゃる通りですね。一般的なイベントであれば、たとえ1,000人の来場者が集まったとしても、その中には会社の指示でやむを得ず参加している方や、途中で集中力が切れてしまう方もいらっしゃるのが現実です。 しかし、今回のサミットは参加者全員が経営者。会場全体の「この1日で何かを学び取ろう、吸収しよう」という意識の高さには、圧倒されるものがありました。 -後藤- 実は今回の参加者の皆さんは、全員私からの直接招待なんです。私の周囲には情熱的で努力家な方が非常に多く、本当はもっとたくさんの方をお呼びしたかったのですが、会場キャパシティの関係でお声がけを断念せざるを得ない方もいたほどでした。 それだけに、選ばれた参加者の皆さんはこのイベントに対して並々ならぬ熱量を持って臨んでくれました。あの会場の熱気は、そうした志の高い方々が集まってくださったからこそ生まれたものだと思います。 -杉原- 参加者の皆さんも、並外れて成長意欲の高い方ばかりでしたね。当日、お客様対応を一手に引き受けられていた柴田さんは、現場で皆さんの熱量をどのように感じていましたか?また、運営にあたって苦労された点などもあれば教えてください。 -柴田- 冒頭で感想として挙げた「熱狂」という言葉は、まさに会場の「熱量」そのものを指しています。 正直なところ、私も仕事柄さまざまな勉強会に参加する機会がありますが、やはり杉原さんがおっしゃるように「会社の指示で来ているんだろうな」という空気感の方を見かけることも少なくありません。 ですが今回のイベントでは、全体を俯瞰する運営の立場から見ていて、参加者の皆さんが一瞬たりとも目を逸らさず、全員が顔を上げて登壇者の方々を凝視していた光景が非常に印象的でした。「この一瞬からすべてを学び取り、絶対に自社に活かしてやろう」という本気の気迫が、後方にいてもひしひしと伝わってきたんです。客席でこれほどですから、壇上の方々はより一層強いエネルギーを感じていたのではないでしょうか。 苦労した点について、結果的には取り越し苦労で終わったのですが、準備段階では後藤社長と「いかにして経営者の方々に集中してもらうか」という戦略をかなり練り上げました。 経営者の皆さんは意思が強く自由な方が多いので、最後まで飽きさせないコンテンツの内容や登壇の順番、緻密な時間配分など、細部まで徹底的にこだわったんです。 ただ、いざ蓋を開けてみたら、そこには後藤社長が心から信頼して招待した方々の姿がありました。登壇者も参加者も、驚くほど「誠実・謙虚・感謝」を重んじる方ばかりで、全員が自分事として本気で参加してくださった。苦労するだろうと覚悟して準備したことが、拍子抜けするほどスムーズに進んだことが、私の中では一番の驚きであり、深い感銘を受けたポイントでした。 ◆イベントの出演者について -杉原- ありがとうございます。今回のセミナーは、登壇者のラインナップも非常に豪華でしたね(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。まずは、千本さんや藤崎さんといった日本を代表する方々に講演を依頼された経緯と、参加者の皆さんの反応について教えてください。 -後藤- まず、千本さんと藤崎さんのご講演が聴けるというだけで、「何としても参加したい」と感じた方は相当多かったのではないでしょうか。 お二人の話がどれほどプライスレスな価値を持っているか。それは弊社のメンバーであればよく理解していますが、多くの起業家にとっても同様です。千本さんは、挑戦を続ける起業家なら誰もが一度は直接お話を伺いたいと願う存在ですし、一方で藤崎さんのような、元駐米大使という立場で外交や国際情勢の最前線にいらした方のお話は、経営者といえども普段はなかなか触れる機会がありません。 しかし現在、世界情勢は激動の中にあります。アメリカや中国といった大国の動向がビジネスに直結する今、経営者の皆さんは非常に高いアンテナを張っています。だからこそ、藤崎さんの視点を知りたいというニーズは確実にありました。このお二人の登壇が決まった時点で、イベント成功に向けた「盤石な土台」は固まったと確信していました。 ですので、企画の真っ先に、まずはお二人にお願いすることを決めました。千本さんにご相談したところ、「素晴らしい試みだ。ぜひ私も参加するし、全面的に協力しよう」と即諾していただいたんです。当日のプレゼンテーションからも、お二人が本気で起業家たちにメッセージを届けようとしてくださっているのがひしひしと感じられましたね。 -杉原- 今回はさらに、ファインドスターグループの内藤社長や、NTTドコモビジネスの本髙様にもご講演いただきました。お二人に依頼される際、どのようなやり取りがあったのでしょうか。 -後藤- 内藤さんは弊社の社外取締役を務めていただいていますし、本髙さんも親友のような間柄ですので、お二人とも快く引き受けてくださいました。ただ、非常に深い関係性だからこそ、あえてこちらからも高いハードルをお願いしました。 相手は感度の鋭い起業家集団です。例えば内藤さんであれば、これまで数多くの講演や勉強会に登壇されていますが、「今までどこにも話したことがないような、一歩踏み込んだ内容をプレゼンしてほしい」とオーダーしました。資料も事前に提出していただき、こちらの意図を反映していただくようお願いしたのですが、私にとって内藤社長は兄のような存在の深い間柄だからこそ、そこまでの依頼ができ、それを引き受けて頂けたのだと思っています。 参加者の皆さんが満足し、納得するためには、全体の設計が極めて重要です。すべてのピースをフルスペックで揃え、内容に重複が一切ないよう、パズルを埋めるように構成を練り上げました。「今の起業家が求めているピースは何か」を徹底的に考え、それを埋めにいく感覚です。 例えば、数百億円規模の売上を築き上げた内藤さんがお話しされる横で、同じ規模感の社長が同じような話をしても重なってしまいます。だからこそ、大企業の視点というピースがどうしても必要でした。その役割を担っていただくには、人間的にも心から尊敬している本髙さんが最適だと考えたのです。 -杉原- プログラムの構成ひとつとっても、そこまで綿密に計算されていたのですね。 -後藤- そこはもう、めちゃくちゃ考えましたね。若手起業家による魂の揺さぶられるようなピッチや、書道家の岡西佑奈さんによるパフォーマンスもそうです。岡西さんのパフォーマンスは、当初はプログラムの最後に持ってくる予定でしたが、チームで議論を重ねた結果、あえて冒頭に持ってくることにしました。 最初にあの圧巻のパフォーマンスを観ていただくことで、会場の空気を一気に引き締め、参加者の意識を一点に集中させることができました。普段のイベントでは少しやんちゃな振る舞いをする社長さんも、この日ばかりは背筋を正して聞き入っていましたね。 岡西さんは華があるだけでなく、人間性も素晴らしく、彼女から放たれる気が会場を良いエネルギーで満たしてくれたのだと感じています。ちなみに、パフォーマンスで書き上げていただいた2枚のパネルは、1枚をヒカリエに展示し、もう1枚を抽選でプレゼントしたのですが、イベント終了後に「あのパネル、売ってもらえませんか?」と問い合わせがあったほど好評でした(笑)。 ◆準備過程の裏話 -杉原- 確かに、あのパフォーマンスは素晴らしかったですね。制作物の手配や、書道家さんとの連携は川口さんが担当されたと伺いました。パフォーマンスを実現させるにあたって、準備段階で工夫されたことはありますか? -川口- 後藤社長から「イベントで書道パフォーマンスをやりたい」というお話をいただいたとき、実は私が当初イメージしていたスケールと、社長が描いていた理想の大きさが、あまりにもかけ離れていたんです(笑)。 私は「1メートルくらいの高さかな」と予想していたのですが、いざ相談してみると、社長室に飾ってある大きなユニコーンパネルを指して「あれの倍、2メートルくらいの高さにしたい」と仰ったんです。「本当にその大きさで作るんですか・・・?」と何度か確認しながら、実際にメジャーでサイズを測り、最終的に「やはり2メートルの迫力が必要だ」という結論に至りました。 ただ、いざ発注しようとすると、それほどの特大サイズを制作できる業者さんがなかなか見つかりませんでした。見つかっても「紙を2枚繋ぎ合わせるしかない」「強度が保てるかわからない」という回答がほとんどでした。 そこで、弊社のオフィス内装を手掛けてくださったベストサポートシステムズさんに相談したんです。社内のユニコーンパネルをすべて制作してくださった実績がありましたので。内装業者さんにパネル制作だけの依頼ができるか不安でしたが、快く引き受けてくださいました。サイズはもちろん、ユニコーンの顔の位置といった細かなデザインの微調整まで、何度も何度もやり取りを重ねて完成させてくださったんです。彼らの真摯な協力がなければ、あのパフォーマンスは実現しませんでした。本当に感謝しています。 結果的にあのパネルは大好評で、参加された社長様から「自社のイベントでも使いたいから業者さんを紹介してほしい」というお声をいただいたり、書道家の岡西さんからも「とても書きやすい材質だったので詳しく知りたい」と問い合わせをいただいたりしたほどでした。 -杉原- これほど盛りだくさんな内容のセミナーですから、当日の進行や準備にも相当なご苦労があったかと思います。進行担当の松谷さんは、当日の朝3時に起きて進行台本を完成させたと伺いました。進行を司る上で、特にこだわったポイントを教えてください。 -松谷- 後藤社長には「起業家の未来が変わる1日にする」という明確なビジョンがありました。私の役割は、その想いをいかに具体的な形に落とし込むかだ。そう考えていました。 イベント運営において最も避けるべきは、進行が滞ることで参加者の集中力を削いでしまうことです。参加者の皆さんに余計なストレスを感じさせず、コンテンツだけに没入していただくにはどうすればいいか。そこを一番に考えました。 イベントの大きな流れは後藤社長が作り込まれていたので、私は、懇親会会場へ移動する際の誘導ルートやスタッフの配置、さらには飲食テーブルのレイアウトといった細部に至るまで徹底的にこだわりました。それらをいかに正確にスタッフ全員へ共有し、動いてもらうかという点に心血を注ぎましたね。 実は学生時代にも1,000人規模のプレゼンイベントを運営した経験があるのですが、当時は若さゆえに2日間一睡もせずに準備をしていました。さすがに社会人になるとそうもいかず、前日は深夜1時から3時まで2時間ほど仮眠をとってから最後の仕上げに取り掛かりました(笑)。 司会を務めていただいたトークナビの樋田さんには、前々日に台本のたたき台をお送りし、最終版をお渡ししたのは当日の朝でした。そんなタイトなスケジュールにもかかわらず、樋田さんは当日の変更や修正にも非常に柔軟に対応してくださり、抜群の安定感で進行を支えてくださいました。本当に感謝しかありません。 -杉原- 確かに、これだけの規模のイベントにありがちなミスやトラブルが、当日は一切見受けられませんでしたね。 -松谷- ミスがなかったわけではないですが。(笑)実は事前の全体リハーサルも行えていなかったので、個人的には「奇跡的だった」と感じています。 スライド投影の最終確認なども当日の朝に行いましたが、会場スタッフの皆様の多大なるご協力のおかげで乗り切ることができました。会場の支配人の方も様子を見に来てくださり、途中で「本当に素晴らしい会ですね」とお褒めの言葉をいただいたことも、大きな励みになりましたね。 ~後編に続く~ ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 次回後編のインタビューでは、 ・懇親会について ・運営メンバーについて ・後藤社長と準備を進める中で感じたこと ・「ベンチャーエコシステムの実現」について などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!
  • INTERVIEW
2026.02.17
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