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AIを活用したペアレンタルコントロールアプリ「コドマモ」の開発及び運営を行うAdora株式会社へ出資

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2024.07.16

「社会に変革をもたらす多数の成長ベンチャー(ユニコーン企業)を輩出する」ことをミッションに掲げる株式会社ディ・ポップスグループ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:後藤和寛、以下『当グループ』)は、AIを活用したペアレンタルコントロールアプリ「コドマモ」の開発及び運営を行うAdora株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役 冨田直人、以下『Adora社』)に対する出資を行いました。

■出資の背景

2022年、日本政府は年頭記者会見にて「スタートアップ創出元年」を宣言しました。
当グループは、2017年よりM&AやCVCを積極的に推進し、現在ではグループ会社数20社、投資会社数25社の大規模なグループに成長いたしました。政府がスタートアップ創出の取り組みを進める中、当グループではスタートアップやベンチャー企業にとって成長する土壌となるようなステージ・環境・プラットフォームの創造に注力してまいりました。

「コドマモ」は、AIを活用して子供のスマホ利用における親の悩み上位7つに対して全てに対応するペアレンタルコントロール設定アプリ(iOS版、Android版)です。
当グループは、祖業である株式会社ディ・ポップスにて関東を中心に携帯ショップを50店舗ほど運営していたり、当グループのセグメントの一つであるHR事業にて通信業界を中心に人材派遣を行っていたりと、通信業界で事業を行う中でこどものスマホ利用における社会問題に注視してきました。
AIを活用したペアレンタルコントロールアプリ「コドマモ」を開発・運用するAdora社を応援することで、通信業界がよりよく発展するように寄与したいと考えております。

今回の出資を踏まえてより強固な事業連携を進めることで、Adora社のさらなる成長を支援してまいります。

■各社 コメント

◎ Adora株式会社 代表取締役社長 冨田 直人氏

後藤社長や杉原さんをはじめとするディ・ポップスグループの役員やアドバイザーの皆様とお打ち合わせした際に、通信・ITでの業界知見に基づく示唆深いアドバイスを多数いただいただけでなく、ビジョンにも大変共感していただき、「この方々とご一緒したい!!」と心から思いました。本件をきっかけに、キャリアショップ様などとの連携を強めつつ、コドマモを日本中、そして世界中に広めていき、世界の子どもたちのインターネット上の安全を守っていきます。

◎ 株式会社ディ・ポップスグループ 代表取締役/CEO 後藤 和寛

この度、 Adora株式会社に出資させていただき、弊社が推し進めるベンチャーエコシステムに力強い仲間が加わったことを大変嬉しく思っております。
Adora社の、子供のスマホ利用における問題や犯罪に巻き込まれるリスクなどの社会課題に対して、AIを活用したペアレンタルコントロール設定アプリを拡大したいというビジョンをぜひ応援したいと思い、出資させていただきました。

当グループは、祖業の株式会社ディ・ポップスをはじめとし、通信・ITの領域で事業を拡大するなかで、子どものスマートフォン利用による社会課題にも直面してまいりました。多種多様な業種の集まるベンチャーエコシステム内のシナジーを活用しながら、AIを活用した社会課題の解決を後押ししていきます。

我々が進めている「ベンチャーエコシステムの実現」という構想は、ベンチャー企業にとって成長する土壌となるようなステージや環境を提供していくことで、スタートアップの成長を支援し、社会に貢献していくことを目指しています。今後、冨田社長率いるAdora社と共に成長し、Adora社の企業価値の向上に努めてまいります。

◎株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太

スマートフォンとSNSの普及に伴い、子供が被害に合う事件の報道を目にする機会が増えました。私は長年テクノロジー業界に携わってきましたが、インターネットが誹謗中傷や詐欺やいじめを助長するツールとして使われるのを見る度に、悲しい気持ちになります。AIの技術を活用して、世界中の親子が安心してスマホを使えるようにという思いで、「コドマモ」アプリを開発したAdora社の取り組みに大変共感しました。

ディ・ポップスグループでは、「リアル × 人 × テクノロジー」の掛け合わせをテーマとした投資活動を通じて、グループ内シナジーが自然と沸き起こるベンチャーエコシステム作りを目指しています。Adora社は出会った瞬間から理想的な投資先と思えました。グループ企業とともに、社会課題と向き合っていきたいと思います。

■Adora株式会社 企業概要

会社名:Adora株式会社
代表者:代表取締役社長 冨田 直人
所在地:東京都世田谷区
設 立:2023年7月
コドマモサイト:https://www.kodomamo.com/

 

プレスリリースはこちらからご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000143719.html

 

☆【投資先インタビュー】AIを活用して子供たちを守る!Adora株式会社 冨田直人社長
https://d-pops-group.co.jp/column/adora-interview/

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D-POPS GROUP、業界特化型AIワークフロー「Omni Workspace」を運営する株式会社BLUEISHへ出資
「社会に変革をもたらす多数の成長ベンチャーを輩出する」ことをミッションに掲げる株式会社ディ・ポップスグループ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:後藤 和寛、URL:https://d-pops-group.co.jp/、以下『当グループ』)は、業界特化型AIワークフロー「Omni Workspace」を運営する株式会社BLUEISH(本社: 東京都港区、代表取締役: 為藤 アキラ、URL:https://www.blueish.co.jp/、以下BLUEISH社)に対する出資を行いました。   ■出資の背景 当グループは、ベンチャーエコシステムの実現を掲げ、2017年よりM&AやCVCを積極的に推進してまいりました。現在ではグループ会社数23社、投資会社数社27社の大規模なグループに成長し、ベンチャー企業やスタートアップ企業の支援を拡大しております。 BLUEISH社は、「私たちの価値創造で企業が成長し、それに関わる人々に豊かさが循環していく社会を実現する」というビジョンのもと、「すべての業務プロセスをデジタル化し、唯一無二の価値を提供する」というミッションを掲げ、AIワークフロー「OmniWorkspace」を中心としたAIソリューションを展開しています。従来のPoCだけで終わらないために、大手BPO企業が既に標準化した業務マニュアルやノウハウを活用し、短期間で高い完成度のAI導入を実現。企業の基幹業務から周辺業務まで、エンドツーエンドでプロセスを最適化・自動化し、本番運用後も継続的にアップデートできる体制を整えています。これにより、単なる業務効率化にとどまらず、企業の競争力強化や新たな価値創出に貢献する、“唯一無二”のAIプラットフォームを目指しています。 当グループは、多種多様な業種の集まるベンチャーエコシステムの実現のため、AI分野への投資を積極的に行っています。今回の出資を踏まえてより強固な事業連携を進めることで、BLUEISH社のさらなる成長を支援してまいります。 ■各社 代表取締役コメント ◎ 株式会社BLUEISH 代表取締役 為藤 アキラ氏 この度は、BLUEISHにご出資いただき、誠にありがとうございます。 今回のご出資を通じて、さらなるAI技術開発やサービス拡充に取り組み、企業が抱える複雑な業務プロセスのDX推進を一気に加速させていきたいと考えております。また、ディ・ポップスグループ様との協業により、新たなシナジーを生み出し、より多くの企業・人々に「豊かさが循環する」未来を届けるよう努めたいと思います。 ピッチイベント等の勝負服はディ・ポップスグループ様から頂いたユニコーンTシャツで頑張って行きたいと思います! ◎ 株式会社ディ・ポップスグループ 代表取締役/CEO 後藤 和寛 この度、 株式会社BLUEISHに出資させて頂き、弊社が推し進めるベンチャーエコシステムに、また素晴らしい仲間が加わったことを大変嬉しく思っております。 BLUEISH社のAIを活用したBPaaS事業は、今後ますます社会に必要とされ広がっていくものと考えております。AXを体現し、「OmniWorkspace」を通じてビジネスプロセスを完全自動化させることで、日本全体にAI活用がより一層広がることを、とても楽しみにしております。技術力の高いBULEISH社との出会いは、ベンチャーエコシステムの実現のためにもとても大切な機会だと感じました。優秀なエンジニアであると同時に、コミュニケーション能力が高く、高い志と大きなビジョンを持っている為藤社長を是非応援させて頂きたいと思い、出資を決めさせて頂くことになりました。 我々が進めている「ベンチャーエコシステムの実現」という構想は、ベンチャー企業にとって成長する土壌となるようなステージや環境を提供していくことで、スタートアップやベンチャーの成長を支援し、社会に貢献していくことを目指しています。今後、為藤社長率いる 株式会社BLUEISHと共に成長し、 株式会社BLUEISHの企業価値の向上に努めてまいります。 ◎株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 生成AI関連のスタートアップは日々勃興しており、後発優位とさえ言われる程、日進月歩で進化し、変化しています。そのような時代において、成長領域やモデルを目利きし、容易に予測できるものではありません。 株式会社BLUEISHの為藤氏にお会いした時、その探究心、物事を分かり易く、真摯に説明をする姿勢、そして、言葉の節々から見える徹底した顧客志向が印象的でした。その上、トップレベルのCTOであり、トップ戦略ゲーマーという異色な経歴。最も意見が合致したのは、生成AIは人を不要にするための効率化ツールではない、人が人にしかできない業務に集中できるための、人を活かすためのツールである、という点でした。彼が率いるBLUEISHは、社会のためのAI関連企業になれると信じ、出資させていただく事をお願いしました。 ディ・ポップスグループでは、「リアルビジネス x 人 × テクノロジー」の掛け合わせをテーマとした投資活動を通じて、グループ内シナジーが自然と沸き起こるベンチャーエコシステム作りを目指しています。新たにエコシステムに加わったBLUEISHと一緒に、人を活かすAXの普及に努めたいと思います。   ■ 株式会社BLUEISH 企業概要 会社名:株式会社BLUEISH 代表者:代表取締役 為藤アキラ 所在地:東京都港区元麻布3丁目1−35 VORT元麻布 5F 設 立:2018年2月9日 コーポレートサイト:https://www.blueish.co.jp/   ■株式会社ディ・ポップスグループとは 当社は、『社会に変革をもたらす多数の成長ベンチャー(ユニコーン企業)を輩出する』ことをミッションに掲げ、「リアル × テクノロジー × グループシナジー」を掛け合わせた事業展開をしている企業グループです。グループ内の企業はもとより、グループ外の企業に対しても、ワンストップソリューションを提供できる、これまでになかったベンチャー企業の成長プラットフォームの創造に取り組んでいます。 会社名:株式会社ディ・ポップスグループ 代表者:代表取締役/CEO 後藤和寛 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2015年10月1日(創業:1998年2月4日) コーポレートサイト:https://d-pops-group.co.jp/
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2025.01.09
生成AIとは? ~そのビジネスへの活用と課題~
ディ・ポップスグループは、「リアルビジネス × テクノロジー × グループシナジー」を掛け合わせた事業展開をしている会社の集合体で、100年後も社会から必要とされ続けるベンチャーエコシステムの実現を目指しています。永続するグループという姿を描く上で、そのエコシステム内で活用されるテクノロジーとして、AIは不可欠となっていきます。 そこで、この記事では、生成AIについて、そして、そのビジネスへの応用についてまとめてみました。 1. 生成AIとは 生成AIは、もちろんAIのカテゴリの一種です。AI関連の様々な言葉がありますが、以下、大きなくくりから簡単に説明をします。なお、この順番にAIの研究は進化してきました。 ① AI(Artificial Inteligence) 人工知能と訳される学術分野の一つのカテゴリで、概念的なもので、「人間と同じ知的作業をする機械を工学的に実現する技術」と定義できます。1950年代に第一次ブームの研究が始まり、80年代に第二次ブームがありましたが、その後2010年頃までは実生活やビジネスへの活用はあまり見られず、冬の時代と言われています。 ② 機械学習(Machine Learning) AIの要素の一つであり、人間が経験を通して自然に学習するように、データを使ってコンピュータに学習させて、その学習を重ねながら、課題の遂行能力を向上させるデータ解析技術のことです。プログラムの訓練に用いられるデータの集合体をデータセットと言い、購入履歴、閲覧履歴、検索履歴、気象データ、画像、自然言語などが利用されます。 ③ ディープラーニング(Deep Learning) 機械学習技術の一つで、ニューラルネットワークという、人間の脳を模した方法で意思決定を行うモデルを使い、コンピュータが自動的に大量のデータの中から希望する特徴を発見する技術のことです。CPUの性能向上と大量なデータを収集できる時代となって、機械学習よりも高い精度で複雑な問題の答えを導けるようになり、急速に普及しました。 ④ 大規模言語モデル(LLM, Large Language Model) ディープラーニングモデルを更に発展させたもので、多数のパラメータを持つ人工ニューラルネットワークで構成されるコンピュータ言語モデルのことです。従来のモデルに比べて、データ量、計算量、パラメータ量が圧倒的に大きいことが特徴です。膨大な言語のデータセットを分析することにより、人間の言語テキストを理解し、生成することができます。 ⑤ 生成AI(Generative Artificial Inteligence) 今最もよく聞く言葉、生成AIとは、文字などの入力に対して、人が作り出すようなテキスト、画像、音楽、ビデオなどのデジタルコンテンツを自動で生成するAI技術の一種です。訓練データの規則性や構造を学習することで、訓練データに含まれない新しいデータを生成することができます。つまり、既にある答えを返すのではなく、ゼロからイチを生み出し、あたかも思考や創造性を持つ人間のような回答をすることができます。 ⑥ ChatGPT(Generative Pre-trained Transformer) 2022年に登場して以来、爆発的に普及したChatGPT。誰でもがAIに触れることができるようになった、AIブームの火付け役ですが、こちらは上記の概念ではなく、生成AIの応用の一つで、オープンAI社がリリースした製品(サービス)名称です。同様の製品にGoogleのGeminiがありますし、また、AppleのSiriもこのモデルを採用する方向にあるようです。 以上、生成AIは人工知能の概念の一種であり、その研究の歴史の中でも最新となるトレンドな技術で、今もなお進化を続けています。上記で列挙した用語は、以下の関係になります。 AI > 機械学習 > ディープラーニング > LLM > 生成AI 2.生成AIでできること 生成AIは、テキスト生成や画像生成などさまざまな応用ができます。それぞれの性質に適した活用方法を選択することで、人間による作業を効率化したり、本人に似たアバターを生成したり、人間では思いつかなかったアイデアを形にすることが可能になります。 ① テキスト生成 人間の簡単な指示により、会話形式で質問に答えたり、レポートにまとめたり、逆に、論文や文献など長文の要約やシンプルなキャッチコピーを創出したりできます。また文章だけでなく、プログラミングコードの自動生成などができます。 ② 画像生成 テキストでの指示により、その指示した人のイメージに近い画像を生成できるAIです。指示の仕方によっては、プロのイラストレーターが描いたようなイラストや、人間では思いつかないような創造性に富んだアートを生成することもできます。 ③ 動画生成 テキストでの指示や入力により、そのイメージに近い動画を作成できます。また、静止画像を動画化したり、既存の動画を別の表現で動かすようなことも可能です。ある人の写真を元に、あたかもその人が演じているかのような動画を作ることもできます。 ④ 音声生成 音声やテキストの入力により、新たな音声を生成するAIです。たとえば、ある人物の声を大量に学習させると、その人物の声質で、文章を自由に話す音声を生成することが可能になります。動画生成技術と組み合わせれば、アバターに音声付きで演じさせることもできます。 ⑤ その他 これらの他にも、生成AIは、アイデアや発見を導くことにも応用が可能です。科学技術分野では創薬(新たな薬の開発)や新素材開発への活用、エンタメ分野ではパズルゲームの生成や新たなゲームストーリーの生成、新キャラクターの生成などが考えられます。 3. 生成AIのビジネスへの活用 さて、これらの特徴を持つ生成AIを含むAI技術ですが、実際にビジネスの現場に利用されているのでしょうか? ChatGPTが登場した頃は、AIを相手にチャットを楽しむ、ググるよりも手軽に答えが得られるので、あたかも万能な物知りが手元にいるかのように、調べ事に使う、という利用に留まっていました。しかし、2023年頃から、いよいよビジネスでも幅広く活用され始めています。 ① 効率化支援 伝えたいことや送信者との関係等を指示するだけでメールの原案を作成してくれたり、会議の音声を読み込むだけで自動的に議事録を文字起こし、しかも同時に多言語に翻訳もしてくれる、といったことができます。人と違って、ケアレスミスや疲れが無いことや、人間の脳よりも遥かに膨大なデータに基づいて言語化できるので、調べることに多くの時間や作業がかかっていたような業務ならば、相当な時短をすることができます。 ② クリエイティブのサポート コンセプトやターゲット顧客を指定するだけで、バナーなどの静止画像からショート動画まで、クリエイティブを制作することができます。ロゴの案やプレゼンテーションのデザイン等、従来はプロのデザイナ-さんが行っていたセンスを問われるような仕事や、音楽家が行っていたメロディ作りの領域や画家のアートワーク領域でも、AIなら不満も言わず、標準的なものから斬新なアイデアまで、様々なパターンを生成してくれます。 ③ 人間の作業の代替 コールセンターやヘルプデスクの代わりにAIチャットで対応したり、過去の判例を調べるだけであればパラリーガルの仕事を代替をしたり、レントゲン画像の読映を医師に代わって行ったりと、人の代わりに作業を行う取り組みも普及し始めています。人の場合には感情や疲労によって判断や対応にブレが生じることは避けられませんが、生成AIの場合にはその対応に波が無く、一貫した答えを示してくれるというメリットがあります。 4. 生成AIの活用における課題 このように、長い研究の歴史とコンピュータの処理能力の向上、そしてインターネットの普及により膨大なデータの収集が可能になったことで、生成AIとその応用範囲は益々広がっています。 しかし一方で、物凄い勢いで進歩する技術の発展に対して、その運用上の課題や懸念が広がってきました。答えの信ぴょう性の問題、学習に使うデータおよび生成されたクリエイティブの著作権問題、企業内情報の漏洩の問題、情報操作や洗脳への悪用ができてしまう問題、そして、若者の学ぶ姿勢、考える能力の低下という懸念、などです。 そのような懸念の中でも、人々に喜びと輝きを提供する企業グループを目指す(株)ディ・ポップスグループが、特に注目している課題があります。 ① 倫理・道徳問題 包丁は、料理に使うこともできるし、殺人に使われてしまうこともあります。ノーベルが発明したダイナマイトは、鉱工業や土木業で大いに活用されていますが、戦争の武器にも使われています。現在、世界のほぼ全てのAIプロダクトの開発は、優秀なエンジニアによってリードされています。そのエンジニア達が全て倫理・道徳的に素晴らしい考えを持っているとは限りません。 あるエンジニアは、こんなことを言いました。生成AIの既存の技術を使えば、有名な女優に自分が書いた通りのシナリオと姿で演技させた動画を作ることができる、ダークサイドに落ちたポケモンの物語を作ることができるんだ、と。彼は人権や著作権問題については考えていない、ユーザーが欲しているサービスなら課題は後から解決できると、意に介しません。 生成AIを使って製品を作る企業、生成AIを使う企業、そしてその従業員たちは、AI研究やサービス開発を進める前に、まず、正しい心、理念の教育、日本風に言えば道徳の授業をしっかり受けるべきではないでしょうか? ② 電力問題 流行のChatGPTが、その学習のために必要な電力消費量は、原子力発電1基の1時間分の電力量(約1,000MWh=石油86トン相当)を上回っているということをご存じでしょうか? 生成AIは、高性能の演算装置を使ってデータを学習するため、大容量のサーバーが必要になります。相応の規模のデータセンターも確保する必要があり、必然的に消費電力も高くなります。国際エネルギー機関が2024年に発表したレポートによると、世界の多くのデータセンターでは、生成AIの影響で電力需要が伸びており、2026年の時間当たりの消費量は2022年の売以上に達するとしています。 つまり、生成AIの利用が増えれば増えるほど消費電力量も多くなり、発電の際に排出されるCO2の量も増える恐れがあります。人類のためにと願って開発された生成AI製品のおかげで、地球温暖化など環境に悪影響を及ぼし始めているのです。 生成AIの開発に関わる事業者は、同時にクリーンエネルギーの開発や事業への投資も同時に行うよう規制するなど、地球のエコシステムとセットで考えるべきではないでしょうか? 5. AIは人類をサポートする道具 これらのAIに関する定義や、AI技術で実現できること、そして課題や問題を踏まえて、その有益な活用方法を考えると、以下のようなことが言えるのではないでしょうか? 生成AIの技術によって、確かに、人が行う作業は各段に効率化が図れるようになりました。また、単なる調べ事やレポートの作成補助に留まらず、営業や製品開発の業務プロセスの効率化により、事業会社の売上及び利益への貢献が目に見える形のプロダクトも徐々に登場するようになりました。 生成AIの適用範囲が広がるにつれて、人が行っていた作業や職業のうち、いくつかは消滅するものもあります。一方で、人にしかできないこと、よりクリエイティブなこと、感情が伴った判断、人と人の触れ合い、といった領域はこれまで以上に重要になります。別の見方をすれば、生成AIのおかげで、人は、その人にしかできないことに、時間とその能力を集中することができるようになります。 また、疲れ知らずで、感情を持たず、倫理感よりもデータに基づいて、テキスト、画像、映像等を生成するAI。その制作物の中から、どれを選ぶのか、どのように使うのか、どのようなルールで使うのか、といったことは、人が策定しなければいけないし、その関わる人々の倫理感や道徳が今まで以上に問われることとなります。 そして、地球温暖化を進める要因の一つであるCO2の排出量の増加に一役買ってしまっている、データセンターでの消費電力の問題。この消費量を抑えるデータ学習技術や、データセンターを使わないエッジコンピューティングの技術、電力消費を圧倒的に抑えられる光コンピューティングの技術、などの開発も併せて行われることが期待されます。 以上、AIは人の仕事を奪ったり、その価値を下げてしまうテクノロジーではなく、人の能力を最大限に活かし、一人一人が活き活きと働けるようにするための支援ツールであると、ディ・ポップスグループは考えます。 その考えの元、人々が輝くため、また社会課題解決のためにAIを活用しているベンチャー企業に対して、出資を通じた支援とその利用を通じたグループ内での研究をしていきます。 これからもご支援、応援の程よろしくお願いします。 D-POPS GROUP アドバイザー 杉原眼太
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2024.12.20
【投資先インタビュー】AIを活用して子供たちを守る!Adora株式会社 冨田直人社長
先日弊社は、AIを活用したペアレンタルコントロールアプリ「コドマモ」の開発及び運営を行うAdora株式会社へ出資を行い、ベンチャーエコシステムの仲間として歩み始めました。 ☆Adora株式会社への出資に関するプレスリリースはこちら https://d-pops-group.co.jp/column/adora/   今回は、Adora株式会社の創業者である冨田直人社長へ、創業の秘話やペアレンタルコントロールアプリ「コドマモ」に対する思い等についてお伺いしました。   ①創業のきっかけは? 愛知県警から私が客員教員として勤めていた藤田医科大学に「子どもがSNSで犯罪などに巻き込まれているからテクノロジーを活用するいいアイデアはないか」というご相談をいただき、愛知県警と藤田医科大学と私たちで連携してコドマモを作り始めることになりました。 ☆愛知県警察 アプリ「コドマモ」の紹介 https://www.pref.aichi.jp/police/anzen/shounenhikou/shounen/kodomamo2023.html ②サービスの概要を一言で簡単にご紹介ください お子さまのスマホ利用に関する保護者の心配ごとをAIを活用してまるっと解決する、いわゆるペアレンタルコントロールのサービスです。具体的には、お子さまと保護者のスマホにインストールしておくと、お子さまが危険なチャットに巻き込まれていることを検知したり、スマホの使いすぎを防ぐスクリーンタイムの制限をかけたり、歩きスマホの防止をしたりすることができます。   ③ここがどんな類似会社よりも優れている、というポイントは? お子さまの危険なチャットの検知、歩きスマホの防止、危険な自撮りの検知などの、既存の主なペアレンタルコントロールアプリには搭載されていない一方で、保護者の強いペインを解決できる機能がある点で優れています。   ④起業以来、最も苦労したことは? 「何が求められているユーザー体験なのか」という点を突き詰めて考えることに苦労しました(いまも苦労しつづけています)。 例えば、ペルソナの例に「中学生の子どもを持つ母親」がありますが、私はそのペルソナには当てはまらないため(これは客観的にユーザーの観察ができ、自分のn=1の確証バイアスに囚われずにすむ、という点ではメリットだと感じていますが)、とにかく多くの情報収集やインタビュー、データ分析をチームで行い「良いUX」を作ることに全力を尽くしてきました。 また、プライバシーを重要視した設計になるように、尽力してきました。例えば、お子さまのチャットや撮影した画像は、端末上(ローカル)で機械学習モデルがその危険性を判定することで、私たちのサーバーには元データが送られることなくプライバシーが守られる設計になっています。   ⑤株主に対して最も期待することは? 有識者や業界のキーパーソンや企業などをご紹介いただくことについて、最も期待しています。   ⑥D-POPS GROUPからの出資を受けて良かったことは? 携帯販売代理店でコドマモをご案内していただくためにディ・ポップスグループのグループ会社の皆さんにお会いし、アドバンサーの細田社長や大橋さん、ディ・ポップス 営業本部長の坂巻さんなどをはじめとする方々に、信じられないくらい多くのサポートをしていただいており、出資を受けてよかったと感じています。また、ディ・ポップスグループの後藤社長からの業界知見に基づくアドバイスをいただいたり、アドバイザーである杉原さんからご人脈を生かした有識者の方々をご紹介していただいたりしており、大変助かっております。 ☆アドバンサー株式会社 https://advancer.co.jp/ ☆株式会社ディ・ポップス https://d-pops.co.jp/   ⑦ベンチャーエコシステムの実現に対して共感する部分はどんなところですか? ディ・ポップスグループの方々とお話ししていると「エコシステムのため」という言葉をよく聞くのですが、エコシステム全体のために活動することが善であると信じて動かれていることが伝わってきます。深い社会課題の解決には、1社で成果を出すだけでなく、他の企業や、行政・研究機関など様々なステークホルダーと連携することが重要だと、日々事業を運営しながら感じるので、私もその姿勢に共感すると共に、見習っていかなくてはと思っています。 ※チームメンバーとの共同生活の様子   ⑧理想とする10年後の会社とは? 世界中で大きなスケール感を持って社会課題解決できている会社になりたいと考えています。   ⑨その未来に向けての今後の課題は? まずは、日本や韓国でPMFした後、アジアを中心にグロースしていきたいと考えています。   ⑩最後に一言 ディ・ポップスグループからの出資受け入れはオススメです!!   【Adora株式会社】 代表者:代表取締役社長 冨田 直人 所在地:東京都世田谷区 設 立:2023年7月 コドマモサイト:https://www.kodomamo.com/
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2024.09.10
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