COLUMN

【投資先インタビュー】生成AI領域で事業拡大を目指す 株式会社フラクトライト 中川優志社長

AI
2024.09.05

先日弊社は、生成AI領域でサービスを展開する株式会社フラクトライトへ出資を行い、ベンチャーエコシステムの仲間として歩み始めました。

☆株式会社フラクトライトへの出資に関するプレスリリースはこちら
https://d-pops-group.co.jp/column/fluctlight/

 

今回は、株式会社フラクトライト の創業者である中川優志社長へ、創業の秘話や生成AI事業に対する思い等についてお伺いしました。

①創業のきっかけは?

去年は友人の事業をCMOとして手伝っておりましたが、M&Aにより落ち着いたので新しい事業を立ち上げようと思い事業領域の検討を開始しました。自分の得意分野を活かしながら大きくなる事業をやりたいと考えていて、当初は全く違う事業をやろうとしていましたが、事業相談をしたところ生成AI領域がよいのではとアドバイスを頂き、生成AI領域で事業立ち上げを決めました。

 

②サービスの概要を一言で簡単にご紹介ください

個人のAI開発者が作ったAIをマネタイズできるプラットフォーム Onegai(オネガイ)を運営しています。ChatGPTで作成したチャットボットや、Dify等のノーコード開発ツールで作成したものをパッケージ販売、またClaude Artifactsで作成したゲームを公開してマネタイズできるような仕組みを作っています。また、AIの生成内容に連動して広告配信ができる、生成AI連動型広告という仕組みも開発しています。

☆生成AIのマーケットプレイス OneGai
https://www.one-gai.ai/

③ここがどんな類似会社よりも優れている、というポイントは?

米国のQuoraのCEOであるアダム・ディアンジェロがPoeで近しいことをやっていますが、クリエイターのマネタイズに特化した事業をやる会社はほとんどない気がします。弊社は、新しい価値をつくるために、他の人達や会社がやらないことをやりたいと思っています。

 

④起業以来、最も苦労したことは?

生成AIというテーマで起業したことです。これまで様々な事業を立ち上げて様々な成功失敗を繰り返してきましたが、常に解決すべき問題が先にあって解決策を考えてきました。しかし今回は生成AIという技術ドリブンでスタートしたのが難しかったです。また、生成AIがトレンドになってしまっていて、基本的にトレンドで事業を作るのは好きではないので、ノイズが多い状態で進めるのは個人的には難しいなあと感じています。

 

⑤株主に対して最も期待することは?

あまりないのですが、弊社の株主は事業経験が豊富な方が多いです。過去に何度も事業立ち上げをしていたり、現在も経営している方ばかりで、事業相談をしたときのアドバイスの重みがあり、施策の引き出しが多く、様々な人や会社を紹介して頂いています。

 

⑥D-POPS GROUPからの出資を受けて良かったことは?

人の縁と信頼感です。大きな会社の社長になるための視座や考え方を代表の後藤さんから学ばせて頂き、新卒入社したグーグルで知り合い現在はD-POPS GROUPアドバイザーをされている杉原さんから仕事の進め方を学ぶことができ、このような縁を頂いたことに感謝しています。また、友人や他社からの当社の見られ方が信頼感という点で変わりました。

 

⑦ベンチャーエコシステムの実現に対して共感する部分はどんなところですか?

日本は今後も少子高齢化が進み、100年間は人口が減少し続けるため、顧客も市場も経営リソースも少なくなっていきます。この状況でスタートアップの立ち上げや企業の存続には、これまでとは異なるやり方が必要になると考えています。人々の暮らしを良くするために事業づくりに取り組む人達が成長し続けて、また生き残るための新しい取り組みとしてとても重要な活動だと感じています。また私は社会を良くしたいと人のために仕事に取り組む人達が好きなので、単純にそういう人達を応援する仕組みが増えたら嬉しいなと思います。


撮影日2023年11月9日、サンフランシスコ

⑧理想とする10年後の会社とは?

社会のために活動していて、潰したくても潰せない会社にしたいです。さらにその先の100年後の日本ではそういう会社が生き残っていてほしいです。また10年もしたらアルファ世代と呼ばれる人達が社会人になりますが、個人で働いたり独立するなど、働き方が多様化する中で、そういった新しい世代の人達がこの会社で働きたいなと思えるような会社にしたいと考えています。

 

⑨その未来に向けての今後の課題は?

志と熱意を持って仕事に取り組み続けることです。大きなことを実現するためには、周囲の人に助けてもらうことが大事です。自分の周りの人達が常に、何か手伝いたいな、応援したいな、と思ってくれるような人間でありたいと思っています。

 

⑩最後に一言

『凡眼には見えず、心眼を開け。好機は常に眼前にあり』という藤田田さんの言葉をお借りして締めくくりたいと思います。変化の大きい今の時代、目の前の事象を短絡的に捉えるのではなく、これはチャンスかもしれないぞと常に思えるように心の準備を怠らないようにしておきたいです。

 

【株式会社フラクトライト】
代表者:中川 優志
所在地:東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー27F
本 社:548 Market Street, San Francisco, CA 94104
設 立:2023年4月28日
コーポレートサイト:https://fluctlight.ai/

関連記事

【投資先インタビュー】AIを活用して子供たちを守る!Adora株式会社 冨田直人社長
先日弊社は、AIを活用したペアレンタルコントロールアプリ「コドマモ」の開発及び運営を行うAdora株式会社へ出資を行い、ベンチャーエコシステムの仲間として歩み始めました。 ☆Adora株式会社への出資に関するプレスリリースはこちら https://d-pops-group.co.jp/column/adora/   今回は、Adora株式会社の創業者である冨田直人社長へ、創業の秘話やペアレンタルコントロールアプリ「コドマモ」に対する思い等についてお伺いしました。   ①創業のきっかけは? 愛知県警から私が客員教員として勤めていた藤田医科大学に「子どもがSNSで犯罪などに巻き込まれているからテクノロジーを活用するいいアイデアはないか」というご相談をいただき、愛知県警と藤田医科大学と私たちで連携してコドマモを作り始めることになりました。 ☆愛知県警察 アプリ「コドマモ」の紹介 https://www.pref.aichi.jp/police/anzen/shounenhikou/shounen/kodomamo2023.html ②サービスの概要を一言で簡単にご紹介ください お子さまのスマホ利用に関する保護者の心配ごとをAIを活用してまるっと解決する、いわゆるペアレンタルコントロールのサービスです。具体的には、お子さまと保護者のスマホにインストールしておくと、お子さまが危険なチャットに巻き込まれていることを検知したり、スマホの使いすぎを防ぐスクリーンタイムの制限をかけたり、歩きスマホの防止をしたりすることができます。   ③ここがどんな類似会社よりも優れている、というポイントは? お子さまの危険なチャットの検知、歩きスマホの防止、危険な自撮りの検知などの、既存の主なペアレンタルコントロールアプリには搭載されていない一方で、保護者の強いペインを解決できる機能がある点で優れています。   ④起業以来、最も苦労したことは? 「何が求められているユーザー体験なのか」という点を突き詰めて考えることに苦労しました(いまも苦労しつづけています)。 例えば、ペルソナの例に「中学生の子どもを持つ母親」がありますが、私はそのペルソナには当てはまらないため(これは客観的にユーザーの観察ができ、自分のn=1の確証バイアスに囚われずにすむ、という点ではメリットだと感じていますが)、とにかく多くの情報収集やインタビュー、データ分析をチームで行い「良いUX」を作ることに全力を尽くしてきました。 また、プライバシーを重要視した設計になるように、尽力してきました。例えば、お子さまのチャットや撮影した画像は、端末上(ローカル)で機械学習モデルがその危険性を判定することで、私たちのサーバーには元データが送られることなくプライバシーが守られる設計になっています。   ⑤株主に対して最も期待することは? 有識者や業界のキーパーソンや企業などをご紹介いただくことについて、最も期待しています。   ⑥D-POPS GROUPからの出資を受けて良かったことは? 携帯販売代理店でコドマモをご案内していただくためにディ・ポップスグループのグループ会社の皆さんにお会いし、アドバンサーの細田社長や大橋さん、ディ・ポップス 営業本部長の坂巻さんなどをはじめとする方々に、信じられないくらい多くのサポートをしていただいており、出資を受けてよかったと感じています。また、ディ・ポップスグループの後藤社長からの業界知見に基づくアドバイスをいただいたり、アドバイザーである杉原さんからご人脈を生かした有識者の方々をご紹介していただいたりしており、大変助かっております。 ☆アドバンサー株式会社 https://advancer.co.jp/ ☆株式会社ディ・ポップス https://d-pops.co.jp/   ⑦ベンチャーエコシステムの実現に対して共感する部分はどんなところですか? ディ・ポップスグループの方々とお話ししていると「エコシステムのため」という言葉をよく聞くのですが、エコシステム全体のために活動することが善であると信じて動かれていることが伝わってきます。深い社会課題の解決には、1社で成果を出すだけでなく、他の企業や、行政・研究機関など様々なステークホルダーと連携することが重要だと、日々事業を運営しながら感じるので、私もその姿勢に共感すると共に、見習っていかなくてはと思っています。 ※チームメンバーとの共同生活の様子   ⑧理想とする10年後の会社とは? 世界中で大きなスケール感を持って社会課題解決できている会社になりたいと考えています。   ⑨その未来に向けての今後の課題は? まずは、日本や韓国でPMFした後、アジアを中心にグロースしていきたいと考えています。   ⑩最後に一言 ディ・ポップスグループからの出資受け入れはオススメです!!   【Adora株式会社】 代表者:代表取締役社長 冨田 直人 所在地:東京都世田谷区 設 立:2023年7月 コドマモサイト:https://www.kodomamo.com/
AI
2024.09.10
一覧を見る