COLUMN

【グループ会社インタビュー】株式会社アイデアランプ 宮原 秀文 社長 ~前編~

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  • グループ企業
2025.01.22

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2023年12月にグループ入りした株式会社アイデアランプの宮原 秀文 社長へ、インタビューしました。
(こちらのインタビューは、2024年12月に実施しました。)

◆設立経緯

-杉原-
今回は、アイデアランプの宮原社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願いします。
まず先日のグループ総会では、特別賞を受賞されたということで、おめでとうございます!

-宮原-
ありがとうございます!

-杉原-
業績はもちろんですが、ディ・ポップスグループやその他グループ会社のホームページリニューアル、グループにジョインして1年以内に様々なコラボをしているなど、いろいろな活動が評価されたのだと思います。

それでは早速ですが、アイデアランプ社を創業した経緯を教えていただけますか?

-宮原-
アイデアランプは、2008年に創業しました。2006年頃から個人事業主として活動をしていて、最初は実は売れないミュージシャンをしていました。作曲業をやってまして、アイドルやラジオのジングルの楽曲制作などをやっていました。その当時は1日3・4時間しか寝ない生活を3年ぐらいやっていたらうつ病気味になってしまって…。

これはまずいなと思い、それでも音楽の仕事をやっていこう!としたんですけど、やっぱり社会経験もそんなにないので、ことごとく仕事がなくなっていき、ついに月収3万円になってしまったんです。これはもう食べていけないと思って、なにか初めようと思って始めたのが、企画屋さんだったんです。

じゃあ、企画をなんか立てて、 提案して、案件を取るというところから、はじめないといけないと。「企画屋」として漠然としていたので、イベントの企画や店舗の内装、看板・パンフレット・チラシ・ホームページ制作などいろいろあったんです。そしたら、1番可能性を感じることができたのがホームページ制作だったんです。

2008年はちょうどリーマンショックで、yahooとかはもうありつつもガラケーの時代だったんです。ちょっとずつIT系がベンチャーとして出始めた頃だったんですけど、その頃になぜか始めちゃったんです。とにかく案件を取るためにWEBディレクションの本を1冊だけ読んで、あとはドアノックをひたすらやる、みたいな。(笑)その本をボロボロになるまで3周読んで、それを全部頭に叩き込んで営業活動をしていました。

お恥ずかしい話なんですが、お客さんの方が知識があるんですよね。「SEO対策どうするんだ」とか聞かれても、 わかんないんですよ。でもとりあえず「頑張ります!」って、やっていくうちに身につけていったんです。

-杉原-
めちゃくちゃベンチャーですね!

-宮原-
そうですね、割と最近のITで起業する方たちって 大手のIT系の会社に就職してそのあとで独立されて起業される方が多いと思うんですけど、全然セオリーがない状態でした。
なので、当時IT系の友人知人が全然いなくて、むしろ土建屋さんとか、ガーデニングの社長さんとか、飲食店さんとか、そういう系ばっかりの知り合いが多くいました。

◆ディ・ポップスグループへジョインした経緯

-杉原-
地道に一歩ずつ始めてこられたんですね。そこから約16年やってこられて、社員も増えて売上も増えてきた中で、約1年前に、D-POPS GROUPへジョインしましたよね。その経緯、その決断をされた理由などを教えていただけますか?

-宮原-
1番大きかったのは、独学での経営の限界を感じたということです。コロナの前ぐらいに、ちょうど弊社が官公庁系のお仕事をさせてもらうことが多くありました。その時期の案件は、ちょうど3月末に納品するものが多く、売上も伸ばす予定でいたんです。そんな折、2月ぐらいにコロナが起きたんです。 一気にほとんどの案件がストップしてしまい、数千万単位のプロジェクトがすべてキャンセルになって売り上げも一気に下がってしまったんです。

そこから4月・5月ってもう何もないので、暇だからどうしようかなという時に事業をピボットしようと思ったんです。
それまでは、広告代理店さんとか、メディア関係とかの、デジタルキャンペーンやプロモーションとかのお仕事が多かったんです。いかに面白くするかみたいな。でもそれって結構売上的には浮き沈みが激しすぎるんですよね。なので、もともとやりたかったモノづくりとか、そこに根ざしたことっていうことで考え始めたのが、システムを使うとか、もっとテクノロジーを使ったサービスやソリューションを作ろうとおもって今の会社の形の基盤が生まれました。

コロナ禍にそういった経験を得たことで、もっと経営を学びたい、本質的な事業に向きあいたい、という欲求が出てきました。 そんな中で、どうしても自分の限界とか我流の限界を感じて、これからの時代を生き抜くこととか、残された人生を考えた時に、もっと面白いこと、もっと本質的なこと、もっと大きなことやりたいと思ったんです。それができそうな人たちと一緒になれたらなと思いがあって、いろんな方とお会いさせていただいた中で、後藤代表との出会いが一番印象的だったんです。

たくさんの会社の代表の方とお会いしたのですが、最初は皆さん、数字の話と規模の話、あと事業計画の話などから入るんですけど、後藤代表だけは、マインドの話やフィロソフィーの話など、そこから話が始まったんです。10人いる中で、そのような話をしてくださったのは1人だけ。それがとても強く印象に残り惹かれていったんです。だから、「あ、この会社と一緒にやりたい!」「経営を学ばせて欲しい!」と強く思いました。

◆事業概要

-杉原-
そうだったんですね。そんなD-POPS GROUPには様々な会社がありますが、アイデアランプ社の事業について教えて下さい。

-宮原-
そうですね、「デジタルでのモノづくり」というのがベースになっています。そしてその中でも、自己満足で作るのではなく、お客様が求めるものを作って、サービスやソリューションを提供して、お客様の価値を高めていくということを大切にしております。

後藤代表がよく言う、陸・海・空・宇宙戦略の中で言うと、アイデアランプって武器製造工場というか、 グループのいろいろな会社が戦略を進める中で必要な武器を作って、新たな事業を一緒に創造していく、そういう側面があるのかなと思っています。

-杉原-
この1年間で、グループ内だけでもデジタルの企画やホームページ制作などをお願いしましたが、事業としてカテゴリー分けをされているなどございますか?

-宮原-
正直、デジタル領域は割と幅広くやらせていただいています。
ですので、デジタル領域での多様性を膨らませて事業を絞っていなかったところはメリットでもあるんですけれど、その分一つに特化できていないところは、経営課題でもあります。

-杉原-
要は、「これしかできない」じゃなくて、あくまでも顧客の課題をヒアリングして、それをデジタルで解決しましょうという提案ができるということですね。

-宮原-
そうですね。やっぱりITは特に流行の移り変わりが早いじゃないですか。例えば、 ガラケーからスマホになって、次はスマホのアプリに注目が集まりアプリの業者がいっぱい出来上がるとか。 その次はSNSが主流になりSNSの業者がいっぱい出来て、次はゲーム。というように、かなり移り変わりのスピードが早いので、毎回これを追いかけるっていうよりかは、その時々に、お客様の課題解決に必要な提案を行うという感じです。

◆コロナ禍での会社の状況について

-杉原-
それは素晴らしいですね。 2020年から始まったコロナ禍は、経営にインパクトはありましたか?

-宮原-
わかりやすいところとして、先ほど申し上げたことでもあるのですが、当時、広告代理店さんから頂戴するお仕事って、どうしてもクリエイティブ寄りなものが多かったんです。その中で、システム的な対応ができると重宝される。一方で、SIerさんなど大手のシステム会社さんはシステムに強くて、クリエイティブがあまり得意ではない。だから、UI・UXの領域は結構重宝される。

ですので、アイデアランプ社としては、その両方の側面を持つ=クリエイティブとシステムの両面を持つことで、コロナ禍を生き抜いたというところがありました。

-杉原-
大手のシステム会社さんたちは、コロナ中でもビジネスは動いていらっしゃったんですね。

-宮原-
そうですね。大きな基幹システムの開発などをやられてる会社さんって、3年計画・5年計画で動かれているので、コロナ禍でも長期案件が動いている印象でした。

◆市場について

-杉原-
コロナが明けた今の市場観を教えてください。世の中全体的に上向いてるというか、これはまた風が戻ったのか、もうずっと変わらずなのか。コロナ明けの追い風はありますか。

-宮原-
ちょっと戻っていますけど、ITにおいては、2025年はまた少しだけ市場が沈むような気がしています。今以上に、準委任やSESの領域が結構増えてくるかなと思っています。なので、ちょっと仕事の取り方を間違えると大変なことになるかなっていうのと同時に、質の高いサービスができることでチャンスもあるのかなって考えています。

◆強みについて

-杉原-
なるほど。それではアイデアランプの強みについて教えてください。

-宮原-
10年以上、ワンストップでデジタルなものづくりを続けてきた歴史があることは1つの強みであると考えています。 エンタメ系から金融系まで、業種・業界問わず幅広いデジタルソリューションを構築してきて、現在では、1000プロジェクト以上の実績と経験があります。その実績とノウハウがもう1つの強みかなと感じています。
あとは、システムとクリエイティブを、いい意味で両方が混ぜこぜになってワンストップで質の高いWEBサービスを創れる会社っていうのがこの規模感であまり多くないと思いますので、その点もやっぱり強みかなと思います。

また、グローバルのメンバーが結構いるので、日本語、英語、フランス語、アラビア語等、言語に強く、これまでもグローバル案件の成功事例が多々あることも特異な点かと思っています。

-杉原-
すごくグロ-バルですね!それは偶然なんですか?それとも意図的にやってこられたんですか?

-宮原-
実は、創業時2、3人から始まったような小さなスタートアップ会社に誰が入社するんだ?という課題を解決するところから、実はグローバル化が始まっているんです。当時、10年以上前ですが、優秀な日本人の方はなかなか採用できない状況でして、それであれば、優秀な外国人、優秀なグローバル人を採用しようってなったのがきっかけでした。

-杉原-
現在、社員は何名なんですか?

-宮原-
今、大体日本国内で約50人ぐらいです。50人中2、3割はグローバルな方々です。

-杉原-
宮原社長って、仕事の仕方がだれよりもきちっとされている印象があって理論型の方なのかなと勝手に思っていたんですが、しっかりお話してみると意外と人間味あふれる方だなということを感じました。宮原社長ご自身は、自分のことをどんなリーダーだなという風に感じていらっしゃいますか?

-宮原-
どうなんですかね...でも、あんまり表に出るのは得意じゃないから、みんなを支えていこうというリーダーかもしれないですね。あとは楽しくできればなと考えているぐらいですかね。

~後編に続く~

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

 

【株式会社アイデアランプ】
代表者:代表取締役 宮原 秀文
所在地:東京都渋谷区神宮前6-18-13 神宮前浅間ビル4F
設 立:2008年8月1日
株式会社アイデアランプ HP:https://idealump.com/
WEBサイト無料診断:https://idealump.com/webshindan/
定額制ウェブ運用サービス「ウェブ担さん」:https://web-tantou.com/

 

次回後編のインタビューでは、
・定額制WEB運用サービス「ウェブ担さん」について
・社風、文化について
・ディ・ポップスグループの印象
・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて
・10年後の理想の姿
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

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-平井- まだぼんやりしているところもあるんですけど、まず1つは、自ら新しい領域に行って成長する場を持ちたいのはありますし、僕もその支援をしていきたいというのがあるので、まず成長に対する心意気がある人がいいですね。自分たちのサービス・商品を通して成長した人が、次の人とかその次の人にちゃんと与えられるようになりたいので、自分の成長が世のため人のためになると考えられる人を採用していきたいなと思います。 スキル的には、新しいことに対してヘイトがない人がいいので、今後「AIをやります」とか、「新しいツールを使います」といったときに前向きに捉えられる人とどんどん一緒にやりたいなと思います。 最終的にはディ・ポップスでやっているような、経験もないし素人だけど、PlusPassに入ったらちゃんとスキルがついてパフォーマンスできるというような形にはしたいですね。 ◆冒険旅行や登山について -杉原- ありがとうございます。話は変わりますが、趣味で登山をされていたという話を聞いたことがあります。私も登山が好きなんですが、趣味について教えて頂けますか? -平井- 僕も杉原さんと登山の話がしたいとおもっていたので、嬉しいです。(笑) 登山には大学生の頃にはまりました。当時関西にいたので、滋賀県の伊吹山とか、奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原などでしたが、富士山をきっかけに、3000mぐらいの山を選んで登っていました。 登山の思い出は最初にお話しした日本縦断の話ともつながるのですが、日本縦断の時は途中で内定者研修があったので、北海道の稚内から2週間で東京につかなきゃいけなかったんです。 なので宗谷岬からスタートして、函館から大間のところまで船で行って、当時1年前に東日本大震災があったので、南三陸の方をずれて仙台から東京に行く。ここまでを何とか2週間で間に合って内定者研修に参加できました。その研修が富士山登山の研修だったんです。 僕は富士山に登れることを楽しみにしていたんですけど、その日台風で急遽なくなったんですよ。それがとっても悔しくて。 僕は絶対日本一の山に登りたいと思いながら日本縦断をしていたので、そこから自転車で山梨まで行きました。富士山って5合目までバスや車で行って、5合目から登るんですけど、僕らは日本縦断の中で車に乗るのを禁止していたので、0号目まで自転車で行って山に登って8合目で泊まって、山頂に到着しました。それが本格的な3000m超えの登山でしたね。 そこから高い山にはまって、富士山は多分3回ぐらい登っていて、そのあとは長野のアルプスに登ったりしましたね。そこからはちょっとおかしくなっちゃって、スリル系の山に行くようになりました。(笑)ディ・ポップスに入社してから後輩たちもたくさん連れて行きました。 最初に事業部の後輩たちと登山をすると決めたのは、ちょっとメンタルが弱ってしまって、なんかきっかけあげたらこれから伸びるだろうなっていう子たちのために、自分ができることはなんだろうって考えたときに、1つが、後藤さんがよくやってくださっていた、休みの日に新しい商業を一緒にまわって勉強の機会を創ること。もう1つは、登山でメンタルブレイクをやっていくというのをやりました。いろいろと教えを入れながら一緒に登ったら、視界が開けてくる子がたくさんいましたね。 日本縦断は、稚内から沖縄まで完走しました。基本的には野宿で、途中屋根のある家で寝たのはお互いの実家や祖父母の実家など数か所でした。 -杉原- 登山も日本縦断もかなりアクティブですね(笑) 自転車には昔から乗っていたんですか? -平井- 元々高校生の時に、家から高校まで大体自転車で30分ぐらいの距離を通学していました。それで、サッカーの練習試合とかで結構いろんなところに行ったんですが、バスで移動するか、現地で集合するかを選べる高校だったんです。僕はトレーニングの一環で中学生の時から1時間半ぐらいかかる会場まで自転車で毎回行っていたので、高校の練習試合も自転車で行っていました。2時間・3時間ぐらいかかるところにも自転車で行っていましたね。 日本縦断をやりたいと思ったきっかけが、留学した時なんですよね。 カナダにホームステイで留学した時に、日本のことを全然わかってないなっていう反省があって、普段電車とか飛行機で地方は行くけど、ちゃんと見たらどうなんだろうと思ったのがきっかけです。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- やっぱり冒険的な旅とかハードな登山とかが好きな人って、結構ベンチャー企業向きなのかもしれないですね。 さて、D-POPS GROUPでは「ベンチャーエコシステムの実現を目指す」をスローガンにしていますがその目標に共感する部分はどんなところですか?ベンチャーエコシステム作りを意識した上での活動などはありますか? -平井- 僕が今自信を持ってベンチャーエコシステムに貢献できてるかというと、まだまだこれからだなというのはあるんですけど、ただ本当に後藤さんにめちゃくちゃ育てていただいた恩はいっぱいあるので、その後藤さんからのイムズの継承者としては、ディ・ポップスとしてはもちろん、PlusPassとしてもベンチャーエコシステムにしっかりと貢献できるような会社に早くしたいなと常に思っています。 あと後藤さんからの指導は、会社に対する指導はもちろんありますが、やっぱり人としての指導が1番根幹で中心にあるので、人間性をとにかく磨いて、世の中の人にしっかりと貢献しなきゃいけないなというのはあります。 なので、今やれていることがあるとすれば、例えば、代理店さんや、PlusPassのお客さんとなどに対して、ベンチャーエコシステムにあるリソースにつないだり、逆にベンチャーエコシステム側にもベネフィットがあるような案件があればつないだりなどができるかなと考えています。 商談をする時も、新しいお客さんに会うときも、毎回「この人のためになることはなんだろう」というのを考えながら商談していて、その時はディ・ポップスとPlusPassだけじゃなくて、ディ・ポップスグループが持ってる商材やサービスがちゃんと頭に入ってる状態でお客さんとリレーションをとるようにしていますね。 自分自身で課題だなと思っているのは、ベンチャーエコシステムの一環で行っている投資会社説明会にも出させていただいたときに、グループ会社や投資会社についてもっと勉強しないとなってすごく思ったので、もっと積極的にベンチャーエコシステムの仲間について頭に入れてより貢献したいなと思っています。 ◆5年後の理想の姿 -杉原- それでは、平井社長及びPlus Pass社の5年後の理想の姿とは? -平井- すまっぴーの事業はしっかりと推進させて、今僕が考えていることは完成させたいなと思ってます。 もう1つ解像度を上げてやらなきゃいけないなと思ってるのは、さっきお伝えした方針の、人とデジタルを融合させて貢献するというところは、どちらかというと新規の事業に当てはまるので、新規事業を進めていくためにも人を雇用して体制を作り事業を推進していきたいです。 -杉原- それに向けての課題はありますか? -平井- 大きく2つなんですけど、戦略の解像度をしっかりと上げることと、投資できる利益を既存事業をベースにしっかりと上げることのこの2点がしっかりできないと次に進めないと思ってるので、まずはこの2点を進めていきます。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- 最後に、このHPを訪問した読者の方に一言お願いします。 -平井- 新卒の方も、ベンチャーエコシステムに興味がある方も含めてにはなりますが、ディ・ポップスグループって後藤社長を中心に、本当に他にはない事業体を作ろうとしていて、世の中一般的にあるグループ体の親会社とは全く違う形なんですね。組織としてめちゃくちゃユニークだなと思ってます。 ディ・ポップスグループに来ていただくとわかると思うんですけど、個人の裁量が大きいので、傘下に入ったからデメリットがあるってことは逆にほとんどないのかなと感じています。ぜひ挑戦という意味でディ・ポップスグループに入っていただける方がいらっしゃるんだったら、一緒にベンチャーエコシステムの成長に貢献していきたいですし、むしろたくさん学ばせていただきたいなという風に考えています。 新卒の方たちに対しては、僕は10年やっててよかったなって本当に思っています。3年などの短い期間で企業を判断する方も多いかもしれないですけど、10年いたからこそ厳しく指導してもらった経験も自分の身になっています。会社に所属する時間軸を、世の中一般的な3年~5年とかじゃなくて、10年以上所属していて良かったなと感じる体験って絶対できると思うので、その努力ができる人たちが集まってくれるといいなっていう風に思います。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/
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2025.07.08
【グループ会社インタビュー】株式会社PlusPass 平井 雄大 社長 ~前編~
D-POPS GROUPでは、現在約24社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2024年3月に新規設立した株式会社PlusPassの平井 雄大 社長へ、インタビューしました。 ◆ディ・ポップスへの入社経緯 -杉原- 今回は、PlusPass 代表取締役の平井社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します! 平井さんは2014年の4月にディ・ポップスに新卒入社されましたね。当時の就活の状況やディ・ポップスに入社を決めた動機などを教えていただけますか? -平井- 僕は京都産業大学出身なのですが、元々プロのサッカー選手を目指していました。 中学生の頃は、コンサドーレ札幌というJリーグの下部組織に入っていて、高校は北海道の北海高校にスポーツ推薦で入りました。 大学では、高校の時に個人ではケガもあり、チームとしては全国大会にも届かなかったこともあり推薦が取れず、初めて受験で入ったんです。大学では部活には入れなかったんですけど、別でチームを立ち上げて全国大会までいきました。その後イタリアで最後のチャンスとしてトライアウトを受けて、落ちてしまったのでサッカーを諦めました。 そこからいざ就職しようとなった時に、たまたまディ・ポップスと出会いました。 僕は当時、大学4年生の5月から自転車で日本縦断をやると決めていたので、就活は大学3年生の2月から3ヶ月間しかやらないって決めていました。 当時は京都の路地裏にある個人経営の飲食店でアルバイトをやってたんですけど、その飲食店が有限会社から株式会社になっていく様を一緒に社長とやってた時に、僕も将来経営者になりたいなと思うようになりました。 就活をする中でたまたまディ・ポップスと出会ったんですが、経営者になる修行ができる場所として企業選びをしていたので、創業者の後藤さんと出会ったときにバチコンとはまるものがありました。 後藤さんと面接をしたことがある人ならみんな言うと思いますが、後藤さんと初めて会った時、僕が1つのことを話すと100以上の反応が返ってきたんです。「うわ、こんな人いるんだ!」とそのとき驚きました。その時に後藤さんの話の濃さについていけなかったので、この人の元にいたら絶対成長できるなと感じたんです。 ほかの大手企業も面接を受けてみたんですが、役員面接で聞かれることや話す内容が本当に薄かったんです。人事の人は熱かったのに、役員面接になると急に温度感が下がる。 ディ・ポップスだけだったんです。面接を重ねる度に熱量が10倍、100倍になっていく。そんな会社は他になかったですし、会社のみんなも本気だとわかったので、やっぱりディ・ポップスに行きたいと思いました。 -杉原- 大手企業も受けたんですね。迷いませんでしたか? -平井- 一瞬だけ迷った瞬間もありましたが、最後は悔いなくしっかり決断しました! 当時大企業の最終面接スケジュールまで決まっていました。でもあんまり気合いが入らなかったんですよね。僕は京都から東京に面接のために上京していたので、大企業の面接を受けた帰りに、どうなったとしてもディ・ポップスに入りたいなと思ったので、内定承諾書を持って後藤さんに会いに行って、「お世話になります」って伝えました。 -杉原- 学生の時にはもう起業家マインドがあったんですね。学生時代のアルバイトの経験から起業したいと思ったとおっしゃっていましたが、アルバイトでの経験を教えてください。 -平井- 居酒屋割烹のお店でアルバイトをしていたんですが、京都に本社があるGSユアサさんや京セラさんなどが会食で使ってくださるようなお店でした。 そのお店は社長が全て任せてくれるので、僕はアルバイトながら給与振り込みをやったりシフトを作ったり、なぜか正社員の面接もしていたんです。(笑) 新店舗オープンのレセプションの調整をやったり、社長の接待にも一緒に行かせてもらったりして、「社長って、こういう感じなんだ」というものを経験させてもらいました。学生の時から社長にいろんな経験をさせてもらったおかげで、周りの飲食経営者の皆さんからもすごい可愛がっていただいて、「もっと頑張れよ」とか声をかけてもらって刺激をいただきました。そういった社長の仕事に触れていた経験から起業したいと思うようになりました。 ◆ターニングポイント -杉原- 入社してから11年になりますが、この11年を振り返るといかがですか?長かったですか?あっという間でしたか? -平井- あっという間ですね。年を取るたびに1年めっちゃ早いと感じますし、やっぱり10年以上続けてこられて良かったなと感じています。 ディ・ポップスに入社してから11年、順風満帆で、右肩上がりで成長出来ているなんてことは全くなかったです。ただ、ちょっとずつ波を上げていく、少しずつ成長していくというのはあったのかなと思っています。 ターニングポイントは色々あったんですが、1番大きかったのは、入社して3年目の時に楽天モバイルの立ち上げをやらせていただいたことです。ディ・ポップスで楽天モバイルショップの立ち上げをやるとなったときに、当時ディ・ポップスの営業本部長で、現在グループ会社の社長である岩間さんからお話をいただいたんですけど、それがターニングポイントでしたね。 当時、とっても生意気だったんですけど、岩間さんに「ディ・ポップスって日本一の店舗ってないですよね。僕作りたいんですよ。」ってラーメンを食べながら話したら、岩間さんが「やろう」って言ってくれて、その年、楽天ショップ5店舗を岩間さんが出店してくれました。ディ・ポップスはほかのキャリアもやっているので、他社さんとリレーションも楽天さんとの交渉も大変だったと思います。 楽天モバイルの立ち上げ部長をやらせていただいて、今では楽天モバイルで何度も日本一を獲得するようになりました。 2つ目のターニングポイントは、KDDI事業部のV字回復です。入社6年目のときに、当時KDDI事業部がauショップ8店舗、UQスポット3店舗あった時代で、月間でかなりの赤字を出している店舗が複数ありました。 会社としても苦しい事業になっていて、組織もみんなネガティブな状態だったんですけど、僕に事業部長を任せてもらってから、最終的に直近3年間の中で過去最高益で着地しました。そのときは、組織を作るというよりは、マイナスをどうやってプラスにするかという状況だったので、組織をもう一度作り直した経験が大きかったです。 そのあと入社当時に所属していた併売店の担当にもう一度戻ったんですが、そのころからディ・ポップスグループの常務取締役(元ヨドバシカメラ 執行役員 事業本部長)で、ディ・ポップスの副会長でもある渡辺さんにマンツーマンで本格的に仕事をやるようになったんですが、渡辺さんに鍛えてもらったから今の僕があるのなと感じています。 当時僕は渡辺さんに全然ついていけなかったんです。ディ・ポップスの転換期、現在代表の増田社長と渡辺さん体制だったころ、僕の中で「本当にもうディ・ポップスについていけないな」と感じた時があったんです。 でも、逃げてもダメだなと思ったので、週末に渡辺さんの事務所に行くと決めて2~3年ぐらい通っていました。そこから渡辺さんと話せるようになって、だんだん話も理解できるようになったことが3つ目のターニングポイントですね。 あの時は、自分の立ち回り方にも悩みました。2番手としてほんとはうまくやる必要があったんですが、物事をまとめる力が僕にはありませんでした。だからまず1回、渡辺さんの方に立ち向かっていこうと決めました。 ◆PlusPassの設立経緯 -杉原- 素晴らしいですね。私も経験がありますが、昭和の時代だからということではなくて、いつの時代でも、厳しい上司とか厳しい先輩って必ずいます。そして厳しさのある先輩って、厳しいからこそ実績がある。 厳しい先輩に出会って逃げてたら、多分いつまでも逃げることになる。そこで食らいついていくことで、そのレベルに近づける。平井さんにはその根性があったんですね。 そして入社11年目となる昨年3月に、今のPlus Passの社長に就任されました。Plus Pass社の社長就任の経緯を教えていただけますか? -平井- 設立のきっかけは後藤さんにいただきました。一昨年の12月ぐらいに後藤さんから、「事業譲渡の話を進めていて、新設会社を立てて受け入れようと思っているんだけど、やってみる?」と有難いことにオファーをいただきました。 ただその代わり、翌年の2月には会社設立と事業譲渡を全部終わらせるから、残り3か月くらいでの準備となるけど、それでもやる覚悟があるかと言われまして、「やります!」とお伝えしました。 後藤さんには、「いつか起業したい」「社長としてパフォーマンスしていきたい」という話をずっと伝えていました。それを覚えていてくださったのかなと思います。 事業に関しては、僕もやったことのない事業をやることになったり、デューデリジェンスにも初めて同席させていただいたりして分からないことだらけではあったんですが、決断しないと進まないということもあったので、後藤さんに背中を押していただいてやることにしました。 -杉原- 大きな決断でしたね。ちなみに現在はディ・ポップスと兼務でPlusPassを経営されているんですよね。どのようにバランスを取っているんですか? -平井- 現状は、ディ・ポップスの割合のほうが比較的多い状況ではあります。 一方で、ディ・ポップスが通信事業で直接キャリアと交渉ができる事業で、PlusPassが広告代理店と交渉できる事業で、やはり両方に所属していることで出来ることも増える印象はあります。 ◆事業概要 -杉原- それは活かすべきですね。それではPlus Pass社の事業概要をご紹介いただけますか。 -平井- 「すまっぴー」という格安SIMの比較メディアの運営をしています。 すまっぴーは、ユーザーが自分自身にぴったりのプランを選べるようになることを最終ゴールにしています。通信業界って8割前後ぐらいが自分に合ってるプランを使ってないという実態があり、その要因は自分で選びづらいことが大きくあると思っているので、ユーザーが自分自身でプランを選べるようになるようなメディア運営を行いたいと思っています。 あとは、youtubeでも情報発信を行っています。 -杉原- すまっぴーは今後もスマホ専門のメディア運営を続けていく予定なのでしょうか。 -平井- 今のところはその予定です。ただ、今商材を増やしているので今後広がる可能性もあります。通信に関連する商材で、よりユーザーの選択肢を増やしていきたいと思っているので、例えばクレジットカードや証券口座、銀行、ポイント、決済などは今後揃えていきたいなと思っています。スマホが中心ではありますが、メディアとしては通信生活のコンサルメディアになっていくと考えています。 -杉原- 今後が楽しみですね。それでは、すまっぴーの特徴や類似他社製品に対しての競争優位性などを教えてください。 -平井- 事業的にはシンプルな状態で、かつ比較メディアの中では販売ボリュームがかなり多いです。背景としては、運用の仕方で今リスティングが中心なんですが、リスティング中心でやっている比較サイトがほぼないので、この点が一番競合優位性があるなと思っています。 ただ、今のままだと比較的真似もされやすい状態ではあるので、もっとこう複合的にビジネスを組み立てる必要があります。   ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/   次回後編のインタビューでは、 ・PlusPass設立後の取り組み ・成長戦略 ・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて ・5年後の理想の姿 などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!  
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2025.07.01
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