COLUMN

【グループ会社インタビュー】㈱STAR CAREER / ㈱graphD 保坂 龍政 社長 ~前編~

  • INTERVIEW
  • グループ企業
2024.10.25

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2016年に株式会社 STAR CAREERを創業した保坂 龍政社長へ、インタビューしました。

 

◆STAR CAREER設立の経緯

-杉原-
今回は、STAR CAREERの保坂社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願いします。
まず現在STAR CAREERの社長を務められていますが、STAR CAREERの社長を務めることになった経緯を教えていただけますか。

-保坂-
はい。STAR CAREERは2016年に創業しました。

私は2006年にディ・ポップスに入社し、店舗責任者や統括部長をしていました。実は2014年〜2015年あたりから、ディ・ポップスを創業し現在ディ・ポップスグループの代表を務める後藤社長が、ディ・ポップスのメンバー向けに後藤塾を実施していました。

意味合いとしては起業家養成塾のような形でしたので、ディ・ポップスの店舗のメンバーも後藤塾に参加していました。後藤塾でMVPをとり、社内起業家第1弾となったのが現在アドバンサーの会長を務める藤田さんだったんですね。

実は私はその後藤塾には一度も出ていなくて、どちらかというとディ・ポップスの中で「起業家になりたい」「グループ会社を作りたい」というメンバーを応援する側の立場だったんです。

ある日後藤社長から、ディ・ポップスが売上高100億円を達成して、次の300億円・500億円・1000億円を目指していく中でグループ会社構想を立ち上げまして、「人材系の新たなグループ会社を作ろうと思っているんだ」というお話を受けたんです。その時に私は「〇〇くんなんかいいんじゃないですか?」っていうふうにメンバーを推薦していたんですね。

そしたら後藤社長から、「保坂くんは自分で手を挙げたりしないの?」と言われまして。「いや僕はどちらかというと、今このディ・ポップスが300億円・500億円となるために、全力で若いメンバー引き連れて実現させますから!」っていうお話をしていました。

それでその日の夜に、定期的に飲んでるディ・ポップスの後輩メンバーに、実は今日後藤社長からこんなお話があったんだ、でも俺断ったよと。みんなと一緒に次の300億円・500円達成していきたいからと伝えたら、「何やってるんですか!やってくださいよ!こっちは任せて背中見せてくださいよ!」と言われて、確かにみんなの言うとおりだなと思い、次の日後藤社長に、「昨日の件ぜひ僕にやらせてください」と言ったところからスタートしました。

-杉原-
ディ・ポップスでの経験って経営に活かされましたか?

-保坂-
活かされています。当時の店舗というのが独立採算制になっていて、売上・粗利がいくらで、店舗の人件費でキャンペーンを独自で入れたりするなどやっていたので、ある意味プチバーチャル経営のような形を取っていました。

ですので店長次第でめちゃめちゃ黒字になったり赤字になったりもする。そういった販売台数や契約台数だけじゃなくて、経営をその個店ごとにしてたんです。店舗でプチ経営をやっていたので、今の経営に非常に活かされているなと思います。

-杉原-
店舗で経営を学べるというのは非常に勉強になりますね。ちなみに、その時点でディ・ポップス以外に何社グループ会社があったんですか?

-保坂-
当時はまだグッド・クルーアドバンサーだけでした。

-杉原-
なるほど、それでは人材会社で3社目ということだったんですね。

-保坂-
実は当時、アドバンサーは人材会社じゃなかったんです。スマートフォンのリユースの会社でした。その後ピボットして今の人材会社になりました。

-杉原-
そうだったんですね!では当時グッド・グルーとSTAR CAREERではどういった違いがあったんでしょうか。

-保坂-
2つありました。まず1つ目は、STAR CAREERはモバイルだけではなくて、箱型のストアビジネス、つまりオリンピックを見越してホテルであったり飲食店であったり、そこの接客と店舗運営に特化した人材派遣を行うというコンセプトで立ち上げました。

あともう1つは、当時、グッド・クルーが採用に苦戦している時期があり年間30名〜40名の採用が続いていました。後藤社長の発案により「じゃあ保坂くん、100人採用やろう」というミッションをいただきました。結果として4月にSTAR CAREERに新卒が社員107人、入社することとなります。

ただこれは面白いことに、次の年にグッド・クルーが今度100人採用できたんです。ここは後藤社長の戦略で、競わせながら成長させていこうと考えていたんだと思います。

創業してすぐ採用活動を行い新卒107人入社というところで結構ハードだったんですが、11月ぐらいに後藤社長から、「来年4月からM&Aで入ってくる会社があるんだけど、そこもやってもらおうかな」と言われました。創業当時は、私含めて2人だけで最初立ち上げてるので、マジですかと思いながらも「やります!」とお伝えして、現在のgraphDの経営もやることになりました。

-杉原-
すごいスピード感のある展開ですね!ボールを投げられたらなんでもこなこなせるというか、こなそうとするというタイプなんですね。

-保坂-
それが最高ですよね。「便利なやつ」って思われたいですね。

-杉原-
とっても重要なことですよね。会社の中の幹部って、トップから見たら「便利な人」は絶対に必要で、その人にどんどん仕事が投げられる。投げられれば投げられるほどその人は鍛えられるし経験ができる。幹部にとっておいしい話なんですけど、グループ会社経営でも似たようなようなところがありますよね。社長としても1つの組織を回しているけど、グループの代表からしたら「便利なやつ」と思われることが大切というか。

-保坂-
そうですね、もうすごい嬉しかったですね。逆に4月に新卒107人入ってくるのに、4月に新しい会社が設立されちゃうってまじか~と思いつつ(笑)

◆STAR CAREERの事業

-杉原-
それでは次に、STAR CAREER社の事業概要を簡単にご紹介いただけますか?

-保坂-
2024年現在においては、就活カフェを運営する総合人材サービス会社です。就活カフェというものを軸として、人材派遣業・人材紹介業・採用代行業の3本立てで経営しています。

-杉原-
そうなんですね。就活カフェというのは事業の核となるんですね。

-保坂-
おっしゃる通りです。企業が人材採用するには、マイナビなどの媒体に出して応募を待つか、もしくは人材紹介会社にお願いして人財を送ってもらうかだと思うんですけれども、やっぱり学生求職者から見た時に、媒体でもない・人材紹介会社でもない、ここに問い合わせしてみようというプラットフォームが就活カフェの立ち位置です。

-杉原-
学生求職者の方は、就活カフェをどうやって知ることが出来るんですか?

-保坂-
基本的には我々が学生団体とのパートナー契約をやっていますので、例えば ラオスとかカンボジアとかの難民支援をしている学生団体さんとか、保護犬・保護猫活動を行う学生団体さんなどいろいろな団体があるんですが、彼らはミーティングをする場所を我々の就活カフェでやれるように開放して、活動するための場所の提供であったりとか、定期的に彼らの活動資金として、協賛金を1口5万円とか10万円みたいにスポンサーとして提供する。

代わりに学生団体に登録してる学生さんが、我々の就活カフェでイベントやる時とか、説明会をやる時に来てくれるというような関係になってます。

-杉原-
その就活カフェによる就活支援事業を核として、主には学生さんを採用や、紹介をしたりされているんですね。自社で採用する場合は学生を含め、若手の方が多いと思うんですが、研修や教育はどのようにされているんでしょうか。

-保坂-
まず内定者研修・入社研修入社してから、月1回の集合研修を1年間やっています。

他のグループ会社やグループ外の人材派遣会社も同じような会社はいっぱいありますが、我々の派遣先への出勤日数は他社よりも1日少ないんですね。ある意味出勤として研修しているので、派遣先に行くのは減ることになります。

メンバーに対して内定から入社のタイミングでずっと言っているのは、「仕事っていうのは、やりたいことをやるためには、できることが増えてくればいつの間にかやりたいことができるようになってる」という話をしています。

レベルとスキルというのがあるとして、結構みんなスキルを求めたがるんです。資格を取るとか留学をするとか。スキルをあげたいと言う人が多いですし、スキルってのは強い武器だと思います。だけど、ドラクエで例えると、レベル1の子がレベル50の強い武器(スキル)を持ったとしても使いこなせないですよね。自分自身のレベルを上げていかないとそのスキルは活かせないので、まずは社会的に市場価値を上げるためにスキルを上げるだけじゃなくて、まず1年間で自分自身のレベルを上げようと。

自分自身をレベル10→レベル20→レベル30にしてスキルも磨きなさいというようなレベルとスキルの話をしています。なので、どちらかというと店舗で働きなさいではなくて、店舗でいろんな壁にぶつかったりするけど、そこに心の向き合い方とか周りへの協力の仰ぎ方とか、自分自身のレベルが上がることで仕事ってできるようになってくので、それを月1回の研修の中で伝えていますね。

-杉原-
素晴らしいですね。レベルを上げていく中で身につくものの方が、資格を取るなど先にスキルを磨くよりもよっぽど濃いですよね。資格が無駄だとは思ってはいないんですが、英語でいうと喋れないのにTOEIC990点ですっていう人よりも、仕事で英語を使うなど場数を踏んでいくことで英語を使いこなしたビジネスパーソンになっていく・その過程で試験を受けてやってみたら点数が上がったというほうが自分の自信にも繋がるし、価値としても絶対高いですよね。

◆コロナ禍の苦難

-杉原-
では次の質問です。その人材会社を経営して8年経ったと思いますが、この直近の事業運営はどうでしたか。そして3年前のコロナ禍のとき、会社の状況はいかがでしたか。

-保坂-
コロナ禍のときは、一度、会社の方向性を揺るがすほどのダメージを受けました。もともとストアビジネスというところで、ホテルや飲食店の派遣事業をやろうとしていたのがオリンピックがなくなってしまい・・・。

そもそもSTAR CAREERのロゴマークの星の色には1つ1つ意味があって、例えば、ホテル・ブライダル・アパレル・飲食・携帯ショップなど5領域の接客に特化した派遣事業という意味でスタートしたんですが、コロナで見通しが見えずらくなってしまった事業はホームページなどこの意味を掲載していたものはすべて削除することになりました。同時にそのタイミングで開始した事業が就活カフェ事業です。

長いコロナ期間によって人々はライフスタイルや人生観に大きな転機を迎えました。特に私たちは接することの多い就活生はまさに大学1年生の時にコロナがはじまり、コロナが5類に分類されたタイミングで4年生。面接で学生時代にやりきったことは?と聞かれても困ってしまう事でしょう。コロナと同時に始まったこの就活カフェ事業は、事業領域から自分の選択肢を広げる・人生の選択肢をカラフルにしてほしいという思いを込めたものへと変革をしました。

ただ、就活カフェの立ち上げ当初は、ホテルや飲食を目指して入社した方から、「もともと聞いていた話と違う、最初はこう言ったからこの会社入ったのに、なんだやらないんだ」と辞めていくメンバーも少なからずいましたが、その本質であった【人と人を繋ぐ】という軸は変えずにコロナ禍で大きく市場が拡大した非対面のコールセンターや在宅でのカスタマーサポートにも取り組んでいきました。また対面においてもコロナの収束に合わせ、オフィス事務の領域にも進出しています。今ではメンバー自身が自らの成長に合わせた環境の提供という概念に加え、人生設計によって働き方のバリエーションの提供という意味合いも強くなりました。

結果としてコロナによって私たちが再認識した事はBtoCでもBtoBでも結局そこに人と人の繋がりがあって、例えばお店で自分のところに来てくれるのは、「この人だったらなんとかしてくれるかも」と店舗に来てくれる。そしてBtoBもそこに人と人がいるので、納期やばいな、これでも◯◯さんにお願いしたらなんとか頑張ってくれるかもしれないって連絡が来るわけじゃないですか、結局。だとすれば、やっぱり仕事は人と人なんですよね。

最初、新卒で入社した時は、もうガンガン働きます!と言っていたメンバーも結婚して産休・育休から戻ってきてくれて、変わらず頑張りますという人も、もう少しバランスを取って働きたいとか、働きたいけどこういう形だったら働ける人も全員正解だと思うんです。
もっと年収を上げに行きたいのか、それともプライベートを充実させていきたい・家族重視でいきたいのかなどいろんなことがが出てきた時に、その社内の中でバリエーションを作ってあげたい、長く安心して働ける会社にしたい、これが自分の人生をカラフルにしてほしいというロゴに込められた新しい意味と思いです。

また、業績に関しては、コロナ前より業態そのものが変化しているのでトップラインは一時的に落ちてはいるものの、営業利益は以前より良くなっています。

-杉原-
素晴らしいですね。大変な時期があったけど、それを乗り越えて今少しずつ骨太の事業形態に切り替えつつあるんですね。

-保坂-
そうですね。今はモバイル派遣よりも、コールセンターやバックオフィスの方が、派遣する人数が多くなったので、ある意味グループ会社のリスクポートフォリオは広がったかなと思っています。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

【株式会社STAR CAREER】
代表者:代表取締役 保坂 龍政
所在地:東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー25F
設 立:2016年 5月
サイト:https://star-career.co.jp/

---------------------------------------------------------------------------------------

次回後編のインタビューでは、
・市場環境
・「キャリポ」のリリースについて
・産学連携イベントについて
・STAR CAREERの社風について
・「ベンチャーエコシステムの実現」について
・その他
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

 

 

関連記事

大手企業との信頼を積み重ね続けるopzt赤松文則社長に聞く、人が育つ人材派遣ビジネスのつくり方【Part2】
【このパートについて】 全2回にわたるインタビューの最終回となるPart2では、赤松社長のバンドマン時代の経験や起業のきっかけ、組織づくりへのこだわり、大病をきっかけに立ち上げたエンタメ事業、そしてディ・ポップスグループへのM&Aの経緯やベンチャーエコシステムへの共感、5年後のビジョン、読者へのメッセージについてお聞きしました。(このインタビューは2026年8月に実施しました。) ◆ 「バンドマン時代」の経験が経営に活きている —杉原— 事業の話から少し離れて、社長のキャラクターを深掘りさせていただきたいと思います。元はバンドマンだったという話を聞いたことがあるんですが、本当ですか? —赤松— はい、本当です。若い頃はベースを弾いていて、会社経営とは全く違う世界にいたんですが、バンドも一人だけ上手ではチームとしてまとまらないので、結構会社経営と似ている部分もあるのかなと思います。 それぞれ個性もありますし、能力もあります。でも、一つのステージを作るという意味では、会社経営も一緒なのかなと。 —杉原— チームワークやバランス感覚を、音楽の分野で長く経験されていたんですね。その頃のバンドマンとしての経験は、社長業に役立っていますか? —赤松— そうですね、わからないですけどね。ライブでお客さんの反応を見ながら、相手が何を求めているかを感じ取る、という感覚は活きているかもしれません。 —杉原— 確かに。大手企業と取引をするには、空気を読めないと無理ですものね。 ◆ 「納得できる会社をつくる」――opzt創業の原点 —杉原— 最初に少し触れていただきましたが、改めてお聞かせください。opztを起業したきっかけと、創業から13年間を振り返った今のご感想をお聞かせください。 —赤松— 元々の起業のきっかけは、大きな会社、大企業を作りたいという計画があったというよりは、自分自身の責任で事業をやって、自分たちが本当に納得できる会社を作りたいという、割と志が低めの起業ではあるんです。壮大なビジョンはありませんでした。 本当に20年ぐらい前の人材業界は、超がつくブラック企業が多く、その中で働きながら、もっと働く人を大切にしたらいいのではないか、お客様にももっとクイックに柔軟に対応できる会社ができるのではないかと、ふつふつと感じる部分があったので、2013年に創業したというのが元々の経緯になります。 この13年を振り返ると、本当に会社の売上や規模以上に、人とのご縁でなんとかここまで来られたという感覚が大きいですね。 —杉原— 壮大な大企業を作るというより、具体的な計画がないまま起業してうまくいかない社長もいる中で、本当に理想の職場をみんなに提供したいという思いと経験から始まっているというのは、素晴らしいですね。 私自身、以前勤めていたシステム会社にエンジニアになるつもりで入ったのに、結局昔は派遣業だったんです。自分の上司なんて半年に1回ぐらいしか顔を出してくれなくて、派遣先の工場でずっと仕事をしていたんですが、あの頃は単価としてしか見られていなかったんです。現場ではすごく評価されていても、給料には全然反映されない。そんな時代でしたよね。結局、3年で辞めてしまいました。(笑) —赤松— 本当にそうです。僕らも、派遣スタッフに有給を取らせるなとか、人が足りなければ道端で声をかけてこいとか、そういう時代でした。 数字だけで見られて、もっと残業させろとか言われて。無茶苦茶な時代でしたね、本当に。 —杉原— それに関連するんですが、創業時、創業間もない頃から社員になっている方が長く続けられている印象があります。組織作りや会社運営の面で、人に関してこだわりや心がけていることがあればお聞きしたいです。 —赤松— 本当に、単純に感謝しかないというか、長く働いてくれる社員が多いので、本当にありがたいなと思っています。 大切にしているのは、社員を単なる役職や数字だけで見ないということです。人それぞれ得意なこと不得意なことがありますし、営業が得意な人もいれば、管理が得意な人もいます。同じ型にはめるのではなく、それぞれが活躍できる役割を作ることを意識しています。 また、創業メンバーだけで意思決定するのではなく、新しく入った人にもきちんと機会を与えて、次の経営人材や責任者を育てていきたいという思いがあります。そういった昔ながらの良さを残しつつ、属人的ではなく、仕組みで動く組織に変えていくということを意識してやっています。 ◆ 拠点を管理せず、経営者を育てる――複数拠点のマネジメント哲学 —杉原— 私自身、渋谷ヒカリエに拠点を置く東京のopztチームの皆さんとよくお会いします。東京のopztチームの皆さんは、社長がいらっしゃらなくても本当に真面目に、和気あいあいと、真剣さもありながら冗談を言い合いながら明るく雰囲気よく仕事を回されているんですよね。先ほどお話にあった名古屋、四国、九州と点在しているオフィスの中で、スタッフや社員の方々がどうしてそんなに自主自立してしっかりと仕事をされているんでしょうか? —赤松— そうですね、各拠点を細かく管理しすぎないというのが、実はキーになっています。地域によってお客様や採用のマーケットもまったく違うので、本社の成功パターンをそのまま押し付けてもうまくいかないというのが過去にありました。 東京のチームが自走できているのも、現地のメンバーが自分で考えて意思決定し、結果にコミットしてくれているというのが大きいと思っています。拠点を管理するというよりは、拠点の経営者を育てる感覚に近いですね。 —杉原— 凄いですね。みんな本当に自分が経営者だという雰囲気で、東京の成績を上げるんだと動いているんですね。 ◆ 大病が教えてくれたこと――エンタメ事業「SELEBRO」誕生の背景 —杉原— 話は変わりまして、赤松社長はopztとは別にエンタメ系の事業をされているとのこと。こちらはopztの後に立ち上げられたんですよね、「SELEBRO」という会社ですね? —赤松— そうですね。今、「SELEBRO」という会社で、ライブハウスやナイトクラブ、アーティストのマネジメント、音楽フェスなどのイベントの企画を行っています。 ビジネスモデルとしては、本当にがっつりエンタメとテクノロジーを合わせたような、エンタメテックのような事業もやっています。opztとは別で、本社も大阪でここではないんですが、元々私自身が音楽やエンタメが好きだったというのもありますし、きっかけとしては、僕自身が脳動脈解離という病気になって入院したことが大きいです。 2018年の12月にディ・ポップスグループにジョインをして、その半年ほど後、2019年の6月か7月頃です。本当に突然のことで、病院に行ったらすぐに入院してくださいと言われて。本当に深刻な状況で、もう明日死ぬかもしれない状態で1ヶ月過ごしました。 そこで人生観が180度変わったというのが大きいです。それまでは自分自身の未来はまだまだあって、根拠もなく80歳、90歳ぐらいまで生きて死ぬんだろうと勝手に思っていたんですが、それがひっくり返って。音楽もいつか将来、長い人生のどこかのタイミングでチャレンジできたらいいなと漠然と考えていたんですが、病気を経験してから、いつかではなく、いつ来るかわからないので、人生の最後にあれをやっておけばよかったという後悔だけはしたくないと思うようになりました。 そういう心持ちでいると、昔の音楽の縁や、すごくいい場所ができたりと、引き寄せのようにどんどんそういう巡り合わせがあって、これはもうやるしかないなと思いました。代表の後藤さんにもちゃんと話をして、「こういうことをやりたいんです」と伝えました。ただし、「opztもちゃんとやるならいいよ。」ということで、中途半端にはやってほしくないという話をいただきました。 ちなみに病気は治りました。結局、手術には至らず、その後は回復して、今は健康に過ごせています。 今は第二の人生を生きている感覚があります。やりたいことを「いつか」に先送りしないようになりました。 いつ死ぬかわからないので。 ◆ 会社の個性を尊重してくれた――D-POPS GROUPを選んだ理由 —杉原— 病気のことまでお話いただいてありがとうございます。大変なご経験をされたんですね。2018年にM&AでD-POPS GROUPにジョインしていただきましたが、その経緯や、いくつもオファーがあったと思う中で、ディ・ポップスグループを選んでいただいた理由をお聞かせいただけますか? —赤松— 当時、会社は5年目ぐらいで、10億円にいくかいかないかぐらいの規模感だったんですが、一定の規模まで成長していく中で、次のフェーズに進むためには自分たちだけでは持てない経営資源や知見が必要だと思うようになったのが、最初のスタートでした。 順調に成長していたので、いろいろな企業からお話をいただいたんですが、単純に会社を買収するという考え方ではなく、経営者である私自身や会社の個性をしっかり残しながら一緒に成長していくという、D-POPS GROUPの考え方と、後藤さんの人柄に魅力を感じたというのが理由です。 M&Aをした仲間も多いんですが、結局グループ入りした後に経営方針が変わったり、創業経営者が経営から離れるケースも多々見てきたので、そういう意味でも、ディ・ポップスグループは引き続き私自身が経営をさせていただいていますし、opztの文化や強みを尊重しながら成長させてくれています。優しく見守ってくれているというのがすごくいいなと思っています。 本当に、条件面などではなく、誰と一緒に経営するか、グループ入りした後に社員が前向きに働けるかというところを重視して選んだという感じです。 —杉原— その時の期待通り、10億円ぐらいの規模だった会社は、この6年間で大きくなりましたよね。経営体制が変わらないまま、後藤社長やディ・ポップスグループの経営会議などからの学びは結構ありますか? —赤松— そうですね。本当にいろんな面で日々勉強させていただいていますし、今もメンターシップもいただいていて、日々勉強させてもらっている感じです。 ◆ 「グループから次々と経営者が生まれる」ベンチャーエコシステムへの共感 —杉原— 素晴らしいです。では最後に、「ベンチャーエコシステムの実現を目指す」をスローガンにしているディ・ポップスグループですが、この目標に共感する部分や、エコシステム作りを意識した活動などがあればご紹介ください。 —赤松— たくさんあるんですが、特に共感するのは、一社だけが成功するのではなく、グループ内から次々に経営者や新規事業が生まれていくという考え方です。 僕自身も創業経営者として、会社を大きくすることだけが目的ではなく、社員の中から次の事業責任者や経営者が生まれ、その人がまた新しい会社や事業を作っていく、そういう循環する環境を作りたいと思っています。 opztでも、各拠点に権限と裁量を与えて、小さな会社を経営する感覚で拠点運営をやってもらっています。その事業で生まれた人材や資金、信用を次の事業に循環させていくというところが、ベンチャーエコシステムにつながるのではないかと考えていて、そこにすごく共感しています。 —杉原— opztさん自身の中でも、エコシステムができているようなイメージですね。 —赤松— そうですね。規模はまだ小さいですが、通ずる部分があると思っています。 ◆ 5年後、人とテクノロジーで企業の成長を支える会社へ —杉原— 5年後のopztはどのような姿、あるいは具体的な目標があれば教えてください。 —赤松— 5年後は、先ほども出た通り、単純に人材を派遣するだけの会社ではなく、人とテクノロジーを組み合わせて企業の成長を支援していくような会社になりたいと思っています。引き続き派遣事業は大きな基盤でもあるので、しっかりここはやりつつ、AIやデータ、データセンター領域の比率をより高めていきながら、専門性と収益性の高い事業構造に変えていきたいと思っています。あとは、社員やスタッフがきちんと成長して、お客様から長く必要とされること、適正な利益を出しながら新しい事業に投資できるくらいの会社にしていきたいと思っています。 ◆ 読者へのメッセージ —杉原— では最後に、読者の方に一言、何でも結構ですのでお願いします。 —赤松— opzt自体はまだまだ未成熟な会社ですし、これからAIをはじめテクノロジーもすごいスピードで変化していくと思いますが、当社としても過去の成功にとらわれず、新しいことにチャレンジしたいと考えています。仕事を探している方がもしこの記事を見てくださる機会があれば、今の経験だけで自分の可能性を決めてほしくないなと思っています。今経験がなくても、学んで挑戦することで新しいキャリアを作ることができますし、企業の方が見てくださっている場合は、人材の紹介だけでなく、組織作りや業務の改善、新しい事業の挑戦についても一緒に考えられるパートナーでありたいと思っていますので、少しでも興味を持っていただけたら、お気軽にお声がけください。 —杉原— 素晴らしいです。ありがとうございました! ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【opzt株式会社】 代表者:代表取締役 赤松 文則 所在地:大阪市中央区本町4-2-12 野村不動産御堂筋本町ビル5階 設 立:2013年9月10日 コーポレートサイト:https://opzt.net/ Part1はこちらからご覧ください!
  • INTERVIEW
  • グループ企業
2026.09.03
大手企業との信頼を積み重ね続けるopzt赤松文則社長に聞く、人が育つ人材派遣ビジネスのつくり方【Part1】
【このパートについて】 全2回にわたるインタビューの第1回となるPart1では、opzt株式会社の事業内容や大手企業との信頼関係の築き方、テクノロジー領域への展開、人材育成、そして生成AI時代への向き合い方についてお聞きしました。(このインタビューは2026年8月に実施しました。) ◆ 人材とテクノロジーを軸に、5拠点で全国展開する事業を紹介 —杉原— D-POPS GROUPでは、現在26社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2018年にグループ入りしたopzt株式会社の代表取締役 赤松 文則さんへ、インタビューさせていただきます!宜しくお願い致します。 まず初めに、ホームページにも掲載されていますが、改めて赤松社長ご自身の言葉で、事業内容の概要をご紹介いただけますか? —赤松— 事業としては、人材派遣・人材紹介、アウトソーシングを含めたHR事業と、ITのテクノロジー領域を扱うTech事業を中心に展開している会社です。創業当初からやっているのは、通信業界を中心とした事務系やコールセンター、営業支援・販売支援の人材サービス事業です。現在は大阪、東京、名古屋、四国、福岡の5拠点で展開しており、全国で多くのメンバーが働いてくれています。直近では、従来型の人材サービスだけでなくITのテクノロジー領域にも力を入れておりまして、その中でもAI、データサイエンティスト、インフラエンジニアといった専門性の高い人材サービスを展開しています。 今はSES(システムエンジニアリングサービス)や業務委託・受託という形が中心ですが、将来的には自社開発したものを販売していく、自社でも開発をやっていきたいという思いはあります。 —杉原— ちなみに社名の由来を教えてください。 —赤松— お客様に選んでいただく会社になりたいというのが元々の由来です。「チョイス」は複数の中から選ぶイメージがありますが、「オプト」は特定の一つだけを選ぶという意味合いがあるので、そういう会社になりたいという思いを込めました。すでに「オプト」という有名な会社があったので、同じ表記は避けたいと思い、アルファベットの最後の文字である「z」を入れて「これ以上ない、いい会社」という意味を込めた造語にしました。 —杉原— 英語から着想を得て、造語で完成させたということですね。派遣している人材の規模は、社員として何名くらいになるんですか? —赤松— 社員といわゆる登録派遣の方を合わせて、今550名ぐらいです。 ◆ NTTとの絆を築いた、創業2年目からの信頼の積み重ね —杉原— とても大きな人材の母数をお持ちですが、その方々を派遣する先の開拓についてお聞きしたいです。事前にお聞きしていますが、NTT関連の取引先がとても多いと聞いています。そんな大企業と取引できるようになったのはどんな背景があったんでしょうか? —赤松— 元々は僕自身がサラリーマンとして働いていた時に、NTTグループさんを担当していたというのが大きいです。当時は本当に若造だったんですが、その時からいろいろな重鎮の方々に可愛がっていただいて、仕事上のお付き合いだけでなく、人としての信頼関係を築くことができました。その後、僕自身が独立するタイミングで、当時お世話になっていたNTTの幹部の方が「赤松が独立するなら応援したい 」と言ってくださって、顧問という形で力を貸してくださることになりました。 それがきっかけというわけではないんですが、独立のタイミングで前職のメンバーや、NTTで実力のある方々が色々とジョインしてくださったのがきっかけになります。 そういう方々の長年の信頼とネットワーク、人脈も含めて、NTTさんをはじめとする大手企業とのつながりが非常に多い方が多かったので、そこをきっかけに取引ができたというのが最初のスタートになります。 そして、本当に奇跡的に、創業2年目という非常に早い段階で、NTTさんと契約することができました。 NTTさんとしても、当時は弊社が帝国データバンクの評価も定まっていない、まだ評価されるべき会社ではなかったので、かなり異例だとは思います。 —杉原— NTTさん以外にも大手企業が顧客として多くあると思うんですが、営業で悩んでいるスタートアップも多い中、赤松社長及び経営チームはどうやってここを開拓してこられたんですか? —赤松— 本当にありがたいことに、2年目でNTTさんという大きな企業と取引できたことで、大きな会社と取引する難しさ(情報管理やコンプライアンス、人材の質など)を試行錯誤しながら学べたことが大きかったです。ある程度、NTTさんとの信頼関係ができたり、大手との付き合い方が組織としてできるようになったので、それを他の大きな企業にも横展開していくのが、比較的早く立ち上がったという感じがあります。 以前からそうですが、契約を取る営業というよりも、契約をいかに長く続けられるかという営業を大切にしています。今もNTTさんをはじめドコモさんなど、大手企業との取引が続いているのは、一つ一つの積み重ねでできたんじゃないかと思っています。 —杉原— 赤松社長が特に気をつけていること、大手企業と取引を継続するために、あるいは先輩たちから可愛がられる理由として、ご自身ではどう思われますか? —赤松— 本当に、小さな約束を守り続けた結果の積み重ねだと思っています。信頼関係というか、先ほどお伝えしたような人材の質、コンプライアンスや情報管理がきちんとしているか、現場で問題が起きた時に隠さず、すぐに報告し、会社としてどう改善するか、 大きな企業ほどそこを見ていらっしゃるので、一つ一つ、スピーディに対応しながら徹底する。社員もそれを徹底する、その積み重ねなのかなと思います。 僕たちも何もないところからのスタートで、最初の入口は人脈だったかもしれませんが、これだけ長くお取引が縁だけで続くとは思っていません。積み重ねなのかなと思っています。 ◆ 「単純業務から専門性の高い領域へ」――AI時代を見据えた事業の差別化 —杉原— 提供するサービスである事業についても、この13年の間にピボットされているという印象があります。特に最近、テック関連の派遣ビジネスを始められたと思うんですが、どのように差別化をされているんでしょうか? —赤松— 元々ピボットしようという意識ではなく、ずっと人材マーケットを見ていく中で、単純業務や定型業務はAIによる自動化になっていくというのが一つのきっかけとしてありました。一方で、AIやデータの領域、データサイエンティストなど、そういうAIを活用できる人材の需要が高まってきたというのも一つのマーケットの動きとしてありました。当社としても、今まで通りの人材サービスをやっていれば必ず淘汰されると思ったので、成長性の高い分野に力を入れないといけないと考えたのが、今から3、4年ぐらい前のことです。 ただ、従来型のSES企業と同じことをしても意味がないと思っていたので、私たちは特にAI・データ領域のエンジニアやデータサイエンティスト、さらにデータセンターを支えるインフラ領域の人材など 、これから企業の競争力に直結するところに絞って展開しています。 また、すでに高いスキルを持っている方だけを採用するのではなく、未経験でポテンシャルの高い人材を採用し、教育し、実務経験を積ませながら専門人材に育てるという取り組みも並行して行っています。人材派遣で培ってきたノウハウと、テクノロジー領域の専門性を組み合わせているところが、他社にはない差別化の部分だと思っています。 —杉原— 今お話に上がったデータセンター周りというのは、さすがだなと思いました。米国ではITエンジニアのリストラが増える一方で、電気工事士の需要が高まっている、公認会計士をやめて電気工事士や配管工になる人までいるというニュースを見て、単純に手に職ということなのかと思っていたんですが、それがデータセンター建設に関わる仕事だったんですね。人手がまったく足りないと聞きますし、半導体やサーバーで日本のメーカーも潤っていますが、最終的にそれを設置する人という需要もあるということですよね。 —赤松— おっしゃる通りです。特に大阪は、東京のバックアップとしてデータセンターがどんどん増えています。東京がこけても大阪でデータを守れるという位置づけで、今どんどん建設されています。24時間監視が必要だったり、辺鄙な場所にあったりして、通信キャリアさんも人手不足でずっと困っていらっしゃるので、ここはしっかり取り組みたいと考え、力を入れています。 僕自身もAIをいろいろ使っていますが、結局トラフィックがどんどん増えていっているのは事実ですので。 ◆ 「選ばれる会社」であるための採用戦略と教育プログラム —杉原— さて、そういったサービスを提供する顧客に対して、実際に派遣する人材の獲得についてお聞きしたいです。うちのグループの中でも採用にはなかなか苦労しているという話を聞きます。コストだけでなく、そもそも人が少ない中で、赤松社長としてはどう取り組んでいらっしゃいますか? —赤松— 当社も完璧にうまくいっているわけではないですが、一つの採用手法だけに依存しないということを大切にしています。求人媒体、人材紹介、リファラル、SNS、採用イベントなど、職種や地域に応じて複数の採用経路を使い分けているのが特徴です。 それ以上に重要視しているのは、応募者から選ばれる会社になることです。今の求職者は、給与や仕事内容だけでなく、入社後にどんな経験ができるか、どんなキャリアにつながるか、会社が自分をどう扱ってくれるかをよく見ていらっしゃいます。そのため当社としても、いいことだけを伝えるのではなく、仕事内容、職場環境、期待される役割をすべて正直に説明するようにしています。採用した人数よりも、入社した人が活躍して長く働いていただけることを重視して取り組んでいます。 —杉原— 素晴らしいです。opztさんに入社した時、必ずしも高いスキルを元々持っている人だけではなく採用して、教育プログラムがあるというお話でしたが、もう少し詳しく教えていただけますか?テクノロジーに縁のなかった人でも、その分野に派遣されるような人材になれるんでしょうか? —赤松— 基本的な教育として、ビジネスマナーや情報セキュリティ、コンプライアンスの基礎教育に加えて、それぞれの配属先に応じた研修を行っています。特にテックの領域では、オンラインで学んでいただくだけでなく、課題を作って発表してもらったり、資格取得を支援したり、先輩エンジニアによるフォローを組み合わせたりして、学んだ内容を実務で使える状態にすることを重視しています。 また、技術力だけでなく、コミュニケーション力や報連相、お客様の意図を理解する力も重要だと思っているので、そういったところも人によってプログラムを変えて実施しています。「またこの人にお仕事をお願いしたい」と言っていただけるような人材を育てるのが目標です。 ◆ 荒波か、追い風か――エージェンティックAI時代への対応 —杉原— さて、このような人材派遣業、特に最近注目されている技術者の派遣業にとって、気になるのが生成AI、特に最近ではエージェンティックAIですね。この波は荒波だと捉えていますか?それとも乗っかるチャンスだと捉えていますか?どのような対策や対処を行っているでしょうか? —赤松— 荒波であり、危機ではあると思っていますが、それ以上に大きなチャンスだと考えています。先ほどもお伝えした通り、定型業務や単純業務はどんどんAIに置き換わっていっていますし、実際に置き換わっている実感がすでにあります。 ただ、今までと同じような人材サービスを続けていれば、間違いなく淘汰されると思っています。一方で、データを活用できる人材や、AIを企業に導入できる人材、AIでは代替できないコミュニケーション力・対人能力を持つ人材の需要は、右肩上がりに増えている実感があります。そういう意味でも、opzt自体が変化してこの波に乗っていくことができれば、非常に大きな波に乗れるのではないかと考えています。 当社では、AIやデータサイエンティスト以外の事務職や管理、採用といった職種でも、AIを使える人材を育成しようとしています。AIに使われるのではなく、AIを使う側の教育をすることで、他にはない差別化ができればと思っています。 ◆ さらなる成長へ向けた3つの新しい取り組み —杉原— ありがとうございます。事業のさらなる成長のために、直近で具体的に新しく取り組んでいることはありますか? —赤松— 大きくは3つあります。1つ目は先ほども出た、AI・データ、そしてデータセンター周りのインフラ領域の事業をまず伸ばしていくことです。2つ目は、1人単位の派遣ではなく、チームでご支援していく、アウトソーシングでより付加価値の高い契約形態をどんどん増やしていくことです。3つ目は、既存の人材サービスの部分でも、AIを活用して採用や面談、スタッフフォローといった業務の生産性を高めていくことです。 —杉原— チーム丸ごと派遣するというニーズがあるんですか? —赤松— あるんですよ。今は、そもそもそのスキルを持っているエンジニアがもういないというか、金額も高くなっているので、経験者と、私たちが育成している若手人材をチームとして組成して支援する 形が増えています。育ったら次の若手をチームに加えることで、現場の中で育成が循環する仕組みを作っています。 —杉原— 経験を積めますし、若手の方はその先輩と一緒に、同じ仕事、同じ顧客の中で同じ分野の仕事をすることで経験を積んで、いずれリーダーになっていくということですね。 —赤松— はい。企業側もそういう人材を育てられないので、丸ごとお願いしたいというニーズがあります。 大変な部分も多いですが、当社としても未経験者を入れられるということで、最近はその手法で企業さんにご紹介しているパターンが多いです。 —杉原— 確かに、一人で送るよりも、その人個人のスキルや経験は積めますが、会社としてノウハウが溜まっているのかという疑問がありますよね。おそらく戻ってきて、その人が今度は先生として社内でトレーニングをする。でも、その時間ってなかなか売上にならないですからね。むしろ、先生役だけをやらせるのではなく、現場で学ぶ経験を先輩から、派遣先から募集をいただきながら、そこで学びも得ているということですね。 —赤松— そうですね。それでどんどん今、この手法を広げていっています。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【opzt株式会社】 代表者:代表取締役 赤松 文則 所在地:大阪市中央区本町4-2-12 野村不動産御堂筋本町ビル5階 設 立:2013年9月10日 コーポレートサイト:https://opzt.net/ Part 2では、 ・バンドマン時代の経験と経営への活かし方 ・opzt創業のきっかけと十三年間の軌跡、組織づくり ・大病を経て立ち上げたエンタメ事業「SELEBRO」 ・D-POPS GROUPとのM&Aの経緯とベンチャーエコシステムへの共感 ・5年後のopztが目指す姿と読者へのメッセージ などについて伺っています。Part2もお楽しみに!  
  • INTERVIEW
  • グループ企業
2026.08.31
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part3~
全3回にわたるインタビューの最終回となるPart3では、Adora株式会社の「人」と「文化」に迫ります。インドで出会ったCTOのSaurabhをはじめとする開発チームはなぜ名もなきスタートアップに参画したのか。エストニア留学で出会った仲間たちとの絆、「Sunny・System・Solid」という3つのバリューなど、インタビューの総まとめをお届けします。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 錦糸町のオフィスに込めた想い -杉原- ここのインタビュー場所は錦糸町のマンションの一室ですね。とても居心地よさそうで、お花もあって。この春に引っ越しされたとのことですが、なぜここを選んだのですか? -冨田- いくつか理由があります。もちろんメンバーみんなが来やすいというのもあります。ただ私個人の感覚として、キラキラしている場所よりも、錦糸町のほうが合っているなと思いました。錦糸町はスターバックスが5軒もあるほど栄えているのに、同時に人間らしい雰囲気も共存しています。 個人的に、お酒という毒を皆でシェアしながら絆を深めていって、「みんなで頑張ろうぜ」となるのが好きなんです。ほどほどにお酒を一緒に飲むことを大事にしたいと思っているので、居酒屋も近くにあって、みんなが来やすい錦糸町がいいなと思いました。 ◆ 平均年齢26〜27歳 — 未来を作るチームの構成 -杉原- この半年ほどで徐々にメンバーが増えましたね。現在のメンバー構成について、差し支えない範囲でご紹介いただけますか? -冨田- 正社員ベースでまだ10名以下という小さな会社ですが、人事担当が入ってくれたり、エンジニア中心の会社にビジネス開発・UX・公共政策担当のメンバーも加わったりと、徐々に会社らしくなってきました。バックオフィスのメンバーも入り、各ファンクションが揃いつつある感じです。若手が多い会社で、平均年齢は26〜27歳くらいでしょうか。インターン生の大学生も多いので、そちらも含めるともっと若くなりますね。 -杉原- 本当に未来を作るチームですね。以前一緒に飲んだ創業者CTOのSaurabhをはじめ、開発チームはインド人チームですよね。彼らの技術力はやはり凄いですか?また、なぜ日本のスタートアップに参画してくれたのでしょうか? -冨田- もちろん国籍による差よりも個人差の方が大きいとは思いますが、弊社のインド出身メンバーはみんな技術力も高いし、コミットメントと熱量が高いです。いいものを作りたいという当事者意識が強いと思います。 -杉原- 真面目で熱量が高くて、技術力だけでなく人としてもとても素敵な方たちですよね。 -冨田- そうですね。Saurabhの人柄が良いことが全ての源だと思います。人柄が良いから、良い人が集まってきているんだと思います。 -杉原- 当時まだ無名で、auとの提携も起きていなかったAdoraというスタートアップに、Saurabhをはじめとするインドチームはなぜ参画してくれたのでしょうか? -冨田- 私とSaurabhはインドのカフェで出会いました。私がその店でお客様にコーヒーやお茶を出すというアルバイトをしていた学生時代のことで、彼は常連のお客さんでした。本当に友達のような感じで始まった関係です。その縁でSaurabhが後輩や仲間を集めてきてくれたというのが経緯です。 -杉原- 冨田さんとSaurabhのカフェでの出会いが全ての始まりなんですね。Saurabhが会社に加わってくれたのはすんなりいきましたか? -冨田- 最初は別の会社で働きながらという状態でしたが、本当に序盤の序盤にフルタイムでコミットしてくれました。私を信頼してベットしてくれているわけですから、その信頼に応えられるように頑張らなければという気持ちは常にあります。人を信じるということをとても大事にしている人です。 ◆ エストニアの寮で一緒にうどんを作った仲間たち -杉原- 各役割のメンバーの中には、エストニア留学で出会った仲間たちもいますよね。どんな方たちですか? -冨田- UI・UXの責任者や人事の責任者とはエストニアで出会いました!私のいた寮で「日本が恋しいね」と言いながら一緒にうどんを作ったりしたこともあります(笑)。 彼らに限らず、一緒に働いてくれている人たちに対して「一緒に働いていて楽しい」「この人のために頑張りたい」と思える瞬間がたくさんあって、そういう感覚を個人的には大切にしています。私自身にもできないことがいろいろあるので、チームで補い合えている点に感謝しています。チームであるからこそできることを積み重ねていきたいですね。 ◆ 「Sunny・System・Solid」— 3つのバリューを策定 -杉原- そんな仲間たちと一緒に、先日ミッション・バリューを策定されたと伺いました。ぜひ今日ご紹介ください。 -冨田- 最近、スローガンとして3つのバリューを試験的に作り始めました。今年から運用しています。 3つとも「S」で始まる、覚えやすいものにしました。「Sunny」「System」「Solid」の3つです。 「Sunny」は、一緒に働いていて楽しいと思ってもらえる、応援したいと思ってもらえるような振る舞いをしようということです。 「System」はトヨタを意識したもので、「人を憎まず、仕組みを改善しよう」という考え方です。何か問題が起きた時に「誰が悪い」という話になると、指摘された人は否定された気分になってしまいます。でも目的語を人ではなく仕組みにすると、「じゃあどう改善しようか」という前向きな議論ができます。我々は社会に対して責任のある事業をやっているからこそ、心理的安全性を保ちながら間違いを間違いと言える環境が必要だと思っています。 「Solid」は、ちゃんとしよう、着実にやり切ろうということです。ベンチャーだから許されるということはなく、大企業の皆さんや自治体の皆さんと組んでいる以上、言ったことをきちんとやり切るという信頼が最も大切だと思っています。 -杉原- とても良いと思います。セキュリティサービスで、提携先が大企業という業態で「Solid」を掲げるのは非常に共感できますね。 ◆ 企業ホームページはあえて後回しにしてきた -杉原- ところで、Adoraさんはコドマモのサービスサイトはありますが、企業としての一般的なホームページがないですよね。理念やカルチャーを紹介する場があったほうがいいと思うのですが、あえて作っていないのには何か意図があるのですか? -冨田- そこを作る時間があったら、もっとユーザーが喜ぶことをやろうという考えで初期からやってきました。ホームページ作成の時間があるならバグを直そうというマインドですね。 ただこれからは、仲間を集めて大きく展開するためにも、企業サイトを作って人が集まりやすい場にする必要があると思っています。今まで怪しい会社に見えていたかもしれませんが(笑)、これから作っていくつもりです。(※現在会社ホームページは公開済み https://corporate.kodomamo.com/ja) -杉原- サービス開発を優先していたということですね。ホームページだけ立派で実態がないというスタートアップも世の中にはありますから(笑)、実態のものを作ることに集中していたのはむしろ正しいと思います。 ◆ 2026年〜2027年の目標 -杉原- 今年から来年にかけての目標や大きなイベントは何でしょうか? -冨田- 国内ではキャリアのショップでの販売をさらに強化していきたいと思っています。現在ユーザー数が30万人ほどになってきたところで、これを50万人、さらにその先へと伸ばしていきたいです。 海外では台湾でプロダクトマーケットフィットを確認しながら成功パターンを作り、インドネシア・イギリスなど様々な国での展開につなげていきたいと思っています。国内外での成果によって、社内外の期待を高めていける数値を作っていきたいですね。 また、より多くのステークホルダーの皆さんを巻き込んでいきたいと思っています。省庁との連携なども含めて、大きな社会実装・社会インパクトを生み出せるような1年にしたい。その広がりを見せていける1年にしたいというのが目標です。 一方で、カルチャーの構築と、大事にしたい価値観をより「Solid」にやっていくことも大事にしたいですね。人も丁寧に増やしながら、良い組織にしていきたいと思っています。 ◆ D-POPS GROUPの「ベンチャーエコシステム」への共感 -杉原- D-POPS GROUPが目指している「ベンチャーエコシステムの実現」に対して、共感する部分はどんなところですか? -冨田- 全般的にとても共感しています。1人でも1社でも、大きな社会的インパクトを生み出したり、社会課題を解決することはできないと思っています。1人で会社を作れないのと同様に、会社という単位だけでなく、さまざまなステークホルダーと一緒に解決しなければならないと思っています。 スタートアップだけでなく、その夢に賭ける投資家がいて、一緒にスタートアップの夢を社会に広げるために事業をやろうという大企業がいて、国としても良いことをやっているから応援しようという政府があって、大学が一緒に研究してくれて・・・そういうステークホルダーを全員で巻き込んで初めて、大きな社会課題を解決できると思っています。 弊社も創業当初から愛知県警にご協力いただいて共同開発を始めたり、大学とも連携してきたりと、1社だけでなく周りと一緒に補い合いながら頑張ることを意識してきた会社です。これからも、子ども・親子向けの安全な通信環境、そして人々を犯罪から守るために必要なエコシステムを弊社の側からも作っていければと思っています。それが全体的なベンチャーエコシステムの中で良い一例になれるんじゃないかと思っています。 -杉原- D-POPS GROUPはベンチャーエコシステムを作っていきたいと言っていますが、1社でプラットフォームを作ってその中でみんながエコシステムを作って循環していくというような形が理想ですよね。 -冨田- そうですね。最終的には自分たちにも良い形で返ってくるという考え方だと思います。私もそこはとても共感しています。 ◆ 読者へのメッセージ -杉原- 最後に、読者の方に一言お願いします。 -冨田- 大きな社会インパクトを生み出したいという気持ちを我々は強く持っています。そこに共感してくださる方には、メンバーとしてでも株主としてでも、どういった形であれ、一緒にこの夢を叶えるために動いていただけたら嬉しいです。 ディ・ポップスグループさんはとても良い株主なので、ぜひおすすめですよ(笑)。そして錦糸町は最高の町なので、ぜひ遊びに来てください! ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://www.kodomamo.com Part1の記事はこちらからご確認ください。 Part2の記事はこちらからご確認ください。  
  • INTERVIEW
2026.07.27
一覧を見る