COLUMN

【グループ会社インタビュー】㈱STAR CAREER / ㈱graphD 保坂 龍政 社長 ~前編~

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2024.10.25

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2016年に株式会社 STAR CAREERを創業した保坂 龍政社長へ、インタビューしました。

 

◆STAR CAREER設立の経緯

-杉原-
今回は、STAR CAREERの保坂社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願いします。
まず現在STAR CAREERの社長を務められていますが、STAR CAREERの社長を務めることになった経緯を教えていただけますか。

-保坂-
はい。STAR CAREERは2016年に創業しました。

私は2006年にディ・ポップスに入社し、店舗責任者や統括部長をしていました。実は2014年〜2015年あたりから、ディ・ポップスを創業し現在ディ・ポップスグループの代表を務める後藤社長が、ディ・ポップスのメンバー向けに後藤塾を実施していました。

意味合いとしては起業家養成塾のような形でしたので、ディ・ポップスの店舗のメンバーも後藤塾に参加していました。後藤塾でMVPをとり、社内起業家第1弾となったのが現在アドバンサーの会長を務める藤田さんだったんですね。

実は私はその後藤塾には一度も出ていなくて、どちらかというとディ・ポップスの中で「起業家になりたい」「グループ会社を作りたい」というメンバーを応援する側の立場だったんです。

ある日後藤社長から、ディ・ポップスが売上高100億円を達成して、次の300億円・500億円・1000億円を目指していく中でグループ会社構想を立ち上げまして、「人材系の新たなグループ会社を作ろうと思っているんだ」というお話を受けたんです。その時に私は「〇〇くんなんかいいんじゃないですか?」っていうふうにメンバーを推薦していたんですね。

そしたら後藤社長から、「保坂くんは自分で手を挙げたりしないの?」と言われまして。「いや僕はどちらかというと、今このディ・ポップスが300億円・500億円となるために、全力で若いメンバー引き連れて実現させますから!」っていうお話をしていました。

それでその日の夜に、定期的に飲んでるディ・ポップスの後輩メンバーに、実は今日後藤社長からこんなお話があったんだ、でも俺断ったよと。みんなと一緒に次の300億円・500円達成していきたいからと伝えたら、「何やってるんですか!やってくださいよ!こっちは任せて背中見せてくださいよ!」と言われて、確かにみんなの言うとおりだなと思い、次の日後藤社長に、「昨日の件ぜひ僕にやらせてください」と言ったところからスタートしました。

-杉原-
ディ・ポップスでの経験って経営に活かされましたか?

-保坂-
活かされています。当時の店舗というのが独立採算制になっていて、売上・粗利がいくらで、店舗の人件費でキャンペーンを独自で入れたりするなどやっていたので、ある意味プチバーチャル経営のような形を取っていました。

ですので店長次第でめちゃめちゃ黒字になったり赤字になったりもする。そういった販売台数や契約台数だけじゃなくて、経営をその個店ごとにしてたんです。店舗でプチ経営をやっていたので、今の経営に非常に活かされているなと思います。

-杉原-
店舗で経営を学べるというのは非常に勉強になりますね。ちなみに、その時点でディ・ポップス以外に何社グループ会社があったんですか?

-保坂-
当時はまだグッド・クルーアドバンサーだけでした。

-杉原-
なるほど、それでは人材会社で3社目ということだったんですね。

-保坂-
実は当時、アドバンサーは人材会社じゃなかったんです。スマートフォンのリユースの会社でした。その後ピボットして今の人材会社になりました。

-杉原-
そうだったんですね!では当時グッド・グルーとSTAR CAREERではどういった違いがあったんでしょうか。

-保坂-
2つありました。まず1つ目は、STAR CAREERはモバイルだけではなくて、箱型のストアビジネス、つまりオリンピックを見越してホテルであったり飲食店であったり、そこの接客と店舗運営に特化した人材派遣を行うというコンセプトで立ち上げました。

あともう1つは、当時、グッド・クルーが採用に苦戦している時期があり年間30名〜40名の採用が続いていました。後藤社長の発案により「じゃあ保坂くん、100人採用やろう」というミッションをいただきました。結果として4月にSTAR CAREERに新卒が社員107人、入社することとなります。

ただこれは面白いことに、次の年にグッド・クルーが今度100人採用できたんです。ここは後藤社長の戦略で、競わせながら成長させていこうと考えていたんだと思います。

創業してすぐ採用活動を行い新卒107人入社というところで結構ハードだったんですが、11月ぐらいに後藤社長から、「来年4月からM&Aで入ってくる会社があるんだけど、そこもやってもらおうかな」と言われました。創業当時は、私含めて2人だけで最初立ち上げてるので、マジですかと思いながらも「やります!」とお伝えして、現在のgraphDの経営もやることになりました。

-杉原-
すごいスピード感のある展開ですね!ボールを投げられたらなんでもこなこなせるというか、こなそうとするというタイプなんですね。

-保坂-
それが最高ですよね。「便利なやつ」って思われたいですね。

-杉原-
とっても重要なことですよね。会社の中の幹部って、トップから見たら「便利な人」は絶対に必要で、その人にどんどん仕事が投げられる。投げられれば投げられるほどその人は鍛えられるし経験ができる。幹部にとっておいしい話なんですけど、グループ会社経営でも似たようなようなところがありますよね。社長としても1つの組織を回しているけど、グループの代表からしたら「便利なやつ」と思われることが大切というか。

-保坂-
そうですね、もうすごい嬉しかったですね。逆に4月に新卒107人入ってくるのに、4月に新しい会社が設立されちゃうってまじか~と思いつつ(笑)

◆STAR CAREERの事業

-杉原-
それでは次に、STAR CAREER社の事業概要を簡単にご紹介いただけますか?

-保坂-
2024年現在においては、就活カフェを運営する総合人材サービス会社です。就活カフェというものを軸として、人材派遣業・人材紹介業・採用代行業の3本立てで経営しています。

-杉原-
そうなんですね。就活カフェというのは事業の核となるんですね。

-保坂-
おっしゃる通りです。企業が人材採用するには、マイナビなどの媒体に出して応募を待つか、もしくは人材紹介会社にお願いして人財を送ってもらうかだと思うんですけれども、やっぱり学生求職者から見た時に、媒体でもない・人材紹介会社でもない、ここに問い合わせしてみようというプラットフォームが就活カフェの立ち位置です。

-杉原-
学生求職者の方は、就活カフェをどうやって知ることが出来るんですか?

-保坂-
基本的には我々が学生団体とのパートナー契約をやっていますので、例えば ラオスとかカンボジアとかの難民支援をしている学生団体さんとか、保護犬・保護猫活動を行う学生団体さんなどいろいろな団体があるんですが、彼らはミーティングをする場所を我々の就活カフェでやれるように開放して、活動するための場所の提供であったりとか、定期的に彼らの活動資金として、協賛金を1口5万円とか10万円みたいにスポンサーとして提供する。

代わりに学生団体に登録してる学生さんが、我々の就活カフェでイベントやる時とか、説明会をやる時に来てくれるというような関係になってます。

-杉原-
その就活カフェによる就活支援事業を核として、主には学生さんを採用や、紹介をしたりされているんですね。自社で採用する場合は学生を含め、若手の方が多いと思うんですが、研修や教育はどのようにされているんでしょうか。

-保坂-
まず内定者研修・入社研修入社してから、月1回の集合研修を1年間やっています。

他のグループ会社やグループ外の人材派遣会社も同じような会社はいっぱいありますが、我々の派遣先への出勤日数は他社よりも1日少ないんですね。ある意味出勤として研修しているので、派遣先に行くのは減ることになります。

メンバーに対して内定から入社のタイミングでずっと言っているのは、「仕事っていうのは、やりたいことをやるためには、できることが増えてくればいつの間にかやりたいことができるようになってる」という話をしています。

レベルとスキルというのがあるとして、結構みんなスキルを求めたがるんです。資格を取るとか留学をするとか。スキルをあげたいと言う人が多いですし、スキルってのは強い武器だと思います。だけど、ドラクエで例えると、レベル1の子がレベル50の強い武器(スキル)を持ったとしても使いこなせないですよね。自分自身のレベルを上げていかないとそのスキルは活かせないので、まずは社会的に市場価値を上げるためにスキルを上げるだけじゃなくて、まず1年間で自分自身のレベルを上げようと。

自分自身をレベル10→レベル20→レベル30にしてスキルも磨きなさいというようなレベルとスキルの話をしています。なので、どちらかというと店舗で働きなさいではなくて、店舗でいろんな壁にぶつかったりするけど、そこに心の向き合い方とか周りへの協力の仰ぎ方とか、自分自身のレベルが上がることで仕事ってできるようになってくので、それを月1回の研修の中で伝えていますね。

-杉原-
素晴らしいですね。レベルを上げていく中で身につくものの方が、資格を取るなど先にスキルを磨くよりもよっぽど濃いですよね。資格が無駄だとは思ってはいないんですが、英語でいうと喋れないのにTOEIC990点ですっていう人よりも、仕事で英語を使うなど場数を踏んでいくことで英語を使いこなしたビジネスパーソンになっていく・その過程で試験を受けてやってみたら点数が上がったというほうが自分の自信にも繋がるし、価値としても絶対高いですよね。

◆コロナ禍の苦難

-杉原-
では次の質問です。その人材会社を経営して8年経ったと思いますが、この直近の事業運営はどうでしたか。そして3年前のコロナ禍のとき、会社の状況はいかがでしたか。

-保坂-
コロナ禍のときは、一度、会社の方向性を揺るがすほどのダメージを受けました。もともとストアビジネスというところで、ホテルや飲食店の派遣事業をやろうとしていたのがオリンピックがなくなってしまい・・・。

そもそもSTAR CAREERのロゴマークの星の色には1つ1つ意味があって、例えば、ホテル・ブライダル・アパレル・飲食・携帯ショップなど5領域の接客に特化した派遣事業という意味でスタートしたんですが、コロナで見通しが見えずらくなってしまった事業はホームページなどこの意味を掲載していたものはすべて削除することになりました。同時にそのタイミングで開始した事業が就活カフェ事業です。

長いコロナ期間によって人々はライフスタイルや人生観に大きな転機を迎えました。特に私たちは接することの多い就活生はまさに大学1年生の時にコロナがはじまり、コロナが5類に分類されたタイミングで4年生。面接で学生時代にやりきったことは?と聞かれても困ってしまう事でしょう。コロナと同時に始まったこの就活カフェ事業は、事業領域から自分の選択肢を広げる・人生の選択肢をカラフルにしてほしいという思いを込めたものへと変革をしました。

ただ、就活カフェの立ち上げ当初は、ホテルや飲食を目指して入社した方から、「もともと聞いていた話と違う、最初はこう言ったからこの会社入ったのに、なんだやらないんだ」と辞めていくメンバーも少なからずいましたが、その本質であった【人と人を繋ぐ】という軸は変えずにコロナ禍で大きく市場が拡大した非対面のコールセンターや在宅でのカスタマーサポートにも取り組んでいきました。また対面においてもコロナの収束に合わせ、オフィス事務の領域にも進出しています。今ではメンバー自身が自らの成長に合わせた環境の提供という概念に加え、人生設計によって働き方のバリエーションの提供という意味合いも強くなりました。

結果としてコロナによって私たちが再認識した事はBtoCでもBtoBでも結局そこに人と人の繋がりがあって、例えばお店で自分のところに来てくれるのは、「この人だったらなんとかしてくれるかも」と店舗に来てくれる。そしてBtoBもそこに人と人がいるので、納期やばいな、これでも◯◯さんにお願いしたらなんとか頑張ってくれるかもしれないって連絡が来るわけじゃないですか、結局。だとすれば、やっぱり仕事は人と人なんですよね。

最初、新卒で入社した時は、もうガンガン働きます!と言っていたメンバーも結婚して産休・育休から戻ってきてくれて、変わらず頑張りますという人も、もう少しバランスを取って働きたいとか、働きたいけどこういう形だったら働ける人も全員正解だと思うんです。
もっと年収を上げに行きたいのか、それともプライベートを充実させていきたい・家族重視でいきたいのかなどいろんなことがが出てきた時に、その社内の中でバリエーションを作ってあげたい、長く安心して働ける会社にしたい、これが自分の人生をカラフルにしてほしいというロゴに込められた新しい意味と思いです。

また、業績に関しては、コロナ前より業態そのものが変化しているのでトップラインは一時的に落ちてはいるものの、営業利益は以前より良くなっています。

-杉原-
素晴らしいですね。大変な時期があったけど、それを乗り越えて今少しずつ骨太の事業形態に切り替えつつあるんですね。

-保坂-
そうですね。今はモバイル派遣よりも、コールセンターやバックオフィスの方が、派遣する人数が多くなったので、ある意味グループ会社のリスクポートフォリオは広がったかなと思っています。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

【株式会社STAR CAREER】
代表者:代表取締役 保坂 龍政
所在地:東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー25F
設 立:2016年 5月
サイト:https://star-career.co.jp/

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次回後編のインタビューでは、
・市場環境
・「キャリポ」のリリースについて
・産学連携イベントについて
・STAR CAREERの社風について
・「ベンチャーエコシステムの実現」について
・その他
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

 

 

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  • INTERVIEW
2026.07.27
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part2~
全3回にわたるインタビューの第2回となるPart2では、「コドマモ」がauだけにとどまらず、ドコモ・ソフトバンクを含む3大キャリア全てとの協業へと広がった経緯、さらには韓国・台湾への海外展開の現状、「コドマモ for School」という学校向けサービスの取り組み、そして大人の詐欺対策という新たなフロンティアへの挑戦を紹介します。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 「コドマモ」加入後の状況と反響 ―杉原― サービスプラン組み込み後の「コドマモ」の評判はいかがですか?加入状況や現場の声などを、差し支えない範囲でご紹介いただけますか? ―冨田― 店頭でご案内いただいた結果、コドマモを利用し始める率がコツコツと上がってきています。使ってくださったユーザーが使い続けてくださっているということも数字に表れてきています。良いものとして受け止めていただけているという実感がありますね。 まだ改善できる余地はたくさんあります。営業現場の方が売りやすくなるための新機能開発や改善も続けていますし、現場へのインタビューも今後どんどんやっていく予定です。より本格的なユーザーの声、営業現場の声はこれから届いてくる感じですが、数字面ではすでにかなり良い傾向が出ています。 U12バリュープランに加入した人の中でコドマモにきちんとログインID登録している人の割合が、サービスリリース直後よりもだんだん上がってきています。 ―杉原― それはおそらく、営業現場でだんだん説明に慣れてきたこと、個人として使っている営業担当者が現れてきたことで、勧めやすくなってきたという面もあるのでは? ―冨田― そのような側面はあると思います。また、微力ながら弊社側でも改善を行なってまいりました。最初は店頭でご案内いただいて加入しようとしたときに、間違って有料プランに加入してしまうというケースが初期にありました。プランに組み込まれているので本来は無料で使えるはずなのに、通常のアプリストアの有料プランに入ってしまうという混乱です。 そのユーザーの声を受けて、オンボーディングの中でどちらから来たのかを確認し、auから来たユーザー向けの独自の導線を用意して、わかりやすく整理しました。その改善の結果、そういった声はだいぶ減ってきました。走りながら改善を繰り返してきたということですね。 ―杉原― アプリの完成度だけでなく、オペレーションの改善が利用者数を増やすために重要ですよね。 ◆ 3大キャリア全てとの協業へ拡大 ―杉原― KDDI様のauショップ各店で紹介されていることはもちろん素晴らしいのですが、NTTドコモ様、ソフトバンク様の系列ショップでも取り次ぎが広がっているそうですね。他の2社との協業状況はいかがでしょうか? ―冨田― 我々は大きな社会課題を解決するという意識でやっているので、複数の通信キャリア様とご一緒できることは、最初から目指していたことでもあります。最初にドコモショップでのお取り扱いが始まり、次にauで料金プランに組み込んでいただき、その後ソフトバンク様のショップでも全店取り扱いいただいています。 もちろん始まるまでにはいろいろな運用の調整があり、現場の方々が大変頑張ってくださいました。今では利用者数もしっかり増えてきていて、本当にありがたいですね。 ―杉原― ソフトバンクさんの販売店の取り次ぎ数、急激に伸びていますよね。 ―冨田― ものすごく伸びています。ソフトバンクC&Sの皆様のご尽力と、代理店の皆さんの頑張りで、今年の頭からぐっと勢いが出てきました。 ―杉原― au様との取り組みで経験したオペレーション上の課題以外に、NTTドコモ様、ソフトバンク様特有の課題にぶつかったりはしましたか? ―冨田― それぞれのキャリアがすでに展開されているサービスと競合しないようにするという点は特に意識しました。例えばソフトバンクさんには独自のセキュリティサービスがあるので、そういったものと競合しないか、互いに悪影響を与えないかということをテストしながら進めました。ただ一方的に「売ってください」というのではなく、お互いのために細かな調整をしながら進めているという感じです。 現場でバグやトラブルが出てしまうと、忙しい店頭の皆さんが案内したくなくなってしまいますから、そういったことが起きないよう、何かあればすぐに対応できる体制は常に整えています。 ◆ 韓国・台湾への海外展開の現状 ―杉原― 昨年にはコドマモの海外展開も開始されています。どの国に進出済みで、どのような状況か、簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 韓国と台湾に展開しています。実際にやってみて難しいことも色々ありましたが、モバイルアプリの良いところは、翻訳して広告を打って小さく検証するということが50〜100万円程度の予算でできるという点です。 韓国については、出してみた上でしっかりニーズがあることが確認されてきました。危険なチャットの検知機能が思った以上に刺さっています。最初は位置情報機能のほうがメインかと思っていたのですが、蓋を開けてみると最初から危険チャットの検知が購入の最大の理由になっていました。ユーザーインタビューをしていると、韓国の親御さんが「子どもがドラッグに関わっていないか心配」とおっしゃるケースもあり、日本では聞かないような声もあって、ローカルな課題感の違いを感じます。 ただ韓国ではLINEよりカカオトークが主流なのですが、カカオトークへの本格対応がまだできていない部分があります。これをやれば伸びるという感触はあるので、もう少しバージョンアップしてから本格的に広告費などを投じていきたいと考えています。 台湾はLINEが広く使われているので、今出してみて非常に低いコストでユーザーを獲得できています。市場ニーズも高く、日本以上にしっかり使ってくれる方もいらっしゃいます。これからさらに力を入れていきたいと思っています。台湾の次はタイなど、アジア各国へも広げていきたいですし、WhatsAppに対応できればインドネシアやイギリスをはじめとする様々な国への展開も見えてきます。 ―杉原― 本当に積極的ですね。創業した時から世界を見ていらっしゃいますよね。 ―冨田― この事業はグローバルに共通するニーズを解決できるものだと思っています。最初からそこを見据えています。日本からグローバルに頑張る事業が出てくると、やはり応援したくなりますよね。そうなれればいいなと思ってやっています。 ◆ 「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み ―杉原― 足は長いですが、とても興味深い活動として、全国の自治体と連携した学校向けプラン「コドマモ for School」について簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 「コドマモ for School」は、学校で使用されている学習用タブレット端末に入れるサービスです。通常の「コドマモ」が親子のスマホに入れるサービスであるのに対し、「for School」はお子さんたちのタブレット端末の安全な利活用を促進するものです。 機能としては、性的な自撮り写真のやり取りや、いわゆる「裸の画像のやりとり(グルーミング)」を検知してアラートを出す機能や、ウェブサイトの見守り機能などがあります。基本的な機能は通常版と大きくは変わりませんが、ステークホルダーが自治体・教育委員会になるという点が異なります。 ―杉原― これまで通信キャリア3社と折衝してこられたわけですから、会社としての信頼度も大きく上がってきていますね。 ―冨田― 本当にありがたいことだと思っています。 ◆ 次の挑戦 — 大人向け詐欺対策サービスの開発 ―杉原― 続いて、コドマモに続く現在開発中の新サービスや新機能についてご紹介いただけますか? ―冨田― 今作っているのは、より広く一般向けに、SNSを通じた詐欺対策のサービスです。日本のみならず世界中で、特に投資詐欺やロマンス詐欺など、SNSやチャットを通じた詐欺が深刻な社会問題になっています。毎日何億円もの被害が発生している状況です。 電話詐欺は有名ですが、チャット経由の詐欺も非常に大きな問題です。弊社であればSNSにおける詐欺を検知できるという強みがあります。コドマモが子どもを対象にしているのに対し、大人の詐欺被害を検知して守るというサービスを絶賛開発中です。1日でも早くリリースできるように取り組んでいます。 一方で、詐欺被害に遭う方は自分からアプリをインストールしようとはなかなかならないので、子ども以上にステークホルダーの皆さんと一緒に動くことが重要だと考えています。様々な方にご意見をうかがいながら進めているところです。 ―杉原― こういうサービスを考えると、ますます大手企業との連携・提携ができる会社作りが重要になってきますね。 ―冨田― そうですね。弊社は技術力のある小さな開発チームではありますが、大企業さんや自治体さんと一緒に我々ならではの特徴を出しながら社会実装していくことが、大きな社会問題を解決するために不可欠だと思っています。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://corporate.kodomamo.com/ja Part 3では、 ・平均年齢26〜27歳 — 未来を作るチームの構成 ・「Sunny・System・Solid」 — 3つのバリューを策定 ・ベンチャーエコシステムの実現について などについてお伺いしています。 Part3もぜひご覧ください! Part1の記事はこちらからご確認ください。  
  • INTERVIEW
2026.07.23
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part1~
全3回にわたるインタビューの第1回となるPart1では、子ども向けSNS見守りアプリ「コドマモ」を開発・運営するAdora株式会社・冨田社長が語る、創業から現在に至るまでの急成長の軌跡に迫ります。株式会社ディ・ポップスグループが2024年7月に出資して以来の約2年間で何が変わったのか。auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという異例の快挙はどのような経緯で実現したのか。泥臭く走り続けてきたスタートアップのリアルな歩みをお伝えします。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 出資から2年、創業から3年を振り返って ―杉原― 本日は、2024年7月に出資をさせていただき、ベンチャーエコシステムの仲間になっていただいた、Adora株式会社の冨田社長にインタビューさせていただきます。冨田社長には2024年9月にもインタビュー記事の作成にご協力いただいておりますが、その後も急成長を続ける「コドマモ」などについてさらに深掘りをさせていただきます。(前回の記事はこちらをご参照ください。) 冨田社長とは、2024年の5月に出会いましたよね。あれから2年が経ちました。また、2023年7月の創業からは約3年ですね。弊社の出資と協業開始からの約2年、そして創業以来の3年を振り返って、いかがですか?感想をお聞かせください。 ―冨田― そうですね。ご出資いただいたことで、社内のメンバーだけではなく社外の方も含めて「みんなの事業、みんなの会社」だという意識が改めて強くなりました。責任感をより強く持って頑張らなければという気持ちが湧いてきましたし、苦しいときもありながら、一生懸命泥臭くやってきたなと思います。気づけばあっという間でしたね。 ―杉原― 3年って長いですか?短いですか? ―冨田― 短いですね。やばいな、もっと頑張らなきゃなって感じです。 もちろん、できる限りすべてにおいてベストを尽くし続けてきたという自負はあります。ただ、後から振り返ればもっとこうすればよかったということはたくさんあります。でも、その時々のベストを尽くしてきたのは事実なので、仕事していたらあっという間だったというのが率直な感想ですね。 ―杉原― 2年間の事業の進み具合を振り返ると、ちょうど弊社が出資させていただいた頃は、本田圭佑さんのファンドからの資本調達活動を始めたばかりのフェーズでしたよね。そこから加速した感じはありますか? ―冨田― ありますね。あの頃はドコモショップさんとの取り組みも始まった時期で、売り上げもほとんどない状態でした。夢は語っているけれど、まだトラクションが全然ついてきていないという段階で、これはいけるのかなという感じでした。そんな段階で信じてコミットしていただいたことはとても嬉しかったです。 そこからドコモショップとの提携や有料サブスクの販売も始まり、徐々にトラクションが出てきました。出資いただいた時点では売り上げがほぼゼロだったところから、最初の1年はサービスを磨き続けること、ショップとの提携関係を構築することに注力していました。その1年間の下積みがあって、2025年の夏から秋ごろにぐっと売り上げが伸び、一気に10倍どころではない成長を遂げました。 3年間を振り返ると、準備期・資本調達期・加速期という流れがあって、2025年から2026年にかけてグッと実績が出てきたんじゃないかなと思います。 ◆ auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという快挙 ―杉原― この間の最大のイベントといえば、主力サービス「コドマモ」がKDDI様のauスマートフォン向け2025年夏の新料金プラン「U12バリュープラン」に組み込まれたことではないでしょうか。 ―冨田― そうですね。もともとディ・ポップスさんの店舗での取り扱いは走っていたんですが、通信キャリアの料金プランに正式に組み込ませていただくのはこれが初めてのことで、本当に大きなイベントでした。 ―杉原― 創業からまだ2年半ほどの会社のサービスをauが料金プランに組み込むのは、かなり異例のことだと思います。世間にまだ普及していないブランドを大企業が採用するのはリスクもあると思いますが、どのような経緯でこの大きな提携が実現したのでしょうか? ―冨田― KDDIさんのほうで「子どもたちの安全を守るサービス」を探されていた中で、弊社のサービスを発見していただいたのがきっかけです。KDDIさんの社内でも、従来のフィルタリングにとどまらず、「スマホを禁止するのではなく、使わせながら守る」という本質的なアプローチが必要だというディスカッションがあったそうで、その中で弊社のサービスに目を留めていただいたとのことです。(KDDI記事:https://mugenlabo-magazine.kddi.com/list/adora/) ―杉原― KDDIさんが他のサービスも調査した上でAdora社を選んだ要因は何だと思いますか? ―冨田― 利用時間の管理サービスは他にもあるかもしれませんが、LINEをはじめとするSNSのチャットの見守りにしっかり力を入れているのは、今も市場で弊社だけだと思っています。日本で最も普及しているSNSのセキュリティ対策ができるというのは大きなポイントだったと思います。 また、愛知県警と連携していたり、国内のパートナーとの実績も積み上げてきていたことも評価されたのではないかと思います。もちろんKDDIさんとしても、ブランドイメージに関わる話ですから慎重に、本当に任せられるかをじっくり検討していただいた上での提携でした。 ―杉原― 単にサービスを紹介するだけでなく、開発も伴いますよね。 ―冨田― そうです。auのIDでログインできる連携機能なども実装しました。KDDIのユーザーさんがスムーズに加入できる仕組みを開発したというところです。 ◆ 他社には真似できない技術的優位性 ―杉原― コドマモにはAI技術やセキュリティ技術が深く組み込まれていますが、この技術力の高さが評価されたのでしょうか?特に優れていると考える技術的な優位性や、開発において特に工夫・苦労されたポイントを教えてください。 ―冨田― チャットを見守るというのはシンプルに聞こえますが、実際にそれを実現するためには、裏側でさまざまな技術が必要です。従来は分析が難しかったSNSのチャット内容を解析できるようにしたこと自体に大きなイノベーションがあります。 自然言語で危険かどうかを判定するモデルや、画像が不適切かどうかを判定するモデル、それを端末上で軽量に動かす仕組みなども開発しています。チャット自体を分析可能にするという、これまで誰もやってこなかったことを実現したというところが、大きな技術的優位性だと思っています。 それと同時に、使いやすいUI・UXへのこだわりも重要です。私自身も開発チームの中でコミットして、みんなの努力で磨いてきました。どんなに優れた技術でも使いやすくなければ社会実装されないと思っているので、わかりやすく使いやすいアプリにすることを常に意識してきました。 ―杉原― LINEなどのSNSのやりとりを読み取り、分析して危険なチャットを検知するこの仕組みは、他のスタートアップがすぐに作れるものではないという自信がありますか? ―冨田― はい。今ではAIが既存のアプリをさっと作れるようになっていますが、世の中にすでにあるものを作るのとは違います。まだ誰も作っていないものを実現するのはAIだけに任せても難しい。そこに我々の技術チームの強みがあると自負しています。 また、ユーザーインタビューやユーザーデータの分析を細かく積み重ねてきたことで、継続率(リテンションレート)も毎月上がり続けています。 ―杉原― 最近は安定し始めましたね。 ―冨田― 一般的なCtoCのサービスはリテンションレートがどんどん下がっていくことが多いのですが、弊社の場合は6か月ほどでしっかり下げ止まっています。適切なユーザーに刺さっているという検証ができているという意味では、プロダクトマーケットフィットに近い状態に来ているかなと思っています。技術力だけでなく、UXや総合的なブランディングも含めて、親御さんにとって使えるアプリができているということだと思います。 ―杉原― 難しい技術を極めるだけでなく、ユーザー目線で使えるものをという意識が、冨田社長の総合プロデューサーとしての役割なんですね。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://www.kodomamo.com/about-us Part 2では、 ・「コドマモ」加入後の状況と反響 ・3大キャリア全てとの協業へ拡大 ・「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み などについてお伺いしています。 Part2もぜひご覧ください!
  • INTERVIEW
2026.07.17
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