COLUMN

【グループ会社インタビュー】㈱STAR CAREER / ㈱graphD 保坂 龍政 社長 ~後編~

  • INTERVIEW
  • グループ企業
2024.11.08

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2016年に株式会社 STAR CAREERを創業した保坂 龍政 社長へ、インタビューしました。

前編の記事は、以下のリンクからご確認ください。
https://d-pops-group.co.jp/column/star-career-interview-first-part/

 

◆市場環境

-杉原-
ありがとうございます。では次の質問ですが、STAR CAREERの場合は新卒が多いということなんですが、採用のトレンドとしてはいかがですか?

-保坂-
今後も売り手市場は基本的に継続するのは間違いありませんが、特に来年4月と再来年4月入社の方々の採用は、企業はとても苦労すると思います。

大手を含めてコロナで採用数を絞っていた会社が多く、人財が足りていない企業が多いので、新卒採用の需要がものすごく高まっている状態です。この状況は26年卒の採用まで続きそうです。

◆「キャリポ」のリリースについて

-杉原-
そんな中、7月1日に、就活をしながらポイ活ができるアプリ、「キャリポ」というアプリをリリースされましたよね。まず『キャリポ』についてご紹介いただけますか。

-保坂-
『キャリポ』というアプリは、いろいろな就活イベントが、このアプリの中に入っていて、就活生の方がアプリの中の就活イベントに参加すると電子マネーがポイントでもらえるという、ポイ活と就活を掛け算した今までにありそうでなかったアプリをリリースしました。

リリース後、学生側の反響もクライアント側の反響も非常に高いです。26年の卒業となる学生向けから対象となるので、ここからの動き出しに合わせていくといったところです。

-杉原-
今から本格的にプロモーションが開始ということですね。『キャリポ』の目標はあるんですか?

-保坂-
2025年度の計画としては、『キャリポ』は1万ダウンロードを目指しています。

毎年就活する層というのは、日本国内には45万人いるといわれているので、まずは1万ダウンロード、3年で15万ダウンロードというところを1つ目標にしています。

◆産学連携イベントについて

-杉原-
この『キャリポ』に関連してのつながりで、産学連携の活動であったり、大学で講演をされるというお話を伺ったのですが、詳しく教えていただけますか?

-保坂-
はい、ある大学の商学部の授業の一環として、肉フェスなどのイベント会場で縁日のブースを出し、ビジネスとしてどのように収益を上げていくのかを学ぶため、協賛活動も積極的に行っています。実際には、射的やヨーヨー釣りといったアトラクションの機材発注や景品選び、人員の手配、納期のスケジュール管理、当日の運営など多岐にわたる作業がありますが、学生の皆さんにとって貴重な実践経験になることを期待しています。

また、就活生に向けた講演なども積極的に行っていく予定ですが既に大学やハローワークからのご依頼もいただいている状況です。

私はもともと教員を志し教員免許を持っているので、ある意味夢が一つかなったことになります。

-杉原-
この活動を行う狙いというのはどんなところにあるんですか?

-保坂-
そもそも起業したことや、その後に就活カフェやキャリポというアプリを立ち上げたことも、社会で活躍する人財を事業を通して生み出していきたいという思いから始まりました。ありがたいことに、こうした活動に共感してくださる仲間が増え続けています。

まず『キャリポ』に関してで言うと、情報格差によって生じる就職の不平等を解消したいというコンセプトなのですが、色々な大学の教授や講師の方々から応援の声を頂戴しています。いち企業目線で物事を進めるのではなく、学生や学生団体、大学関係者まで広く指示してもらえるようなプロダクトを目指しています。多方面から『キャリポ』が便利で役に立つものになって欲しいですね。

-杉原-
それはすごいですね。努力しない人は広告にひたすらお金かければある程度取れるんですけど、そのお金に変わるものとしては、いろんな工夫だとか自分の汗というか足と汗で稼ぐというか、これは広告よりはるかに価値が高いですからね。サステナブルですしね。

-保坂-
はい。大学やハローワークで講師をする事は肩書きやブランディングではなく、単純に知ってもらいたいし、その活動の中で応援してくれる人も増えている実感があるためです。

あと、『情報格差で生じる就活の不平等の解消』これはメディアリリースしたものなんですけど、ある大学の学部長から、実際に地方大学では切実な問題で向き合わないといけない課題でもあるという言葉をもらいました。

例えば関東の場合、就活イベントやセミナーが開催されるとすれば東京のどこかで開催される事が多いのが実状です。栃木県在住の学生と東京都在住の学生が就活しよう・企業の説明会に行こう・就活イベントに行こうとなったときに、栃木県の学生も行こうと思ったら、当然行けるんですが、少なからず段取りが必要になってしまいます。東京に行ってる間に何件も回ろうとかって、そのアレンジしなきゃいけないというのはまず不便ですよね。

つまりその就活という短い時間の中で出会える企業数も、同時にその企業と面接などを通して会える機会が減れば、経験値も大きく差が出るんです。であれば、このアプリを通してオンラインでも参加ができるとか、オフラインに関しては我々の就活カフェのアドバイザーに、それぞれの学生さんにあったイベントの情報提供が出来るので、効率よくコスパ・タイパよく就活ができるという事も情報格差で生じる不平等解消にもつながると考えています。

-杉原-
首都圏と地方の情報格差は、どんな分野でもなんとかしなくちゃいけないという課題意識がみんなありますよね。その意識の浸透が大事で、とても素晴らしい事業ですね。

◆STAR CAREERの社風について

-杉原-
ガラッと話が変わるんですが、STAR CAREERはグループの中でも、性別関係なく、年齢も関係なく、いろんな人が活躍しているなという印象があります。ホームページや社内報などを見ると、みんなすごく笑顔がキラキラしていて魅力的なんですよね。ホームページのメッセージにも、「自分らしく輝ける」「お互いを受け入れて尊重する」というメッセージがありますが、保坂社長の中で意識している方針があるのか、「自分らしく輝ける」というメッセージを送るようになった背景等あればお聞かせ下さい。

-保坂-
そうですね、STAR CAREERのホームページに載っている本部のメンバーも現場のメンバーも、弊社のメンバーは基本的にみんなあの感じで間違いないと思います(笑)

でもそれは、後藤社長が築いてきた文化だと僕は思っています。

元々教師を目指していた私が、ディ・ポップスに入社した1番の決め手というのは、後藤社長から「これから30億円・100億円、そこからさらに300億円・1000億の会社を作っていく中で、若い人たちがとにかくチャレンジできる環境を作りたいと思っていて、そこに教師みたいな人がいたらとてもいいと思う。」というお言葉をいただいたことなんですね。

そういうのが基盤にあるので、今、後藤社長はグループ全体を率いていらっしゃって、ベンチャーエコシステムというところから起業家の社会貢献というと次なる大きな領域に行かれていらっしゃいます。

僕が意識してるのは後藤社長のその若い人たちがチャレンジして壁にぶつかりながら乗り越えていくステージを提供するという思いを、僕は伝承したいと思ってるんです。そしてこのスターキャリアで伝承したものを継続していくぞという思いでやってるので、若い人たちに向けてどんどんチャレンジできる環境を作る、壁にぶつかることの素晴らしさ伝える、と後藤社長がこう私に言ってくれたことをスターキャリアで実践してるだけなんですよね。

 

~D-POPS GROUP 後藤社長 インタビュー~
エコシステムにたどり着くまで、そしてこれから
https://d-pops-group.co.jp/philosophy/

 

-杉原-
なるほど、たしかにディ・ポップスから巣立っていった社長たちの会社のメンバーは、自然な笑顔の人が多い会社がほとんどですね。最近はディ・ポップス生え抜きではなくジョインしてくださった会社も多いですが、他のグループ会社の社長と語る機会とかもあるんですか?

-保坂-
あります!ディ・ポップスグループにジョインしてくれたいろんな会社の社長さんと仲良く交流させてもらっています。単純に僕は、ディ・ポップスグループに入ってくれた社長や会社の皆さんに興味があるんです。僕自身、ずっとディポップスの中にいるので、これから同じ仲間として、グループにジョインする前と後では、どのように見えるのかという事も知りたいです。

-杉原-
保坂社長のように、興味を持ってどんどん輪を広げていってくれる方がいるというのも重要ですよね。

 

◆「ベンチャーエコシステムの実現」について

-杉原-
先ほどお話にも合ったように、後藤社長を含めてディ・ポップスグループのメンバーとして、これからベンチャーエコシステムというキーワードを日本にどんどんどんどん広げていきたいと思ってるんですが、ベンチャーエコシステムの実現に対して共感できること、そして意識して活動してることなどございますか?

-保坂-
そうですね。ディ・ポップスグループは今ベンチャーエコシステムの実現に向けて動いていますが、元々私が入社したディ・ポップスから、若い人たちがチャレンジできるステージがありました。今のディ・ポップスグループでは、ディ・ポップスでのビジョンがもっと大きな世界観になったと思っています。基盤にあったディ・ポップスでの考えが、ディ・ポップスグループでもっと大きな世界観になったということなのも、心から共感をしています。

私が今目指しているものというのは、例えばディ・ポップスグループの本社がある渋谷ヒカリエという場所もそうですし、ディ・ポップスグループの中に様々な業種の会社があるので、渋谷ヒカリエという場所の提供やノウハウの提供だけではなくて、やっぱり各社のこれから中核になってくる社員の採用などをこのグループに入るとこういう場所が活用できる・ノウハウを得られる・採用難の市場感でも採用力が増す、みたいなものが伝えられるような形になってほしいので、そこまでしっかり確立したいと思っています。

-杉原-
今グループ会社23社あるので、「採用力はうちの会社がピカイチだ」とか「人の教育に関してはうちの会社がピカイチだ」とか「このバックエンドのシステムは任せてください」とか、各社苦手な部分も頼れる会社があるってベンチャーエコシステムならではですよね。

◆STAR CAREER・graphDの10年後の理想の姿

-杉原-
そんな保坂社長、そしてSTAR CAREER・graphDの10年後の理想の姿を教えてください。

-保坂-
シンプルに僕自身は、STAR CAREERとgraphDという会社、そしてこのディ・ポップスグループが目指してる世界観の実現にむけて、この2社の領域が僕自身に任せられた担当だと思ってやっています。例えばディ・ポップスグループがまた成長していく中でこういうことに困ってる、こういうことをやるやつがいないってなった時に、いつでもそこに対してやる準備ができる人間でありたいと思ってます。

-杉原-
その未来に向けて今取り組んでることや、課題などはありますか?

-保坂-
その課題について、この下期の10月から解消する動きを今取っているんです。

実はスターキャリアの各事業の責任者をやっていた部長以上のメンバーが全員、次世代に権限委譲を行いました。そして今まで部長の下で働いていたメンバーが実務の最終責任者で、それぞれクライアントにも動いて、メンバーフォローも自立してやっていくことにしました。

コア事業20年の企業生存率がどうしても低いのは、登りのエスカレーターの時に事業を立てても、それが安定期や停滞期に入ったときに先の波を乗り継いでいけないからだと思っているんです。なので、既存事業とコア事業とサブ事業を3つ作りつつ、モバイルからコールセンターやカスタマーサポート、バックオフィス事務とステージのバリエーションを広げる事ができたので、この今の波は既存事業としてこれからまだまだ育てていきます。

アップトレンドであったモバイルは今は安定期となりましたが、コールセンターやカスタマーサポートはDX化の波もあり今後も伸びていく事が予想されます。その既存事業の成長を今の若手に一気に任せることにしました。そして、次なる事業であるRPO事業やキャリポや就活カフェ事業を、これまでの役職者が行っていく。こういった事業を3年計画で、売上を目標値まで持ってってくださいという流れにして、今までの役職者が新事業の立ち上げ責任者・実務責任者としてやる体制に今回切り替わりました。

-杉原-
なるほど。会社の立ち上げの時にジョインした人たちが養ってきたものは、派遣事業を通してアントレプレナーシップを身につけてきたというか、新規事業開拓を勉強してきた・経験してきたということなんですよね。まさにベンチャーですよね。

-保坂-
そうですね。最近では、コロナで事業の転換を図るときに、新たな事業領域の拡大や人財育成、そこに紐づく評価制度をメンバー総力戦で作る事で形になってきたので、ここからは次世代のメンバーに事業を動していってもらうという判断をしました。

次は、キャリポやRPO事業のところをしっかり立ち上げることに注力していこうと思っています。そして3年間で現在派遣事業の粗利のシェア90%のところを50%にすることを目標にしています。新規事業と派遣事業の粗利シェアを半分ずつにするイメージです。

 

◆ホームページを訪問した読者の方へ、メッセージ

-杉原-
素晴らしい目標ですね。
では最後にこのホームページを訪問した読者の方に一言メッセージをいただけますでしょうか。

-保坂-
はい。ディ・ポップスグループの色々な方と話ていると、いつも感じる事があるんです。

例えば「俺は海賊王になる!」というセリフが有名な漫画があると思うんですが、その主人公は宝の島にたどり着いて、海賊王という称号を得るために目指していますよね。でも同じ船に乗ってるメンバーの中で実は海賊王になりたいと思ってるのはその主人公だけなんです。

あるメンバーは世界一の剣豪になるとか、また違うメンバーは世界中の海図を作れるようになるとか、実はそこにたどり着くという一つの目標に向けて頑張るんですけど、たどり着いて得たいものってみんな違うんですよね。僕はこのディ・ポップスグループってそういう場所だと思っているんです。

ベンチャーエコシステムのなかで、自分の実現したい夢をかなえる。そこにはたくさんの仲間がいるので、協力し合いながらお互いの夢をかなえていくことが出来る。これからもいろんなメンバーがベンチャーエコシステムの仲間になってくれることをとても楽しみにしています。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

 

【株式会社STAR CAREER】
代表者:代表取締役 保坂 龍政
所在地:東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー25F
設 立:2016年 5月
サイト:https://star-career.co.jp/

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  • INTERVIEW
2026.07.27
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part2~
全3回にわたるインタビューの第2回となるPart2では、「コドマモ」がauだけにとどまらず、ドコモ・ソフトバンクを含む3大キャリア全てとの協業へと広がった経緯、さらには韓国・台湾への海外展開の現状、「コドマモ for School」という学校向けサービスの取り組み、そして大人の詐欺対策という新たなフロンティアへの挑戦を紹介します。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 「コドマモ」加入後の状況と反響 ―杉原― サービスプラン組み込み後の「コドマモ」の評判はいかがですか?加入状況や現場の声などを、差し支えない範囲でご紹介いただけますか? ―冨田― 店頭でご案内いただいた結果、コドマモを利用し始める率がコツコツと上がってきています。使ってくださったユーザーが使い続けてくださっているということも数字に表れてきています。良いものとして受け止めていただけているという実感がありますね。 まだ改善できる余地はたくさんあります。営業現場の方が売りやすくなるための新機能開発や改善も続けていますし、現場へのインタビューも今後どんどんやっていく予定です。より本格的なユーザーの声、営業現場の声はこれから届いてくる感じですが、数字面ではすでにかなり良い傾向が出ています。 U12バリュープランに加入した人の中でコドマモにきちんとログインID登録している人の割合が、サービスリリース直後よりもだんだん上がってきています。 ―杉原― それはおそらく、営業現場でだんだん説明に慣れてきたこと、個人として使っている営業担当者が現れてきたことで、勧めやすくなってきたという面もあるのでは? ―冨田― そのような側面はあると思います。また、微力ながら弊社側でも改善を行なってまいりました。最初は店頭でご案内いただいて加入しようとしたときに、間違って有料プランに加入してしまうというケースが初期にありました。プランに組み込まれているので本来は無料で使えるはずなのに、通常のアプリストアの有料プランに入ってしまうという混乱です。 そのユーザーの声を受けて、オンボーディングの中でどちらから来たのかを確認し、auから来たユーザー向けの独自の導線を用意して、わかりやすく整理しました。その改善の結果、そういった声はだいぶ減ってきました。走りながら改善を繰り返してきたということですね。 ―杉原― アプリの完成度だけでなく、オペレーションの改善が利用者数を増やすために重要ですよね。 ◆ 3大キャリア全てとの協業へ拡大 ―杉原― KDDI様のauショップ各店で紹介されていることはもちろん素晴らしいのですが、NTTドコモ様、ソフトバンク様の系列ショップでも取り次ぎが広がっているそうですね。他の2社との協業状況はいかがでしょうか? ―冨田― 我々は大きな社会課題を解決するという意識でやっているので、複数の通信キャリア様とご一緒できることは、最初から目指していたことでもあります。最初にドコモショップでのお取り扱いが始まり、次にauで料金プランに組み込んでいただき、その後ソフトバンク様のショップでも全店取り扱いいただいています。 もちろん始まるまでにはいろいろな運用の調整があり、現場の方々が大変頑張ってくださいました。今では利用者数もしっかり増えてきていて、本当にありがたいですね。 ―杉原― ソフトバンクさんの販売店の取り次ぎ数、急激に伸びていますよね。 ―冨田― ものすごく伸びています。ソフトバンクC&Sの皆様のご尽力と、代理店の皆さんの頑張りで、今年の頭からぐっと勢いが出てきました。 ―杉原― au様との取り組みで経験したオペレーション上の課題以外に、NTTドコモ様、ソフトバンク様特有の課題にぶつかったりはしましたか? ―冨田― それぞれのキャリアがすでに展開されているサービスと競合しないようにするという点は特に意識しました。例えばソフトバンクさんには独自のセキュリティサービスがあるので、そういったものと競合しないか、互いに悪影響を与えないかということをテストしながら進めました。ただ一方的に「売ってください」というのではなく、お互いのために細かな調整をしながら進めているという感じです。 現場でバグやトラブルが出てしまうと、忙しい店頭の皆さんが案内したくなくなってしまいますから、そういったことが起きないよう、何かあればすぐに対応できる体制は常に整えています。 ◆ 韓国・台湾への海外展開の現状 ―杉原― 昨年にはコドマモの海外展開も開始されています。どの国に進出済みで、どのような状況か、簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 韓国と台湾に展開しています。実際にやってみて難しいことも色々ありましたが、モバイルアプリの良いところは、翻訳して広告を打って小さく検証するということが50〜100万円程度の予算でできるという点です。 韓国については、出してみた上でしっかりニーズがあることが確認されてきました。危険なチャットの検知機能が思った以上に刺さっています。最初は位置情報機能のほうがメインかと思っていたのですが、蓋を開けてみると最初から危険チャットの検知が購入の最大の理由になっていました。ユーザーインタビューをしていると、韓国の親御さんが「子どもがドラッグに関わっていないか心配」とおっしゃるケースもあり、日本では聞かないような声もあって、ローカルな課題感の違いを感じます。 ただ韓国ではLINEよりカカオトークが主流なのですが、カカオトークへの本格対応がまだできていない部分があります。これをやれば伸びるという感触はあるので、もう少しバージョンアップしてから本格的に広告費などを投じていきたいと考えています。 台湾はLINEが広く使われているので、今出してみて非常に低いコストでユーザーを獲得できています。市場ニーズも高く、日本以上にしっかり使ってくれる方もいらっしゃいます。これからさらに力を入れていきたいと思っています。台湾の次はタイなど、アジア各国へも広げていきたいですし、WhatsAppに対応できればインドネシアやイギリスをはじめとする様々な国への展開も見えてきます。 ―杉原― 本当に積極的ですね。創業した時から世界を見ていらっしゃいますよね。 ―冨田― この事業はグローバルに共通するニーズを解決できるものだと思っています。最初からそこを見据えています。日本からグローバルに頑張る事業が出てくると、やはり応援したくなりますよね。そうなれればいいなと思ってやっています。 ◆ 「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み ―杉原― 足は長いですが、とても興味深い活動として、全国の自治体と連携した学校向けプラン「コドマモ for School」について簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 「コドマモ for School」は、学校で使用されている学習用タブレット端末に入れるサービスです。通常の「コドマモ」が親子のスマホに入れるサービスであるのに対し、「for School」はお子さんたちのタブレット端末の安全な利活用を促進するものです。 機能としては、性的な自撮り写真のやり取りや、いわゆる「裸の画像のやりとり(グルーミング)」を検知してアラートを出す機能や、ウェブサイトの見守り機能などがあります。基本的な機能は通常版と大きくは変わりませんが、ステークホルダーが自治体・教育委員会になるという点が異なります。 ―杉原― これまで通信キャリア3社と折衝してこられたわけですから、会社としての信頼度も大きく上がってきていますね。 ―冨田― 本当にありがたいことだと思っています。 ◆ 次の挑戦 — 大人向け詐欺対策サービスの開発 ―杉原― 続いて、コドマモに続く現在開発中の新サービスや新機能についてご紹介いただけますか? ―冨田― 今作っているのは、より広く一般向けに、SNSを通じた詐欺対策のサービスです。日本のみならず世界中で、特に投資詐欺やロマンス詐欺など、SNSやチャットを通じた詐欺が深刻な社会問題になっています。毎日何億円もの被害が発生している状況です。 電話詐欺は有名ですが、チャット経由の詐欺も非常に大きな問題です。弊社であればSNSにおける詐欺を検知できるという強みがあります。コドマモが子どもを対象にしているのに対し、大人の詐欺被害を検知して守るというサービスを絶賛開発中です。1日でも早くリリースできるように取り組んでいます。 一方で、詐欺被害に遭う方は自分からアプリをインストールしようとはなかなかならないので、子ども以上にステークホルダーの皆さんと一緒に動くことが重要だと考えています。様々な方にご意見をうかがいながら進めているところです。 ―杉原― こういうサービスを考えると、ますます大手企業との連携・提携ができる会社作りが重要になってきますね。 ―冨田― そうですね。弊社は技術力のある小さな開発チームではありますが、大企業さんや自治体さんと一緒に我々ならではの特徴を出しながら社会実装していくことが、大きな社会問題を解決するために不可欠だと思っています。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://corporate.kodomamo.com/ja Part 3では、 ・平均年齢26〜27歳 — 未来を作るチームの構成 ・「Sunny・System・Solid」 — 3つのバリューを策定 ・ベンチャーエコシステムの実現について などについてお伺いしています。 Part3もぜひご覧ください! Part1の記事はこちらからご確認ください。  
  • INTERVIEW
2026.07.23
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part1~
全3回にわたるインタビューの第1回となるPart1では、子ども向けSNS見守りアプリ「コドマモ」を開発・運営するAdora株式会社・冨田社長が語る、創業から現在に至るまでの急成長の軌跡に迫ります。株式会社ディ・ポップスグループが2024年7月に出資して以来の約2年間で何が変わったのか。auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという異例の快挙はどのような経緯で実現したのか。泥臭く走り続けてきたスタートアップのリアルな歩みをお伝えします。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 出資から2年、創業から3年を振り返って ―杉原― 本日は、2024年7月に出資をさせていただき、ベンチャーエコシステムの仲間になっていただいた、Adora株式会社の冨田社長にインタビューさせていただきます。冨田社長には2024年9月にもインタビュー記事の作成にご協力いただいておりますが、その後も急成長を続ける「コドマモ」などについてさらに深掘りをさせていただきます。(前回の記事はこちらをご参照ください。) 冨田社長とは、2024年の5月に出会いましたよね。あれから2年が経ちました。また、2023年7月の創業からは約3年ですね。弊社の出資と協業開始からの約2年、そして創業以来の3年を振り返って、いかがですか?感想をお聞かせください。 ―冨田― そうですね。ご出資いただいたことで、社内のメンバーだけではなく社外の方も含めて「みんなの事業、みんなの会社」だという意識が改めて強くなりました。責任感をより強く持って頑張らなければという気持ちが湧いてきましたし、苦しいときもありながら、一生懸命泥臭くやってきたなと思います。気づけばあっという間でしたね。 ―杉原― 3年って長いですか?短いですか? ―冨田― 短いですね。やばいな、もっと頑張らなきゃなって感じです。 もちろん、できる限りすべてにおいてベストを尽くし続けてきたという自負はあります。ただ、後から振り返ればもっとこうすればよかったということはたくさんあります。でも、その時々のベストを尽くしてきたのは事実なので、仕事していたらあっという間だったというのが率直な感想ですね。 ―杉原― 2年間の事業の進み具合を振り返ると、ちょうど弊社が出資させていただいた頃は、本田圭佑さんのファンドからの資本調達活動を始めたばかりのフェーズでしたよね。そこから加速した感じはありますか? ―冨田― ありますね。あの頃はドコモショップさんとの取り組みも始まった時期で、売り上げもほとんどない状態でした。夢は語っているけれど、まだトラクションが全然ついてきていないという段階で、これはいけるのかなという感じでした。そんな段階で信じてコミットしていただいたことはとても嬉しかったです。 そこからドコモショップとの提携や有料サブスクの販売も始まり、徐々にトラクションが出てきました。出資いただいた時点では売り上げがほぼゼロだったところから、最初の1年はサービスを磨き続けること、ショップとの提携関係を構築することに注力していました。その1年間の下積みがあって、2025年の夏から秋ごろにぐっと売り上げが伸び、一気に10倍どころではない成長を遂げました。 3年間を振り返ると、準備期・資本調達期・加速期という流れがあって、2025年から2026年にかけてグッと実績が出てきたんじゃないかなと思います。 ◆ auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという快挙 ―杉原― この間の最大のイベントといえば、主力サービス「コドマモ」がKDDI様のauスマートフォン向け2025年夏の新料金プラン「U12バリュープラン」に組み込まれたことではないでしょうか。 ―冨田― そうですね。もともとディ・ポップスさんの店舗での取り扱いは走っていたんですが、通信キャリアの料金プランに正式に組み込ませていただくのはこれが初めてのことで、本当に大きなイベントでした。 ―杉原― 創業からまだ2年半ほどの会社のサービスをauが料金プランに組み込むのは、かなり異例のことだと思います。世間にまだ普及していないブランドを大企業が採用するのはリスクもあると思いますが、どのような経緯でこの大きな提携が実現したのでしょうか? ―冨田― KDDIさんのほうで「子どもたちの安全を守るサービス」を探されていた中で、弊社のサービスを発見していただいたのがきっかけです。KDDIさんの社内でも、従来のフィルタリングにとどまらず、「スマホを禁止するのではなく、使わせながら守る」という本質的なアプローチが必要だというディスカッションがあったそうで、その中で弊社のサービスに目を留めていただいたとのことです。(KDDI記事:https://mugenlabo-magazine.kddi.com/list/adora/) ―杉原― KDDIさんが他のサービスも調査した上でAdora社を選んだ要因は何だと思いますか? ―冨田― 利用時間の管理サービスは他にもあるかもしれませんが、LINEをはじめとするSNSのチャットの見守りにしっかり力を入れているのは、今も市場で弊社だけだと思っています。日本で最も普及しているSNSのセキュリティ対策ができるというのは大きなポイントだったと思います。 また、愛知県警と連携していたり、国内のパートナーとの実績も積み上げてきていたことも評価されたのではないかと思います。もちろんKDDIさんとしても、ブランドイメージに関わる話ですから慎重に、本当に任せられるかをじっくり検討していただいた上での提携でした。 ―杉原― 単にサービスを紹介するだけでなく、開発も伴いますよね。 ―冨田― そうです。auのIDでログインできる連携機能なども実装しました。KDDIのユーザーさんがスムーズに加入できる仕組みを開発したというところです。 ◆ 他社には真似できない技術的優位性 ―杉原― コドマモにはAI技術やセキュリティ技術が深く組み込まれていますが、この技術力の高さが評価されたのでしょうか?特に優れていると考える技術的な優位性や、開発において特に工夫・苦労されたポイントを教えてください。 ―冨田― チャットを見守るというのはシンプルに聞こえますが、実際にそれを実現するためには、裏側でさまざまな技術が必要です。従来は分析が難しかったSNSのチャット内容を解析できるようにしたこと自体に大きなイノベーションがあります。 自然言語で危険かどうかを判定するモデルや、画像が不適切かどうかを判定するモデル、それを端末上で軽量に動かす仕組みなども開発しています。チャット自体を分析可能にするという、これまで誰もやってこなかったことを実現したというところが、大きな技術的優位性だと思っています。 それと同時に、使いやすいUI・UXへのこだわりも重要です。私自身も開発チームの中でコミットして、みんなの努力で磨いてきました。どんなに優れた技術でも使いやすくなければ社会実装されないと思っているので、わかりやすく使いやすいアプリにすることを常に意識してきました。 ―杉原― LINEなどのSNSのやりとりを読み取り、分析して危険なチャットを検知するこの仕組みは、他のスタートアップがすぐに作れるものではないという自信がありますか? ―冨田― はい。今ではAIが既存のアプリをさっと作れるようになっていますが、世の中にすでにあるものを作るのとは違います。まだ誰も作っていないものを実現するのはAIだけに任せても難しい。そこに我々の技術チームの強みがあると自負しています。 また、ユーザーインタビューやユーザーデータの分析を細かく積み重ねてきたことで、継続率(リテンションレート)も毎月上がり続けています。 ―杉原― 最近は安定し始めましたね。 ―冨田― 一般的なCtoCのサービスはリテンションレートがどんどん下がっていくことが多いのですが、弊社の場合は6か月ほどでしっかり下げ止まっています。適切なユーザーに刺さっているという検証ができているという意味では、プロダクトマーケットフィットに近い状態に来ているかなと思っています。技術力だけでなく、UXや総合的なブランディングも含めて、親御さんにとって使えるアプリができているということだと思います。 ―杉原― 難しい技術を極めるだけでなく、ユーザー目線で使えるものをという意識が、冨田社長の総合プロデューサーとしての役割なんですね。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://www.kodomamo.com/about-us Part 2では、 ・「コドマモ」加入後の状況と反響 ・3大キャリア全てとの協業へ拡大 ・「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み などについてお伺いしています。 Part2もぜひご覧ください!
  • INTERVIEW
2026.07.17
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