COLUMN

【エグゼクティブインタビュー】藤崎 一郎 顧問(元在アメリカ合衆国日本大使)~前編~

  • INTERVIEW
2024.10.03

今回は、ベンチャーエコシステムの実現のため2023年4月よりディ・ポップスグループの顧問に就任していただいた藤崎 一郎 顧問(元在アメリカ合衆国特命全権大使)へ、弊社代表取締役の後藤がインタビューいたしました。

藤崎 一郎 顧問のご経歴はこちらからご覧いただけます。
https://d-pops-group.co.jp/company/board-member/

 

-後藤-
今回は、藤崎さんと対談をさせて頂く機会をいただきありがとうございます。

藤崎さんの著書「まだ間に合う」や産経新聞の連載記事「話の肖像画」を一通り読ませていただいて、改めて大使のご経験や知見、見識の深さを感じております。今回外交の話や国際関係の話などの質問を少し入れさせていただいたんですけど、浅はかな知識で質問するのが恐れ多いところもありましたし、改めて、やはり経営者は経営に集中すべきだなと思いました。連載記事を読ませていただきながら、こんなに深いところからのインタビューのお答えがあるんだなという部分に驚きました。

-藤崎-
例えばどういうところですか?

-後藤-
様々な点でありますが、直近の産経新聞の連載でいうと、鄧小平さんの韜光養晦についての記事を読んで考えさせられるところがありました。

我々も今年、ディ・ポップスグループのコーポレートサイトを本格的なものにリニューアルしました。各社のコーポレートサイトはあったのですが、やはり成長の過程において、どこから圧力が来るかもわからないので、ディ・ポップスグループのウェブサイトは簡略化した内容のものしかなかったんですね。グループ全体を大きく見せてるっていうのはなく、水面下でグループを拡大させていたんです。

今年、グループ会社が20社、投資会社を入れると50社近くなってきたので、初めてコーポレートサイトにディ・ポップスグループの今の動きを大きく打ち出しました。 ほとんどの方はいつの間にここまで拡大したのかと驚かれています。

その他にもなるほどと思ったのが、よく日本国内だと、日本がアメリカに対してものを申す力が弱いのではないかという話もありますが、たしかにそれは北朝鮮があって、ロシアがあって、中国があってとなったら、やはり日米は常に蜜月関係を維持することがいいのかもしれませんね。

-藤崎-
だってね、世界中にこのような国はほかにないんですから。オーストラリアやフィリピンだって違うし、イギリスやフランスとも違うし。そして日本を守ろうと言ってくれてる国は1つだけなんですから。どうしても喧嘩するわけにいかないですよね。ただね、みんな遠慮しすぎてる面も正直言ってあるんですよ。だから私は、外務省の中でもあまり遠慮するなという意見を持っていましたから、「アメリカ担当がそんなこと言うの?」とも言われました。

-後藤-
それはそうですよね。やはりアメリカとはしっかりとグリップしてるっていうのが表向きで、あとは何か交渉したいとか話したいことがあったら、裏でしっかり話せばいいですもんね。

-藤崎-
そうですね。それはおそらく民間会社だってそうで、あるいは銀行さんともそうですよね。

-後藤-
はい。そのインタビューを拝読しながら、例えば駐米大使という職務って、相当な人間力だとか、信頼感とか安心感がある人じゃないとできないものだなと思うんです。

まず最初の質問ですが、過去の重職はどれをとっても、大きなリーダーシップが必要とされることが多かったと思います。藤崎大使のリーダーシップ論をお聞かせ頂けますか?

-藤崎-
率直に言うと私は本当のトップではなく、つまり社長ではなく、総理大臣や大臣でもなくて、 外務省の局長とか審議官とか、あるいは、大使は日本という旗を立ててますけども、 最終的な意思決定者は東京にいて、それが総理大臣であったり、大臣であったりするわけです。なのでリーダーという意味で私は、本当は特命全権ではないんですよね。

ですから、 そういう組織の代表として何を考えていたかという点でお話いたします。

まず1つは、そのチームをうまく使っていかなきゃいけないということです。これがなかなか難しいのは、大使館というところは財務省や経産省・農水省など、外務省だけじゃなくいろいろな人がいます。自分が人事権を持ってない中でグループをまとめていかなきゃいけない。全部必ずしも自分で人を選んでるわけではないわけですね。

だからその中でどうやって輪を保ち、職務にあたっていくかということで、1番大事にしていたことがあります。私は外務省出身なんですが、外務省の人間だけで話をすることは絶対しないようにして経産省や財務省など、必ずみんな入れて会話をするように心がけました。
そして、やはり大事なのは適材適所でキーマンを持ってくることで、自分がお願いしたいポストには、自分自身が安心できる人を持ってくるというようにはしていました。

というのも、組織の中ではやはり、情報の勝負でもあるわけですね。意思決定がピラミッドのようにきちんとなってるわけではないんです。なので、自分を飛び越していろんな情報が行き来しないように、自分が信頼できる人を持ってくるということは考えてました。

2つ目に、私が思う立派なリーダーというのは、後継者を育てていくということができる人です。偉いリーダーでも後継者を育てないで辞めるときよそから人を連れてきて失敗しちゃうとか、そのような状況を見てると、あれはまずいんだろうなという風に思いますね。

それから3つ目、 リーダーは、他の人が「えっ!」と思うぐらい少し先のことを考えて手を打つことが重要です。そのためには、おそらく後藤さんもそうでしょうけど、いろんな業界の人と会ったり、いろんなものに目を通したりして、「勘」を養っていくことが大切ですよね。
「勘」というとなんとなくいい加減に聞こえますけど、いろんな情報や経験や人脈から湧き上がるもので、何が浮かんでくるかが重要ですね。人はデータブックではないので、たくさんデータを持ってることがいいわけじゃない。このデータの中からにじみ上がってくるものは何かっていうことを掴む。そういう勘や先見性というところがリーダーには必要ですね。

それから4つ目、リーダーで大事なことは、もうこれはどんな組織でもそうですけど、 タイミングを見計らっての決断ができるということですね。じっくり考えすぎちゃってタイミングを失ってしまったらしょうがないし、しかし、あんまり勇み足すぎてもしょうがない。赤信号ではなくて、黄色信号ぐらいでわたる。どのくらいの信号なら渡れるかな、緑信号ならみんな渡るけど、それでは意味がない。そこの見極めの決断が重要ですね。

そして最後は、レビューです。一度成功したら大丈夫だということじゃなくて、常に進捗を確認して、何かおかしなところがないだろうかということを見る。 これもおそらく、人によってタイプが違います。

-後藤-
私もよく「人間コンピューター」という言葉使うんですが、 それだけの情報とか、いろんなデータとか、様々なものが頭に入っていて、何気なく決断してるわけじゃなくて、あらゆる莫大な情報から適切な答えを出そうとしています。

-藤崎-
本当にそうだと思いますね。だから、おそらく人によってうまくいかない方は、データの詰め込みだけは得意だという方がいらっしゃいますよね。受験勉強はものすごく得意だったのに、データの取り出しの方がうまくいかないと。そんな方に何か質問すると、「第1章には1から10項目あります。第2章には・・・」と。そんなこと聞いていなくて、何が答えかって聞きたいんだ。というように、あまりにも図書館みたいになっちゃってる方もいらっしゃいます。そうじゃなくて、後藤さんがおっしゃったように、 入れることも大事なんだけど、取り出すところなんですよね。おそらくそこは勘に近いものだと思いますよね。

-後藤-
経営の面白さって多分そこにあるかもしれなくて、単純に、例えば本当に頭がいいとか、ただ単にリーダーシップがあるとか、何か1つに特定された人がずば抜けると、もうその人に勝ち目がなくなる。ですが経営は総合力で、 あらゆるものの集大成としての結果なので、逆に言うと、その総合力的なところに自信があればだれにでもチャンスがあります。

-藤崎-
おそらく、常に勉強したり、 本を読んで吸収しようとしなくても、歩きながらとかお風呂でとか、なんかぼーっとしているときにはっと思いついたりするものですよね。もちろん何も考えていないと何も浮かんでこないですけど。一定の量を入れといたら、今度は浮かんでくるのを待つっていう方がいいのかもしれないですよね。

-後藤-
そうですね。私も経営者になって初めのころ、全然経営というものがわからなかった時はものすごいインプットをしましたけど、 今は逆にインプットの量は調整したりしていますね。

-後藤-
では、次の質問です。

駐米大使やジュネーブ国際機関日本政府代表部大使など、各国との調整や交渉が必要な場面が多々あったと思います。どのように舵取りをされていたのか、お聞かせ頂けますか?藤崎大使ならではの、交渉術や調整の仕方など、意識されていることがあれば、是非ご教授下さい。

-藤崎-
交渉においては、トップとして前面に出て、ワンボイスを心がけていました。
外務審議官として交渉したのが1番多かったんですが、自由貿易協定の交渉で経産省や農水省などたくさんの人を連れて行ったときには、「とにかく喋るのは私だけだから、一切口を出すな」と言い、その代わりしょっちゅう休憩を取るようにして、朝や昼にみんなで相談しながらやるから、交渉の場ではとにかく喋るのは私だけにさせろということを全体の会議で伝えていました。そのあとの個別会議は彼らに任せて、個別分科会には一切私は行きませんでした。

それからもう1つは、相手のトップとの関係性を作ることです。まず初めの朝食は補佐なども連れて行かず2人だけで取り、やっぱりなんとなく感じを掴む。それから、日本に彼らが来た時は、2人だけで酒を飲みに行くなどして、個人的関係をつくるのが大切ですね。それはおそらく会社でも同じですよね。3人対3人のときと、1対1ではやっぱり違いますもんね。

-後藤-
もうその通りですね。ご回答いただく内容は、かなり多くのことが経営と相通じていきますよね。

-後藤-
それでは次の質問に移らせていただきます。

人間性や人間力は、どのように鍛錬し、磨き上げて、身に付けられたのでしょうか?次世代の人に伝えたいと思う事があれば、是非アドバイスをお願いします。

-藤崎-
本当にこれは謙遜じゃなく、未熟で道遠しです。ただ人と会う時、相手に関心を持ち、上から目線で自分の話ばかりしないようにはしています。

例えば私の父はね、一生懸命人間力の鍛錬について考えて、なんかいろんなことをやったり、人間力を磨くような本をたくさん読んだりしてましたけど、 私は正直言ってなかなかそういうところに至らず、日々もがいていたんです。

父は美学があってですね、細かいことにこだわらない、そして 自分からは何かをやりたいと手を挙げないという人だったんです。父の仕事であった最高裁判事は70歳で終わるんですけど、70歳で終わると大体みんな弁護士になれるんですよ。しかし、一切弁護士もやらない。彼はね、散歩と テレビばかり見て、あとはその仏教の本を読んだりして、なんかそういう感じでしたね。私は全然そういうところに、日々遠くて。今でも学校に行って授業したり、そんなことばかりしています。

-後藤-
でも、本来人間力がある方が自ら人間性を磨いてますって言わないですよね。自然体でやりながら、いつの間にかすごい人間力を身につけるものですよね。

 

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次回後編のインタビューでは、
・日本の大企業と外務省との違い
・世界的な複数の大国と付き合う場合のパワーバランスの取り方
・アメリカの歴代大統領で印象に残っている方
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

 

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-平井- まだぼんやりしているところもあるんですけど、まず1つは、自ら新しい領域に行って成長する場を持ちたいのはありますし、僕もその支援をしていきたいというのがあるので、まず成長に対する心意気がある人がいいですね。自分たちのサービス・商品を通して成長した人が、次の人とかその次の人にちゃんと与えられるようになりたいので、自分の成長が世のため人のためになると考えられる人を採用していきたいなと思います。 スキル的には、新しいことに対してヘイトがない人がいいので、今後「AIをやります」とか、「新しいツールを使います」といったときに前向きに捉えられる人とどんどん一緒にやりたいなと思います。 最終的にはディ・ポップスでやっているような、経験もないし素人だけど、PlusPassに入ったらちゃんとスキルがついてパフォーマンスできるというような形にはしたいですね。 ◆冒険旅行や登山について -杉原- ありがとうございます。話は変わりますが、趣味で登山をされていたという話を聞いたことがあります。私も登山が好きなんですが、趣味について教えて頂けますか? -平井- 僕も杉原さんと登山の話がしたいとおもっていたので、嬉しいです。(笑) 登山には大学生の頃にはまりました。当時関西にいたので、滋賀県の伊吹山とか、奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原などでしたが、富士山をきっかけに、3000mぐらいの山を選んで登っていました。 登山の思い出は最初にお話しした日本縦断の話ともつながるのですが、日本縦断の時は途中で内定者研修があったので、北海道の稚内から2週間で東京につかなきゃいけなかったんです。 なので宗谷岬からスタートして、函館から大間のところまで船で行って、当時1年前に東日本大震災があったので、南三陸の方をずれて仙台から東京に行く。ここまでを何とか2週間で間に合って内定者研修に参加できました。その研修が富士山登山の研修だったんです。 僕は富士山に登れることを楽しみにしていたんですけど、その日台風で急遽なくなったんですよ。それがとっても悔しくて。 僕は絶対日本一の山に登りたいと思いながら日本縦断をしていたので、そこから自転車で山梨まで行きました。富士山って5合目までバスや車で行って、5合目から登るんですけど、僕らは日本縦断の中で車に乗るのを禁止していたので、0号目まで自転車で行って山に登って8合目で泊まって、山頂に到着しました。それが本格的な3000m超えの登山でしたね。 そこから高い山にはまって、富士山は多分3回ぐらい登っていて、そのあとは長野のアルプスに登ったりしましたね。そこからはちょっとおかしくなっちゃって、スリル系の山に行くようになりました。(笑)ディ・ポップスに入社してから後輩たちもたくさん連れて行きました。 最初に事業部の後輩たちと登山をすると決めたのは、ちょっとメンタルが弱ってしまって、なんかきっかけあげたらこれから伸びるだろうなっていう子たちのために、自分ができることはなんだろうって考えたときに、1つが、後藤さんがよくやってくださっていた、休みの日に新しい商業を一緒にまわって勉強の機会を創ること。もう1つは、登山でメンタルブレイクをやっていくというのをやりました。いろいろと教えを入れながら一緒に登ったら、視界が開けてくる子がたくさんいましたね。 日本縦断は、稚内から沖縄まで完走しました。基本的には野宿で、途中屋根のある家で寝たのはお互いの実家や祖父母の実家など数か所でした。 -杉原- 登山も日本縦断もかなりアクティブですね(笑) 自転車には昔から乗っていたんですか? -平井- 元々高校生の時に、家から高校まで大体自転車で30分ぐらいの距離を通学していました。それで、サッカーの練習試合とかで結構いろんなところに行ったんですが、バスで移動するか、現地で集合するかを選べる高校だったんです。僕はトレーニングの一環で中学生の時から1時間半ぐらいかかる会場まで自転車で毎回行っていたので、高校の練習試合も自転車で行っていました。2時間・3時間ぐらいかかるところにも自転車で行っていましたね。 日本縦断をやりたいと思ったきっかけが、留学した時なんですよね。 カナダにホームステイで留学した時に、日本のことを全然わかってないなっていう反省があって、普段電車とか飛行機で地方は行くけど、ちゃんと見たらどうなんだろうと思ったのがきっかけです。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- やっぱり冒険的な旅とかハードな登山とかが好きな人って、結構ベンチャー企業向きなのかもしれないですね。 さて、D-POPS GROUPでは「ベンチャーエコシステムの実現を目指す」をスローガンにしていますがその目標に共感する部分はどんなところですか?ベンチャーエコシステム作りを意識した上での活動などはありますか? -平井- 僕が今自信を持ってベンチャーエコシステムに貢献できてるかというと、まだまだこれからだなというのはあるんですけど、ただ本当に後藤さんにめちゃくちゃ育てていただいた恩はいっぱいあるので、その後藤さんからのイムズの継承者としては、ディ・ポップスとしてはもちろん、PlusPassとしてもベンチャーエコシステムにしっかりと貢献できるような会社に早くしたいなと常に思っています。 あと後藤さんからの指導は、会社に対する指導はもちろんありますが、やっぱり人としての指導が1番根幹で中心にあるので、人間性をとにかく磨いて、世の中の人にしっかりと貢献しなきゃいけないなというのはあります。 なので、今やれていることがあるとすれば、例えば、代理店さんや、PlusPassのお客さんとなどに対して、ベンチャーエコシステムにあるリソースにつないだり、逆にベンチャーエコシステム側にもベネフィットがあるような案件があればつないだりなどができるかなと考えています。 商談をする時も、新しいお客さんに会うときも、毎回「この人のためになることはなんだろう」というのを考えながら商談していて、その時はディ・ポップスとPlusPassだけじゃなくて、ディ・ポップスグループが持ってる商材やサービスがちゃんと頭に入ってる状態でお客さんとリレーションをとるようにしていますね。 自分自身で課題だなと思っているのは、ベンチャーエコシステムの一環で行っている投資会社説明会にも出させていただいたときに、グループ会社や投資会社についてもっと勉強しないとなってすごく思ったので、もっと積極的にベンチャーエコシステムの仲間について頭に入れてより貢献したいなと思っています。 ◆5年後の理想の姿 -杉原- それでは、平井社長及びPlus Pass社の5年後の理想の姿とは? -平井- すまっぴーの事業はしっかりと推進させて、今僕が考えていることは完成させたいなと思ってます。 もう1つ解像度を上げてやらなきゃいけないなと思ってるのは、さっきお伝えした方針の、人とデジタルを融合させて貢献するというところは、どちらかというと新規の事業に当てはまるので、新規事業を進めていくためにも人を雇用して体制を作り事業を推進していきたいです。 -杉原- それに向けての課題はありますか? -平井- 大きく2つなんですけど、戦略の解像度をしっかりと上げることと、投資できる利益を既存事業をベースにしっかりと上げることのこの2点がしっかりできないと次に進めないと思ってるので、まずはこの2点を進めていきます。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- 最後に、このHPを訪問した読者の方に一言お願いします。 -平井- 新卒の方も、ベンチャーエコシステムに興味がある方も含めてにはなりますが、ディ・ポップスグループって後藤社長を中心に、本当に他にはない事業体を作ろうとしていて、世の中一般的にあるグループ体の親会社とは全く違う形なんですね。組織としてめちゃくちゃユニークだなと思ってます。 ディ・ポップスグループに来ていただくとわかると思うんですけど、個人の裁量が大きいので、傘下に入ったからデメリットがあるってことは逆にほとんどないのかなと感じています。ぜひ挑戦という意味でディ・ポップスグループに入っていただける方がいらっしゃるんだったら、一緒にベンチャーエコシステムの成長に貢献していきたいですし、むしろたくさん学ばせていただきたいなという風に考えています。 新卒の方たちに対しては、僕は10年やっててよかったなって本当に思っています。3年などの短い期間で企業を判断する方も多いかもしれないですけど、10年いたからこそ厳しく指導してもらった経験も自分の身になっています。会社に所属する時間軸を、世の中一般的な3年~5年とかじゃなくて、10年以上所属していて良かったなと感じる体験って絶対できると思うので、その努力ができる人たちが集まってくれるといいなっていう風に思います。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/
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2025.07.08
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D-POPS GROUPでは、現在約24社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2024年3月に新規設立した株式会社PlusPassの平井 雄大 社長へ、インタビューしました。 ◆ディ・ポップスへの入社経緯 -杉原- 今回は、PlusPass 代表取締役の平井社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します! 平井さんは2014年の4月にディ・ポップスに新卒入社されましたね。当時の就活の状況やディ・ポップスに入社を決めた動機などを教えていただけますか? -平井- 僕は京都産業大学出身なのですが、元々プロのサッカー選手を目指していました。 中学生の頃は、コンサドーレ札幌というJリーグの下部組織に入っていて、高校は北海道の北海高校にスポーツ推薦で入りました。 大学では、高校の時に個人ではケガもあり、チームとしては全国大会にも届かなかったこともあり推薦が取れず、初めて受験で入ったんです。大学では部活には入れなかったんですけど、別でチームを立ち上げて全国大会までいきました。その後イタリアで最後のチャンスとしてトライアウトを受けて、落ちてしまったのでサッカーを諦めました。 そこからいざ就職しようとなった時に、たまたまディ・ポップスと出会いました。 僕は当時、大学4年生の5月から自転車で日本縦断をやると決めていたので、就活は大学3年生の2月から3ヶ月間しかやらないって決めていました。 当時は京都の路地裏にある個人経営の飲食店でアルバイトをやってたんですけど、その飲食店が有限会社から株式会社になっていく様を一緒に社長とやってた時に、僕も将来経営者になりたいなと思うようになりました。 就活をする中でたまたまディ・ポップスと出会ったんですが、経営者になる修行ができる場所として企業選びをしていたので、創業者の後藤さんと出会ったときにバチコンとはまるものがありました。 後藤さんと面接をしたことがある人ならみんな言うと思いますが、後藤さんと初めて会った時、僕が1つのことを話すと100以上の反応が返ってきたんです。「うわ、こんな人いるんだ!」とそのとき驚きました。その時に後藤さんの話の濃さについていけなかったので、この人の元にいたら絶対成長できるなと感じたんです。 ほかの大手企業も面接を受けてみたんですが、役員面接で聞かれることや話す内容が本当に薄かったんです。人事の人は熱かったのに、役員面接になると急に温度感が下がる。 ディ・ポップスだけだったんです。面接を重ねる度に熱量が10倍、100倍になっていく。そんな会社は他になかったですし、会社のみんなも本気だとわかったので、やっぱりディ・ポップスに行きたいと思いました。 -杉原- 大手企業も受けたんですね。迷いませんでしたか? -平井- 一瞬だけ迷った瞬間もありましたが、最後は悔いなくしっかり決断しました! 当時大企業の最終面接スケジュールまで決まっていました。でもあんまり気合いが入らなかったんですよね。僕は京都から東京に面接のために上京していたので、大企業の面接を受けた帰りに、どうなったとしてもディ・ポップスに入りたいなと思ったので、内定承諾書を持って後藤さんに会いに行って、「お世話になります」って伝えました。 -杉原- 学生の時にはもう起業家マインドがあったんですね。学生時代のアルバイトの経験から起業したいと思ったとおっしゃっていましたが、アルバイトでの経験を教えてください。 -平井- 居酒屋割烹のお店でアルバイトをしていたんですが、京都に本社があるGSユアサさんや京セラさんなどが会食で使ってくださるようなお店でした。 そのお店は社長が全て任せてくれるので、僕はアルバイトながら給与振り込みをやったりシフトを作ったり、なぜか正社員の面接もしていたんです。(笑) 新店舗オープンのレセプションの調整をやったり、社長の接待にも一緒に行かせてもらったりして、「社長って、こういう感じなんだ」というものを経験させてもらいました。学生の時から社長にいろんな経験をさせてもらったおかげで、周りの飲食経営者の皆さんからもすごい可愛がっていただいて、「もっと頑張れよ」とか声をかけてもらって刺激をいただきました。そういった社長の仕事に触れていた経験から起業したいと思うようになりました。 ◆ターニングポイント -杉原- 入社してから11年になりますが、この11年を振り返るといかがですか?長かったですか?あっという間でしたか? -平井- あっという間ですね。年を取るたびに1年めっちゃ早いと感じますし、やっぱり10年以上続けてこられて良かったなと感じています。 ディ・ポップスに入社してから11年、順風満帆で、右肩上がりで成長出来ているなんてことは全くなかったです。ただ、ちょっとずつ波を上げていく、少しずつ成長していくというのはあったのかなと思っています。 ターニングポイントは色々あったんですが、1番大きかったのは、入社して3年目の時に楽天モバイルの立ち上げをやらせていただいたことです。ディ・ポップスで楽天モバイルショップの立ち上げをやるとなったときに、当時ディ・ポップスの営業本部長で、現在グループ会社の社長である岩間さんからお話をいただいたんですけど、それがターニングポイントでしたね。 当時、とっても生意気だったんですけど、岩間さんに「ディ・ポップスって日本一の店舗ってないですよね。僕作りたいんですよ。」ってラーメンを食べながら話したら、岩間さんが「やろう」って言ってくれて、その年、楽天ショップ5店舗を岩間さんが出店してくれました。ディ・ポップスはほかのキャリアもやっているので、他社さんとリレーションも楽天さんとの交渉も大変だったと思います。 楽天モバイルの立ち上げ部長をやらせていただいて、今では楽天モバイルで何度も日本一を獲得するようになりました。 2つ目のターニングポイントは、KDDI事業部のV字回復です。入社6年目のときに、当時KDDI事業部がauショップ8店舗、UQスポット3店舗あった時代で、月間でかなりの赤字を出している店舗が複数ありました。 会社としても苦しい事業になっていて、組織もみんなネガティブな状態だったんですけど、僕に事業部長を任せてもらってから、最終的に直近3年間の中で過去最高益で着地しました。そのときは、組織を作るというよりは、マイナスをどうやってプラスにするかという状況だったので、組織をもう一度作り直した経験が大きかったです。 そのあと入社当時に所属していた併売店の担当にもう一度戻ったんですが、そのころからディ・ポップスグループの常務取締役(元ヨドバシカメラ 執行役員 事業本部長)で、ディ・ポップスの副会長でもある渡辺さんにマンツーマンで本格的に仕事をやるようになったんですが、渡辺さんに鍛えてもらったから今の僕があるのなと感じています。 当時僕は渡辺さんに全然ついていけなかったんです。ディ・ポップスの転換期、現在代表の増田社長と渡辺さん体制だったころ、僕の中で「本当にもうディ・ポップスについていけないな」と感じた時があったんです。 でも、逃げてもダメだなと思ったので、週末に渡辺さんの事務所に行くと決めて2~3年ぐらい通っていました。そこから渡辺さんと話せるようになって、だんだん話も理解できるようになったことが3つ目のターニングポイントですね。 あの時は、自分の立ち回り方にも悩みました。2番手としてほんとはうまくやる必要があったんですが、物事をまとめる力が僕にはありませんでした。だからまず1回、渡辺さんの方に立ち向かっていこうと決めました。 ◆PlusPassの設立経緯 -杉原- 素晴らしいですね。私も経験がありますが、昭和の時代だからということではなくて、いつの時代でも、厳しい上司とか厳しい先輩って必ずいます。そして厳しさのある先輩って、厳しいからこそ実績がある。 厳しい先輩に出会って逃げてたら、多分いつまでも逃げることになる。そこで食らいついていくことで、そのレベルに近づける。平井さんにはその根性があったんですね。 そして入社11年目となる昨年3月に、今のPlus Passの社長に就任されました。Plus Pass社の社長就任の経緯を教えていただけますか? -平井- 設立のきっかけは後藤さんにいただきました。一昨年の12月ぐらいに後藤さんから、「事業譲渡の話を進めていて、新設会社を立てて受け入れようと思っているんだけど、やってみる?」と有難いことにオファーをいただきました。 ただその代わり、翌年の2月には会社設立と事業譲渡を全部終わらせるから、残り3か月くらいでの準備となるけど、それでもやる覚悟があるかと言われまして、「やります!」とお伝えしました。 後藤さんには、「いつか起業したい」「社長としてパフォーマンスしていきたい」という話をずっと伝えていました。それを覚えていてくださったのかなと思います。 事業に関しては、僕もやったことのない事業をやることになったり、デューデリジェンスにも初めて同席させていただいたりして分からないことだらけではあったんですが、決断しないと進まないということもあったので、後藤さんに背中を押していただいてやることにしました。 -杉原- 大きな決断でしたね。ちなみに現在はディ・ポップスと兼務でPlusPassを経営されているんですよね。どのようにバランスを取っているんですか? -平井- 現状は、ディ・ポップスの割合のほうが比較的多い状況ではあります。 一方で、ディ・ポップスが通信事業で直接キャリアと交渉ができる事業で、PlusPassが広告代理店と交渉できる事業で、やはり両方に所属していることで出来ることも増える印象はあります。 ◆事業概要 -杉原- それは活かすべきですね。それではPlus Pass社の事業概要をご紹介いただけますか。 -平井- 「すまっぴー」という格安SIMの比較メディアの運営をしています。 すまっぴーは、ユーザーが自分自身にぴったりのプランを選べるようになることを最終ゴールにしています。通信業界って8割前後ぐらいが自分に合ってるプランを使ってないという実態があり、その要因は自分で選びづらいことが大きくあると思っているので、ユーザーが自分自身でプランを選べるようになるようなメディア運営を行いたいと思っています。 あとは、youtubeでも情報発信を行っています。 -杉原- すまっぴーは今後もスマホ専門のメディア運営を続けていく予定なのでしょうか。 -平井- 今のところはその予定です。ただ、今商材を増やしているので今後広がる可能性もあります。通信に関連する商材で、よりユーザーの選択肢を増やしていきたいと思っているので、例えばクレジットカードや証券口座、銀行、ポイント、決済などは今後揃えていきたいなと思っています。スマホが中心ではありますが、メディアとしては通信生活のコンサルメディアになっていくと考えています。 -杉原- 今後が楽しみですね。それでは、すまっぴーの特徴や類似他社製品に対しての競争優位性などを教えてください。 -平井- 事業的にはシンプルな状態で、かつ比較メディアの中では販売ボリュームがかなり多いです。背景としては、運用の仕方で今リスティングが中心なんですが、リスティング中心でやっている比較サイトがほぼないので、この点が一番競合優位性があるなと思っています。 ただ、今のままだと比較的真似もされやすい状態ではあるので、もっとこう複合的にビジネスを組み立てる必要があります。   ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/   次回後編のインタビューでは、 ・PlusPass設立後の取り組み ・成長戦略 ・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて ・5年後の理想の姿 などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!  
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2025.07.01
【グループ会社インタビュー】 株式会社アットマーク・ソリューション 西川 明夫 代表取締役COO 松谷 頼人 代表取締役CFO ~後編~
D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2021年にグループ入りした株式会社アットマーク・ソリューションの代表取締役COO 西川 明夫さんと代表取締役CFO 松谷 頼人さんへ、インタビューしました。 (こちらのインタビューは、2025年4月に実施しました。) 前編の記事は、こちらからご確認ください。 ◆最大の強み・特徴 -杉原- エンジニアという職種のやることがどんどん高度化していきますね。 コーディングはやらなくてよい。ただし、どういう構造のプログラムで、どんなインターフェースで、どんな仕様のプロダクトを作るべきか。そこのコーディネートができることが大事ですよね。 そういった方向に向けて、アットマーク・ソリューションの、最大の強み、特徴は何でしょうか? -西川- これは冒頭にお伝えしたどういった事業をやっているかというところにも関係してるんですが、上物のアプリケーションを作るというところだけではなくて、インフラの部分から構築・提案ができるっていうところが強みだと思っています。 それこそ、システムとかサービスって、なんだかんだインフラの基盤の上に乗っかってくるものですので、基盤からトータルでご提案できるというところは1つ強みかなと思っています。 そして、ディレクションができるメンバーを専任で置いていますので、クライアントさんが思っていることとしっかり向き合ってエンジニアに伝えていくことができます。 アットマーク・ソリューションは広い意味でSIerという風に捉えてはいただくんですけれども、そうなるとエンジニアさんの会社だからコミュニケーションが難しい会社さんもたまにある中で、アットマークは「ディレクションの方がいるので相談しやすくていいですよね」というのはよく言っていただけます。この点は強みですね。 -杉原- それは本当に需要がありますね。AIがどれだけ普及しても、最後は人間味とか空気が読めるなど、人間でしかできないところが必要になりますよね。人とのコミュニケーションという部分で差別化すべきですね。 -西川- そうですね。外資系企業、特に海外の企業ですと、エンジニアさんってもうプロフェッショナルにコードをかければいいみたいなことが神格化されてるというか、打ち合わせも何も出ないけど、とにかく生産性が高いからいいということがあります。 ただ私たちはどちらかというとコミュニケーションも大事にしたいですし、大切にしているということをクライアントさんにも知っていただきたいと思ってますので、ディレクションができるメンバーを置いてるっていうところですね。 -杉原- クライアントさんの規模には、特徴ってあるんですか。 -松谷- あまり規模で固めてはいないですが、大企業の案件もありますし、自社サービスで最近展開し始めた新興企業さんもあります。業種で言うと、受託してる案件はtoC向けのサービスを展開してるもののサポートが多いんですね。 SESは元々大規模系の案件が多いです。 -杉原- アットマーク・ソリューションに案件を依頼される企業さんはどういった理由が多いんでしょうか。例えばコードを書く部分をお願いしたい、人手が足りないからお願いしたいなどどういった理由なんでしょうか。 -西川- どちらかというと後者です。人手が足りないという部分と、あとは人脈的なところが多いです。エンジニアさんがそもそも社内にいないというケースを伴走支援させていただいてる案件も最近増えてきています。 それこそ先ほどあった自社サービスをやっているようなクライアントさんですと、プロモーションとかマーケティングのチームは社内にあるんですが、開発ができるエンジニアさんが1人もいないみたいな会社が結構あります。 例えば、これまで10年ほど特定のアプリをリリースして運用されているんですが、エンジニアさんがいないので、これまでも各ベンダーに依頼をしてきたものを今引き継いでやっているとかも、案件として増えてきています。 ◆採用について -杉原- ところで、世の中全般的に日本はエンジニア不足と言われていますよね。 アットマーク・ソリューションは採用に対してどのように取り組んでいるんですか。 -松谷- エンジニア採用としては、一昨年ぐらいが1番の年収バブルでとにかく年収高ければ高いところに行くというような状態だったんですけど、AIがたくさん出てきて、今後エンジニアがいらなくなるのではという流れが出てきて、今は少し落ち着いています。 ただ、今でも現状エンジニアの数はずっと足りていないので、比較的他業種と比べたら年収は高い状態ではあります。 アットマーク・ソリューションでは20年間色々試してきた結果、採用としては新卒が一番相性がいいです。新卒の方に来ていただいてちゃんと教育をするというのがサイクルとしていいので、新卒に力を入れています。 去年はインターンの採用を行いました。インターンといっても数日ではなくて、年間を通して来ていただいて、案件を社員のエンジニアの数時間分だけやってもらうとか、人によってはフルで働いてもらうなど、トータル20名ぐらいの長期インターンを行いました。 インターンで入ってくれた方たちは、うちに入ってくれたら嬉しいんですが、優秀な人が多いので、直近だとサイバーエージェントやDMM、IBMなどに入社していました。 -杉原- そんな優秀な学生さんたちは、アットマーク・ソリューションのインターンにどうして応募してこられたんでしょうか。 -松谷- 皆さんにヒアリングした結果、去年は特にモバイルのFlutterのようにある程度パッケージ化されてるものが流行っていたんですけど、少し経験を積んだ学生さんは、アットマークのようにラボとか受託で社内の案件をやっていたり、ネイティブで自分でごりごりコードを書くような案件をやりたいという学生が多かったんです。 優秀な人ほど、ちゃんと自分で書くのを1回やってみたいというニーズがあり、応募してくれました。 最初の説明の時に「次世代生成を経営理念にしているので、弊社でたくさん経験して活躍できる人材になってください」とお伝えしていたんです。日本のITは諸外国に比べてまだ伸びしろがあるので、優秀なIT人材が増えることが我々にとっても嬉しいことで、パートナーとしても繋がれるので今後が楽しみです。 -杉原- ここで経営理念が生きてくるんですね。アットマーク・ソリューションでインターンをした学生が優秀なIT人財として活躍して、何年後かにアットマーク・ソリューションに転職してくるようなケースが出てくるととてもうれしいことですね。 今後の採用の戦略を教えてください。 -西川- 現在エンジニアが35名程いますが、これから増やしていきたいと考えています。 最大でも10年を目途に200名ぐらいにはしたいです。 -杉原- いい目標ですね!新卒採用だけではなく中途も採用されるのでしょうか。 -松谷- そうですね、中途というか未経験者の採用に力を入れようと思っています。 特に20代などの若い方でスクールに行って勉強している方や、最近だとスクールには行かずに勉強してる方もいらっしゃいます。エンジニアになるにはどうしても興味・関心、好奇心などが必要なので、興味を持って勉強されている方などを採用できたらと思っています。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- D-POPS GROUPは、「社会に変革をもたらす多数の成長ベンチャーを輩出する」をビジョンに掲げています。一言で言えば、「ベンチャーエコシステムの実現」を目指していますが、このベンチャーエコシステムに対してどんな感想を持たれますか? -西川- まずは非常にありがたい環境にいさせていただいてるなと、日々思っています。特に財務の部分では、ディ・ポップスグループに大変心強いサポートをいただいております。 本来であれば、財務面に関しては経営において非常に重要な部分だと思っているのですが、サポートしていただいているおかげで、本業に専念できています。グループとしてその環境を用意していただけてるのはとてもありがたいことだなと感じています。 たぶんこの環境になければ、そもそも採用をどうしようかなどの議論もできていませんし、戦略的にどういうところに投資をしていきたいみたいな話もできません。本当に助けていただいてると思ってます。 -松谷- 私も西川さんとほとんど一緒の感想ではありますが、こんなに面白い環境というか仕組みはなかなかないと思っています。ベンチャーエコシステムというものが目指している座組・人物像って、とにかくチャレンジャーで、でも人はすごく優しくて温和というか。同志という感じもしますし、戦ってる感じもしますし、そういう文化が根付いているのってなかなかないと思います。 その中でいろんなものに挑戦できるし、挑戦するための仕組みもありますよね。例えばアドバイザーさんが皆さんいらっしゃって気軽に相談できることも大きいです。とにかくこういう環境にいることをすごいありがたいなと実感しています。 -杉原- そうですね。ディ・ポップスグループは挑戦に関して二つ大事にしていますよね。 まず、挑戦した人の成功確率を上げる。完璧じゃないにしても、仕組みや環境づくりに努めています。 そして挑戦してうまくいかなくても、またそのエコシステムの中で再挑戦できる。実際に再挑戦した事例がいっぱいあります。 -松谷- そうですね。グループ内での競争もあるし、助け合いもある。グループシナジーを生むという場面もいっぱいあるのでありがたいです。 大体M&Aというと、本部から厳しく指導されるイメージがどこでもあると思いますが、ディ・ポップスグループはほとんどないです。本当の意味でのサポート体制はありますが、厳しく指導されるということはまずないです。 ◆グループシナジー(IT3社の連携) -杉原- 代表の後藤さんが経営者の気持ちが1番わかるからこそ、経営者の意思を尊重しながら一緒になって会社を作っていくということを大事にしているんでしょうね。 そんなベンチャーエコシステムの一環として見えるんですけども、アットマーク・ソリューション×テックビーンズ×アイデアランプで最近事業をされていると伺いました。どういった流れで3社で提携することになったのでしょうか?現在の状況などお伺いしてもいいですか? -松谷- 元々はIT系エンジニアを抱えている会社はアットマーク・ソリューションと、テックビーンズの2社で、以前から連携はしていてテックビーンズで受けた案件に我々も入るとか、逆もまたしかりという形でやっていました。去年ぐらいにアイデアランプさんがジョインしてちょうど3社になったので、より具体化することになりました。 なので、実際に3社一緒に入ってる案件もあったり、一緒に提案しに行ったり、お互い2社同士でやっていたりなど様々な形で連携しています。 メンバー同士も顔見知りになれるような機会をつくったり、勉強会を3社合同開催したりなども考えていて、これからどんどん進めていこうと考えています。 -杉原- 勉強会といえば、先日ディ・ポップスグループの投資先であるBLUEISHさんによる事業説明と質疑応答の場がありましたよね。その時の懇親会で、BLUEISHの為藤社長と西川さんが、すごく盛り上がっていた印象がありますが、ベンチャーエコシステムメンバーからの学びというのはありましたか? -西川- 盛り上がりましたね!私の中では、結構為藤社長が衝撃的でした。プレゼンの仕方も印象的でしたが、実際の事業内容も、元々は受託事業をされていたところから、業界動向を組んだ上でAIに舵を切られて、その中でも、AIエージェントに注力しているという発表をされていたのが本当に衝撃的でした。 AI活用、最近ですとAI駆動開発などいわれたりするんですが、正直私自身知識が少なかったなと思うのですが、為藤社長がおっしゃっている言葉もある程度わかるけれども、ちょっと調べないとなと強く思ったんです。 そこから自分の中でインプットする内容をちょっと変えていきました。 BLUEISHの勉強会をきっかけにして、AIを活用したコンサルテーションをやっていきたいという発想に繋がってきているなと思っていますので、大変勉強になりました。 ◆5年後の理想の姿・それに向けての課題 -杉原- 勉強になったとのこと、開催してよかったです。これからもベンチャーエコシステム内で連携できるような場を作っていきたいと思います。 それではアットマーク・ソリューションさんの5年後の理想の姿・それに向けての課題をそれぞれ教えてください。 -西川- まず数字の観点で言うと売上も大事だと思っていまして、今のアットマーク・ソリューションは3億円ぐらいの会社ですが、それを30億円にしたいなと思っています。 そのためには、私も含めてもっとメンバーがスキルアップをしていかないといけないと思っていますので、AI活用やラボ型開発に注力していき、クライアントのプロジェクト伴走支援させていただきながらもっとスキルアップに努めていくように取り組んでいきたいです。 課題としては、私が本当に強く思ってるんですが、私たち自体の成長が1番課題だろうなと思っています。 なんでそう思ったのかというと、2年ほど前に後藤代表からお声がけいただいて、ファインドスターグループの総会に出席させていただいたことがきっかけです。 その時に、ファインドスターグループの代表であり、ディ・ポップスグループの社外取締役でもある内藤社長が、「会社の成長とかこの先どこまで飛躍できるのかは、その組織のリーダーやトップにかかっているんだよ」というお話をされていました。 それが私の中ですごく残っていまして、従業員の成長に目を向けてしまいがちですが、そんなことよりも、まず最初に自分たちの天井を上げないことには会社としての天井が上がんないんだろうなと感じておりますので、まずは自分たちが成長していこうと思います。 -松谷- 私は、ディ・ポップスグループの中でデジタル人材のハブになりたいです。弊社も含めて、アイデアランプやテックビーンズも含めて、デジタルに関連するものをやろうと思った時に、とりあえずここに相談しようと集まれる場所になっていきたいなとを強く思っています。 それに向けての課題は、このエコシステムって特に経営者にとって学べる場所がたくさんあるので、学んで吸収しながらより多くのアウトプットをしていくことだとおもっています。 そして私自身はコミュニティをどんどん作っていきたいなと思っているので、とにかく行動しまくるというのが課題かなと思っています。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- それでは最後に、ホームページ訪問した読者の方にそれぞれ一言お願いします。 -西川- お読みいただいてありがとうございました。私たちはシステムやITの専門家集団でありますので、ITに関するご相談があれば、まずは思い出していただけたらと思いますし、いつでも飲みに行きましょう!(笑) -松谷- ディ・ポップスグループはすごく面白いグループなので、興味持たれた方はぜひ一度ヒカリエに来ていただけたらと思います。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社アットマーク・ソリューション】 代表者:代表取締役CEO 増田 勝人 代表取締役COO 西川 明夫 代表取締役CFO 松谷 頼人 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2005年7月 サイト:https://atmarksol.jp/
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