COLUMN

【グループ代表インタビュー】後藤 和寛(D-POPS GROUP 代表取締役)~後編~

  • INTERVIEW
2025.08.05

今回は、D-POPS GROUP の後藤代表にインタビューしました!D-POPS GROUPは社会になくてはならないベンチャーエコシステムの実現を目指し、ベンチャー企業の成長プラットフォームの創造に取り組んでいます。
ベンチャーエコシステムの実現や社会貢献活動に対する思いなどについてお伺いしました。
(こちらのインタビューは、2025年7月に実施しました。)

前編の記事は、こちらからご確認ください。

-杉原-
あらゆる準備や活動が、後藤さんのビジョンである「ベンチャーエコシステムを実現する」ためなのですね。現在グループ企業25社、投資先35社ですが、エコシステムならではの成功例とかメリットがあった、という企業や事象の例などをご紹介いただけますか?

-後藤-
この質問もあらゆるパターンがあるので、お伝えしきれませんが、また当然、個別の社名もお答えできませんが、資金ショートをどう免れるかに関しては、当然あらゆる方法を経験シェアします。

資金調達と言っても、ものすごい数の方法があります。それを期限内に同時に怒涛の勢いで行えば、ほとんどのケースでは大きな調達が実現しています。V字回復においても同様に、ビジネスモデルや組織、営業手法など全てを同時に一気に変革すれば、大赤字の会社もほとんどは黒字に転換します。

私自身、思いっきり挑戦しますし、ここぞという時には大勝負をするタイプの経営者なので、その分、過去に修羅場は数え切れないほど経験してきました。いつも笑顔で仕事をしているので皆さん気付いていないようですが(笑)究極で言うと、経営者自身が飛躍的に自己成長し、明確に戦略を描けるようになると、業績は大きく伸びますし、赤字に陥るようなこともほぼなくなるというのが、私の持論です。経営者育成は、そこに重点を置いています。経営者が成長を実現すると、その後の業績も飛躍的に伸びていくことが非常に多いです。

-杉原-
後藤さんは複雑化戦略として、”韜光養晦”(とうこうようかい)という言葉を時々お使いになりますが、このHPもその一つだったんですね。D-POPS GROUPで行った、韜光養晦の例を他にも今回少し公開していただけますか?

-後藤-
複雑化戦略は昔から言い続けていますが、シンプルに言うと、競合企業を煙に巻く戦略を意味します。真似をしようとしても複雑すぎて真似が出来ない状態を指します。

”韜光養晦”と言う言葉は、顧問である元駐米大使の藤崎さんに教えて頂きました。1990年代に中国の最高指導者であった鄧小平氏「才能を隠して、内に力を蓄える」という中国の外交・安保の方針をそのように表現したそうです。D-POPS GROUPでも、昔、携帯ショップが10店舗になるまで、全て違う店名で出店をしたり、KDDIやイー・アクセスの創業者である千本さんが会長としてジョインして頂いた時も最初の3年は非公開にしていました。

それでいうと以前のホームページも情報を3割程度に抑えていましたし、今も売上でいうと、合計100億分以上のグループ会社の社名を掲載していません。

-杉原-
また、「理想とするベンチャーエコシステムの形まではまだ3割だ」ということもよくおっしゃっていますが、10割の姿というのはどんなものなのか、そのイメージや具体的な数字を少しだけでも明かしていただけますか?まだ非公開でしょうか?(笑)

-後藤-
日本でスタートアップやベンチャーの起業家が、投資や支援を受けるなら「D-POPS GROUP」と第一想起されるポジションまで、ベンチャーエコシステムを進化させたいというのがゴールです。

その時には、グループ会社や投資会社など支援をしている会社の総合計売上が1兆円を超えていて、連結決算の対象になる企業に絞ると売上1000億を実現していることがシンプルなイメージです。日本トップクラスの顧問の方々、そしてスーパープロフェッショナル人材も今の数倍は在籍して頂いているイメージです。私が支援している または 応援していると認識している企業数で言うと、500社程度のイメージです。

当然それを私一人でサポートするのは不可能ですから、驚くような支援体制を整えていくことになります。私も起業する前、情熱と戦略があれば、優秀人財はいくらでも採用出来る、仲間になってもらえると思っていました。

実際は、ほぼ売上がないような会社には誰も見向きもしないし、ちゃんとした報酬さえ支払えないという厳しい現実でした。つまり、スタートアップやベンチャー企業の経営者の代わりに、ベンチャーエコシステムとして人財、資金力、ノウハウ、情報、ネットワークなど、あらゆる経営資源を我々が持つことにより、必要な時にニーズに応じて、支援出来るようにしておくことをイメージしています。

それを活用するか否かは、それぞれの企業の経営者次第だと思っています。D-POPS GROUPの支援は上から指示を出していくようなものではなく、必要に応じて行う後方支援型ですから。また将来は資金的な支援の面においても、ユニコーン級のグループ会社や支援会社が出てきたときには、数十億~数百億を支援出来るような財務的な力を持つことも出来なければと思っています。

また、今、力を入れているAI系企業への投資も、たくさんの優秀なエンジニアが仲間に加わることで、最先端のデジタル戦略を支援出来る体制創りだと思っています。このように、あらゆることにおいて、支援出来る体制を究極まで持っていくことを考えると、ゴールはどんどん先に先へとなるので、ずっと理想を追いかける感じになるかと思います。

-杉原-
この10月に「ベンチャーエコシステムサミット2025」を開催することを公開しましたが、どんなイベントに仕上げていこうとされていますか?招待した方々、すなわち起業家や経営者の皆さん、一部大企業の方々など、反響はいかがですか?

-後藤-
もの凄い反響を頂き、1週間足らずで満席となり、正直自分でも驚いています。一方、もしこのようなサミットを開催するなら、今私がプロデュース出来る最大出力で企画し開催するイメージで1年前からずっと準備をしてきました。

毎年、弊社グループの総会では、千本会長、藤崎顧問など錚々たる方々の講演を聞かせて頂く事が出来ます。しかし昨年度、突如私の頭の中でインスピレーションが舞い降りました。「これは我々グループの中だけで留めておくことは社会的な損失だ」と。そこで将来性溢れる起業家・経営者を集めたベンチャーエコシステムサミットを開催することをその場で宣言しました。

ご案内を流した経営者の方々に私の想いが伝わったのかと思いますが、本来は500名ぐらいの起業家・経営者に声をかけて、250名程度の申し込みを頂く想定でしたが、実際は90%以上の方々が参加表明を頂いたため、即満席となりました。今現在、参加想定が250名程度の参加になっていますが、会場側とも交渉し、あと数十名参加可能なように(MAX270名)調整する予定です。

私からまだまだお声がけしたい起業家・経営者がいましたが、もし「なんで私を誘ってくれなかったの?」と、この記事を読んで頂いた方で、ご納得がいかない方がいれば(笑)、ご連絡を頂ければと思っています。なんとか席を確保出来るように動きますので。

いづれにしても、一部の講演会やパネルディスカッションだけでなく、書道家やアーティストの方々のライブパフォーマンスまで、これでもかというぐらい、刺激と学びを詰め込んだイベントになりました。私の中では、もうこれ以上はないイベントに仕上がると思っていますので、参加者の皆さんの人生のターニングポイントになるような1日になればと思っています。

-杉原-
すごいイベントになりそうですね。経産省を中心に、日本政府として、スタートアップの支援にようやく力が入ってきた感がありますが、そういう意味では、民間企業によるベンチャーエコシステム作りというのは、正に時流に沿った取り組みですね。追い風のようなものは感じますか?

-後藤-
非常に感じています。最近は、CVCも資本業務提携もM&Aも、どの案件に関しても問い合わせが殺到しています。まだまだ私の中でベンチャーエコシステムは完成形に至っていないにも関わらず、エコシステムの仲間入りをしたいとたくさんのお問い合わせを頂いています。志が高く、ポテンシャルがあり、社会貢献意識の高い起業家を、今後もしっかりと支援していければと思っています。

日本で最も必要とされるベンチャーのエコシステムとは何なのか、もっともっと試行錯誤して、ブラッシュアップしていきたいと思っています。我々だからこそ出来るエコシステムを、残りの人生で必ず完成させたいと思っています。

-杉原-
今後、日本におけるベンチャーエコシステム作りがある程度成功したら、世界にも目を向けられるビジョンはありますか?

-後藤-
もちろんです。既にアメリカ、インド、イスラエルなど投資をしていますが、まだグローバルでのベンチャーエコシステムとしては、足りないものだらけです。グローバルでも当たり前のように仕事が出来る仲間をもっと増やし、体制を整えていく予定です。

-杉原-
後藤社長個人と、D-POPS GROUPの5年後の理想の姿とは?

-後藤-
私の個人の理想も経営者としての理想も、ベンチャーエコシステムの実現、そこに集約しています。自分がこの世に生まれて大きな役に立てたと、死ぬ瞬間に自信を持って言えるものを残さなければと、大きな志と強い意志を持っています。執念でやり遂げる予定です。5年後、ベンチャー支援なら、ベンチャーエコシステムのD-POPS GROUPと当たり前のように言われるようになりたいと思っています。もちろん、グループ会社数、投資会社数、売上、利益なども、明確に意識しているKPIを持っていますが、何よりも、「ベンチャーエコシステム」というビジョンを実現すること、そこに尽きます。

-杉原-
最後に、このHPを訪問した読者の方に一言お願いします。

-後藤-
人生は誰にとっても一度きりなので、人生、後悔がないように生きることが大切だと思っています。大きなビジョンを持てば持つほど、必ず仲間が必要になります。このインタビュー記事をご覧頂いた方々の中にも、もし将来の仲間になる方がいたら、最高に嬉しく思います。また何かしら、このインタビューが経営のヒントになったなら、とても嬉しく思います。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

 

【株式会社ディ・ポップスグループ】
代表者:代表取締役 後藤和寛
所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F
設 立:2015年10月1日(創業:1998年2月4日)
U R L:https://d-pops-group.co.jp/

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  • INTERVIEW
2026.06.18
採用DXで人事を刷新。HRクラウド中島社長と「採用一括かんりくん」の挑戦 ~Part1~
D-POPS GROUPは、HRクラウド株式会社への出資を行っています。同社は「採用一括かんりくん」を主力サービスとして、中堅・中小企業の採用DXを推進するHRテクノロジー企業です。創業から3年で年商1億円を達成し、コロナ禍を転機に急成長を遂げた中島悠揮社長の起業家としての軌跡と、同社が描く未来を全3回にわたって紐解きます。 Part 1では、27歳での起業を志した原点から、学情・楽天を経て創業に至るまでのストーリー、そして創業3年で1億円を達成した軌跡をお届けします。 (このインタビューは2026年4月に実施しました。) ◆ 「27歳で起業する」――少年時代から芽生えた経営者への憧れ -杉原- まず初めに、中島社長が14年前にHRクラウド社を創業されたきっかけを教えていただけますか。 -中島- 創業自体は、27歳で会社を立ち上げるということだけはもう決めていたんです。そこまでは具体的に考えていなかったんですが、「30歳までに1億円の会社を作る」という目標がありました。 その理由は、私自身が20歳ぐらいの頃にすごくお世話になった先輩がいまして、その方が32〜33歳の頃に「1億」というワードを口にしていたからです。その人の年齢に自分がなった時に、超えていなければいけないという気持ちになって。『30歳で1億円』ということが就活の頃に明確になりました。そこから逆算すると3年はかかるだろうということで、27歳で起業するということだけは漠然と決めていたんです。 -杉原- 子供の頃から、社長への憧れはあったんですか? -中島- そうですね。子供の頃から社長に対する憧れはすごくありました。親戚のおじさんが会社経営をされていて、その生き方がとても豪快でかっこよかったんです。 また、少年野球をやっていた頃の最初の3年間、監督が自分で会社経営をされていて、これまたすごく豪快な方でした。「お前ら、飯食え!」と言って、チーム全員をロイヤルホストに連れて行ってくれるんです。私の家はかなり貧乏でしたので、ロイヤルホストに行けること自体もすごかったし、しかも全員に、「家族も呼んでいいよ」と言ってくれて。そういう姿がかっこいいな、憧れるなと思っていたのがあります。 まずは起業するという夢があって、20歳になって「いつ」「どれくらいの規模に」するかが明確になったという感じですね。 ◆ 学情・楽天での下積み――「いろんな業界を知りたい」という原動力 -杉原- どんな事業で起業するかという計画はあったんですか? -中島- 全然なかったですね。27歳の段階でも全くなかったです。1社目に学情という会社に入社したんですが、そこは人材と広告の事業をされている300人ぐらいの会社でした。なぜそこで働いたかというと、いろんな業界やいろんな会社を知れるところに行きたかったからです。 将来起業したいんだけど、何をやればいいか正直全然わからない。だからいろんな業界、いろんな会社が見られるところに行きたいなと思って、それなら人材か広告だな、と。両方やっていた学情に入社し、そこでいろんな会社を見ました。 ただ、そこでは2年間しか勤めませんでした。でも気づいたのは、当時はITというのがそこまで大きくなかった頃で、スマホも出始めのタイミング。ITにもっと強くならないといけないという気持ちが強くなりました。当時は大阪にいたんですが、大きな会社を作るには東京に行かなきゃダメだなとも思っていました。 -杉原- それで楽天に転職されたんですね。 -中島- はい。そのタイミングでご縁をいただいて転職しました。いろんなビジネスモデルを学びたいという気持ちもありましたし、楽天は10年で1万人になった会社ですから、そのシステムを知りたいという思いもありました。楽天時代にはいろんなベンチャー社長との繋がりも増えていきまして、実はその時にディ・ポップスグループの後藤さんにも出会いました。 ◆ 「周りに言いまくった」――退路を断つことで生まれた決断 -杉原- 2014年に1人で起業されたんですよね。 -中島- はい、共同創業者などもなく1人で立ち上げました。楽天時代にいろんなベンチャー社長との繋がりが増えていったので、「来年の春に起業します。いろいろと応援してください。」とその皆さんにひたすらお伝えしていました。 それが年末になってくると、来年の春に起業するのがすごく怖くなって。「やっぱり楽天を辞めたくないな」と思ったんですけど(笑)、周りにも言っちゃったしもう後戻りできない、と。退路を断つことで決断できました。 -杉原- 最初のオフィスはどうされたんですか? -中島- 会社を立ち上げた一番最初は、株式会社HRteamさんの一席をお借りしました。現在新卒紹介では日本のトップレベルの会社です。代表の方が「創業するんだったら一席使っていいよ。その代わり、これから人材事業を始めるから教えてくれ」と言ってくださって。一席をお借りする代わりに人材事業のノウハウを色々お伝えしながら一緒にHRteamさんの人材事業の立ち上げに携わりました。 私自身も逆にベンチャー企業の作り方やスケールの仕方など楽天では学べないベンチャーならではのことを多く学ばせていただきました。 本当に貴重な期間だったと思います。 ◆ 創業3年で年商1億円達成――「空手で培った精神力」が支えた -杉原- 目標だった、「創業3年で1億円」は達成できたんですか? -中島- ちょうど3年目で達成しました。 -杉原- 自ら立てた目標を達成、素晴らしいですね!起業のきっかけは深い話ですね。やっぱり行動力というか、意思の強さを感じます。学生時代、何か部活などはやっていたんですか? -中島- 空手をやっていまして、そこで精神力はつきましたね。戦いたくないし、痛いし。でもやらなきゃいけない、勝ちたい。この葛藤は大会に出場する度にありました。 この空手で培った「やらなければならない時にやりきる精神」は、創業後の困難な局面においても軸になりましたね。 -杉原- 中島社長の、”一見穏やかだけど内面には熱いものがある雰囲気”は空手から来ていたんですね。ところで、ホームページのご挨拶の中では、お父様は新卒から定年まで40年勤め上げた会社員だとありますよね。起業家が当たり前という環境ではなかったと思うんですが、お父様は応援してくれていたんですか?また書籍や経営者の言葉で影響を受けたこと等ありますか? -中島- 父親は「人に迷惑をかけるな」ということをずっと言っていまして。うちの会社がある程度形になってからは、「人を尊重しろ」という言葉に変わりました。 また、書籍ではないのですが、サイバーエージェントの藤田さんのブログは当時よく読んでいました。実は楽天に転職する際、サイバーエージェントでも面接を受けたのですが、残念ながら落ちました。(笑) -杉原- 確かにあの時代、みんな藤田さんのブログを読んでいましたよね!今はブログやYouTubeで学べる時代なので、書籍に限らずいろいろなところで学びを得られますね。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【HRクラウド株式会社】 代表者:代表取締役社長 中島 悠揮 所在地:東京都千代田区紀尾井町3-6 紀尾井町パークビル7階 設 立:2014年4月 コーポレートサイト:https://hr-cloud.co.jp/ Part 2では、 ・主力サービス「採用一括かんりくん」について ・コロナ禍の大きな決断 ・生成AIを活用した採用DX などについてお伺いしています。 Part2もぜひご覧ください!
  • INTERVIEW
2026.06.16
「健康は最高の投資」40年のキャリアが語る、経営者の体と姿勢の真実|青山一丁目カイロプラクティック・山口博院長インタビュー【Part3】
【このパートについて】 全3回にわたるインタビューの最終回となるPart3では、テレビ出演のきっかけとなった「利他の精神」の実践、そして修行先の院に通っていた本田宗一郎氏が語った「経営者が健康でなければならない本質的な理由」、「トップリーダーの意思決定の速さ」に関する伝説のエピソードを公開します。さらにベンチャーエコシステムと山口先生の「全体のつながりを見る」という哲学の共通点などをお届けします。(このインタビューは2026年3月に実施しました。) ■ 青山一丁目への移転と、テレビ出演につながった「利他の精神」 -杉原- 四半世紀にわたって青山でカイロプラクティック院を経営されている山口先生ですが、現在の場所に移られた経緯を教えてください。 -山口- 実は最初、渋谷で開業しました。ただ当時の渋谷は、タワーレコードの近くで歩いていると女性の腕を引っ張ってナンパしてくるキャッチセールスが流行っていた時代で、来院される方から「今日も2回捕まりました」とか「道が混んで歩きにくいですね」というお声をいただいていました。 場所を変えようと考えた時に、表参道や外苑前にはカイロプラクティック院のホームページがあったのに、青山一丁目にはなかったんです。渋谷に来られている方も半蔵門線を使えば青山一丁目はそれほど不便ではないなと思い、実際に来てみたら道も広くて、2000年に青山一丁目に移りました。 その後、大江戸線が開通してアクセスが良くなったり、NHK以外のテレビ局が港区に集まっていたりしたこともあって、アシスタントディレクターの方から肩こりや腰痛に関するリサーチの依頼が来るようになりました。 電話で話すだけでなく、Word文書にまとめてメールで送ったり、資料を作って郵送したりしていたんです。するとある時、「テレビに出ることはできますか?」という話をいただきました。それがきっかけで、いろいろな番組に出演することになりました。 後日、ディレクターになった方に「なぜ私を選んでいただいたのですか?」と聞いたところ、「どこよりも丁寧に対応して、資料も書類も作って送ってくれたのはあなただけだった。ADから番組を持つようになった時には必ず声をかけようと思っていた」とおっしゃっていました。 これは稲盛和夫さんの言葉で言えば「利他」の精神ですね。何かを求めてやったのではなく、その人のために誠実に対応しようと思ってやったことが、後になって大きな形で返ってきた。もし何かを求めながらやっていたら、そうはならなかったかもしれません。 この話をうちに来院される経営者の方にすると、「経営と同じですね」とおっしゃる方が多いんです。求めすぎるより、相手のためを思って誠実に動いた方が、後で大きなものが返ってくるという経験をされている方が多いですね。 ■ 本田宗一郎氏が語った「経営者が健康でなければならない本質的な理由」 -山口- 修行させてもらっていた院には、経営者の方もよく通われていました。その中で今も語り継がれているエピソードがあります。自動車メーカーの創業者、本田宗一郎さんのお話です。私は本田さんとは直接お会いしたことがないのですが、私の先輩が本田さんに施術をされていたそうです。 ある時、先輩が本田さんに「大きな会社のトップとして大変なお仕事しながら、特にどこかが痛いとか困ったことがないのに、なぜ定期的にいらっしゃるのですか?」と伺ったそうです。すると本田さんはこうおっしゃったと聞いています。 「会社のトップとして、業績が良くて進軍ラッパを鳴らして前進しているときほど気持ちのいいものはない。だけど、時には進軍を止めて、退却ラッパを鳴らして戻らなければならない時もある。このタイミングを間違えると会社に大きな損害をもたらす。そのラッパを吹くタイミングは、健康でなければ間違えてしまう。だから私はここに通っているんだ。」 この言葉が後輩たちの間で語り継がれています。経営者にとって「健康であること」は単に体調管理ではなく、重要な意思決定を正確に行うための根幹なんだと、改めて感じさせられます。 もう一つエピソードがあります。院長が本田さんを施術している際に、当時の車のシート(ふかふかと沈み込むタイプ)が体に良くないという話をされたそうです。すると本田さんが「そうか」と言って帰られ、翌日にはホンダの技術者が何人も来て、院長と話し合いながらシートの設計図を作っていったという話を聞きました。その試作シートは、その後リリースされた車に、早速、活かされたそうです。 一番すごいと思ったのは、「乗る方のためにした方がいい」と思ったら、翌日にはもう行動に移している、そのスピード感と決断力です。トップがそう動けるということの意味を、深く感じます。 ■ 日本姿勢教育協会 —「姿勢の大切さ」を社会に広める活動 -杉原- 四半世紀にわたって青山でカイロプラクティック院を経営されている山口先生ですが、他にもいろんな活動をされていますね。一般社団法人日本姿勢教育協会について教えていただけますか。 -山口- この協会は、姿勢の大切さを理解し、人に伝えられる人材を育成することを目的としています。姿勢から心と体をサポートし、健康長寿な社会を目指す活動です。 「姿勢は大切」とはわかっていても、なぜ大切なのか、姿勢が悪いと何がいけないのか、良くするためにはどうすればいいのか、これを分かりやすく伝えることは実は難しいんです。そのための「姿勢教育アドバイザー」「姿勢教育指導士」という資格を設けて育成しています。興味のある方向けのセミナーも、講師を目指す方向けのセミナーも開催しています。 ■ 放送大学での講義 — 毎回抽選になる人気講座の秘密 -杉原- 他にも放送大学で長年、授業を担当されていますね。どんな方々に向けた、どんな内容の講座なのでしょうか? -山口- 放送大学では最初、「姿勢と健康」という講座を担当していました。その後、その講座は協会の若い先生に引き継いでいただいて、今は「負けない体を作る姿勢学」という講座を担当しています。 放送大学の受講者は、大学の資格を取りたい方が少なく、社会教養として来ている方が多いです。40代、50代、60代が中心ですね。カイロプラクティックの内容は一切やっていません。 -杉原- 教養として来ている一般の方向けということですね。大人気らしいですね。 -山口- おかげさまで毎回抽選になっています。放送大学の中でも最も受講者が多い講座のひとつになっています。コロナ前には北海道や九州から飛行機で受講に来られた方もいらっしゃいました。土曜日・日曜日の集中講義で8コマをまとめてやるので、1泊のホテル代で受講できる。その話を聞いただけで、私たち講師もますます頑張ろうという気になります。 ■ ベンチャーエコシステムとカイロプラクティックの哲学 —「全体のつながり」という共鳴 -杉原- ディ・ポップスグループでは「リアル×テクノロジー×グループシナジー」を組み合わせた事業展開で、ベンチャーエコシステムの実現を目指しています。グループ内外の企業が、お金だけでなく営業や人材紹介など様々な形で助け合うプラットフォームを作ろうとしているのですが、先生の取り組みと共通すると感じる点や共感できる点があれば教えてください。 -山口- 共感するのは「一つの部分だけを見るのではなく、全体の流れ・つながりを通して見ている」というところです。 私たちも、たとえば肘をぶつけて小指がしびれても、小指だけを治療するのではなく、なぜそうなったのか、姿勢全体の問題を探ります。肩こりであれば、肩だけでなく、モニターの高さや椅子の設定、生活環境全体を見て改善する。この「つながりを通して見る」という視点は、まさに共通していると感じます。 -杉原- 流れを良くするということは、本当にそうだと思います。弊社のグループ会社の定期的な役員会では全員参加で進捗報告をして、その後オンラインでお互いの悩みや困りごとを共有し合って、アイデアや経験を持ち合います。 そしてグループ会社じゃなくても、出資という関係でベンチャーエコシステムのメンバーとして繋がっている会社ともその関係があります。お金だけではなく、一緒に営業に行ったり、必要な人材を紹介したり、顧客を繋いだり。それがエコシステムの「流れを良くする」ということですね。今こうして話しながら、血流の流れを良くするというイメージが重なります。 -山口- 血流が滞るのは、身体の重さを支えることによる物理的な疲労もありますが、気疲れによる神経的なものもあります。物理的な疲労は動くことで解消できますが、気疲れの場合は感動や笑い、あるいは朝日を浴びながら呼吸と歩調を合わせてゆっくり歩くことでセロトニンが分泌されて、発想力が上がり、気持ちも整ってきます。経営者で朝に歩かれる方が多いのも、納得できますよね。 ぜひ、目が悪くなければサングラスはせずに朝歩いた方がいいですよ。目に光が入ることで、セロトニンがより多く分泌されるんです。これは研究者の方がしっかり確認されているデータです。 ■ 読者へのメッセージ — 最高のお医者さんは、あなたの体の中にいる -杉原- 最後に、読者の皆さんに向けて一言お願いします。 -山口- ぜひ、ご自身の体と健康のために投資してほしいと思います。健康は業績と直結しています。 皆さんにとって最高のお医者さんはどこにいると思いますか?有名な大学病院でしょうか?実は、皆さんの体の中に最高のお医者さんがいます。何か異変があると体はそれを脳に伝え、脳が解決策を体に指示する。それを担っているのが「自律神経」です。 この自律神経の多くは、背骨を通って体の各部位に届きます。つまり、背骨が健康であることは、全身の健康にとって極めて重要なんです。そして背骨と姿勢はイコールです。姿勢が崩れれば背骨も崩れる。だから、姿勢を整えることは自律神経を整えることにつながります。 また、関節は動かさないと動かなくなります。体がずっと丸まっていると、だんだん伸びなくなる。だからこそ、意識的に動かしてほしい。健康への投資が事業の成功につながります。少しでも皆さんのお力になれたら嬉しいです。ありがとうございました。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【青山一丁目カイロプラクティック】 院 長:山口博 所在地:東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山740 公式サイト:https://aoyama1.jp/ Part1の記事はこちらからご確認ください。 Part2の記事はこちらからご確認ください。  
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2026.06.02
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