COLUMN

【グループ会社インタビュー】株式会社アイデアランプ 宮原 秀文 社長 ~後編~

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  • グループ企業
2025.01.28

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2023年12月にグループ入りした株式会社アイデアランプの宮原 秀文 社長へ、インタビューしました。
(こちらのインタビューは、2024年12月に実施しました。)

前編の記事は、こちらからご確認ください。

◆定額制WEB運用サービス「ウェブ担さん」について

-杉原-
素晴らしいですね。ところで、2024年の4月には定額制WEB運用サービス「ウェブ担さん」をリリースされましたね。このサービスを企画した狙い、リリース後現在までの状況などについて教えて下さい。

-宮原-
「ウェブ担さん」は、本当にお客様のニーズや課題から生まれているっていうのがあります。 今って日本全国、どんな企業でも採用が大変だっていう時期じゃないですか。 そうすると、中小企業さんとかで、デジタルの担当者ってなかなか採用が難しくなっていますよね。例えば優秀な子が入社しました。給料30万円払って3年が経ちました。そうするともうここで、経験を積んだんでやめますとなり、いなくなる。

それを3回繰り返すと、嫌になる。皆さんとてもそのあたりのことを嘆いていて、もうちょっとやけになってるご担当者さんとかも見てるんです。そうすると、これって別に社内にいる必要ないんじゃないですか?っていうところで、給料30万円で採用するよりかは、月5万円、10万円とかで十分じゃないですか?というところから始まっています。

-杉原-
そうですよね。大企業ではないスタートアップだと、例えば法務担当を1人抱えられない。それで、外部の弁護士事務所に委託という話になりますからね。仕事内容としても、中小企業からしたら、1人月分の仕事内容はなくて0.2人月くらいしかないのに1人を雇うのは難しいですよね。

-宮原-
そうなんですよ。それで、また世の中には新しい技術やサービスがどんどん出てくるし、それを覚えていく。そうすると、気づいたらなんかID・PWを忘れちゃってるけど誰が知ってるんだ、誰が担当なんだ?という問題にもなりますよね。社員5000人ぐらいの入退社を繰り返されると、きちんとアカウント管理していないとアカウントのサブスクリプション費用がどんどんかさんでいくとか結構あるんですよね。その雑務を本業の片手間にやってる人たちはものすごく多くて、このデジタル雑務を0にしたいという思いでやってますね。

-杉原-
このサービスってすごくニーズがあると思っているんですけど、じゃあなんで元々世の中になかったんでしょうか。もしくはあったんですか?

-宮原-
似たようなものは当然あると思っているんですけれど、今やっぱりSaaSとかいろんなサービスが世の中に溢れ始めている中で言うと、それら全部をまとめてきちんと管理してという担当者たちって意外にいなかったんです。

その雑務をやりながら、担当者さんがもしいらっしゃったとしても、別で本業をやっているんで、結構工数取られてしまうんですよね。だったらもうウェブ担さんでいいんじゃないのか!って考えているんです。

-杉原-
そうすると中小企業もしくは中小だけじゃなく幅広くニーズがあると思うんですけど、リリースした後の反響とか手応えってありますか。

-宮原-
手応えは非常に感じておりますし、まだリリースしてそこまで経っていないんですけれど、 おかげ様で着実にお客様が増えているという状況です。意外に面白かったのは中小企業様だけかなと思ったら、大企業様とかがご依頼してくださることもありまして。

大企業の部署を再編成するタイミングとか、事業整理のタイミングがあったりとか。あとは、ひたすらECの商品登録って結構、 別にITプロじゃなくても大丈夫というか、雑務っぽい部分がちょっとあったりするところとか。そういったことってBPOで外部に頼んだほうがいいということもあるので、やっぱりそういったところでウェブ担さんがはまってる感じがしますね。

◆社風、文化について

-杉原-
じゃあ、ウェブ担さんは今後期待できますね!

また、ディ・ポップスグループとしてはホームページ作りを一緒に行いました。今まで会ったメンバーみんなしっかりしてるなという印象があるんですけど、企業文化として根付いているのでしょうか?

-宮原-
ありがとうございます。でも実は文化ではないと思っていて、文化としては本当にめちゃくちゃなんですよ(笑) メンバーも、国籍も、宗教も、年齢も、性別も、慣習さえ違う人たちが集まっているので良い意味で多様性のあるというかカオスさを許容しているのが文化なんです。

その中で、個々の個性をちゃんと活かすために、 「仕組み化」で底上げしていったというのがあるかもしれないですね。「きちっとやる」ということもフォーマットを作っていて、そのフォーマットに沿ってある程度やればできるというようにしています。

-杉原-
宮原社長らしいですね。

-宮原-
このフォーマットづくりをやったのも3年前ぐらいです。それまではもう自由闊達に、それぞれがそれぞれに頑張ると。だけど、やっぱり限界を感じて。
「きちっとしている」というお話をいただいてありがたい話だと思うんですけど、社内でも伝えていることですが「マクドナルドのごとく仕組み化しよう」といっています。

-杉原-
素晴らしいですね。ホームページづくりの際に、無茶ぶりでTシャツのデザインもお願いしたところ、素晴らしいデザインを作ってくださいましたよね。
このTシャツのデザインに込めた思いや制作の舞台裏等を教えてください。

-宮原-
そうですね、はじめにクリエイティブチームに投げたときに、よくあるパターンではあるんですが、忙しいと最初はたらい回しにあったんです(笑) でも、そこで1人女性のクリエイティブのメンバーが、ちゃんと先陣切ってまとめに行ってくれて、きちっとやり切ってくれました。

-杉原-
ありがたいですね。出来上がったTシャツの評判もものすごく良くて、グループ企業やエコシステム内で申し込みが殺到しているんです。本当に素敵なTシャツを制作してくださってありがとうございました!

◆ディ・ポップスグループの印象

-杉原-
この1年で各社のホームページを製作したりグループ会社ともコラボしていただいたりする中で、ディ・ポップスグループ全体の印象を教えていただけますか。

-宮原-
そうですね。ジョインする前より、ジョインした後の方が圧倒的に面白いと思ってます。逆に今までも、その魅力をもうちょっと発信してきた方がよかったんじゃないかなって思ったぐらいですけど。(笑)

元々経営を勉強したかったという想いがあったので、勉強させていただく機会が多かったり、あとは助け合いもそうですし、ものすごい勢いで日々いろいろな機会をいただいていることがありがたいというか、感謝をしている点です。

あとは、本当に1つ1つの言葉・言動含めてヒントになることって非常に多いので、 そういったところから感銘受けたり刺激を受けるってことは多いかなと思っています。

◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて

-杉原-
ディ・ポップスグループは、一緒に作っていただいたホームページのタグラインにもある通り、ベンチャーエコシステムの実現を目指しています。
ベンチャーエコシステム実現のために、アイデアランプさんがこれから進めていきたいことなどはありますか?

-宮原-
いっぱいあって、どうしてもデジタル領域の活用になるんですけど、 まずはディ・ポップスグループのコミュニケーションの活性化のために、とにかくポータルサイトを作りたいと思っています。

後藤代表はもちろん、アドバイザーチームの皆さんの言葉が流れていってしまうことだけは、とても勿体ないなと感じています。メッセージなどをアーカイブしておいて、何かあった時にそこに戻れる場所を作りたいなと考えています。さらに、そこから生まれる2次的なコミュニケーションやディスカッションなどができる場所が欲しいと思っています。

-杉原-
確かに、それがあるととてもありがたいですね。 よくフロービジネスよりもストックビジネスで事業運営をしましょうとかで飛び交うけども、社内の貴重な情報やコメントがフローしてますね。

-宮原-
はい、そうなんです。大量にフローしていてもったいないなと思っていて、ディ・ポップスグループにとって絶対に価値がありますし、次の時代の起業家さんなどにも、ものすごい価値があると思ってるんで、まずこれを実現したいなというところがあります。

あとは良い部分でもあるんですけど、コミュニケーションに関してです。グループ会社各社がそれぞれの個性を持ってやられてるから、例えばコミュニケーションツール(メールやLINE、Slackなど)がめちゃくちゃたくさんあるんです。これは各社それぞれのツールを使って良いなと思っています。それでいいんですけど、そこからハブになるものがあれば、そこを介していろんなデバイスに対応できるコミュニケーションの仕組みを作りたいと考えています。

でも、結構この課題は面白いんですよ。他の大企業さんやメーカーさん、その他いろいろなサプライチェーンさんを実現している企業さんとかでも課題になっていたりしたので、皆そこに困っているような問題ですね。

-杉原-
ディ・ポップスグループのベンチャーエコシステムの特徴として、各社が自由に独立して運営できることがありますよね。グループ入りした後にシステム統一の強制は全く行わないし、それぞれのやり方で経営できることがいいところですよね。

一方で、違うツールを使いながらも情報の流れが早くなる仕組みができるとしたら、さらにいいですよね。

-宮原-
先ほどのウェブ担さんの話の課題と全く同じなんですよね。ツールは多いし、SaaSは多いし、コミュニケーション手段も多いし。 多分1人何個使ってるんだっていう状態になった時に、実は結構な情報の分断が起きている。それがいい部分も多少はあるんですけど、やっぱりベンチャーエコシステムを実現するためには、必要なコミュニケーションを円滑にしてくれるプラットフォームが必要になってくるんじゃないかなと考えています。

-杉原-
いいですね。まだまだ発展の余地がありますね。

◆10年後の理想の姿

-杉原-
それではアイデアランプさんの10年後の未来や理想の姿を教えてください。

-宮原-
正直10年後は読みづらい時代だし、10年後を決めきっちゃうことは難しいんですが、先日千本会長のお話にもあったとおり半導体やAIが次に来るってわかっている訳で、多分次に来ることっていくつか答えは出てると思っているんです。

なので我々としてはAIの活用と、フィジカルとデジタルの繋ぎ目ですかね。他にもいろいろあるんですけれど、 そういったところのデジタルでの担い手になっていくこと。誰もが当たり前にAIを使っていられる時代になっていくときに、 アイデアランプの力として、デジタルソリューションとかサービス開発の力は必ず生きるのかなと思っております。

-杉原-
素晴らしいです。それに向けての課題はありますか?

-宮原-
課題だらけですね(笑) 直近では自社サイトのブランディングリニューアルをしていこうと思っています。 今のアイデアランプのサイトって8年前に作ったもので、結構古いんです。会社としての中身も昔からだいぶ変わってるので、自社ブランディングを来年、再来年ともっと強めていくとか、あとは教育の仕組みも再構築していこうかなと思っています。

◆ホームページを訪問した読者に向けて一言

-杉原-
では最後に、このホームページを訪問した読者に一言お願い致します。

-宮原-
「一緒に頑張っていきましょう!」というところです。やっぱり物作りが大好きな人はたぶんグループ会社にたくさんいらっしゃるし、 次の価値を作るのがベンチャーの面白さだったりするから、それをどんどんコラボしながら、 次の文化や価値、仕組みやサービスなどなんでもいいんですけど、作っていけるようにしたいなと思っています。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

 

◆追記 グループ社長合宿での学びや気づきについて

先日、D-POPS GROUP 代表 後藤の主催で、グループ会社社長合宿が行われました。海の見える素晴らしい環境での合宿で、経営戦略を明確に描けるようになることや経営者の人間的な成長を実現することを目的として実施しました。

◎宮原社長の感想
最高のロケーション、美味しいご飯、そして、後藤代表を筆頭に、百戦錬磨のプロフェッショナルの方々からの値千金の学びの機会を頂きまして、本当にありがとうございました。素晴らしい環境での運気を浴びながらの本質をついた学びは、ネットにも、そして本を読んでも得られない貴重な体験ばかりで、私にとっては一生の宝物となりました。

特に、後藤代表からの教えである
①経営者の成長、人間的な成長
②経営戦略を明確に考えることができる
ことの重要性のお話から、3つの杭のお話、戦略、戦術、戦闘の3段階のお話まで、たくさんの衝撃を受けっぱなしでした。

悔しさと成長したい欲とで、溢れて、帰宅してからしばらくの間、ずっと昼夜を問わずにビジネスモデルを考え続けていました。この学びで得たものを血肉として、次のステージにいくべく、頑張っていきたいと考えています。

ベンチャーエコシステムをデジタルの力で一部担わせていただくことは、僕にとっても、アイデアランプ社にとっても、大切なターニングポイントになると感じていますので、引き続き、全力で駆け上がっていきたいと考えています。

【株式会社アイデアランプ】
代表者:代表取締役 宮原 秀文
所在地:東京都渋谷区神宮前6-18-13 神宮前浅間ビル4F
設 立:2008年8月1日
株式会社アイデアランプ HP:https://idealump.com/
WEBサイト無料診断:https://idealump.com/webshindan/
定額制ウェブ運用サービス「ウェブ担さん」:https://web-tantou.com/

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2026.07.17
「起業したくなる国へ」一般社団法人スタートアップ協会・砂川大氏インタビュー|連続起業家が語る、スタートアップが自由に挑戦できるエコシステムの作り方~Part3~
全3回にわたるインタビューの最終回となるPart3では、砂川大氏が日本のスタートアップ環境の「今」を率直に語ります。かつて三菱商事を辞めてベンチャーをやると批判された時代から、東大生が普通に起業する時代への変化。しかし日本がアメリカとの差をキャッチアップできていない構造的な理由。さらに、生成AIの台頭で全ての職業が変わっていく中で、それでも残るものとは何か。最後に、ディ・ポップスグループのベンチャーエコシステムへの共感について語っていただきます。(このインタビューは2026年5月に実施しました。) ◆幅広い人脈の作り方——「Facebookで友達だけど話したことない人とランチ」という企画 —杉原— 砂川さんのFacebookの投稿を拝見すると、幅広い影響力のある各界のリーダーたちとの人脈がおありですね。みなさんとはどのような形で出会い、どうお付き合いを広げてこられたのでしょうか? —砂川— 最初はFacebookに投稿していなかったんですよ。ちなみに全部ランチなんです。ディナーになると大体お酒が入るし、なんか長くグダグダしてしまって非効率だなと思い始めて。ランチだとお互い1時間ぴったりになるし、ものすごく要点だけの話で効率的だし、むしろランチの方がいいなと思うようになったんです。 —杉原— ランチされている方は元からのお知り合いなんですか? —砂川— 元からです。でも途中から「Facebookで友達になっているけどあまり話したことない人とランチに行く企画」を始めたんです。もったいないじゃないですか、ネットワークに入っているのに。私は実際に会った人しか友達申請を受け付けていないので、過去には会っているんですよ。でもどこで会ったかもよくわからない、誰かもよくわからないという人がいる。その人にメッセージを送って「ちょっと誰かわかんないんですけど、ランチ行きませんか?」って(笑)。 会ってみたら、登山家の人とか占い師とか、面白い人がどんどん出てくる。それをFacebookにアップするようになったら、友達になっている相手から「今度ランチしませんか?」と連絡が来るようになって、どんどん広がっていきました。別にブランディングをやっているわけじゃないんですよ。 —杉原— この活動は、ご自身の会社や協会の活動にもいい影響はありますか? —砂川— 狙ってはいないんですが、やはり何かしらの効果は当然あります。世の中ってストレートなメリットだけじゃないと思っているんですよ。ある人になにかしてあげて、その人がどこかで砂川のことを言ってくれて、面白いじゃんとなって、戻ってくる。そういうことが偶発的に起こる。でも決して狙ってるわけではないですよ。 ◆起業に否定的だった時代から東大生が普通に起業する時代へ — 急速に変わる日本の環境 —杉原— ここ数年、日本政府はスタートアップ支援の本気度が高まり、優秀な学生が大企業に就職せず起業を選んだり、スタートアップにインターンからそのまま転籍するケースが増えています。起業も数社経験し、エグジットにも成功した砂川さんから見て、現在の環境はどう見ていらっしゃいますか? —砂川— めちゃくちゃもり上がっていますよ。ロケーションバリューをやっていた頃は言われましたもん。「三菱商事を辞めてベンチャーで、いいんですか?」「何かしちゃったんですか?」みたいな、犯罪でも犯したかのような扱いでしたよ(笑)。当時の仲間たちを悪く言うつもりはないですが、立ち上げ当初は本当にいろんなハードシングスが起こりましたし、動物園みたいな世界でした。 今は東大卒の人が普通にうちに就職してきますし、在学中に起業する人も多い。むしろこれからそういう人の方が増えてくると思います。本当に起業しやすくなってきています。 —杉原— プレイヤーたちもどんどん変わってきている。起業の道も選びやすくなってきている。日本は他国に対して何年遅れぐらいまでキャッチアップしていますか? —砂川— 残念ながらキャッチアップはできていないです。構造の問題だと思っています。まず人材流動性が異常に低い。 もう一つ、ルールメーキングの話で言うと、アメリカは連邦政府なので会社法は州政府が作っています。各州がスタートアップを奪い合っているんですよ。競争原理が働いて、スタートアップ向けのルールがどんどん良くなっていく仕組みがビルトインされています。イーロン・マスクの会社が全部テキサスに移転したのも、カリフォルニアの税率が上がって企業がどんどん出ていっているのも、競争原理の結果です。 日本は一国一城なので競争原理が働かない。その結果、アメリカがトライアンドエラーで進歩している中で、日本はずっと昔の会社法を堅持したまま動かない。今、ミニマムタックスの問題を議論していて、アメリカで起業すればエクジット時に税金を払わなくていいものが、日本だと何億円も税金払わなければならないというケースもありえるんです。どちらで起業しますかと言ったら明白じゃないですか。スタートアップ育成5か年計画の趣旨に照らせばちぐはぐですよね、ということを、協会としては訴えています。 ◆機会と課題 —「ミクロでは戦える」、でもグローバル展開の壁をどう越えるか —杉原— 端的に言って、現状の日本のスタートアップ環境、スタートアップにとっての機会と課題をどうお考えですか? —砂川— 機会はすごくいっぱいあると思います。ミクロで言えばそれほど競争環境は厳しくない。例えば我々のサービスはアメリカに競合が20社あります。でも日本では今のところスマートラウンドだけ。円換算ではコストも安いし、同じことをやるならまず日本で勝てる可能性は十分にある。人材のクオリティも高い。信頼度も高い。幼少期からフィリピン、メキシコ、アメリカなど、いろんな国に住んで見てきた中で、日本はクオリティが高くて真面目で信用できる人が多い。しっかり成長できるスタートアップを作る機会はあると思います。 一方で大きな壁は、グローバルマーケットに行けないという問題です。日本は中途半端にいいマーケットなので、国内でそれなりに成長できてしまう。それで落ち着いてしまうと、グローバルサービスへはなかなか辿り着かない。ただ、言語の壁は多分あと2〜3年でなくなるんじゃないかと思っています。AIで同時通訳されますから。 グローバルが重要だと言っている人は多いんですが、それは外野の野次みたいなものなんですよ。グローバルに行ったことがある人間が言うならわかりますが、バッターボックスに立ったこともないのに野次を飛ばしているだけでは何も起こらない。本当に成功したアメリカの起業家を連れてきて、日本のスタートアップのアドバイザーになってもらわない限り、変えられないと思います。スマートラウンドは実際にアメリカで成功したゲーム会社の創業者をエンジェル投資家として迎えて、事あるごとにアドバイスをいただいています。目線が全然違います。 ◆「ゴールドラッシュでつるはしを売れ」— AIの時代に日本が狙うべき成長市場 —杉原— 日本のスタートアップ、これからの有望な成長市場はどのような分野だと思われますか? —砂川— 成長市場というのは、そこにあるものじゃなくて、我々が開拓しに行かなければならないものだと思っています。今、全ての世界はAIに設計されている状況の中に入っていて、例えばGeminiが強いと思うのは、Googleとして自前で発電所も持っているし、TPUも自分で作っている。AnthropicもChatGPTも電力は買わなければならないし、GPUはNVIDIAから買わなければならない——垂直統合できていないんです。Googleだけができている。 「ゴールドラッシュの時に金を掘りに行くんじゃなくて、つるはしを売れ」と言うじゃないですか。AIのつるはしって何だろうと考えるべきだと思っていて、それはエネルギーとチップセットです。核融合とか絶対に大事。そこでの優位性を勝ち取るために、色々な分野に少しずつ予算を分散させるのではなく、思いっきりそこに全部ぶち込むくらいのことをやらないといけない。 ◆生成AIで消える職業、残る職業 —「息子の就職アドバイスができない」本音 —杉原— 生成AIの登場と浸透によってビジネス環境が大きく変化しています。どのような職業が消え、どのような職業が残ると思いますか? —砂川— めちゃめちゃ難しいですね。正直、何も残らないんじゃないかとすら思っています。AnthropicがClaudeのFinanceバージョンを出したために、投資銀行でモデルを作っていた若手は基本的に職がなくなったようなものですし、Claude Legalが出て弁護士も青ざめているはず。しかも彼らは儲かりそうなホワイトカラーの高収入な職種をピンポイントで狙ってくる。全部やられたら何も残らないじゃないかという感じです。 すごく悩んだのが、息子への就職アドバイスです。私自身、三菱商事からハーバードMBA、VCインターン、マッキンゼーやUBSのようなインベストメントバンクも少し見てきた。全部なくなっていくんじゃないか、という状況ではまともにアドバイスできないですよね(笑)。 結局商社に行くことになったんですが、なぜそれがいいと思ったかというと、究極的には「人と人を繋ぐ仕事」はAIには作れないから。心を動かす、感動させる、「この人だから信頼できる」という、あの目の合わせ方や雰囲気の違いはAIにはわからない。そこだけは残るんじゃないかと思っています。 ◆「みんなで力を合わせないと何も変わらない」——ベンチャーエコシステムの実現について —杉原— 最後に、ディ・ポップスグループが目指す「ベンチャーエコシステムの実現」について、共感すること、協業できる領域などがあればお願いします。 —砂川— スタートアップ協会として、誰かを出し抜いてどうこうというつもりは一切ないんです。むしろ、みんなで力を合わせないと何も変わらないと思っているので、さっきも話したように、この団体とここでは協力する、全部それだと思っています。 我々は完全フリーハンドでみんなと組みに行きます。志が一緒で、スタートアップのエコシステムを1ミリでも底上げしたいと思っている人たちは「同志」ですから、ぜひ一緒にやりましょう。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【プロフィール】砂川 大 一般社団法人スタートアップ協会 代表理事 / 株式会社スマートラウンド 代表取締役CEO 三菱商事を経てハーバードMBA取得後、米国VCでディレクターとして勤務。帰国後に株式会社ロケーションバリューを創業しNTTドコモへ売却。Googleでアンドロイドの統括部長などを努めた後、、2018年に株式会社スマートラウンドを創業。2022年に一般社団法人スタートアップ協会を設立し代表理事に就任。スタートアップ育成5か年計画の策定にも関与するなど、日本のスタートアップ・エコシステム形成に取り組む。 一般社団法人スタートアップ協会:https://www.startup-kyokai.org/ 株式会社スマートラウンド:https://jp.smartround.com/corporate Part1の記事はこちらからご確認ください。 Part2の記事はこちらからご確認ください。
  • INTERVIEW
2026.07.09
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