COLUMN

【グループ会社インタビュー】株式会社プラスト 山下 友由 社長 真崎 二郎 専務 ~前編~

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2025.09.17

D-POPS GROUPでは、現在約24社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2024年9月にグループジョインした株式会社プラストの山下 友由 社長と真崎 二郎 専務へ、インタビューしました。
(こちらのインタビューは、2025年7月に実施しました。)

◆創業のきっかけ

-杉原-
今回は、プラスト 代表取締役の山下社長と、真崎専務にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します!

まず最初に、山下さんはいつお会いしても素敵な笑顔でいらっしゃるなと感じていますが、経営者って苦しいことが多いと思うんです。山下さんは根っから明るいのか、よっぽど苦労してきたから今朗らかでいられるのか、1回聞いてみたいなと思ってたんです。

-山下-
いえいえ、とんでもないです。苦労は色々ありすぎますね。(笑) 色々あることはもう通常モードですね。

会社の立ち上げの頃は厳しい表情をしていた時もありました。売り上げが伸びない時とか、経営がうまくいかない時は機嫌が悪そうな顔も無意識でしていたんじゃないかなとは思います。ただ、明るくいようと意識して笑ってはいた気がします。

-杉原-
前職・立ち上げ当時から一緒にいる真崎さんから見ていかがですか?

-真崎-
最近では人も増えて女性も増えてきたことで、全体に対しての発信の仕方などは昔とは変わってきました。
ただ、幹部が集まる会議では、昔と変わらず厳しいです。
それは厳しさと愛をもって言っていただけるので、そこは我々幹部はちゃんとわかってることです。

-杉原-
まだ付き合いが浅い私は、山下さんの本当の厳しい表情を知らないんですね。

では、本題の質問に移らせていただきます。まず最初に、プラスト社を創業したきっかけを教えてください。

-山下-
元々いつか社長にはなりたかったという思いもあったんですが、当時の私には勇気も実行力もなく、社長のなり方も正直わからなかったので、高校を卒業して4年間航空自衛隊に行き、そのあとITのベンチャー企業で会社員をしました。前職で専務の真崎とも出会いました。

前職でOA機器の事業などを任せていただく中で、営業マンからマネージャー、所長、営業所の立ち上げを二度経験させていただいたことで、少しづつ自分の中では小さい会社の経営者をやっている感覚になっていきました。これだったら自分でビジネスとしてやっていけるんじゃないかなと考えるようになり、昔漠然と考えた社長になる夢を実行するタイミングを最初は1人でやってみようと思って自宅でスタートしたのが始まりです。

最初の半年は個人事業主としてスタートして、OA機器の卸をやっている会社にお世話になって、そこの営業所の名前を名乗らせていただいてました。その後会社登記をして有限会社プラストを作りました。

前職で営業所を立ち上げたのが埼玉県で、蕨と大宮で二度立ち上げを経験したこともあり、埼玉県の土地勘があったので、埼玉で起業することになりました。

◆山下社長、真崎専務の出会い

-杉原-
真崎さんとはどういった出会いだったんですか?

-山下-
そうですね。出会いは前職で、僕が面接したところから始まりました。
入社してからは真崎は少し離れたところにいたのですが、ずっとトップセールスでした。

ある時面接以来、一緒に仕事するようになって、人となりもなんとなく分かってきて結構仲良くしていました。そのあと僕は埼玉営業所の立ち上げをして、彼が東京で仕事をして離れた後、もう1回僕が東京に戻るタイミングでまた一緒に仕事したんです。その時は、営業所長とマネージャーという立場で仕事をする中で、今までの営業マン時代よりも、より深くいろんな話をするようになりました。

あるとき、二人の共通の知人から、別々に「一緒に会社をやらないか」と誘われていました。
私は取締役で、真崎は営業マンとして。
だけど、「このことは誰にも言わないで」と誘っていただいた方から言われていたこともあって、お互いに言い出せずにいたんです。

でも僕としては、真崎にも声を掛けているんだろうなと思って聞いてみたんです。その時真崎に「行くんですか」と聞かれて、「いや、行かない。自分でやる。」と。
「じゃあ一緒にやろうか?」と真崎と一緒に会社を立ち上げる話になりました。

最初、厳密に言うと当時の前職の部下で、今は執行役員で事業部長をやってくれている小野と、先に始めたんですけど、真崎には1年後から合流してもらいました。

-杉原-
運命の分かれ道ですね。

真崎さんは、山下社長に会社の立ち上げに誘われて、全く未来はわからない中で即、決断できたんですか。

-真崎-
実は、上司と部下との関係で働かせていただいて、私の方から「ぜひ会社を立ち上げてください」という話をしてたんです。

前職が、本当にバリバリの営業会社で、すごい勢いで伸びていた会社だったんですけど、ごりごりの営業の方たちがいる中で、山下は今と変わらずスマートな感じだったので、ほかの人とちょっと違うなと感じていたんです。管理者としてもかなりの実績をだされていたので、ぜひ一緒にやってみたいなっていうのは思っていました。

-杉原-
真崎さんから見て、出会った当時の山下さんの印象はいかがでしたか。

-真崎-
面接で初めて出会ったという話もありましたが、それこそ前職の会社に面接に行く時、私が20代後半だったと思うんですけど、普通面接官といえばある程度の年齢の方が面接してくれるのかなと思ったんですけど、山下が面接官だったんですね。当時山下が20代前半だったと思います。
今よりも髪も長くて色黒くて、イケイケな感じでした。(笑)

◆これまでの道のり

-杉原-
2004年の創業から数えて今期で22期目になりますが、(21期は2月決算へ変更に伴い5ヶ月の変則決算)これまでの月日はどんな道でしたか?

-山下-
いや~、波乱万丈でしたね。1度も安定したことはないです。でも、あっという間でした。振り返ったらなんか面白かったなって思います。

-杉原-
経営の指標を拝見すると、めちゃくちゃ安定して伸びてるように見えますけどね。

-山下-
一見そうかもしれないんですけど、成功よりも失敗の方が圧倒的に多いですし、たまたまいろんな人に助けていただいたので、それでなんとかなっているという、本当に運が良かったというところはありますね。

努力もしてきたという風にあんまり自分でも思っていなくて、最低限当たり前のことはやるじゃないですか。
ただ別にそれはそれで、「社長だったらやるよな」とか、「会社立ち上げてるんだから、会社員じゃないからそれはやらなきゃいけないよな」みたいなことは普通にあるので、それなりにはやってきたかもしれないですね。

最初の頃は売り上げが上がっているように見えてるかもしれないですけど、本当に数年間は売上が上がっているといっても数千万円とかなんです。1ヶ月こけたらもう前年割れするようなものでした。

最初は明確なビジョンがあるわけじゃなくて、稼ぐとか、会社員時代よりお金を稼ごうとか成功しようとか、そんな感じでした。社会に貢献したいという志があったかというと、別にそんなことはみんなにも言ってないですし、正直に言うと自分も今ほどは深く考えてなかったと思います。

ただ、どうやって利益を出そうかとか、どうやったらもっと受注が上がるかとか、そういうことを結構考えていましたね。日々いろんなこと一生懸命やっていたんですけど、ビジョンもないままストイックに朝から夜遅くまであまり休みなくやっていたので結構限界が来るというか。なので最初の頃は右肩上がりになっているように見えますが、結構紙一重でしたね。

会社が軌道に乗ってきたきっかけは、2011年の東日本大震災かなと思います。
それまでは普通に受注を上げる、先の利益を上げることがメインだったのが、目の前の仕事が、ちゃんとした仕事ができなくなりました。

計画停電で電気が入らない時間帯があったり、インターネットが繋がらずウェブデザイナーの仕事ができないなど。もちろんテレアポもできませんでした。

じゃあ何をしたらいいんだって必死で考えて、飛び込みをやるとか、政府より早く発電機を買って、なんとか発電機をつないで、部屋中ガソリン臭い中仕事をしたりとか。とにかく生き残らなきゃいけないということを経験しましたね。それだけじゃなく、震災で困っている人たちに対しても何かしたいと思うようになって、最初は、働いている従業員の家族に対しての見舞い金をだしたりとか、東日本大震災の義援金に協力したりだとか、そうやって社会貢献意識もそのころ芽生えてきました。

それに加えて、年始に今年の目標を明確に数字で設定するようになってから、それを超えなきゃいけないというミッションというか、1つの目標として設定するようになって、みんなで協力もあってクリアした。それを毎年言い続けたいなっていうのがあったら、結果的に毎年昨年を超えていたんです。
目標をみんなで共有し合う習慣ができたことも大きかったですね。

-杉原-
素晴らしいですね。
前年より1円でも向上しようと積み上げていったら20年経っていたということですね。

-山下-
そうです。「ビジョナリーカンパニー2」の本の中で出てくる、バスに乗る人がいて、降りる人がいて、また次のバス停で・・・ということを繰り返していく中で、最初はなんか目的地もないんだけど、それが徐々に、こっちに行ったら面白そうだなとか、こうしたら良さそうだな、その中でだんだん乗ってる人も変わってたりして、当然変わらない人もいて、それを積み重ねていったら22期目になって、今こういうことを考えてる、こういうことやってるという、それが変わってきただけだなと思いますね。

◆会社概要・事業の強み

-杉原-
さて、この21期もの間成長を続けてこられた、プラスト社の現在の事業の概要と、その分野における他社さんとの違い、特徴などを教えていただけますか?

-山下-
はい。事業の柱は3つあります。まず1つ目の柱は設立時からやっているOA機器の販売と保守です。2つ目の柱が中小企業向けのホームページの制作と運営サポートで、3つ目の柱がアプリと連動した顧客管理システムを販売してサポートするという、この3つを事業として行ってます。

-杉原-
プラストさんの事業の強みはどういうところにありますか?

-山下-
手前みそですが、商談時の提案力と同じ位、お客様に対してのサポート力だと思います。
販売したらそれまでではなくて、販売した後もずっと長いお付き合いを意識したサポート体制を整えています。そこまでやるような会社さんがなかなか少ない中で、安心してずっと使っていただける、またリピーターになってくれるお客さんを意識してやっています。これが先ほどの話と繋がってくることもあるんですけれども、最初立ち上げた当時は、もうとにかく売りたい、とにかく売って売って売りまくるみたいなところはあったんですけど、やっぱりそれだけじゃ続いていかないよね、売った後もしっかりサポートして、より長くお付き合いしていかないと淘汰されてしまうよねという思いがありました。

-杉原-
サポートって地味なところがありますが、そこをちゃんと注力しようとされてるんですね。サポートの方たちに対してどのような意識づけをされているんでしょうか。

-山下-
サポートって、確かに営業マンみたいに成績がわかりやすい仕事ではないですよね。でもサポートの人がスポットライトが当たらないからやる気が出ないとなっちゃうと、やっぱりお客様の満足度も上がらない。

じゃあサポートの人にスポットを当てるためにはどうしたらいいかなとか、サポートがしっかりしてると、営業マンはもっとお客様に販売しやすくなるんじゃないかなと思って。
そこで考えて実行していたのが、お客様から直接生の声をいただく取り組みです。

お客様のインタビューをホームページ上で紹介したりとかで、お客様の声を映像にしたりしています。それを社員が見たら、実はサポートの人ってこういう仕事してくれてたんだとか、こういうことをやってくれてるんだったら、他よりも絶対うちの方がいいよねって思ってもらえる。日々縁の下の力持ちとしてお客様のサポートをしているメンバーにスポットライトを当てることは、マイナスなことは全然ないしむしろプラスだと思いましたね。

-杉原-
そういう経緯があったんですね。ちなみに先ほど事業の柱が3つあるとお聞きしましたが、その3つを柱にしたきっかけを教えてください。

-山下-
その3つとも、僕らが今まで会社を経営する上で、ある意味助けられたものではあるんですよね。

最初設立して日が浅い頃は、当然ビジネスフォンとか複合機とかOA機器を自分たちの会社でも使っていますし、最適なOA機器を入れることによって、業務がすごくしやすくなります。
そしてホームページは、無名のプラストという会社をより多くの取引先やお客様、求職者の方にに知ってもらうために使用するもの。実際に当社の社員は95%以上はホームページを見て入社してくれていますし、ホームページに投資をしていなければ今のみんなとであえてないですし。
アプリに関しては少し意味が違うんですが、顧客管理システムという意味では、震災の時も含めて、顧客管理システムをちゃんと使ってなければあの時売上は上がらなかったなということもすごく体験して、自分たちが会社として生き残れた、救ってもらったものではあるんです。
その我々の経営を救ってくれた商品やサービスを、日々懸命に経営に取り組んでいる世の経営者のみなさんに対して提供していきたいという思いがあります。

なのでターゲットは一般家庭ではなくて、あくまでも事業者に絞って、その事業者の助けになるビジネスをして、かつ自分たちも業績を上げていける。多分これはお互いにとっていいんじゃないかと考えています。

-杉原-
今は大きな会社になりましたが、もともと小さな自宅から始めた会社ですね。ご自身が中小企業として必要なプロダクトを採用して、それをお客様に販売しようという意味で順番に発展してきたんですね。

-山下-
そうですね。OA機器をビジネスフォン中心に販売していく中で、お客さんがどんどん増えてきたんですよね。でも、OA機器も結構大変な時代があったんです。
ビジネスフォンのリースが社会問題と言われるようになって、テレビや新聞を使っての販売ができなくなり、リース会社が撤退するなど。そんなとき何社かのお客さんから、「ホームページ作れないの?」というニーズをいただいて、ホームページって結構ニーズがあるんだなと思って、中小企業向けにホームページの事業を立ち上げようかなと。そしてお客様が増えていけば増えていくほど、リピーター対策が大事で、ホームページ以外に顧客管理も考えていこうと。当時は、まだアプリではなくメルマガなどの顧客管理連動のメールシステムから始まり、それが時代とともにアプリに変わってきて、今は結果的に店舗向けのアプリの事業も行っています。

時代によって扱う商材も変わっていきますが、よりそのお客様が会社が発展する、あるいは会社の抱える問題を解決するお手伝いができるようなサービスや商品を提供していきたいなと考えています。
それは不変のテーマかもしれないです。

-杉原-
そのような経緯でビジネスを展開されてきたのですね。
ちなみに、全国に6000もの法人のお客様に契約いただき、そして提供サービスも多用ですよね。お客様に対する営業体制やサポート体制の工夫などをご紹介いただけますか?

-真崎-
やっぱり親身にこまめに継続して丁寧に連絡をしていくことでしょうか。まだまだ出来ていないこともありますが、営業担当やサポート担当から電話だけでもいいので、御用聞きというか、今の状況を確認するようにはしていますね。

~後編に続く~

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

 

【株式会社プラスト】
代表者:代表取締役 山下 友由
所在地:埼玉県さいたま市中央区新都心11-2
明治安田生命さいたま新都心ビル20階・23階
設 立:平成16年10月22日
U R L:https://www.plust.jp/

 

次回後編のインタビューでは、
・導入事例のインタビュービデオについて
・社名の由来
・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて
・5年後の理想の姿
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

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  • INTERVIEW
2026.07.27
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part2~
全3回にわたるインタビューの第2回となるPart2では、「コドマモ」がauだけにとどまらず、ドコモ・ソフトバンクを含む3大キャリア全てとの協業へと広がった経緯、さらには韓国・台湾への海外展開の現状、「コドマモ for School」という学校向けサービスの取り組み、そして大人の詐欺対策という新たなフロンティアへの挑戦を紹介します。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 「コドマモ」加入後の状況と反響 ―杉原― サービスプラン組み込み後の「コドマモ」の評判はいかがですか?加入状況や現場の声などを、差し支えない範囲でご紹介いただけますか? ―冨田― 店頭でご案内いただいた結果、コドマモを利用し始める率がコツコツと上がってきています。使ってくださったユーザーが使い続けてくださっているということも数字に表れてきています。良いものとして受け止めていただけているという実感がありますね。 まだ改善できる余地はたくさんあります。営業現場の方が売りやすくなるための新機能開発や改善も続けていますし、現場へのインタビューも今後どんどんやっていく予定です。より本格的なユーザーの声、営業現場の声はこれから届いてくる感じですが、数字面ではすでにかなり良い傾向が出ています。 U12バリュープランに加入した人の中でコドマモにきちんとログインID登録している人の割合が、サービスリリース直後よりもだんだん上がってきています。 ―杉原― それはおそらく、営業現場でだんだん説明に慣れてきたこと、個人として使っている営業担当者が現れてきたことで、勧めやすくなってきたという面もあるのでは? ―冨田― そのような側面はあると思います。また、微力ながら弊社側でも改善を行なってまいりました。最初は店頭でご案内いただいて加入しようとしたときに、間違って有料プランに加入してしまうというケースが初期にありました。プランに組み込まれているので本来は無料で使えるはずなのに、通常のアプリストアの有料プランに入ってしまうという混乱です。 そのユーザーの声を受けて、オンボーディングの中でどちらから来たのかを確認し、auから来たユーザー向けの独自の導線を用意して、わかりやすく整理しました。その改善の結果、そういった声はだいぶ減ってきました。走りながら改善を繰り返してきたということですね。 ―杉原― アプリの完成度だけでなく、オペレーションの改善が利用者数を増やすために重要ですよね。 ◆ 3大キャリア全てとの協業へ拡大 ―杉原― KDDI様のauショップ各店で紹介されていることはもちろん素晴らしいのですが、NTTドコモ様、ソフトバンク様の系列ショップでも取り次ぎが広がっているそうですね。他の2社との協業状況はいかがでしょうか? ―冨田― 我々は大きな社会課題を解決するという意識でやっているので、複数の通信キャリア様とご一緒できることは、最初から目指していたことでもあります。最初にドコモショップでのお取り扱いが始まり、次にauで料金プランに組み込んでいただき、その後ソフトバンク様のショップでも全店取り扱いいただいています。 もちろん始まるまでにはいろいろな運用の調整があり、現場の方々が大変頑張ってくださいました。今では利用者数もしっかり増えてきていて、本当にありがたいですね。 ―杉原― ソフトバンクさんの販売店の取り次ぎ数、急激に伸びていますよね。 ―冨田― ものすごく伸びています。ソフトバンクC&Sの皆様のご尽力と、代理店の皆さんの頑張りで、今年の頭からぐっと勢いが出てきました。 ―杉原― au様との取り組みで経験したオペレーション上の課題以外に、NTTドコモ様、ソフトバンク様特有の課題にぶつかったりはしましたか? ―冨田― それぞれのキャリアがすでに展開されているサービスと競合しないようにするという点は特に意識しました。例えばソフトバンクさんには独自のセキュリティサービスがあるので、そういったものと競合しないか、互いに悪影響を与えないかということをテストしながら進めました。ただ一方的に「売ってください」というのではなく、お互いのために細かな調整をしながら進めているという感じです。 現場でバグやトラブルが出てしまうと、忙しい店頭の皆さんが案内したくなくなってしまいますから、そういったことが起きないよう、何かあればすぐに対応できる体制は常に整えています。 ◆ 韓国・台湾への海外展開の現状 ―杉原― 昨年にはコドマモの海外展開も開始されています。どの国に進出済みで、どのような状況か、簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 韓国と台湾に展開しています。実際にやってみて難しいことも色々ありましたが、モバイルアプリの良いところは、翻訳して広告を打って小さく検証するということが50〜100万円程度の予算でできるという点です。 韓国については、出してみた上でしっかりニーズがあることが確認されてきました。危険なチャットの検知機能が思った以上に刺さっています。最初は位置情報機能のほうがメインかと思っていたのですが、蓋を開けてみると最初から危険チャットの検知が購入の最大の理由になっていました。ユーザーインタビューをしていると、韓国の親御さんが「子どもがドラッグに関わっていないか心配」とおっしゃるケースもあり、日本では聞かないような声もあって、ローカルな課題感の違いを感じます。 ただ韓国ではLINEよりカカオトークが主流なのですが、カカオトークへの本格対応がまだできていない部分があります。これをやれば伸びるという感触はあるので、もう少しバージョンアップしてから本格的に広告費などを投じていきたいと考えています。 台湾はLINEが広く使われているので、今出してみて非常に低いコストでユーザーを獲得できています。市場ニーズも高く、日本以上にしっかり使ってくれる方もいらっしゃいます。これからさらに力を入れていきたいと思っています。台湾の次はタイなど、アジア各国へも広げていきたいですし、WhatsAppに対応できればインドネシアやイギリスをはじめとする様々な国への展開も見えてきます。 ―杉原― 本当に積極的ですね。創業した時から世界を見ていらっしゃいますよね。 ―冨田― この事業はグローバルに共通するニーズを解決できるものだと思っています。最初からそこを見据えています。日本からグローバルに頑張る事業が出てくると、やはり応援したくなりますよね。そうなれればいいなと思ってやっています。 ◆ 「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み ―杉原― 足は長いですが、とても興味深い活動として、全国の自治体と連携した学校向けプラン「コドマモ for School」について簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 「コドマモ for School」は、学校で使用されている学習用タブレット端末に入れるサービスです。通常の「コドマモ」が親子のスマホに入れるサービスであるのに対し、「for School」はお子さんたちのタブレット端末の安全な利活用を促進するものです。 機能としては、性的な自撮り写真のやり取りや、いわゆる「裸の画像のやりとり(グルーミング)」を検知してアラートを出す機能や、ウェブサイトの見守り機能などがあります。基本的な機能は通常版と大きくは変わりませんが、ステークホルダーが自治体・教育委員会になるという点が異なります。 ―杉原― これまで通信キャリア3社と折衝してこられたわけですから、会社としての信頼度も大きく上がってきていますね。 ―冨田― 本当にありがたいことだと思っています。 ◆ 次の挑戦 — 大人向け詐欺対策サービスの開発 ―杉原― 続いて、コドマモに続く現在開発中の新サービスや新機能についてご紹介いただけますか? ―冨田― 今作っているのは、より広く一般向けに、SNSを通じた詐欺対策のサービスです。日本のみならず世界中で、特に投資詐欺やロマンス詐欺など、SNSやチャットを通じた詐欺が深刻な社会問題になっています。毎日何億円もの被害が発生している状況です。 電話詐欺は有名ですが、チャット経由の詐欺も非常に大きな問題です。弊社であればSNSにおける詐欺を検知できるという強みがあります。コドマモが子どもを対象にしているのに対し、大人の詐欺被害を検知して守るというサービスを絶賛開発中です。1日でも早くリリースできるように取り組んでいます。 一方で、詐欺被害に遭う方は自分からアプリをインストールしようとはなかなかならないので、子ども以上にステークホルダーの皆さんと一緒に動くことが重要だと考えています。様々な方にご意見をうかがいながら進めているところです。 ―杉原― こういうサービスを考えると、ますます大手企業との連携・提携ができる会社作りが重要になってきますね。 ―冨田― そうですね。弊社は技術力のある小さな開発チームではありますが、大企業さんや自治体さんと一緒に我々ならではの特徴を出しながら社会実装していくことが、大きな社会問題を解決するために不可欠だと思っています。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://corporate.kodomamo.com/ja Part 3では、 ・平均年齢26〜27歳 — 未来を作るチームの構成 ・「Sunny・System・Solid」 — 3つのバリューを策定 ・ベンチャーエコシステムの実現について などについてお伺いしています。 Part3もぜひご覧ください! Part1の記事はこちらからご確認ください。  
  • INTERVIEW
2026.07.23
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part1~
全3回にわたるインタビューの第1回となるPart1では、子ども向けSNS見守りアプリ「コドマモ」を開発・運営するAdora株式会社・冨田社長が語る、創業から現在に至るまでの急成長の軌跡に迫ります。株式会社ディ・ポップスグループが2024年7月に出資して以来の約2年間で何が変わったのか。auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという異例の快挙はどのような経緯で実現したのか。泥臭く走り続けてきたスタートアップのリアルな歩みをお伝えします。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 出資から2年、創業から3年を振り返って ―杉原― 本日は、2024年7月に出資をさせていただき、ベンチャーエコシステムの仲間になっていただいた、Adora株式会社の冨田社長にインタビューさせていただきます。冨田社長には2024年9月にもインタビュー記事の作成にご協力いただいておりますが、その後も急成長を続ける「コドマモ」などについてさらに深掘りをさせていただきます。(前回の記事はこちらをご参照ください。) 冨田社長とは、2024年の5月に出会いましたよね。あれから2年が経ちました。また、2023年7月の創業からは約3年ですね。弊社の出資と協業開始からの約2年、そして創業以来の3年を振り返って、いかがですか?感想をお聞かせください。 ―冨田― そうですね。ご出資いただいたことで、社内のメンバーだけではなく社外の方も含めて「みんなの事業、みんなの会社」だという意識が改めて強くなりました。責任感をより強く持って頑張らなければという気持ちが湧いてきましたし、苦しいときもありながら、一生懸命泥臭くやってきたなと思います。気づけばあっという間でしたね。 ―杉原― 3年って長いですか?短いですか? ―冨田― 短いですね。やばいな、もっと頑張らなきゃなって感じです。 もちろん、できる限りすべてにおいてベストを尽くし続けてきたという自負はあります。ただ、後から振り返ればもっとこうすればよかったということはたくさんあります。でも、その時々のベストを尽くしてきたのは事実なので、仕事していたらあっという間だったというのが率直な感想ですね。 ―杉原― 2年間の事業の進み具合を振り返ると、ちょうど弊社が出資させていただいた頃は、本田圭佑さんのファンドからの資本調達活動を始めたばかりのフェーズでしたよね。そこから加速した感じはありますか? ―冨田― ありますね。あの頃はドコモショップさんとの取り組みも始まった時期で、売り上げもほとんどない状態でした。夢は語っているけれど、まだトラクションが全然ついてきていないという段階で、これはいけるのかなという感じでした。そんな段階で信じてコミットしていただいたことはとても嬉しかったです。 そこからドコモショップとの提携や有料サブスクの販売も始まり、徐々にトラクションが出てきました。出資いただいた時点では売り上げがほぼゼロだったところから、最初の1年はサービスを磨き続けること、ショップとの提携関係を構築することに注力していました。その1年間の下積みがあって、2025年の夏から秋ごろにぐっと売り上げが伸び、一気に10倍どころではない成長を遂げました。 3年間を振り返ると、準備期・資本調達期・加速期という流れがあって、2025年から2026年にかけてグッと実績が出てきたんじゃないかなと思います。 ◆ auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという快挙 ―杉原― この間の最大のイベントといえば、主力サービス「コドマモ」がKDDI様のauスマートフォン向け2025年夏の新料金プラン「U12バリュープラン」に組み込まれたことではないでしょうか。 ―冨田― そうですね。もともとディ・ポップスさんの店舗での取り扱いは走っていたんですが、通信キャリアの料金プランに正式に組み込ませていただくのはこれが初めてのことで、本当に大きなイベントでした。 ―杉原― 創業からまだ2年半ほどの会社のサービスをauが料金プランに組み込むのは、かなり異例のことだと思います。世間にまだ普及していないブランドを大企業が採用するのはリスクもあると思いますが、どのような経緯でこの大きな提携が実現したのでしょうか? ―冨田― KDDIさんのほうで「子どもたちの安全を守るサービス」を探されていた中で、弊社のサービスを発見していただいたのがきっかけです。KDDIさんの社内でも、従来のフィルタリングにとどまらず、「スマホを禁止するのではなく、使わせながら守る」という本質的なアプローチが必要だというディスカッションがあったそうで、その中で弊社のサービスに目を留めていただいたとのことです。(KDDI記事:https://mugenlabo-magazine.kddi.com/list/adora/) ―杉原― KDDIさんが他のサービスも調査した上でAdora社を選んだ要因は何だと思いますか? ―冨田― 利用時間の管理サービスは他にもあるかもしれませんが、LINEをはじめとするSNSのチャットの見守りにしっかり力を入れているのは、今も市場で弊社だけだと思っています。日本で最も普及しているSNSのセキュリティ対策ができるというのは大きなポイントだったと思います。 また、愛知県警と連携していたり、国内のパートナーとの実績も積み上げてきていたことも評価されたのではないかと思います。もちろんKDDIさんとしても、ブランドイメージに関わる話ですから慎重に、本当に任せられるかをじっくり検討していただいた上での提携でした。 ―杉原― 単にサービスを紹介するだけでなく、開発も伴いますよね。 ―冨田― そうです。auのIDでログインできる連携機能なども実装しました。KDDIのユーザーさんがスムーズに加入できる仕組みを開発したというところです。 ◆ 他社には真似できない技術的優位性 ―杉原― コドマモにはAI技術やセキュリティ技術が深く組み込まれていますが、この技術力の高さが評価されたのでしょうか?特に優れていると考える技術的な優位性や、開発において特に工夫・苦労されたポイントを教えてください。 ―冨田― チャットを見守るというのはシンプルに聞こえますが、実際にそれを実現するためには、裏側でさまざまな技術が必要です。従来は分析が難しかったSNSのチャット内容を解析できるようにしたこと自体に大きなイノベーションがあります。 自然言語で危険かどうかを判定するモデルや、画像が不適切かどうかを判定するモデル、それを端末上で軽量に動かす仕組みなども開発しています。チャット自体を分析可能にするという、これまで誰もやってこなかったことを実現したというところが、大きな技術的優位性だと思っています。 それと同時に、使いやすいUI・UXへのこだわりも重要です。私自身も開発チームの中でコミットして、みんなの努力で磨いてきました。どんなに優れた技術でも使いやすくなければ社会実装されないと思っているので、わかりやすく使いやすいアプリにすることを常に意識してきました。 ―杉原― LINEなどのSNSのやりとりを読み取り、分析して危険なチャットを検知するこの仕組みは、他のスタートアップがすぐに作れるものではないという自信がありますか? ―冨田― はい。今ではAIが既存のアプリをさっと作れるようになっていますが、世の中にすでにあるものを作るのとは違います。まだ誰も作っていないものを実現するのはAIだけに任せても難しい。そこに我々の技術チームの強みがあると自負しています。 また、ユーザーインタビューやユーザーデータの分析を細かく積み重ねてきたことで、継続率(リテンションレート)も毎月上がり続けています。 ―杉原― 最近は安定し始めましたね。 ―冨田― 一般的なCtoCのサービスはリテンションレートがどんどん下がっていくことが多いのですが、弊社の場合は6か月ほどでしっかり下げ止まっています。適切なユーザーに刺さっているという検証ができているという意味では、プロダクトマーケットフィットに近い状態に来ているかなと思っています。技術力だけでなく、UXや総合的なブランディングも含めて、親御さんにとって使えるアプリができているということだと思います。 ―杉原― 難しい技術を極めるだけでなく、ユーザー目線で使えるものをという意識が、冨田社長の総合プロデューサーとしての役割なんですね。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://www.kodomamo.com/about-us Part 2では、 ・「コドマモ」加入後の状況と反響 ・3大キャリア全てとの協業へ拡大 ・「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み などについてお伺いしています。 Part2もぜひご覧ください!
  • INTERVIEW
2026.07.17
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