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クロスセルとは?売上総利益を劇的に改善する具体策と成功事例を解説

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2026.02.12

今回は、企業の基本的な収益力を示す売上総利益に着目し、売上総利益の上げ方 その①として「クロスセル」について解説して参ります。

「クロスセル」とは、顧客が購入した商品やサービスに対し、関連する商品やサービスを追加で提案し顧客単価を上げ、売上を上げる手法です。牛丼屋で卵とサラダを、ハンバーガーショップでポテトとドリンクを勧められたりすることが最も一般的なクロスセルの事例と言えます。今回は小売業の事例を元に「クロスセル」を解説していきたいと思います。

1.経費も時間もかからずに絶大な効果が得られる手法

前回までに「在庫回転率」「一人当たり売上高」「坪効率」を取り上げ、会社経営をしていく上で利益を上げる手法として企業の収益力を示す売上総利益ではなく、あえてCFや経費(人件費、家賃)を取り上げました。同じような売上規模、同じような商品を扱う競争環境の中で同業他社と大きな差別化を図るためには売上総利益よりCFや経費に目を向けることが肝要であるからで、前回までに具体的事例をご説明いたしました。今回はCFや経費の重要性を理解いただいた上で、会社経営の本丸である売上総利益に着目して参ります。

売上総利益は非常に単純な指標で、売上高から原価を差し引いた利益のことで、粗利と言ったりもします。商品やサービスそのものが、独自性があり差別化されていれば、高い売上総利益を上げることができます。今回は独自性があり差別化された商品やサービスの作り方で売上総利益を上げる方法ではなく、同じような商品を扱う状況の中で、如何に売上総利益を上げるか?ということを取り上げて参ります。

今回取り上げる「クロスセル」は経費も時間もかからずに売上総利益に対し絶大な効果が得られる手法です。ではなぜ「クロスセル」が重要か、以下順を追ってご説明いたします。

2.クロスセルとは

まず、クロスセルとは、顧客が購入した商品やサービスに対し、関連する商品やサービスを追加で提案したり品揃えをしたりすることで、顧客単価を上げたりリピート購入を増やすことで売上を上げる手法です。

例えば
・スーツを購入すれば、スーツに合ったネクタイを勧められる
・スマホを買えば、フィルム、ACアダプタ、保険、ウイルスソフトを勧められる
・カメラを買えば、レンズ、フィルター、メモリーカードを勧められる
・車を買えば、タイヤ、シート、ドラレコ、カーナビ、保険を勧められる
といった様なことが代表的で、このほかにもクロスセルの事例は枚挙にいとまがありません。

上記の様に直接的に勧められなくても、パソコンやカメラの周辺機器の様に沢山の品揃えをすることで後から購入してもらえる状況を作るということも、広義の意味ではクロスセルと言えます。クロスセルは、リアル店であれば店員のトークで、WEBであれば商品リコメンドとして、商品やサービスを販売する業態や業種であればどの企業でも大なり小なり実践していると思います。

クロスセルは一見非常に地味ですが、売上総利益に対し絶大な効果を及ぼします。次項ではどのくらいの効果があるかを見ていきたいと思います。

3.なぜクロスセルが重要か? クロスセルの及ぼす効果とは

いくつかの事例をもとにクロスセルの及ぼす効果を解説していきたいと思います。最初は、ある会社のある時期でのパソコンの利益をモデルケースに解説します。(モデルケースは架空の事例としていますが、実際の事例がベースとなっております。)

モデルケース

PC本体 売上総利益28億円 利益率20% 売上140億円
PC周辺/アクセサリー/関連商品 売上総利益 44億 利益率40% 売上110億円
(PC周辺/アクセサリー/関連商品とは、プリンター/ルーター/記録装置等の周辺機器、マウス/キーボート/バック等のアクセサリー、インク/紙等の消耗品、ブロードバンドの加入手数料、関連ソフト/関連書籍等を全て合算したものです。)

この事例で見ていただきたいポイントは、利益額、売上高です。
顧客が最初に目的として購入するパソコンの利益は28億円。パソコンを購入と同時、もしくは購入した後に必要となるクロスセル対象商品であるPC関連商品合計の利益は44億円。実に16億円、比率にして157%も利益が違います。売上はPC本体が140億円、PC関連合計は110億円で、クロスセル対象商品であるPC関連商品合計の方が30億円も少ないにも関わらずです。

PCだけではありませんが、顧客が最初に目的として購入する商品の多くは、商品での競合や店舗での競合があり、それほど儲かりません。PC関連商品合計の様なクロスセル対象商品はすべてではありませんが、利益率の高い商品が多く、クロスセル対象商品を顧客が最初に目的として購入する商品の販売時やその後のリピートで一生懸命売ることが利益額的にも、効率を見た利益率の面でも、売上総利益を上げることに対し絶大な効果を発揮していることがお分かりいただけるかと思います。

上記事例はPCの事例だったので、次はスマホの事例を見てみましょう。

以下の事例はある会社のスマホ販売における1ヶ月の利益内訳です。(モデルケースは架空の事例としていますが、実際の事例がベースとなっております。)

モデルケース

スマホ販売総利益 9,000万円
スマホ本体の販売による利益 5,000万円
スマホ関連商品利益 4,000万円
(スマホ本体の販売による利益とは、スマホ本体を販売することにより得られる利益の合計、スマホ関連商品利益とはスマホ本体のクロスセルによりスマホ本体以外から得られる利益の合計です。)

スマホ本体は、スマホの新規加入がPCに比べ利益があるので、顧客が目的として購入するスマホ本体の利益よりクロスセル対象商品であるスマホ関連商品の利益の方が多くなる、というところまでにはなっていませんが、全体の比率の45%が、スマホ関連商品の利益で占めています。顧客が目的として購入する商品の販売時に、クロスセル対象商品を一生懸命売ることで、売上総利益を上げることに対し、絶大な効果を発揮していることがこの事例でもお分かりいただけるかと思います。

上記2つの例からも分かる様に、クロスセルは売上総利益に対し絶大な効果を発揮するわけですが、クロスセルの最大のメリットは、追加の経費がほぼ掛からず、売上総利益の増加分=営業利益の増加につながるということです。

例えば店舗なら、売上を上げるために出店をしますが、家賃や人件費等の経費が追加でかかります。法人営業なら売上を上げるために営業マンを増強したり、広告費を追加したり、営業所を追加したりしますが、この分の経費が追加でかかります。店舗を増やしたり、営業マンを増強したり、広告費を増やしたりすることで、当然売上も売上総利益もいくらかは上がるでしょうが、この経費をかけた分を回収できる売上や売上総利益が上がる保証はありません。経費分が回収できず、営業利益ベースでは赤字だったという事例はたくさんあるのではないかと思います。

これがクロスセルだと追加の経費がほぼ掛かりません。クロスセルにより売上が上がり、売上総利益が上がると、追加の経費がほぼ無いので、上がった売上総利益がそのまま営業利益になるという、利益貢献度が抜群な手法であるわけです。

今回のモデルケースだけでなく、商品やサービスを販売するビジネスであれば、飲食でもアパレルでも、クロスセルを活用することで、顧客が目的として購入する商品やサービスで出す利益と同等か、それ以上の利益を上げることも可能で、全体の売上総利益の10%程度を底上げする程度なら、ハードルの低い取り組みで実現可能です。

さらに前述したように、追加の経費がほぼないので、売上総利益の底上げ分がそのまま営業利益になります。売上総利益や営業利益を上げたいと思うなら、出店や営業マンの増強、広告費の増加で新しい顧客を探すのではなく、最初にクロスセルで顧客単価を上げることをおススメいたします。クロスセルでの売上増加が営業利益まで直結して増加するためです。

同じような商品を扱う競合状況の中では、競合他社を大きく上回るクロスセルを実現すれば、売上総利益だけでなく、営業利益の面でも競合他社に大きなアドバンテージを持つことになります。クロスセルが経営に及ぼす効果が如何に大きいかおわかりいただけたのではないかと思います。

4.クロスセルで売上を上げるポイント

クロスセルの重要性はご認識いただけたかと思いますので、クロスセルで売上を上げるポイントをいくつか紹介させていただきます。

クロスセルで売上を上げるポイント①

クロスセルが成り立ちやすい商品を扱うということと、関連商品の品揃えをしっかりすることです。

分かり易い例でいえば、冷蔵庫や洗濯機は延長保証くらいしかクロスセルが成り立ちませんが、例に出したPCやスマホ、カメラ、車、スーツあたりはクロスセルの宝庫といえます。スーツを例にとると、ワイヤシャツ、ネクタイはもちろんのこと、スーツに合うカバンやベルト、靴等を品揃えすればクロスセルが成り立ちますし、ネクタイピンやシャツずれの防止グッズあたりもクロスセルにつながります。上記は例ですが、クロスセルが成り立つ商品を扱うことと、その関連商品の品揃えをしっかり行うことで、クロスセルによる売上は上がります。

クロスセルで売上を上げるポイント②

クロスセルの重要性の教育が従業員になされており、常に会社と従業員がクロスセルを高めるために商品知識や接客トーク、接客技術を磨き、接客や展示、仕入れ等に対し創意工夫をし続ける血の通った経営をし続けることです。

なぜクロスセルの提案商品が必要なのか?を顧客の目線で説明できるトークを身に着け、提案商品が複数あれば提案の順番とどのタイミングで提案するかを考え、提案商品をどこに置くと効果的かを考え展示をしていく。このような創意工夫ができる会社とできない会社では、圧倒的な差が生まれてきます。

また、クロスセルで提案する商品は利益があればなんでもいいというわけではありません。関連性があり顧客メリットが無ければ、単なる無理やり販売になってしまい、購入体験における顧客満足を落とす結果になり、経営としてマイナスの結果になってしまいます。どの商品のどの部分に関連性があり顧客にメリットがあるのかを顧客の目線でストーリー化する必要があります。このようなことの実現にも、深い商品知識と創意工夫が不可欠であることは言うまでもありません。

クロスセルで売上を上げるポイント③

テクノロジーの活用です。

WEBで買い物をすれば過去の購買状況からレコメンドが出ますし、通信業界では接客中にシステムでレコメンド商品が上がってくるといった取り組みが始まっています。当然、誰がどのくらいクロスセルができているのかを可視化することも、テクノロジーの領域です。テクノロジーの例はこれだけではありませんが、テクノロジーを使いこなすことはクロスセルによる売上アップに欠かせない要素の一つであることは明確です。

以上、クロスセルで売上を上げるための代表的な例を3つほど紹介いたしました。
もちろんクロスセルで売上を上げるためのポイントは他にもございますが、最大のポイントは、クロスセルの重要性の教育がなされたヒトがテクノロジーを使いこなすことです。結果的には、クロスセルで売上を上げ経営効率を飛躍的に向上させることは、ヒト×テクノロジーの掛け算の上に成り立つということになると思います。

5.まとめ

今回は、クロスセルのお話をさせていただきました。クロスセルは経費も時間もかからずに売上総利益だけでなく、営業利益に対しても絶大な効果が得られる手法で、このクロスセルにより、顧客が目的として購入する商品やサービスの売上を最大化することこそが、売上総利益と営業利益の最大化につながり、競合他社との大きなアドバンテージポイントになることをご説明いたしました。

今回のクロスセルは、前回までにお話しした「在庫回転率」、「一人当たり売上高」、「坪効率」として取り上げた、在庫、人件費、家賃のCFや経費の後にあえて取り上げております。1番最初の「在庫回転率」から一連の流れとしてご一読いただきますと、経営のポイントがより見えてくると思います。まだお読みでない方は、是非ご一読いただけますと幸いです。

今回のクロスセルを通してディ・ポップスグループとしてお伝えしたいことは、前回までと同様ビジネスは、ヒトにより成り立っているということです。商品を購入いただくお客様もヒトであり、商品を販売する販売員も、テクノロジーを使うのも、すべてはヒトであります。AIをはじめとするテクノロジーを使いこなさなければビジネス上で競争に勝ち生き残ることはできないと思いますが、テクノロジーだけでは生き残ることはできないと思います。テクノロジーが良いから、経営戦略が良いから、ビジネスが成功するのではなく、ヒト×テクノロジー×経営戦略の掛け算が大切であるとディ・ポップスグループは考えます。

この考えの元、ディ・ポップスグループはヒトが輝くために、また社会課題解決のために、ベンチャー企業に対して、出資を通じた支援と、効率という数字だけではない価値を通じた、グループエコシステムの実現を目指しています。

これからもご支援、応援の程、よろしくお願いします。

D-POPS GROUP 常務執行役員 渡辺哲也

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2026.02.05
坪効率とは?「場所の最適化」が営業利益を最大化する
ディ・ポップスグループは、「リアルビジネス × テクノロジー × グループシナジー」を掛け合わせた事業展開をしている会社の集合体で、100年後も社会から必要とされ続けるベンチャーエコシステムの実現を目指しています。 今回は、「リアルビジネス」である店舗経営に必須の、店舗の効率性や収益性を測る上で非常に重要なポイントとなる「坪効率」について解説してまいります。 「坪効率」は一坪当たりの売上高のことで、業態や業種により異なります。来店頻度の高い食品スーパーや高単価商材を扱う百貨店や家電量販店が一般的に一坪当り売上高の高い坪効率の良い業態とされています。今回は同業態かつ同立地での会社比較を行うことかつ、前々回「在庫回転率」、前回「一人当たり売上高」の話をしましたので、話に継続性がでる家電量販店に再度スポットをあて「坪効率」を解説していきたいと思います。 1.店舗経営の3種の神器とも言える指標の1つ 前々回は「在庫回転率」を、前回は「一人当たり売上高」を例にとりました。「在庫回転率」はその名の通り在庫で、主にCFやBSに効いてくるもので、「一人当たり売上高」は主に人件費に絡むもので、PLに効いてくる指標であることは解説しましたが、今回取り上げる「坪効率」は主に家賃に絡み、人件費同様PLに効いてくる指標です。 今回の「坪効率」で店舗経営の3種の神器とも言える指標である、在庫、人件費、家賃の3つが出そろいます。前々回の「在庫回転率」や前回の「一人当たり売上高」をまだお読みでない方は、この機会にぜひご一読いただけると幸いです。ではなぜ「坪効率」が重要か、以下順をおってご説明いたします。 2.坪効率とは まず、坪効率とは、一坪当りの売上高を指し店舗の生産性を示す指標で、坪効率が高いほど良いとされます。一般的には年間の売上高を売り場面積(坪単位)で割った計算式より算出されます。 例えば 年間500億円の売上高の店舗で売り場面積が4,000坪であれば、坪効率は1,250万円 年間15億円の売上高の店舗で売り場面積が1,000坪であれば、坪効率は150万円 年間4億円の売上高の店舗で売り場面積が80坪であれば、坪効率は500万円 年間2.5億円の売上高の店舗で売り場面積が50坪であれば、坪効率は500万円 となります。 坪効率は業態や業種により平均が大きく異なり、業界平均もあまり公表されておりません。郊外型の家電量販店で150万円程度、ホームセンターで50万円程度、コンビニで500万円程度、ドラックストアで400万円程度が平均とされております。扱い商品の購入頻度、単価、大きさといった商品特性と、都市型か郊外型といった立地により主に変わってきます。 立地に関しては、立地の違いは家賃に違いがでるため、例えば都市型と郊外型の比較では、郊外型の坪効率は悪いけど都市型に比べ家賃が極端に安いという状況が起こりうるので、単純に坪効率だけで効率比較ができないという点を考慮する必要があります。 3.なぜ坪効率が重要か? では坪効率がなぜ重要か、以下の例を元に解説してみたいと思います。 上記での解説通り、都心型、郊外型等の出店場所と扱い商品が違う会社同士は比較しても家賃と単価が異なり有効な比較対象とならないため、の前回の「1人当り売上高」の時と同様に、同じ商品を販売していて、同じ都市型に立地している家電販売店をモデルケースに解説していきたいと思います。(モデルケースの会社は架空の会社ですが、実際の会社がベースとなっております) モデルケース 【家電量販店B社】 店舗数24店、売り場面積75,000坪、坪効率10,093千円、売上高7,500億円、経常利益500億円、経常利益率6.7% 【家電販売店C社】 店舗数45店、売り場面積74,000坪、坪効率6,002千円、売上高4,400億円、経常利益40億円、経常利益率0.9% 今回モデルケースとして採用したB社は前回の「1人当たり売上高」で取り上げたB社と同じ会社です。C社は前回の「1人当たり売上高」で取り上げたC社と同じ会社ですが、C社は沢山の屋号をもつグループ経営の会社ですので、今回は都市型店舗の屋号だけを切り抜いて取り上げました。各種数字は坪効率の年度のものに合わせたことと、売り場面積は坪効率と売上から逆算して算出しています。B社とC社はライバル会社として知られる会社で、どちらも都市型に出店しており、新宿等の大都市では隣接して出店している会社です。 今回見比べていただきたいポイントは売り場面積、坪効率です。 B社は7,500億円程度の売上を作る為に売り場面積を75,000坪使用し、C社は4,400億円程度の売上を作る為に売り場面積を74,000坪使用しています。坪効率に換算するとB社は10,093千円、C社は6,002千円です。両社とも非常に高い坪効率を誇る会社ですが、B社とC社の売り場面積はほぼ同じ75,000坪程度ですので、B社とC社の坪効率の差額4,091千円を売り場面積75,000坪に換算すると、3,000億円以上の差がでます。 この差が売り上げの差であり、売上総利益率を家電量販店の平均的な数字30%として両社とも計算すると、売上総利益では900億円近い差が出ます。家賃に相当する金額に換算することは非常に困難でここでは行いませんが、どちらも都市型店舗で同じような場所に出店しているため、仮に同じ額の家賃がかかっていいたとすると、この売上総利益の差がそのまま利益の差につながります。B社とC社の経常利益の差が460億円、経常利益率で5.8%の差がありますが、この差の大きな要因の一つが坪効率であることは明確かと思います。 前回の「1人当たり売上高」の時もお話ししましたが、多少の違いはあれども同じ商品を扱っている家電販売店業界ではB社、C社以外をみても売上総利益率は大体30%程度で、どの会社も同じような水準です。業界問わず、同じ商品を扱っている業態で同じような売上規模だと売上総利益率に大きな差は出にくいと思います。 今回のB社、C社の比較の場合で、前述しておりますが、売上総利益率を30%と仮定した坪効率からくる売上総利益で約900億円の差が生じます。同じ商品を扱い、同じような立地に出店し、同じような売り場面積を使用しているにも関わらず、競合他社とこれだけの経営効率の差が出るのは、坪効率以外では「在庫回転率」、「一人当たり売上高」くらいしかでないのではないかと考えます。 今回のモデルケースだけでなく、店舗を構えるビジネスであれば、飲食でもアパレルでも、スーパーでも店舗を構える限り、店舗一坪当たりの売上高(坪効率)から逃げることはできません。同等の立地に出店し競合他社を大きく上回る坪効率を実現することができれば、ビジネスをする上で避けて通れない競合他社との競争において、大きなアドバンテージを持つことに直結していきます。 4.坪効率を上げるポイント 坪効率の重要性はご認識いただけたかと思いますので、坪効率を如何に上げるか?というお話をさせていただきます。坪効率を上げるポイントはいくつかございますので以下に代表例を挙げてみたいと思います。 坪効率を上げるポイント① 購入頻度が高い、又は単価が高い商品を扱うということです。食料品や日用品の様に単価が安くても購入頻度が高いと坪効率は上がりやすく、ブランド品の様に単価が高い商品は、購入頻度が低くても購入頻度の低さをはじき返すだけの購入単価があるので坪効率が上がりやすいです。地域密着型のドラックストアが品揃えとしてドラックより購入頻度が高い食品や日用品の扱いをしているのは、坪効率の観点から考えると当を得た商品展開と言えますし、家電量販店が品揃えを増やし購入頻度が高い消耗品と単価が高いハード品をMIXさせて扱うということも坪効率の観点から考えると当を得た商品展開と言えます。 坪効率を上げるポイント② 扱う商品の大きさとお店全体を無駄にしないということです。要は小型の商品を隙間なく展示することです。ドンキホーテやコンビニ、ドラックストア、都市型家電量販店をみれば一目瞭然で、一部の店には大型商品がありますが、小型商品が中心で隙間なくそれこそ天井までびっしり並べられています。 このような展開は坪効率の観点から考えると当を得た商品展開です。家電量販店がわかりやすいので例にとりますと、現状家電量販店は都市型が○○カメラで郊外型が○○電機という屋号に大きくは分類されるわけですが、なぜこうなったかというと、昔の都市型店舗はどの店舗も非常に小さく、冷蔵庫や洗濯機を置いたら数台で店舗が埋まってしまう店舗でした。結果、都市型店舗はカメラや時計、ポータブル機器、理美容機器、小型のOA機器等が販売の中心になり、郊外型店舗は家賃が安い為、坪効率の悪さを跳ね返せるので冷蔵庫や洗濯機等の大型商品が中心になったことは、坪効率の観点から考えると必然の結果と言えます。 ちなみに昔は都市型で冷蔵庫や洗濯機等の大型商品中心の店がたくさんありました。秋葉原を見ればわかりますが、現状では体力のある大型店に集約され、0ではありませんがほとんど残っていません。これも坪効率の観点から考えると必然の結果と言えます。 坪効率を上げるポイント③ クロスセル、アップセルを行い購入単価を上げることです。クロスセル、アップセルは店舗の努力で大きく変えることができます。スーツを買いに行けば多くの店でスーツにあったワイシャツやネクタイを進められますし、パソコンを買いに行けば多くの店でセレロンの様な安いCPUを搭載した安いモデルではなく、コアiシリーズの様な性能の高いCPUを搭載したモデルを勧められます。 全社がクロスセルで後者がアップセルです。アップセルで購入単価は変えることができ、単価が上がれば坪効率が上がります。また、クロスセルで購入点数を増やすことができ、購入点数が増えれば一人当たりの購入単価が上がり坪効率は上がります。 上記が坪効率を上げるための代表的な例です。もちろん坪効率を上げるためのポイントは他にもございますが、最大のポイントは「在庫回転率」、「一人当たり売上高」と同様に坪効率の重要性の教育が従業員になされており、常に会社と従業員が坪効率を高めるための仕入れや、展示、接客に創意工夫をし続ける血の通った経営を在庫や売上点数/売上単価の可視化がきるテクノロジーを使い実現させることだと思います。 結果的には、経営効率を飛躍させる坪効率の向上も、ヒト × テクノロジー × 経営戦略の掛け算の上に成り立つということになると思います。 5.まとめ 今回は、坪効率のお話をさせていただきました。店舗ビジネスで場所を使わないビジネスは存在しません。この場所の最適化こそが、坪効率として数値化され営業利益の最大化につながり、同じような場所に出店する競合他社との大きなアドバンテージポイントになります。 坪効率は、商品の単価、大きさ、購入頻度といった商品特性、品揃えを増やしお店に隙間なく陳列すると品揃えと陳列手法、クロスセル/アップセルに代表される接客技術で大きく変えることができます。つまりは、扱い商品のコンセプトを決める会社と仕入れ、陳列、接客を具体的に行う従業員が常に生産性を高めるための創意工夫をし続けることが坪効率を上げるポイントになるということです。 今回の坪効率で、店舗経営の3種の神器とも言える指標である、在庫、人件費、家賃の3つが出そろいました。前々回の「在庫回転率」前回の「一人当たり売上高」から一連の流れとしてご一読いただきますと店舗経営ポイントがより見えてくると思います。 ディ・ポップスグループとして、「在庫回転率」「一人当たり売上高」「坪効率」の3部作を通じお伝えしたいことは、ビジネスはヒトにより成り立っているということです。商品を購入いただくお客様もヒトであり、経営戦略を考えるもの、テクノロジーを使うのもすべてはヒトであります。 AIをはじめとするテクノロジーを使いこなさなければ、ビジネス上で競争に勝ち生き残ることはできないと思いますが、テクノロジーだけでも生き残ることはできないと思います。テクノロジーが良いから、経営戦略が良いから、ビジネスが成功するのではなく、ヒト × テクノロジー × 経営戦略の掛け算が大切であるとディ・ポップスグループは考えます。 この考えの元、ディ・ポップスグループはヒトが輝くために、また社会課題解決のためにベンチャー企業に対して、出資を通じた支援と効率という数字だけではない価値を通じたベンチャーエコシステムの実現を目指しています。 これからもご支援、応援の程よろしくお願いします。 D-POPS GROUP 常務執行役員 渡辺哲也
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2026.01.15
年末のご挨拶
師走の候、今年も残すところあと僅かとなりました。 今年も1年を通して、「ベンチャーエコシステムを実現する」というビジョンに向けて、グループの仲間と共に最大限の挑戦をして参りました。 1998年の創業から、100億企業を実現するまでは、祖業の2社に経営資源を集中し事業を拡大して参りましたが、20周年を機に、本格的なグループ会社経営に移行し、さらにその後は、「ベンチャーエコシステムを創造すること」(エコシステム経営)に全ての力を注ぎ、現在は、グループ会社25社、投資会社35社体制となりました。やっと今、ベンチャーエコシステムの実現というビジョンのスタートラインに立ったと思っています。 これまでの弊社の取組み、そして社会的な仕組みとしてのベンチャーエコシステムをより広く世の中に伝え、何よりも起業家・経営者がインスピレーションを得て成長し、未来が変わる、そんなターニングポイントになるような1日を提供しようと1年前に決断し、長い準備期間を経て、今年10月2日には「ベンチャーエコシステムサミット2025」をシェラトン都ホテル東京(白金)で開催致しました。総勢270名の方々に参加頂き、とても大きな反響を頂く事ができ、安堵するとともに大変嬉しく思っております。参加された方々の中から、未来に飛躍的な成長を実現し、将来、ユニコーン企業が出てくることを、非常に楽しみにしております。 ベンチャー企業の経営は、本当に一筋縄ではいかず、非常に複雑で難易度が高いものであります。未来に上場を実現し、100億企業、さらにユニコーン級の企業になっていくスタートアップは本当に一握りです。だからこそ、支援体制を整え、伴走していくことで、一つ一つの大きな壁を力強く乗り越えていけるよう、起業家・経営者の皆さんを後方支援していくことが、我々ベンチャーエコシステムとしての大きなミッションです。 これからさらに志やポテンシャルの高い起業家や経営者、そして我々が注力すべきフィールドで高度なビジネスモデルを確立しているベンチャー企業に仲間になって頂き、5年以内にグループ会社、投資会社、資本業務提携会社を100社体制にし、真の意味で、世の中になくてはならないベンチャー支援のプラットフォーム=ベンチャーエコシステムを実現することで、社会に貢献して参ります。 この1年間で、新会社の設立、CVC、資本業務提携により、新たな仲間が9社加わりました。半数の会社がAI企業またはAIをフル活用した企業、また残りの半数が激変する社会のニーズや時代の要請に応えるような新たなビジネスモデルを確立した企業です。起業家、ビジネスモデル、経営戦略、どれをとっても、素晴らしいポテンシャルを感じる企業ばかりです。 次世代の若者、さらにその先の世代の若者が挑戦し易い環境やステージをより一層整えることで、「挑戦するカルチャー」を世の中に広め、「懐の深い社会の実現」を目指して参りたいと思います。 また、今年も例年同様に、公益財団法人「こどもたちと共に歩む会」を通して、全国の児童心理治療施設27カ所に寄付を行うことが出来ました。またその他にも、ライツオンチルドレンやボンドプロジェクト、千本財団など合計7カ所の児童養護施設やNGO団体を支援させて頂きました。毎年、たくさんの起業家や経営者の方々に、ご賛同頂き、多額の寄付を頂いております。ベンチャーエコシステムサミットでも参加者の皆さんから総額256万円の寄付が集まりました。改めて、この場をお借りして、御礼を伝えさせて頂きます。本当に有難うございました。今後もより一層、未来の日本を担う子供達の支援を強化して参りたいと思います。 引き続き、ディ・ポップスグループ、そしてベンチャーエコシステムの仲間と共に、高い志と大きなビジョンで、一意専心、尽力してまいりますので、変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。 益々の皆様の繁栄を心より祈念しております。良い年をお迎えください。 ディ・ポップスグループ 代表 後藤 和寛
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2025.12.26
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