COLUMN

名経営者からの学び ー ”キャッシュベースで経営する”(稲盛和夫)

  • MEDIA
2026.03.04

ベンチャーエコシステムの実現のためには、起業から世界的大企業に育てるまでを行ってきた、過去の名経営者から謙虚に学ぶ姿勢が欠かせません。

「名経営者からの学び」シリーズでは、筆者が影響を受けた名経営者や思想家らの言葉をご紹介し、実体験からの想い、事業や実生活で活かされた事例などをご紹介していきます。

第二回目は、グループのアドバイザー、米谷が担当致します。

1. ”キャッシュベースで経営する”(稲盛和夫)

「キャッシュベースの経営」というのは「お金の動き」に焦点をあてて、物事の本質にもとづいたシンプルな経営を行うことを意味している。会計はキャッシュベースで経営をするためのものでなければならないというのが、私の会計学の第一の基本原則である。

ーー「稲盛和夫の実学 経営と会計」(稲盛和夫著、日本経済新聞社発行)より、原文のまま引用

2. この言葉を選んだ理由

本作『実学』の初版が刊行された1998年当時、日本経済は「平成バブル」崩壊後の長いトンネルの中にありました。

このバブルの本質は所説あると思いますが、「キャッシュという現実から乖離した虚構」にほかならないと私は考えます。当時の社会は、不動産価格は永遠に上がり続けるという「土地神話」に踊らされ、実態のない不動産価格の膨張を背景に、手元にキャッシュを生む力(収益力)がなくても、虚構の資産価格さえあれば、それを担保として銀行借入という名のキャッシュを生み出すことができました。そして、キャッシュを生む力のない不動産を購入するために銀行借入をするという投機という逆回転の行きつく先に、虚構は崩壊し、膨大な借金(不良債権)を残して、この「平成バブル」は終焉を迎えます。

「実学」とは、単なる机上の論理ではなく、「現実に裏打ちされた学問」を意味します。
稲盛和夫氏がこの著書をあえて『実学』と名付けた背景には、こうした虚業に走った日本経済への強い危機感があったと思っています。

また、稲盛和夫氏は、商売の本質を「経営の要諦」の中で、「入るを量って、出ずるを制する」という言葉で表現されています。氏は、「入ってくるお金を最大限に増やし、出ていくお金を最小限に抑える。その差額が手元に残る。ただそれだけのことです」と語り、中学生でもわかるようなこの単純明快な事実こそが、経営の原点であると説いています。

しかし、社会が発展し、商取引や社会制度が高度に複雑化するにつれて、それらを映し出す鏡である「会計制度」もまた、「発生主義」や「時価会計」と難解なものへと姿を変えていき、時に現実の「お金の動き」を不透明にしてしまいます。

私は、監査法人での上場企業の監査、そして、上場企業での財務報告担当者という経歴を経て、そのような財務報告における「会計制度」の遵守は企業ガバナンスにおいては重要ではあるものの、企業の成長のためには商売の本質である「お金の動き」に沿った極力シンプルな管理会計こそが重要であると考えています。

そこで、今回は財務会計と管理会計の違いを整理しつつ、『実学』から私が学んだ管理会計のポイントをお伝えできればと思います。

3. 財務会計はステークホルダーのための会計、管理会計は経営者のための会計

財務会計は、株主や銀行、投資家といった外部の「読者(ステークホルダー)」に対して、自社の状況を報告するためのものです。そのため、そこには厳格なルールが存在し、目的が多くなればなるほど、ルールは複雑化していきます。

上場企業には、もっとも厳格なルールが適用されます。これは海外を含めた投資家という多数のステークホルダーが存在し、また「比較可能性」も重視されるからです。この「比較可能性」というのは、投資家が異なる企業同士を同じ尺度で比較できるようにするためのものです。例えば、同業種のA社とB社がバラバラな基準で利益を計算していては、投資家はどちらが優良な投資先か判断できません。だからこそ、非常に細かな厳格なルールに基づいた決算書の作成が求められ、その遵守状況を監査法人が厳格にチェックするのです。

上場企業ではない場合においても、財務会計が共通ルールに基づく、ステークホルダーという読者に対する自社の状況の報告であることには変わりません。

・投資家に対しては、他社との比較のなかで収益性が高く、投資リターンの高い魅力的な企業であることの報告
・株主に対しては、投資資本がいかに企業成長へ利用され、どれだけ効率よくリターンを生み出しているかの報告
・銀行(債権者)に対しては、借りたお金を確実に返済できることを信頼性をもった報告

しかし、ここに一つの課題が生じます。これらの目的を果たすためにルールを精緻化すればするほど、財務会計は複雑なものになっていくのです。 結果として、商売の本質であるシンプルな「お金の動き」が見えにくくなってしまう。財務会計は、そのようなジレンマを常に抱えているのです。

一方で管理会計は、ルールに縛られることなく、経営者が採算を向上させ、自社を成長へと導くために自由に設計できる会計です。
財務会計が「外からの信頼」を支えるインフラであるならば、管理会計は、「ビジネスの成長の源泉や課題がどこにあり、採算を向上させるために資源をどこに集中的に投下すべきか」を判断し、自ら舵を切るための経営における「コックピットの計器」なのです。

では、経営者が把握するべき「コックピットの計器」を正しく機能させ、採算向上へと導くためには、どのような視点が必要なのでしょうか?

4. 『実学』から私が学んだ管理会計の4つのポイント

私が『実学』から学んだ管理会計のポイントは、以下の4点です。

①「全員参加」を可能にする採算の見える化

稲盛和夫氏が提唱する「アメーバ経営」のように、組織の採算を細分化し、売上をあげる人から費用を使用する人に至るまで、全員が当事者意識を持って採算向上に取り組める状態をつくることです。 採算を責任者レベルまで細分化し、数字を「自分たちのこと」として捉えられるようにすれば、自ずと課題は明確になります。それこそが、限られた経営資源をどこに投下すべきかという「選択と集中」の判断を可能にする、管理会計の1つめのポイントなのです。

②「土俵の真ん中で相撲をとる」ための今使える資金の管理

稲盛和夫氏の説く「土俵の真ん中で相撲をとる」経営とは、常に余裕を持った状態で冷静な判断を下すことです。そのために、「今、実際に使えるお金(余剰資金)がいくらあるのか」をその増減要因を含め把握できるキャッシュ・フロー管理こそが、管理会計の2つめのポイントです。

通常のキャッシュ・フロー計算書を作成するだけでは不十分だと私は考えています。事業の「利益」が、どのように「キャッシュ」へと結びついているのかを明確にしなければなりません。

また、売掛金、買掛金、未払金、および在庫の変動といった「運転資金」の動きを追い、賞与や法人税、配当金の支払いといった「将来の支出」に対して、今どれだけの資金を確保できているのかを可視化することです。

いわば、コックピットの「残燃料計」を常に正しく、かつ予測精度高く機能させること。それによって初めて、経営者は不測の事態に動じず、攻めの投資判断へと踏み出すことができるのです。

③「筋肉質の経営」を支える投資回収の徹底

管理会計の3つめのポイントとして、単に投資効率(ROI)を計算するだけでなく、「これまで投じたお金が、澱みなく循環して戻ってきているか」を厳しく見極めることです。

稲盛和夫氏の有名な言葉に、製品であっても売れなくなったセラミックは「石ころ」と同じである、という「セラミック石ころ論」があります。これに倣えば、たとえ財務会計では「資産」として計上されていても、キャッシュ・フローを生み出さないものは、管理会計上は資産として捉えるべきではありません。

例えば、未完成のプロジェクトや製品に費やした労務費は、 財務会計上は「資産」として蓄積され、利益を押し上げる要因となりますが、それが現金化(売上の回収)されないのであれば、経営の実態としては単にキャッシュが流出した状態にある「贅肉」に他なりません。こうした「贅肉」を排除し、健全な循環を取り戻すためには、投資したキャッシュの動きを実数で追いかけなければなりません。

つまり、投資したキャッシュが「どれくらいの期間」で「どれほどの額」回収されたのか。そしてそれが「どれくらいの利益率(利回り)」を実現しているのかを常に把握することです。この徹底した管理こそが、重荷となる会社の「贅肉」を削ぎ落とし、会社を常に筋肉質な体質に保ち続けます。それが結果として、持続可能な成長へと繋がっていくのです。

④「一対一対応の原則」を貫き「お金の動き」と整合させること

管理会計を機能させるための最後のポイントは、扱うすべての数字を「お金の動き」という事実と整合させることです。稲盛和夫氏は、これを「一対一対応の原則」と呼びました。私は、これは管理会計のみならず、財務会計の信頼性を支えるうえでも、本質的な重要なポイントであると考えます。

現代の財務会計は減損会計、時価会計など将来のキャッシュ・フローを見積りで織り込む複雑なものとなっています。しかし、どれほど会計制度が高度化しても、商売の本質がシンプルな「お金の動き」にあることに変わりはありません。「お金の動き」という事実の徹底した把握こそが、経営者が採算を向上させ、自社を成長へと導くための多くの洞察のスタートとなると私は思います。

5.読者の方へのメッセージ

経営という長距離飛行の中で、現在地を把握し、目的まで飛び続ける。そのために必要なのは、複雑な会計やファイナンスの理論ではなく、「お金の動き」という事実を映し出す「コックピットの計器」としての管理会計です。

たとえ激しい時代の変化の中で、視界が悪くなったときでも、この正確な計器さえあれば、迷うことなく成長への最適な航路を選び取り、加速し続けることができると思います。

ディ・ポップスグループでは、「ベンチャーエコシステム作りを目指す」をビジョンに掲げ、エコシステム内の企業群が持続的に成長できる仕組みづくりと、アドバイザー陣による伴走支援に取り組んでいます。
※詳しくはこちらをお読みください。「ベンチャーエコシステムとは?

こちらの記事が、ベンチャー創業者および事業責任者の皆様にとって少しでもお役に立てたら大変嬉しく思います。

D-POPS GROUP 執行役員 公認会計士 米谷好弘

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2026.07.21
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2026.06.10
アップセルとは? ~売上総利益を劇的に改善する方法② アップセルとクロスセルの違い~
アップセルとは、顧客が購入しようとしている商品やサービスよりも、高機能だったり高品質だったりする高単価の商品を提案し顧客単価を上げ売上を上げる手法です。家電量販店などでより高性能のCPUを搭載したパソコンを勧めたりすることが最も一般的なアップセルの事例と言えます。 今回も小売業の事例を元に、企業の基本的な収益力を示す売上総利益に着目し、売上総利益の上げ方 その②として「アップセル」について解説してまいります。 1.経費も時間もかからずに絶大な効果が得られる手法 前回は「クロスセル」を取り上げ、会社経営の本丸である売上総利益に着目したわけですが、今回も売上総利益の上げ方 その②として「アップセル」を取り上げ、引き続き売上総利益に着目して参ります。 以下復習ですが、売上総利益は非常に単純な指標で、売上高から原価を差し引いた利益のことで粗利と言ったりもします。アップルや任天堂の様に商品やサービスそのものが、独自性があり差別化されていれば競争の非常に少ない世界で高い売上総利益を上げることができます。 今回も独自性があり差別化された商品やサービスの作り方で売上総利益を上げる方法ではなく、同じような商品を扱う競争環境の中で、如何に売上総利益を上げるか?ということを取り上げて参ります。今回取り上げるアップセルは、前回のクロスセル同様経費も時間もかからずに売上総利益に対し絶大な効果が得られる手法です。 ではなぜアップセルが重要か?クロスセルとの違いは何か?を以下順を追ってご説明いたします。 2.アップセルとは まず、アップセルとは、顧客が購入しようとしている商品やサービスに対し、高機能・高品質などの高単価の商品を提案し顧客単価を上げ売上を上げる手法です。 【例】 スーツを購入しようとすれば、 ブランド品や、良い生地を使った高単価のスーツを勧められる スマホを購入しようとすれば、 メモリの大きいモデルやカメラ機能の高い高単価のPROモデルを勧められる エアコンを購入しようとすれば、 省エネ性能の高いモデルやセンサー機能の付いた高単価モデルを勧められる 車を購入しようとすれば、 SUVやミニバンタイプ、ハイブリット車といった高単価車を勧められる といった様なことが代表的で、このほかにもアップセルの事例は枚挙にいとまがありません。上記の様に直接的に勧められなくても、例えば洗剤などの日用品の様に、大容量商品や2個セットの様に、通常品より1個単価を安くしてまとめて量や数を売ることもアップセルと言えます。 アップセルとなりえる商品やサービスは、リアル店であれWEB店であれメインの位置におかれ、メーカーとしては広告を行うメイン商品になり、店員のオススメやWEBのリコメンド商品となり、一般の普及モデルから高機能や高品質をうたい提案される商品やサービスになります。 商品やサービスを販売する業態や業種であれば、ほとんどの企業でアップセルとなりえる商品やサービスをもち、アップセルを実践していると思います。アップセルは成功させれば、売上総利益に対し絶大な効果を及ぼします。 次項ではなぜアップセルは効果があるのかを、クロスセルとの違いを含めて見ていきたいと思います。 3.なぜアップセルが重要か? 売上と売上総利益から見るアップセル そもそもアップセルは売上を上げ、売上総利益を上げることを目的とした手法の一つです。なぜアップセルが重要か?と考える際には、売上の構成要素と売上総利益の構成要素に着目する必要があります。 売上を構成する要素は2つあり、1つが数量、もう1つが単価です。以下の例を見てみましょう。 【例】 1台10万円のPCが100台売れると売上は1000万円 これを1台20万円のPCにアップセルできると100台売って売上は2000万円 これを1台20万円のPCに60台アップセルでき60台しか売れなくても売上は1200万円 売上を上げるには、顧客に商品を購入いただく必要があるわけですが、同じ数を販売してもアップセルにより単価が向上していれば売上は高くなります。アップセルの結果として販売数が低くなっても単価が向上しているため売上が高くなります(上記の例では単価が倍なので、販売数が元の単価の50%以上売ることができれば、売上が上がります。) 数量と単価が売上を構成する要素であり、この組み合わせが売上になっているということを理解すると効率的に売上を上げることが出来ます。 よくあることですが、販売数だけをみて販売数を上げようとすると、思いつく対策の1番はディスカウント、つまり安売りですが、10万円のPCを2割引きの8万で売り、20万円のPC100台の売上を稼ぐには250台を売らなければなりません。 さらに重要になるのが売上総利益を構成する要素で、売上から原価を引いたものが売上総利益なわけですが、上記の例を売上総利益にしたものを見てみましょう(以下は利益率を同じ30%として例にしています) 【例】 1台10万円で原価7万円のPCが100台売れると売上は1000万円、利益は300万円 1台20万円の原価14万円のPCが100台売れると売上は2000万円、利益は600万円 上記の10万円のPCを8万円で250台売れると売上は2000万円、利益は250万円 売上を上げるためにディスカウントをして販売をした結果、仮に売れて販売数が上がり売上が上がっても利益はディスカウントする前より減ってしまいます。売上から原価を引いたものが売上総利益の構成要素なわけで、この組み合わせが売上総利益になっているということを理解すると効率的に売上総利益を上げることが出来るわけです。 では、ディスカウントすると利益が下がるから違う方法で販売数を上げようとすると、ECなら広告費を追加したり、店舗なら出店をしたり、法人営業なら営業マンを増強したりすることが一般的な対策になると思いますが、この対策だと売上総利益は増えますが、経費が増えるのでその先の営業利益が減ってしまう可能性が非常に高くなります。 上記の例でおわかりいただけたと思いますが、結局機能や品質をしっかり顧客に伝えるアップセルをしっかりやることが、売上を上げ、売上総利益を上げる最も有効な手段の1つといえるわけです。 4.アップセルとクロスセルの違いとは ではアップセルで顧客にどんどん単価の高い商品を提案すればいいのか?そういうわけではありません。例えば軽自動車を買いに来た人にレクサスをお勧めしてもまず売れないでしょう。顧客の予算に合わせ的確なメリットを提示したアップセルで無ければ単なる無理やり販売になってしまい購入体験における顧客満足を落とす結果になり経営としてマイナスの結果になってしまいます。 高機能、高品質をお勧めするアップセルに限界がでた場合に、売上を上げる力を発揮するのが前回解説したクロスセルです。 クロスセルは、前回解説しており詳細は省きますが、顧客が購入した商品やサービスに対し、関連する商品やサービスを追加で提案することで、買い上げ点数を増やし顧客単価を上げることで売上を上げる手法です。 【前章の例を使い説明すると】 1台10万円のPCを100台売ると売上は1000万円、利益率が30%で利益が300万円 これを1台20万円のPCに60台アップセル、10万のPCが40台売れ合計100台で売上は1600万円、利益率が30%で利益が480万円 アップセルだけだとここで終了になりますが ここに、無線ルーター、記憶装置、マウス、セキュリティソフト等の周辺機器が一緒に売れ 合計単価が3万円で販売数の50%に添付、利益率50%とすると 50組×3万円=売上150万円、利益75万円となり PCの売上にプラスすると売上1750万円、利益が555万円になります 1台10万円のPCをただ100台売るだけと比べ、アップセルとクロスセルを組み合わせることで、売上が1.75倍、利益では1.85倍にすることができます。 前章で売上を構成する要素は単価と数量である旨解説いたしましたが、単価を上げることに効果があるのがアップセル、数量を上げることに効果があるのがクロスセルというわけです。 単価と数量の組み合わせが売上になっており、アップセルとクロスセルで単価と数量を最大化しかつ無理が無いように最適化できると、ただ販売するだけにくらべ飛躍的かつ効率的に売上を上げることが出来ます。さらにどちらの手法もディスカウントをして数量を上げる手法ではないため売上だけでなく売上総利益も確実に上げることが出来るわけです。 アップセルとクロスセルは経費も時間もかからずに売上だけでなく売上総利益に対しても絶大な効果が得られる手法であることはご理解いただけたかと思います。ここでアップセルとクロスセルの違いを以下にまとめてみます。 【アップセル】 目的 顧客単価の向上により売上を上げる 提案 高機能/高品質/大容量等による価値のある商品/サービスの提案 【クロスセル】 目的 顧客購入点数の向上により購入数を増やし売上を上げる 提案 関連性の高い商品/サービス等を追加で購入することにより価値を生む提案 上記の様にまとめられます。 アップセル、クロスセルは売上を構成する要素の単価と数量にそれぞれ違う手法で効果を発揮することで売上をあげ、ディスカウントをする手法ではないため、売上総利益の構成要素にも影響せず、さらに広告費や人件費、家賃といった経費も増えないため売上増加が営業利益まで直結して増加する利益を上げるための最も有効な手段の1つです。どちらも地味ですが経営に及ぼす効果は絶大と言い切ってよいと思います。 5.まとめ 今回は、アップセルの効果とクロスセルとの違いについてお話をさせていただきました。 アップセルもクロスセルも非常に地味ではありますが、それぞれの重要性の教育が従業員になされ、無理やり販売にならないように顧客メリットを明確に提示でき、いろいろなテクノロジーを使いこなすことで売上や利益の最大化に絶大な効果が得られる手法であります。 広告出稿、出店、営業人員を増やす等の経費を伴う行動をする前に、アップセルとクロスセルで売上、利益を最大化しておくことが効率的に利益を出すための経営ポイントになります。 今回のアップセルと前回のクロスセルは、過去にお話しした「在庫回転率」「一人当たり売上高」「坪効率」として取り上げた、在庫、人件費、家賃のCFや経費の後にあえて取り上げております。1番最初の「在庫回転率」から一連の流れとしてご一読いただきますと経営のポイントがより見えてくると思います。まだお読みでない方は是非ご一読いただけますと幸いです。 今回のアップセルを通してディ・ポップスグループとしてお伝えしたいことは、これまで同様ビジネスはヒトにより成り立っているということです。商品を購入いただくお客様もヒトであり、商品を販売する販売員も、テクノロジーを使うのもすべてはヒトであります。 AIをはじめとするテクノロジーを使いこなさなければビジネス上で競争に勝ち生き残ることはできないと思いますがテクノロジーだけでは生き残ることはできないと思います。テクノロジーが良いから、経営戦略が良いから、ビジネスが成功するのではなく、ヒト × テクノロジー × 経営戦略の掛け算が大切であるとディ・ポップスグループは考えます。 この考えの元、ディ・ポップスグループはヒトが輝くために、また社会課題解決のためにベンチャー企業に対して、出資を通じた支援と効率という数字だけではない価値を通じたグループエコシステムの実現を目指しています。 これからもご支援、応援の程よろしくお願いします。 D-POPS GROUP 常務執行役員 渡辺哲也
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2026.05.20
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