COLUMN

【グループ会社インタビュー】㈱STAR CAREER / ㈱graphD 保坂 龍政 社長 ~前編~

  • INTERVIEW
  • グループ企業
2024.10.25

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、2016年に株式会社 STAR CAREERを創業した保坂 龍政社長へ、インタビューしました。

 

◆STAR CAREER設立の経緯

-杉原-
今回は、STAR CAREERの保坂社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願いします。
まず現在STAR CAREERの社長を務められていますが、STAR CAREERの社長を務めることになった経緯を教えていただけますか。

-保坂-
はい。STAR CAREERは2016年に創業しました。

私は2006年にディ・ポップスに入社し、店舗責任者や統括部長をしていました。実は2014年〜2015年あたりから、ディ・ポップスを創業し現在ディ・ポップスグループの代表を務める後藤社長が、ディ・ポップスのメンバー向けに後藤塾を実施していました。

意味合いとしては起業家養成塾のような形でしたので、ディ・ポップスの店舗のメンバーも後藤塾に参加していました。後藤塾でMVPをとり、社内起業家第1弾となったのが現在アドバンサーの会長を務める藤田さんだったんですね。

実は私はその後藤塾には一度も出ていなくて、どちらかというとディ・ポップスの中で「起業家になりたい」「グループ会社を作りたい」というメンバーを応援する側の立場だったんです。

ある日後藤社長から、ディ・ポップスが売上高100億円を達成して、次の300億円・500億円・1000億円を目指していく中でグループ会社構想を立ち上げまして、「人材系の新たなグループ会社を作ろうと思っているんだ」というお話を受けたんです。その時に私は「〇〇くんなんかいいんじゃないですか?」っていうふうにメンバーを推薦していたんですね。

そしたら後藤社長から、「保坂くんは自分で手を挙げたりしないの?」と言われまして。「いや僕はどちらかというと、今このディ・ポップスが300億円・500億円となるために、全力で若いメンバー引き連れて実現させますから!」っていうお話をしていました。

それでその日の夜に、定期的に飲んでるディ・ポップスの後輩メンバーに、実は今日後藤社長からこんなお話があったんだ、でも俺断ったよと。みんなと一緒に次の300億円・500円達成していきたいからと伝えたら、「何やってるんですか!やってくださいよ!こっちは任せて背中見せてくださいよ!」と言われて、確かにみんなの言うとおりだなと思い、次の日後藤社長に、「昨日の件ぜひ僕にやらせてください」と言ったところからスタートしました。

-杉原-
ディ・ポップスでの経験って経営に活かされましたか?

-保坂-
活かされています。当時の店舗というのが独立採算制になっていて、売上・粗利がいくらで、店舗の人件費でキャンペーンを独自で入れたりするなどやっていたので、ある意味プチバーチャル経営のような形を取っていました。

ですので店長次第でめちゃめちゃ黒字になったり赤字になったりもする。そういった販売台数や契約台数だけじゃなくて、経営をその個店ごとにしてたんです。店舗でプチ経営をやっていたので、今の経営に非常に活かされているなと思います。

-杉原-
店舗で経営を学べるというのは非常に勉強になりますね。ちなみに、その時点でディ・ポップス以外に何社グループ会社があったんですか?

-保坂-
当時はまだグッド・クルーアドバンサーだけでした。

-杉原-
なるほど、それでは人材会社で3社目ということだったんですね。

-保坂-
実は当時、アドバンサーは人材会社じゃなかったんです。スマートフォンのリユースの会社でした。その後ピボットして今の人材会社になりました。

-杉原-
そうだったんですね!では当時グッド・グルーとSTAR CAREERではどういった違いがあったんでしょうか。

-保坂-
2つありました。まず1つ目は、STAR CAREERはモバイルだけではなくて、箱型のストアビジネス、つまりオリンピックを見越してホテルであったり飲食店であったり、そこの接客と店舗運営に特化した人材派遣を行うというコンセプトで立ち上げました。

あともう1つは、当時、グッド・クルーが採用に苦戦している時期があり年間30名〜40名の採用が続いていました。後藤社長の発案により「じゃあ保坂くん、100人採用やろう」というミッションをいただきました。結果として4月にSTAR CAREERに新卒が社員107人、入社することとなります。

ただこれは面白いことに、次の年にグッド・クルーが今度100人採用できたんです。ここは後藤社長の戦略で、競わせながら成長させていこうと考えていたんだと思います。

創業してすぐ採用活動を行い新卒107人入社というところで結構ハードだったんですが、11月ぐらいに後藤社長から、「来年4月からM&Aで入ってくる会社があるんだけど、そこもやってもらおうかな」と言われました。創業当時は、私含めて2人だけで最初立ち上げてるので、マジですかと思いながらも「やります!」とお伝えして、現在のgraphDの経営もやることになりました。

-杉原-
すごいスピード感のある展開ですね!ボールを投げられたらなんでもこなこなせるというか、こなそうとするというタイプなんですね。

-保坂-
それが最高ですよね。「便利なやつ」って思われたいですね。

-杉原-
とっても重要なことですよね。会社の中の幹部って、トップから見たら「便利な人」は絶対に必要で、その人にどんどん仕事が投げられる。投げられれば投げられるほどその人は鍛えられるし経験ができる。幹部にとっておいしい話なんですけど、グループ会社経営でも似たようなようなところがありますよね。社長としても1つの組織を回しているけど、グループの代表からしたら「便利なやつ」と思われることが大切というか。

-保坂-
そうですね、もうすごい嬉しかったですね。逆に4月に新卒107人入ってくるのに、4月に新しい会社が設立されちゃうってまじか~と思いつつ(笑)

◆STAR CAREERの事業

-杉原-
それでは次に、STAR CAREER社の事業概要を簡単にご紹介いただけますか?

-保坂-
2024年現在においては、就活カフェを運営する総合人材サービス会社です。就活カフェというものを軸として、人材派遣業・人材紹介業・採用代行業の3本立てで経営しています。

-杉原-
そうなんですね。就活カフェというのは事業の核となるんですね。

-保坂-
おっしゃる通りです。企業が人材採用するには、マイナビなどの媒体に出して応募を待つか、もしくは人材紹介会社にお願いして人財を送ってもらうかだと思うんですけれども、やっぱり学生求職者から見た時に、媒体でもない・人材紹介会社でもない、ここに問い合わせしてみようというプラットフォームが就活カフェの立ち位置です。

-杉原-
学生求職者の方は、就活カフェをどうやって知ることが出来るんですか?

-保坂-
基本的には我々が学生団体とのパートナー契約をやっていますので、例えば ラオスとかカンボジアとかの難民支援をしている学生団体さんとか、保護犬・保護猫活動を行う学生団体さんなどいろいろな団体があるんですが、彼らはミーティングをする場所を我々の就活カフェでやれるように開放して、活動するための場所の提供であったりとか、定期的に彼らの活動資金として、協賛金を1口5万円とか10万円みたいにスポンサーとして提供する。

代わりに学生団体に登録してる学生さんが、我々の就活カフェでイベントやる時とか、説明会をやる時に来てくれるというような関係になってます。

-杉原-
その就活カフェによる就活支援事業を核として、主には学生さんを採用や、紹介をしたりされているんですね。自社で採用する場合は学生を含め、若手の方が多いと思うんですが、研修や教育はどのようにされているんでしょうか。

-保坂-
まず内定者研修・入社研修入社してから、月1回の集合研修を1年間やっています。

他のグループ会社やグループ外の人材派遣会社も同じような会社はいっぱいありますが、我々の派遣先への出勤日数は他社よりも1日少ないんですね。ある意味出勤として研修しているので、派遣先に行くのは減ることになります。

メンバーに対して内定から入社のタイミングでずっと言っているのは、「仕事っていうのは、やりたいことをやるためには、できることが増えてくればいつの間にかやりたいことができるようになってる」という話をしています。

レベルとスキルというのがあるとして、結構みんなスキルを求めたがるんです。資格を取るとか留学をするとか。スキルをあげたいと言う人が多いですし、スキルってのは強い武器だと思います。だけど、ドラクエで例えると、レベル1の子がレベル50の強い武器(スキル)を持ったとしても使いこなせないですよね。自分自身のレベルを上げていかないとそのスキルは活かせないので、まずは社会的に市場価値を上げるためにスキルを上げるだけじゃなくて、まず1年間で自分自身のレベルを上げようと。

自分自身をレベル10→レベル20→レベル30にしてスキルも磨きなさいというようなレベルとスキルの話をしています。なので、どちらかというと店舗で働きなさいではなくて、店舗でいろんな壁にぶつかったりするけど、そこに心の向き合い方とか周りへの協力の仰ぎ方とか、自分自身のレベルが上がることで仕事ってできるようになってくので、それを月1回の研修の中で伝えていますね。

-杉原-
素晴らしいですね。レベルを上げていく中で身につくものの方が、資格を取るなど先にスキルを磨くよりもよっぽど濃いですよね。資格が無駄だとは思ってはいないんですが、英語でいうと喋れないのにTOEIC990点ですっていう人よりも、仕事で英語を使うなど場数を踏んでいくことで英語を使いこなしたビジネスパーソンになっていく・その過程で試験を受けてやってみたら点数が上がったというほうが自分の自信にも繋がるし、価値としても絶対高いですよね。

◆コロナ禍の苦難

-杉原-
では次の質問です。その人材会社を経営して8年経ったと思いますが、この直近の事業運営はどうでしたか。そして3年前のコロナ禍のとき、会社の状況はいかがでしたか。

-保坂-
コロナ禍のときは、一度、会社の方向性を揺るがすほどのダメージを受けました。もともとストアビジネスというところで、ホテルや飲食店の派遣事業をやろうとしていたのがオリンピックがなくなってしまい・・・。

そもそもSTAR CAREERのロゴマークの星の色には1つ1つ意味があって、例えば、ホテル・ブライダル・アパレル・飲食・携帯ショップなど5領域の接客に特化した派遣事業という意味でスタートしたんですが、コロナで見通しが見えずらくなってしまった事業はホームページなどこの意味を掲載していたものはすべて削除することになりました。同時にそのタイミングで開始した事業が就活カフェ事業です。

長いコロナ期間によって人々はライフスタイルや人生観に大きな転機を迎えました。特に私たちは接することの多い就活生はまさに大学1年生の時にコロナがはじまり、コロナが5類に分類されたタイミングで4年生。面接で学生時代にやりきったことは?と聞かれても困ってしまう事でしょう。コロナと同時に始まったこの就活カフェ事業は、事業領域から自分の選択肢を広げる・人生の選択肢をカラフルにしてほしいという思いを込めたものへと変革をしました。

ただ、就活カフェの立ち上げ当初は、ホテルや飲食を目指して入社した方から、「もともと聞いていた話と違う、最初はこう言ったからこの会社入ったのに、なんだやらないんだ」と辞めていくメンバーも少なからずいましたが、その本質であった【人と人を繋ぐ】という軸は変えずにコロナ禍で大きく市場が拡大した非対面のコールセンターや在宅でのカスタマーサポートにも取り組んでいきました。また対面においてもコロナの収束に合わせ、オフィス事務の領域にも進出しています。今ではメンバー自身が自らの成長に合わせた環境の提供という概念に加え、人生設計によって働き方のバリエーションの提供という意味合いも強くなりました。

結果としてコロナによって私たちが再認識した事はBtoCでもBtoBでも結局そこに人と人の繋がりがあって、例えばお店で自分のところに来てくれるのは、「この人だったらなんとかしてくれるかも」と店舗に来てくれる。そしてBtoBもそこに人と人がいるので、納期やばいな、これでも◯◯さんにお願いしたらなんとか頑張ってくれるかもしれないって連絡が来るわけじゃないですか、結局。だとすれば、やっぱり仕事は人と人なんですよね。

最初、新卒で入社した時は、もうガンガン働きます!と言っていたメンバーも結婚して産休・育休から戻ってきてくれて、変わらず頑張りますという人も、もう少しバランスを取って働きたいとか、働きたいけどこういう形だったら働ける人も全員正解だと思うんです。
もっと年収を上げに行きたいのか、それともプライベートを充実させていきたい・家族重視でいきたいのかなどいろんなことがが出てきた時に、その社内の中でバリエーションを作ってあげたい、長く安心して働ける会社にしたい、これが自分の人生をカラフルにしてほしいというロゴに込められた新しい意味と思いです。

また、業績に関しては、コロナ前より業態そのものが変化しているのでトップラインは一時的に落ちてはいるものの、営業利益は以前より良くなっています。

-杉原-
素晴らしいですね。大変な時期があったけど、それを乗り越えて今少しずつ骨太の事業形態に切り替えつつあるんですね。

-保坂-
そうですね。今はモバイル派遣よりも、コールセンターやバックオフィスの方が、派遣する人数が多くなったので、ある意味グループ会社のリスクポートフォリオは広がったかなと思っています。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

【株式会社STAR CAREER】
代表者:代表取締役 保坂 龍政
所在地:東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー25F
設 立:2016年 5月
サイト:https://star-career.co.jp/

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次回後編のインタビューでは、
・市場環境
・「キャリポ」のリリースについて
・産学連携イベントについて
・STAR CAREERの社風について
・「ベンチャーエコシステムの実現」について
・その他
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

 

 

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-平井- まだぼんやりしているところもあるんですけど、まず1つは、自ら新しい領域に行って成長する場を持ちたいのはありますし、僕もその支援をしていきたいというのがあるので、まず成長に対する心意気がある人がいいですね。自分たちのサービス・商品を通して成長した人が、次の人とかその次の人にちゃんと与えられるようになりたいので、自分の成長が世のため人のためになると考えられる人を採用していきたいなと思います。 スキル的には、新しいことに対してヘイトがない人がいいので、今後「AIをやります」とか、「新しいツールを使います」といったときに前向きに捉えられる人とどんどん一緒にやりたいなと思います。 最終的にはディ・ポップスでやっているような、経験もないし素人だけど、PlusPassに入ったらちゃんとスキルがついてパフォーマンスできるというような形にはしたいですね。 ◆冒険旅行や登山について -杉原- ありがとうございます。話は変わりますが、趣味で登山をされていたという話を聞いたことがあります。私も登山が好きなんですが、趣味について教えて頂けますか? -平井- 僕も杉原さんと登山の話がしたいとおもっていたので、嬉しいです。(笑) 登山には大学生の頃にはまりました。当時関西にいたので、滋賀県の伊吹山とか、奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原などでしたが、富士山をきっかけに、3000mぐらいの山を選んで登っていました。 登山の思い出は最初にお話しした日本縦断の話ともつながるのですが、日本縦断の時は途中で内定者研修があったので、北海道の稚内から2週間で東京につかなきゃいけなかったんです。 なので宗谷岬からスタートして、函館から大間のところまで船で行って、当時1年前に東日本大震災があったので、南三陸の方をずれて仙台から東京に行く。ここまでを何とか2週間で間に合って内定者研修に参加できました。その研修が富士山登山の研修だったんです。 僕は富士山に登れることを楽しみにしていたんですけど、その日台風で急遽なくなったんですよ。それがとっても悔しくて。 僕は絶対日本一の山に登りたいと思いながら日本縦断をしていたので、そこから自転車で山梨まで行きました。富士山って5合目までバスや車で行って、5合目から登るんですけど、僕らは日本縦断の中で車に乗るのを禁止していたので、0号目まで自転車で行って山に登って8合目で泊まって、山頂に到着しました。それが本格的な3000m超えの登山でしたね。 そこから高い山にはまって、富士山は多分3回ぐらい登っていて、そのあとは長野のアルプスに登ったりしましたね。そこからはちょっとおかしくなっちゃって、スリル系の山に行くようになりました。(笑)ディ・ポップスに入社してから後輩たちもたくさん連れて行きました。 最初に事業部の後輩たちと登山をすると決めたのは、ちょっとメンタルが弱ってしまって、なんかきっかけあげたらこれから伸びるだろうなっていう子たちのために、自分ができることはなんだろうって考えたときに、1つが、後藤さんがよくやってくださっていた、休みの日に新しい商業を一緒にまわって勉強の機会を創ること。もう1つは、登山でメンタルブレイクをやっていくというのをやりました。いろいろと教えを入れながら一緒に登ったら、視界が開けてくる子がたくさんいましたね。 日本縦断は、稚内から沖縄まで完走しました。基本的には野宿で、途中屋根のある家で寝たのはお互いの実家や祖父母の実家など数か所でした。 -杉原- 登山も日本縦断もかなりアクティブですね(笑) 自転車には昔から乗っていたんですか? -平井- 元々高校生の時に、家から高校まで大体自転車で30分ぐらいの距離を通学していました。それで、サッカーの練習試合とかで結構いろんなところに行ったんですが、バスで移動するか、現地で集合するかを選べる高校だったんです。僕はトレーニングの一環で中学生の時から1時間半ぐらいかかる会場まで自転車で毎回行っていたので、高校の練習試合も自転車で行っていました。2時間・3時間ぐらいかかるところにも自転車で行っていましたね。 日本縦断をやりたいと思ったきっかけが、留学した時なんですよね。 カナダにホームステイで留学した時に、日本のことを全然わかってないなっていう反省があって、普段電車とか飛行機で地方は行くけど、ちゃんと見たらどうなんだろうと思ったのがきっかけです。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- やっぱり冒険的な旅とかハードな登山とかが好きな人って、結構ベンチャー企業向きなのかもしれないですね。 さて、D-POPS GROUPでは「ベンチャーエコシステムの実現を目指す」をスローガンにしていますがその目標に共感する部分はどんなところですか?ベンチャーエコシステム作りを意識した上での活動などはありますか? -平井- 僕が今自信を持ってベンチャーエコシステムに貢献できてるかというと、まだまだこれからだなというのはあるんですけど、ただ本当に後藤さんにめちゃくちゃ育てていただいた恩はいっぱいあるので、その後藤さんからのイムズの継承者としては、ディ・ポップスとしてはもちろん、PlusPassとしてもベンチャーエコシステムにしっかりと貢献できるような会社に早くしたいなと常に思っています。 あと後藤さんからの指導は、会社に対する指導はもちろんありますが、やっぱり人としての指導が1番根幹で中心にあるので、人間性をとにかく磨いて、世の中の人にしっかりと貢献しなきゃいけないなというのはあります。 なので、今やれていることがあるとすれば、例えば、代理店さんや、PlusPassのお客さんとなどに対して、ベンチャーエコシステムにあるリソースにつないだり、逆にベンチャーエコシステム側にもベネフィットがあるような案件があればつないだりなどができるかなと考えています。 商談をする時も、新しいお客さんに会うときも、毎回「この人のためになることはなんだろう」というのを考えながら商談していて、その時はディ・ポップスとPlusPassだけじゃなくて、ディ・ポップスグループが持ってる商材やサービスがちゃんと頭に入ってる状態でお客さんとリレーションをとるようにしていますね。 自分自身で課題だなと思っているのは、ベンチャーエコシステムの一環で行っている投資会社説明会にも出させていただいたときに、グループ会社や投資会社についてもっと勉強しないとなってすごく思ったので、もっと積極的にベンチャーエコシステムの仲間について頭に入れてより貢献したいなと思っています。 ◆5年後の理想の姿 -杉原- それでは、平井社長及びPlus Pass社の5年後の理想の姿とは? -平井- すまっぴーの事業はしっかりと推進させて、今僕が考えていることは完成させたいなと思ってます。 もう1つ解像度を上げてやらなきゃいけないなと思ってるのは、さっきお伝えした方針の、人とデジタルを融合させて貢献するというところは、どちらかというと新規の事業に当てはまるので、新規事業を進めていくためにも人を雇用して体制を作り事業を推進していきたいです。 -杉原- それに向けての課題はありますか? -平井- 大きく2つなんですけど、戦略の解像度をしっかりと上げることと、投資できる利益を既存事業をベースにしっかりと上げることのこの2点がしっかりできないと次に進めないと思ってるので、まずはこの2点を進めていきます。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- 最後に、このHPを訪問した読者の方に一言お願いします。 -平井- 新卒の方も、ベンチャーエコシステムに興味がある方も含めてにはなりますが、ディ・ポップスグループって後藤社長を中心に、本当に他にはない事業体を作ろうとしていて、世の中一般的にあるグループ体の親会社とは全く違う形なんですね。組織としてめちゃくちゃユニークだなと思ってます。 ディ・ポップスグループに来ていただくとわかると思うんですけど、個人の裁量が大きいので、傘下に入ったからデメリットがあるってことは逆にほとんどないのかなと感じています。ぜひ挑戦という意味でディ・ポップスグループに入っていただける方がいらっしゃるんだったら、一緒にベンチャーエコシステムの成長に貢献していきたいですし、むしろたくさん学ばせていただきたいなという風に考えています。 新卒の方たちに対しては、僕は10年やっててよかったなって本当に思っています。3年などの短い期間で企業を判断する方も多いかもしれないですけど、10年いたからこそ厳しく指導してもらった経験も自分の身になっています。会社に所属する時間軸を、世の中一般的な3年~5年とかじゃなくて、10年以上所属していて良かったなと感じる体験って絶対できると思うので、その努力ができる人たちが集まってくれるといいなっていう風に思います。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/
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D-POPS GROUPでは、現在約24社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2024年3月に新規設立した株式会社PlusPassの平井 雄大 社長へ、インタビューしました。 ◆ディ・ポップスへの入社経緯 -杉原- 今回は、PlusPass 代表取締役の平井社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します! 平井さんは2014年の4月にディ・ポップスに新卒入社されましたね。当時の就活の状況やディ・ポップスに入社を決めた動機などを教えていただけますか? -平井- 僕は京都産業大学出身なのですが、元々プロのサッカー選手を目指していました。 中学生の頃は、コンサドーレ札幌というJリーグの下部組織に入っていて、高校は北海道の北海高校にスポーツ推薦で入りました。 大学では、高校の時に個人ではケガもあり、チームとしては全国大会にも届かなかったこともあり推薦が取れず、初めて受験で入ったんです。大学では部活には入れなかったんですけど、別でチームを立ち上げて全国大会までいきました。その後イタリアで最後のチャンスとしてトライアウトを受けて、落ちてしまったのでサッカーを諦めました。 そこからいざ就職しようとなった時に、たまたまディ・ポップスと出会いました。 僕は当時、大学4年生の5月から自転車で日本縦断をやると決めていたので、就活は大学3年生の2月から3ヶ月間しかやらないって決めていました。 当時は京都の路地裏にある個人経営の飲食店でアルバイトをやってたんですけど、その飲食店が有限会社から株式会社になっていく様を一緒に社長とやってた時に、僕も将来経営者になりたいなと思うようになりました。 就活をする中でたまたまディ・ポップスと出会ったんですが、経営者になる修行ができる場所として企業選びをしていたので、創業者の後藤さんと出会ったときにバチコンとはまるものがありました。 後藤さんと面接をしたことがある人ならみんな言うと思いますが、後藤さんと初めて会った時、僕が1つのことを話すと100以上の反応が返ってきたんです。「うわ、こんな人いるんだ!」とそのとき驚きました。その時に後藤さんの話の濃さについていけなかったので、この人の元にいたら絶対成長できるなと感じたんです。 ほかの大手企業も面接を受けてみたんですが、役員面接で聞かれることや話す内容が本当に薄かったんです。人事の人は熱かったのに、役員面接になると急に温度感が下がる。 ディ・ポップスだけだったんです。面接を重ねる度に熱量が10倍、100倍になっていく。そんな会社は他になかったですし、会社のみんなも本気だとわかったので、やっぱりディ・ポップスに行きたいと思いました。 -杉原- 大手企業も受けたんですね。迷いませんでしたか? -平井- 一瞬だけ迷った瞬間もありましたが、最後は悔いなくしっかり決断しました! 当時大企業の最終面接スケジュールまで決まっていました。でもあんまり気合いが入らなかったんですよね。僕は京都から東京に面接のために上京していたので、大企業の面接を受けた帰りに、どうなったとしてもディ・ポップスに入りたいなと思ったので、内定承諾書を持って後藤さんに会いに行って、「お世話になります」って伝えました。 -杉原- 学生の時にはもう起業家マインドがあったんですね。学生時代のアルバイトの経験から起業したいと思ったとおっしゃっていましたが、アルバイトでの経験を教えてください。 -平井- 居酒屋割烹のお店でアルバイトをしていたんですが、京都に本社があるGSユアサさんや京セラさんなどが会食で使ってくださるようなお店でした。 そのお店は社長が全て任せてくれるので、僕はアルバイトながら給与振り込みをやったりシフトを作ったり、なぜか正社員の面接もしていたんです。(笑) 新店舗オープンのレセプションの調整をやったり、社長の接待にも一緒に行かせてもらったりして、「社長って、こういう感じなんだ」というものを経験させてもらいました。学生の時から社長にいろんな経験をさせてもらったおかげで、周りの飲食経営者の皆さんからもすごい可愛がっていただいて、「もっと頑張れよ」とか声をかけてもらって刺激をいただきました。そういった社長の仕事に触れていた経験から起業したいと思うようになりました。 ◆ターニングポイント -杉原- 入社してから11年になりますが、この11年を振り返るといかがですか?長かったですか?あっという間でしたか? -平井- あっという間ですね。年を取るたびに1年めっちゃ早いと感じますし、やっぱり10年以上続けてこられて良かったなと感じています。 ディ・ポップスに入社してから11年、順風満帆で、右肩上がりで成長出来ているなんてことは全くなかったです。ただ、ちょっとずつ波を上げていく、少しずつ成長していくというのはあったのかなと思っています。 ターニングポイントは色々あったんですが、1番大きかったのは、入社して3年目の時に楽天モバイルの立ち上げをやらせていただいたことです。ディ・ポップスで楽天モバイルショップの立ち上げをやるとなったときに、当時ディ・ポップスの営業本部長で、現在グループ会社の社長である岩間さんからお話をいただいたんですけど、それがターニングポイントでしたね。 当時、とっても生意気だったんですけど、岩間さんに「ディ・ポップスって日本一の店舗ってないですよね。僕作りたいんですよ。」ってラーメンを食べながら話したら、岩間さんが「やろう」って言ってくれて、その年、楽天ショップ5店舗を岩間さんが出店してくれました。ディ・ポップスはほかのキャリアもやっているので、他社さんとリレーションも楽天さんとの交渉も大変だったと思います。 楽天モバイルの立ち上げ部長をやらせていただいて、今では楽天モバイルで何度も日本一を獲得するようになりました。 2つ目のターニングポイントは、KDDI事業部のV字回復です。入社6年目のときに、当時KDDI事業部がauショップ8店舗、UQスポット3店舗あった時代で、月間でかなりの赤字を出している店舗が複数ありました。 会社としても苦しい事業になっていて、組織もみんなネガティブな状態だったんですけど、僕に事業部長を任せてもらってから、最終的に直近3年間の中で過去最高益で着地しました。そのときは、組織を作るというよりは、マイナスをどうやってプラスにするかという状況だったので、組織をもう一度作り直した経験が大きかったです。 そのあと入社当時に所属していた併売店の担当にもう一度戻ったんですが、そのころからディ・ポップスグループの常務取締役(元ヨドバシカメラ 執行役員 事業本部長)で、ディ・ポップスの副会長でもある渡辺さんにマンツーマンで本格的に仕事をやるようになったんですが、渡辺さんに鍛えてもらったから今の僕があるのなと感じています。 当時僕は渡辺さんに全然ついていけなかったんです。ディ・ポップスの転換期、現在代表の増田社長と渡辺さん体制だったころ、僕の中で「本当にもうディ・ポップスについていけないな」と感じた時があったんです。 でも、逃げてもダメだなと思ったので、週末に渡辺さんの事務所に行くと決めて2~3年ぐらい通っていました。そこから渡辺さんと話せるようになって、だんだん話も理解できるようになったことが3つ目のターニングポイントですね。 あの時は、自分の立ち回り方にも悩みました。2番手としてほんとはうまくやる必要があったんですが、物事をまとめる力が僕にはありませんでした。だからまず1回、渡辺さんの方に立ち向かっていこうと決めました。 ◆PlusPassの設立経緯 -杉原- 素晴らしいですね。私も経験がありますが、昭和の時代だからということではなくて、いつの時代でも、厳しい上司とか厳しい先輩って必ずいます。そして厳しさのある先輩って、厳しいからこそ実績がある。 厳しい先輩に出会って逃げてたら、多分いつまでも逃げることになる。そこで食らいついていくことで、そのレベルに近づける。平井さんにはその根性があったんですね。 そして入社11年目となる昨年3月に、今のPlus Passの社長に就任されました。Plus Pass社の社長就任の経緯を教えていただけますか? -平井- 設立のきっかけは後藤さんにいただきました。一昨年の12月ぐらいに後藤さんから、「事業譲渡の話を進めていて、新設会社を立てて受け入れようと思っているんだけど、やってみる?」と有難いことにオファーをいただきました。 ただその代わり、翌年の2月には会社設立と事業譲渡を全部終わらせるから、残り3か月くらいでの準備となるけど、それでもやる覚悟があるかと言われまして、「やります!」とお伝えしました。 後藤さんには、「いつか起業したい」「社長としてパフォーマンスしていきたい」という話をずっと伝えていました。それを覚えていてくださったのかなと思います。 事業に関しては、僕もやったことのない事業をやることになったり、デューデリジェンスにも初めて同席させていただいたりして分からないことだらけではあったんですが、決断しないと進まないということもあったので、後藤さんに背中を押していただいてやることにしました。 -杉原- 大きな決断でしたね。ちなみに現在はディ・ポップスと兼務でPlusPassを経営されているんですよね。どのようにバランスを取っているんですか? -平井- 現状は、ディ・ポップスの割合のほうが比較的多い状況ではあります。 一方で、ディ・ポップスが通信事業で直接キャリアと交渉ができる事業で、PlusPassが広告代理店と交渉できる事業で、やはり両方に所属していることで出来ることも増える印象はあります。 ◆事業概要 -杉原- それは活かすべきですね。それではPlus Pass社の事業概要をご紹介いただけますか。 -平井- 「すまっぴー」という格安SIMの比較メディアの運営をしています。 すまっぴーは、ユーザーが自分自身にぴったりのプランを選べるようになることを最終ゴールにしています。通信業界って8割前後ぐらいが自分に合ってるプランを使ってないという実態があり、その要因は自分で選びづらいことが大きくあると思っているので、ユーザーが自分自身でプランを選べるようになるようなメディア運営を行いたいと思っています。 あとは、youtubeでも情報発信を行っています。 -杉原- すまっぴーは今後もスマホ専門のメディア運営を続けていく予定なのでしょうか。 -平井- 今のところはその予定です。ただ、今商材を増やしているので今後広がる可能性もあります。通信に関連する商材で、よりユーザーの選択肢を増やしていきたいと思っているので、例えばクレジットカードや証券口座、銀行、ポイント、決済などは今後揃えていきたいなと思っています。スマホが中心ではありますが、メディアとしては通信生活のコンサルメディアになっていくと考えています。 -杉原- 今後が楽しみですね。それでは、すまっぴーの特徴や類似他社製品に対しての競争優位性などを教えてください。 -平井- 事業的にはシンプルな状態で、かつ比較メディアの中では販売ボリュームがかなり多いです。背景としては、運用の仕方で今リスティングが中心なんですが、リスティング中心でやっている比較サイトがほぼないので、この点が一番競合優位性があるなと思っています。 ただ、今のままだと比較的真似もされやすい状態ではあるので、もっとこう複合的にビジネスを組み立てる必要があります。   ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/   次回後編のインタビューでは、 ・PlusPass設立後の取り組み ・成長戦略 ・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて ・5年後の理想の姿 などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!  
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2025.07.01
【グループ会社インタビュー】 株式会社アットマーク・ソリューション 西川 明夫 代表取締役COO 松谷 頼人 代表取締役CFO ~後編~
D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2021年にグループ入りした株式会社アットマーク・ソリューションの代表取締役COO 西川 明夫さんと代表取締役CFO 松谷 頼人さんへ、インタビューしました。 (こちらのインタビューは、2025年4月に実施しました。) 前編の記事は、こちらからご確認ください。 ◆最大の強み・特徴 -杉原- エンジニアという職種のやることがどんどん高度化していきますね。 コーディングはやらなくてよい。ただし、どういう構造のプログラムで、どんなインターフェースで、どんな仕様のプロダクトを作るべきか。そこのコーディネートができることが大事ですよね。 そういった方向に向けて、アットマーク・ソリューションの、最大の強み、特徴は何でしょうか? -西川- これは冒頭にお伝えしたどういった事業をやっているかというところにも関係してるんですが、上物のアプリケーションを作るというところだけではなくて、インフラの部分から構築・提案ができるっていうところが強みだと思っています。 それこそ、システムとかサービスって、なんだかんだインフラの基盤の上に乗っかってくるものですので、基盤からトータルでご提案できるというところは1つ強みかなと思っています。 そして、ディレクションができるメンバーを専任で置いていますので、クライアントさんが思っていることとしっかり向き合ってエンジニアに伝えていくことができます。 アットマーク・ソリューションは広い意味でSIerという風に捉えてはいただくんですけれども、そうなるとエンジニアさんの会社だからコミュニケーションが難しい会社さんもたまにある中で、アットマークは「ディレクションの方がいるので相談しやすくていいですよね」というのはよく言っていただけます。この点は強みですね。 -杉原- それは本当に需要がありますね。AIがどれだけ普及しても、最後は人間味とか空気が読めるなど、人間でしかできないところが必要になりますよね。人とのコミュニケーションという部分で差別化すべきですね。 -西川- そうですね。外資系企業、特に海外の企業ですと、エンジニアさんってもうプロフェッショナルにコードをかければいいみたいなことが神格化されてるというか、打ち合わせも何も出ないけど、とにかく生産性が高いからいいということがあります。 ただ私たちはどちらかというとコミュニケーションも大事にしたいですし、大切にしているということをクライアントさんにも知っていただきたいと思ってますので、ディレクションができるメンバーを置いてるっていうところですね。 -杉原- クライアントさんの規模には、特徴ってあるんですか。 -松谷- あまり規模で固めてはいないですが、大企業の案件もありますし、自社サービスで最近展開し始めた新興企業さんもあります。業種で言うと、受託してる案件はtoC向けのサービスを展開してるもののサポートが多いんですね。 SESは元々大規模系の案件が多いです。 -杉原- アットマーク・ソリューションに案件を依頼される企業さんはどういった理由が多いんでしょうか。例えばコードを書く部分をお願いしたい、人手が足りないからお願いしたいなどどういった理由なんでしょうか。 -西川- どちらかというと後者です。人手が足りないという部分と、あとは人脈的なところが多いです。エンジニアさんがそもそも社内にいないというケースを伴走支援させていただいてる案件も最近増えてきています。 それこそ先ほどあった自社サービスをやっているようなクライアントさんですと、プロモーションとかマーケティングのチームは社内にあるんですが、開発ができるエンジニアさんが1人もいないみたいな会社が結構あります。 例えば、これまで10年ほど特定のアプリをリリースして運用されているんですが、エンジニアさんがいないので、これまでも各ベンダーに依頼をしてきたものを今引き継いでやっているとかも、案件として増えてきています。 ◆採用について -杉原- ところで、世の中全般的に日本はエンジニア不足と言われていますよね。 アットマーク・ソリューションは採用に対してどのように取り組んでいるんですか。 -松谷- エンジニア採用としては、一昨年ぐらいが1番の年収バブルでとにかく年収高ければ高いところに行くというような状態だったんですけど、AIがたくさん出てきて、今後エンジニアがいらなくなるのではという流れが出てきて、今は少し落ち着いています。 ただ、今でも現状エンジニアの数はずっと足りていないので、比較的他業種と比べたら年収は高い状態ではあります。 アットマーク・ソリューションでは20年間色々試してきた結果、採用としては新卒が一番相性がいいです。新卒の方に来ていただいてちゃんと教育をするというのがサイクルとしていいので、新卒に力を入れています。 去年はインターンの採用を行いました。インターンといっても数日ではなくて、年間を通して来ていただいて、案件を社員のエンジニアの数時間分だけやってもらうとか、人によってはフルで働いてもらうなど、トータル20名ぐらいの長期インターンを行いました。 インターンで入ってくれた方たちは、うちに入ってくれたら嬉しいんですが、優秀な人が多いので、直近だとサイバーエージェントやDMM、IBMなどに入社していました。 -杉原- そんな優秀な学生さんたちは、アットマーク・ソリューションのインターンにどうして応募してこられたんでしょうか。 -松谷- 皆さんにヒアリングした結果、去年は特にモバイルのFlutterのようにある程度パッケージ化されてるものが流行っていたんですけど、少し経験を積んだ学生さんは、アットマークのようにラボとか受託で社内の案件をやっていたり、ネイティブで自分でごりごりコードを書くような案件をやりたいという学生が多かったんです。 優秀な人ほど、ちゃんと自分で書くのを1回やってみたいというニーズがあり、応募してくれました。 最初の説明の時に「次世代生成を経営理念にしているので、弊社でたくさん経験して活躍できる人材になってください」とお伝えしていたんです。日本のITは諸外国に比べてまだ伸びしろがあるので、優秀なIT人材が増えることが我々にとっても嬉しいことで、パートナーとしても繋がれるので今後が楽しみです。 -杉原- ここで経営理念が生きてくるんですね。アットマーク・ソリューションでインターンをした学生が優秀なIT人財として活躍して、何年後かにアットマーク・ソリューションに転職してくるようなケースが出てくるととてもうれしいことですね。 今後の採用の戦略を教えてください。 -西川- 現在エンジニアが35名程いますが、これから増やしていきたいと考えています。 最大でも10年を目途に200名ぐらいにはしたいです。 -杉原- いい目標ですね!新卒採用だけではなく中途も採用されるのでしょうか。 -松谷- そうですね、中途というか未経験者の採用に力を入れようと思っています。 特に20代などの若い方でスクールに行って勉強している方や、最近だとスクールには行かずに勉強してる方もいらっしゃいます。エンジニアになるにはどうしても興味・関心、好奇心などが必要なので、興味を持って勉強されている方などを採用できたらと思っています。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- D-POPS GROUPは、「社会に変革をもたらす多数の成長ベンチャーを輩出する」をビジョンに掲げています。一言で言えば、「ベンチャーエコシステムの実現」を目指していますが、このベンチャーエコシステムに対してどんな感想を持たれますか? -西川- まずは非常にありがたい環境にいさせていただいてるなと、日々思っています。特に財務の部分では、ディ・ポップスグループに大変心強いサポートをいただいております。 本来であれば、財務面に関しては経営において非常に重要な部分だと思っているのですが、サポートしていただいているおかげで、本業に専念できています。グループとしてその環境を用意していただけてるのはとてもありがたいことだなと感じています。 たぶんこの環境になければ、そもそも採用をどうしようかなどの議論もできていませんし、戦略的にどういうところに投資をしていきたいみたいな話もできません。本当に助けていただいてると思ってます。 -松谷- 私も西川さんとほとんど一緒の感想ではありますが、こんなに面白い環境というか仕組みはなかなかないと思っています。ベンチャーエコシステムというものが目指している座組・人物像って、とにかくチャレンジャーで、でも人はすごく優しくて温和というか。同志という感じもしますし、戦ってる感じもしますし、そういう文化が根付いているのってなかなかないと思います。 その中でいろんなものに挑戦できるし、挑戦するための仕組みもありますよね。例えばアドバイザーさんが皆さんいらっしゃって気軽に相談できることも大きいです。とにかくこういう環境にいることをすごいありがたいなと実感しています。 -杉原- そうですね。ディ・ポップスグループは挑戦に関して二つ大事にしていますよね。 まず、挑戦した人の成功確率を上げる。完璧じゃないにしても、仕組みや環境づくりに努めています。 そして挑戦してうまくいかなくても、またそのエコシステムの中で再挑戦できる。実際に再挑戦した事例がいっぱいあります。 -松谷- そうですね。グループ内での競争もあるし、助け合いもある。グループシナジーを生むという場面もいっぱいあるのでありがたいです。 大体M&Aというと、本部から厳しく指導されるイメージがどこでもあると思いますが、ディ・ポップスグループはほとんどないです。本当の意味でのサポート体制はありますが、厳しく指導されるということはまずないです。 ◆グループシナジー(IT3社の連携) -杉原- 代表の後藤さんが経営者の気持ちが1番わかるからこそ、経営者の意思を尊重しながら一緒になって会社を作っていくということを大事にしているんでしょうね。 そんなベンチャーエコシステムの一環として見えるんですけども、アットマーク・ソリューション×テックビーンズ×アイデアランプで最近事業をされていると伺いました。どういった流れで3社で提携することになったのでしょうか?現在の状況などお伺いしてもいいですか? -松谷- 元々はIT系エンジニアを抱えている会社はアットマーク・ソリューションと、テックビーンズの2社で、以前から連携はしていてテックビーンズで受けた案件に我々も入るとか、逆もまたしかりという形でやっていました。去年ぐらいにアイデアランプさんがジョインしてちょうど3社になったので、より具体化することになりました。 なので、実際に3社一緒に入ってる案件もあったり、一緒に提案しに行ったり、お互い2社同士でやっていたりなど様々な形で連携しています。 メンバー同士も顔見知りになれるような機会をつくったり、勉強会を3社合同開催したりなども考えていて、これからどんどん進めていこうと考えています。 -杉原- 勉強会といえば、先日ディ・ポップスグループの投資先であるBLUEISHさんによる事業説明と質疑応答の場がありましたよね。その時の懇親会で、BLUEISHの為藤社長と西川さんが、すごく盛り上がっていた印象がありますが、ベンチャーエコシステムメンバーからの学びというのはありましたか? -西川- 盛り上がりましたね!私の中では、結構為藤社長が衝撃的でした。プレゼンの仕方も印象的でしたが、実際の事業内容も、元々は受託事業をされていたところから、業界動向を組んだ上でAIに舵を切られて、その中でも、AIエージェントに注力しているという発表をされていたのが本当に衝撃的でした。 AI活用、最近ですとAI駆動開発などいわれたりするんですが、正直私自身知識が少なかったなと思うのですが、為藤社長がおっしゃっている言葉もある程度わかるけれども、ちょっと調べないとなと強く思ったんです。 そこから自分の中でインプットする内容をちょっと変えていきました。 BLUEISHの勉強会をきっかけにして、AIを活用したコンサルテーションをやっていきたいという発想に繋がってきているなと思っていますので、大変勉強になりました。 ◆5年後の理想の姿・それに向けての課題 -杉原- 勉強になったとのこと、開催してよかったです。これからもベンチャーエコシステム内で連携できるような場を作っていきたいと思います。 それではアットマーク・ソリューションさんの5年後の理想の姿・それに向けての課題をそれぞれ教えてください。 -西川- まず数字の観点で言うと売上も大事だと思っていまして、今のアットマーク・ソリューションは3億円ぐらいの会社ですが、それを30億円にしたいなと思っています。 そのためには、私も含めてもっとメンバーがスキルアップをしていかないといけないと思っていますので、AI活用やラボ型開発に注力していき、クライアントのプロジェクト伴走支援させていただきながらもっとスキルアップに努めていくように取り組んでいきたいです。 課題としては、私が本当に強く思ってるんですが、私たち自体の成長が1番課題だろうなと思っています。 なんでそう思ったのかというと、2年ほど前に後藤代表からお声がけいただいて、ファインドスターグループの総会に出席させていただいたことがきっかけです。 その時に、ファインドスターグループの代表であり、ディ・ポップスグループの社外取締役でもある内藤社長が、「会社の成長とかこの先どこまで飛躍できるのかは、その組織のリーダーやトップにかかっているんだよ」というお話をされていました。 それが私の中ですごく残っていまして、従業員の成長に目を向けてしまいがちですが、そんなことよりも、まず最初に自分たちの天井を上げないことには会社としての天井が上がんないんだろうなと感じておりますので、まずは自分たちが成長していこうと思います。 -松谷- 私は、ディ・ポップスグループの中でデジタル人材のハブになりたいです。弊社も含めて、アイデアランプやテックビーンズも含めて、デジタルに関連するものをやろうと思った時に、とりあえずここに相談しようと集まれる場所になっていきたいなとを強く思っています。 それに向けての課題は、このエコシステムって特に経営者にとって学べる場所がたくさんあるので、学んで吸収しながらより多くのアウトプットをしていくことだとおもっています。 そして私自身はコミュニティをどんどん作っていきたいなと思っているので、とにかく行動しまくるというのが課題かなと思っています。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- それでは最後に、ホームページ訪問した読者の方にそれぞれ一言お願いします。 -西川- お読みいただいてありがとうございました。私たちはシステムやITの専門家集団でありますので、ITに関するご相談があれば、まずは思い出していただけたらと思いますし、いつでも飲みに行きましょう!(笑) -松谷- ディ・ポップスグループはすごく面白いグループなので、興味持たれた方はぜひ一度ヒカリエに来ていただけたらと思います。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社アットマーク・ソリューション】 代表者:代表取締役CEO 増田 勝人 代表取締役COO 西川 明夫 代表取締役CFO 松谷 頼人 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2005年7月 サイト:https://atmarksol.jp/
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2025.06.09
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