
全3回にわたるインタビューの最終回となるPart3では、Adora株式会社の「人」と「文化」に迫ります。インドで出会ったCTOのSaurabhをはじめとする開発チームはなぜ名もなきスタートアップに参画したのか。エストニア留学で出会った仲間たちとの絆、「Sunny・System・Solid」という3つのバリューなど、インタビューの総まとめをお届けします。(このインタビューは2026年6月に実施しました。)
◆ 錦糸町のオフィスに込めた想い
-杉原-
ここのインタビュー場所は錦糸町のマンションの一室ですね。とても居心地よさそうで、お花もあって。この春に引っ越しされたとのことですが、なぜここを選んだのですか?
-冨田-
いくつか理由があります。もちろんメンバーみんなが来やすいというのもあります。ただ私個人の感覚として、キラキラしている場所よりも、錦糸町のほうが合っているなと思いました。錦糸町はスターバックスが5軒もあるほど栄えているのに、同時に人間らしい雰囲気も共存しています。
個人的に、お酒という毒を皆でシェアしながら絆を深めていって、「みんなで頑張ろうぜ」となるのが好きなんです。ほどほどにお酒を一緒に飲むことを大事にしたいと思っているので、居酒屋も近くにあって、みんなが来やすい錦糸町がいいなと思いました。

◆ 平均年齢26〜27歳 — 未来を作るチームの構成
-杉原-
この半年ほどで徐々にメンバーが増えましたね。現在のメンバー構成について、差し支えない範囲でご紹介いただけますか?
-冨田-
正社員ベースでまだ10名以下という小さな会社ですが、人事担当が入ってくれたり、エンジニア中心の会社にビジネス開発・UX・公共政策担当のメンバーも加わったりと、徐々に会社らしくなってきました。バックオフィスのメンバーも入り、各ファンクションが揃いつつある感じです。若手が多い会社で、平均年齢は26〜27歳くらいでしょうか。インターン生の大学生も多いので、そちらも含めるともっと若くなりますね。
-杉原-
本当に未来を作るチームですね。以前一緒に飲んだ創業者CTOのSaurabhをはじめ、開発チームはインド人チームですよね。彼らの技術力はやはり凄いですか?また、なぜ日本のスタートアップに参画してくれたのでしょうか?
-冨田-
もちろん国籍による差よりも個人差の方が大きいとは思いますが、弊社のインド出身メンバーはみんな技術力も高いし、コミットメントと熱量が高いです。いいものを作りたいという当事者意識が強いと思います。
-杉原-
真面目で熱量が高くて、技術力だけでなく人としてもとても素敵な方たちですよね。
-冨田-
そうですね。Saurabhの人柄が良いことが全ての源だと思います。人柄が良いから、良い人が集まってきているんだと思います。
-杉原-
当時まだ無名で、auとの提携も起きていなかったAdoraというスタートアップに、Saurabhをはじめとするインドチームはなぜ参画してくれたのでしょうか?
-冨田-
私とSaurabhはインドのカフェで出会いました。私がその店でお客様にコーヒーやお茶を出すというアルバイトをしていた学生時代のことで、彼は常連のお客さんでした。本当に友達のような感じで始まった関係です。その縁でSaurabhが後輩や仲間を集めてきてくれたというのが経緯です。
-杉原-
冨田さんとSaurabhのカフェでの出会いが全ての始まりなんですね。Saurabhが会社に加わってくれたのはすんなりいきましたか?
-冨田-
最初は別の会社で働きながらという状態でしたが、本当に序盤の序盤にフルタイムでコミットしてくれました。私を信頼してベットしてくれているわけですから、その信頼に応えられるように頑張らなければという気持ちは常にあります。人を信じるということをとても大事にしている人です。
◆ エストニアの寮で一緒にうどんを作った仲間たち
-杉原-
各役割のメンバーの中には、エストニア留学で出会った仲間たちもいますよね。どんな方たちですか?
-冨田-
UI・UXの責任者や人事の責任者とはエストニアで出会いました!私のいた寮で「日本が恋しいね」と言いながら一緒にうどんを作ったりしたこともあります(笑)。
彼らに限らず、一緒に働いてくれている人たちに対して「一緒に働いていて楽しい」「この人のために頑張りたい」と思える瞬間がたくさんあって、そういう感覚を個人的には大切にしています。私自身にもできないことがいろいろあるので、チームで補い合えている点に感謝しています。チームであるからこそできることを積み重ねていきたいですね。
◆ 「Sunny・System・Solid」— 3つのバリューを策定
-杉原-
そんな仲間たちと一緒に、先日ミッション・バリューを策定されたと伺いました。ぜひ今日ご紹介ください。
-冨田-
最近、スローガンとして3つのバリューを試験的に作り始めました。今年から運用しています。
3つとも「S」で始まる、覚えやすいものにしました。「Sunny」「System」「Solid」の3つです。
「Sunny」は、一緒に働いていて楽しいと思ってもらえる、応援したいと思ってもらえるような振る舞いをしようということです。
「System」はトヨタを意識したもので、「人を憎まず、仕組みを改善しよう」という考え方です。何か問題が起きた時に「誰が悪い」という話になると、指摘された人は否定された気分になってしまいます。でも目的語を人ではなく仕組みにすると、「じゃあどう改善しようか」という前向きな議論ができます。我々は社会に対して責任のある事業をやっているからこそ、心理的安全性を保ちながら間違いを間違いと言える環境が必要だと思っています。
「Solid」は、ちゃんとしよう、着実にやり切ろうということです。ベンチャーだから許されるということはなく、大企業の皆さんや自治体の皆さんと組んでいる以上、言ったことをきちんとやり切るという信頼が最も大切だと思っています。
-杉原-
とても良いと思います。セキュリティサービスで、提携先が大企業という業態で「Solid」を掲げるのは非常に共感できますね。

◆ 企業ホームページはあえて後回しにしてきた
-杉原-
ところで、Adoraさんはコドマモのサービスサイトはありますが、企業としての一般的なホームページがないですよね。理念やカルチャーを紹介する場があったほうがいいと思うのですが、あえて作っていないのには何か意図があるのですか?
-冨田-
そこを作る時間があったら、もっとユーザーが喜ぶことをやろうという考えで初期からやってきました。ホームページ作成の時間があるならバグを直そうというマインドですね。
ただこれからは、仲間を集めて大きく展開するためにも、企業サイトを作って人が集まりやすい場にする必要があると思っています。今まで怪しい会社に見えていたかもしれませんが(笑)、これから作っていくつもりです。(※現在会社ホームページは公開済み https://corporate.kodomamo.com/ja)
-杉原-
サービス開発を優先していたということですね。ホームページだけ立派で実態がないというスタートアップも世の中にはありますから(笑)、実態のものを作ることに集中していたのはむしろ正しいと思います。
◆ 2026年〜2027年の目標
-杉原-
今年から来年にかけての目標や大きなイベントは何でしょうか?
-冨田-
国内ではキャリアのショップでの販売をさらに強化していきたいと思っています。現在ユーザー数が30万人ほどになってきたところで、これを50万人、さらにその先へと伸ばしていきたいです。
海外では台湾でプロダクトマーケットフィットを確認しながら成功パターンを作り、インドネシア・イギリスなど様々な国での展開につなげていきたいと思っています。国内外での成果によって、社内外の期待を高めていける数値を作っていきたいですね。
また、より多くのステークホルダーの皆さんを巻き込んでいきたいと思っています。省庁との連携なども含めて、大きな社会実装・社会インパクトを生み出せるような1年にしたい。その広がりを見せていける1年にしたいというのが目標です。
一方で、カルチャーの構築と、大事にしたい価値観をより「Solid」にやっていくことも大事にしたいですね。人も丁寧に増やしながら、良い組織にしていきたいと思っています。
◆ D-POPS GROUPの「ベンチャーエコシステム」への共感
-杉原-
D-POPS GROUPが目指している「ベンチャーエコシステムの実現」に対して、共感する部分はどんなところですか?
-冨田-
全般的にとても共感しています。1人でも1社でも、大きな社会的インパクトを生み出したり、社会課題を解決することはできないと思っています。1人で会社を作れないのと同様に、会社という単位だけでなく、さまざまなステークホルダーと一緒に解決しなければならないと思っています。
スタートアップだけでなく、その夢に賭ける投資家がいて、一緒にスタートアップの夢を社会に広げるために事業をやろうという大企業がいて、国としても良いことをやっているから応援しようという政府があって、大学が一緒に研究してくれて・・・そういうステークホルダーを全員で巻き込んで初めて、大きな社会課題を解決できると思っています。
弊社も創業当初から愛知県警にご協力いただいて共同開発を始めたり、大学とも連携してきたりと、1社だけでなく周りと一緒に補い合いながら頑張ることを意識してきた会社です。これからも、子ども・親子向けの安全な通信環境、そして人々を犯罪から守るために必要なエコシステムを弊社の側からも作っていければと思っています。それが全体的なベンチャーエコシステムの中で良い一例になれるんじゃないかと思っています。
-杉原-
D-POPS GROUPはベンチャーエコシステムを作っていきたいと言っていますが、1社でプラットフォームを作ってその中でみんながエコシステムを作って循環していくというような形が理想ですよね。
-冨田-
そうですね。最終的には自分たちにも良い形で返ってくるという考え方だと思います。私もそこはとても共感しています。
◆ 読者へのメッセージ
-杉原-
最後に、読者の方に一言お願いします。
-冨田-
大きな社会インパクトを生み出したいという気持ちを我々は強く持っています。そこに共感してくださる方には、メンバーとしてでも株主としてでも、どういった形であれ、一緒にこの夢を叶えるために動いていただけたら嬉しいです。
ディ・ポップスグループさんはとても良い株主なので、ぜひおすすめですよ(笑)。そして錦糸町は最高の町なので、ぜひ遊びに来てください!
☆インタビューアー
株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太
【Adora株式会社】
会社名:Adora株式会社
代表者:代表取締役 冨田 直人
設 立:2023年7月
サービスサイト:https://www.kodomamo.com
Part1の記事はこちらからご確認ください。
Part2の記事はこちらからご確認ください。
