COLUMN

【エグゼクティブインタビュー】藤崎 一郎 顧問(元在アメリカ合衆国日本大使)~後編~

  • INTERVIEW
2024.10.16

今回は、「ベンチャーエコシステムの実現」のため2023年4月よりディ・ポップスグループの顧問に就任していただいた藤崎 一郎 顧問(元在アメリカ合衆国特命全権大使)へ、弊社代表取締役の後藤がインタビューいたしました。

今回はインタビューの後編になります。
前編は以下のURLからご覧ください。
【エグゼクティブインタビュー】藤崎 一郎 顧問(元在アメリカ合衆国日本大使)~前編~

 

-後藤-
それでは次の質問です。

一般の日本の大企業(新日鉄や伊藤忠等)でも社外取締役をされた経験があられますが、外務省で仕事をすることと、大きな違いを感じられたこと、また共通するものと感じられたことは、どのようなことでしょうか?

-藤崎-
大企業と外務省で大きな違いを感じたところは、外務省にいるときは決断にあたって常に対外説明、つまりアカウンタビリティを考えていました。民間ではそこが違うと感じました。

役所におりますと、マスコミと国会というのにさらされて、ちょっとでも何か不備があると対外的に発表が必要になります。例えばどこかの税務署で30万円紛失した場合、それを発表しなかったら大騒ぎになる。そして、 隠蔽工作をした等と言われてしまいますよね。警察だってそうです。

一方で、民間会社で同様に30万円の紛失があった場合、紛失後にすぐに見つけたら、今後はしっかり管理するようにいわれるだけで済みますし、基本的には経営陣の判断でコントロールできる。

役所にいる私どもはそこにエネルギーをかけすぎてるなと思います。

もう一点違うところは、外務省は大企業に比べるとフラットな社会でした。若い人もトップの場に行き発言が許されていました。大企業はヒエラルキーが厳しいように思います。

-後藤-
私も、世の中ほとんどの会社がピラミッド構造になってるので、若い人がチャンスを持ってやろうとしても、特別にものすごい努力したりとか能力が高い人がいても、昇進するまでものすごく時間がかかる。だから、そういった世の中でも、「若者にチャンスがある会社もあるよ」という選択肢を作ってあげないと未来がないなと思いました。それが会社を創ったことの 理由の1つでもあります。

-藤崎-
そうですよね。それは本当に大事です。そうじゃないと海外に逃げちゃうよね、みんなね。

-後藤-
今はそこからさらに発展しています。若者にチャンスのある会社を作ろうっていうところから、今はとにかく日本に起業家を増やして、挑戦するカルチャーや、 懐の深い社会をどんどん広げていこうと思っています。そうすることで、若い人たちが選択肢を持って、どういう会社で働くとか、どういうところに挑戦するか、あるいは起業するっていうこと自体も世の中から称賛されるような社会を、作っていく必要があると思って今頑張ってるんですよね。

-後藤-

それでは、外務省で様々な国と交渉をされてきた藤崎さんにお聞きしたいのですが、

世界的な複数の大国と付き合う場合のパワーバランスの取り方に関して、グローバルの中で、日本のプレゼンスをしっかりと堅持し、向上させる上で、アメリカやEUとの関係、また他のBRICSなどの大国と、どのようにバランスを取るべきだとお考えでしょうか?

-藤崎-
最近大企業のトップと話したときに、「ウクライナや北朝鮮、中国の行動に鑑み、民主主義、平和など、性善説はここ10年は封印して、性悪説でいくべきではないか」と話されました。私は「いえそれは同時です。表向きは性善説ですが、裏では常に性悪説です。誰が何をしてくるかわからないという備えをするのが安全保障の考えです」と言いました。

日本が北朝鮮、ロシア、中国の隣国であることを考えると安全保障のために米国に依存せざるを得ません。しかしそれはまったく同じ政策をとらなければならないという意味ではありません。米国と違い日本はキューバ、イラン、ミャンマーと常に良好な関係を維持していますし、米国が出てもTPPやパリ協定を続けました。声高にいわずにうまくやっているのです。グローバルサウスもBRICSも決して一枚岩ではありません。そのうちのインド、南ア、ブラジルなどとはできるだけいい関係を構築していくことが大事です。

海外に行くと、日本に対しての信頼感とか良いイメージをもっているっていう人が多いですよね。なので、今のままで基本的にいいんじゃないだろうかと思っています。

ただ、気を付けていかなきゃいけないのは、インドですね。インドという国は、中国が悪者になってるおかげでいい国のようになっていますが、なかなかしたたかな国です。インドとは何回かしか交渉はしたことないですが、最も難しい交渉相手でした。

-後藤-
産経新聞の連載の中で、 日本が頼りないという風に国民は言うけれど、素晴らしい功績としては、戦後70年くらい、 戦争が1度もないことを挙げていましたよね。なるほど、確かに素晴らしい功績だなと思いました。

-後藤-

では続いての質問です。

日本はバブル崩壊後から、失われた30年とよく言われていますが、グローバルに見て、日本の経済成長や発展が遅れをとってしまったのは、なぜだと思われますか?米国の社会学者エズラ・ボーゲル氏の「Japan as Number One: Lessons for America」の著書が出版された時とは、大きく様変わりしたかと思います。

-藤崎-
そもそもナンバーワンになることもあり得ませんでした。こんな狭い国で資源もなくて、それでも1億人もの人が暮らしている。こんな狭い国土にいるところは、相当な食べ物などを輸入しなきゃいけないんだからナンバーワンになるはずがないのに。友人でしたから言いにくいですが、おだてて本を売ろうという戦略です。

日本は資源もなく背伸びしないことが大事です。米国に言われて産業政策をすっかりやめたのがよかったか。やはりシリコンバレーみたいなものを政府と経済界でつくるべきだったでしょう。

一方で、日本ほどクリーンで快適なところはないと思います。アカセキレイ(安全、確実、清潔、規律、礼節の頭文字)というソフト面が非常に素晴らしい国です。

日本は人口減少化と言いますが、小さな国土の日本に人口1億もの人は本当はいらないかもしれない。国の大きさはせいぜいカリフォルニア州くらいで、そこにアメリカの3分の1の人口がいるんですから。そして日本の80%は山なんです。もう少し、日本の人口は減ってもいいかもしれません。 

昔の自動車産業などのような国内市場なんかいらないんで、例えば台湾のTSMCやフィンランドのノキアのように、国内市場関係なく事業を起こしていく。そういうことも考えながら、産業政策というものを作っていくべきだったんじゃないかなと思うんです。だから、そういうまさにベンチャーなりそういうものをやるということを全然してこなかったのが、ここに繋がっちゃってるんじゃないかなと思いますけどね。

-後藤-
今慌ててというか、5年前ぐらいからですかね、もうとにかくスタートアップベンチャーを後押ししないといけないという流れがありますよね。 政府もそうですし、あと大企業もベンチャー投資を加速したりとか、今やっとという感じなので、本当だったら30年前に進めないといけなかったことが今やっと本腰が入ったと感じています。

-後藤-

それでは最後に、駐米大使時代様々なアメリカの大統領と仕事をされた藤崎さんですが、

これまでにお会いされたアメリカの歴代大統領、もしくは各国の大統領や首相の中で、最も印象深く、心に残っている方は、どなたでしょうか?またそれはなぜですか?

-藤崎-
まずビル・クリントン大統領はね、演説をしてると、400人の聴衆がいても、みんな自分に話してると感じてしまうような話術を持った人らしいんですよ。そして、彼のすごいところは、とんでもない秀才なんですよね。アメリカで1年で50人くらいしか選ばれないローズ・スカラーという大学の優等生しか利用できない奨学制度で、オックスフォード大学に行くんですね。 

ところが、この方は全然授業を聞いていなかったらしいんです。ただね、これは人から聞いた話なんですけど、その50人の秀才たちが 集まって、この中で将来アメリカのリーダーになる人は誰だろうと言ったら、多数が「クリントンだ」といったらしいんですね。

全然勉強してない。でも勉強はできる。それだけじゃなく、一種の人間力だったと思うんですね。秀才ばかり集まって多数がクリントンさんを指名したと言うのはすごい能力ですよね。

それともう1つ、私との関係で申しますと、 小渕元総理が亡くなった時、私は外務省の北米局長だったんです。そのときクリントンさんは小渕元総理のお葬式に来られました。 お葬式の後、赤坂の迎賓館でレセプションがあったんですね。私は北米局長だったので、アメリカの大統領を案内する係だったんです。私が先導役で、クリントンさんを案内しました。その時クリントンさんは、私の後姿を見ることがほとんどで、会話も少しだけだったんですね。

その4ヶ月後に、森元総理が沖縄サミットをやったんです。その時、平和の礎っていうところで、クリントンさんがスピーチをすることになっていました。 実はそのとき、クリントンさんは中東の和平交渉をやっていたので来られるかどうかわからなかったんですよ。でもなんとか来てくださってスピーチをされました。

そのあとクリントンさんと握手をするために列ができたんです。私は、1番前の列にいたんですが、地元の方が握手したいと前のほうに来られたので、私はあとでまた会談の時お話しするタイミングがあるから、どうぞと言って、席を譲って後ろに行ってたんですよ。そしたらクリントンさんが握手をされているときに、ぱっと私を見てね、「お前ここにいるのか!」って言ったんですよ。4ヶ月前に東京で先導役としてお会いしただけなのに、特別な記憶力をお持ちなのか、あるいはこの人は人たらしで有名だから、4人ごとくらいに声をかけていたのかもしれません(笑) そんな人間力のある方でした。

一方で、バラク・オバマ大統領はね、 やっぱり秀才なんですけど、 黒人の方ということもあってなのか、自分が秀才だということを印象づけることを大切にされる方でした。

クリントンさんは自分の秀才さを一切見せないですよね。ここは違いがあるなと思いました。

-後藤-
逆にもう元々能力が高い方だからこそ、脳ある鷹は爪を隠すというか。

-藤崎-
そうなんでしょうね、おそらく。そして白人でもあるしね。
オバマさんもね、とってもかっこよくて、大体出てくるとワイシャツを腕まくりしてるでしょ。だけどね、本当はものすごい詰めの鋭い人なんですよね。

 

-後藤-
本日はお忙しい中、お時間を作っていただき本当にありがとうございました。
たくさんの学びと刺激をいただきましたので、これからの日本社会のために必ずベンチャーエコシステムを作り上げたいと思います。

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【あとがき ~株式会社ディ・ポップスグループ 代表取締役 後藤和寛~】

日本の外交で最も重要とも言える駐米大使や在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使などを歴任された藤崎さんにインタビューさせて頂き、本当に重みのある素晴らしいお話や経験談、そしてアドバイスをたくさん頂く事が出来ました。

あまりに楽しみでワクワクが止まらず、前日は特に、夢の中でも質問させて頂きたいことが頭に浮かぶほどでした。そしてたくさんの質問に、真摯にお答え頂きましたが、そのお答えはどれも会社経営に相通じるものばかりでした。

非常に難しい外交や政治の中で決断を出していく事は、想像を絶するものがあります。経営でもあまりに様々な目の前の事象が、さらに複雑に絡み合っている中から、出来る限り適切な解を出すことが常に求められます。そんな中で、藤崎さんからお話頂いた経験談やアドバイスは、私や、今現在リーダー役を担っている方々だけでなく、未来にその役目を担う方々にも、大変参考になる金言ばかりでした。

こちらの記事では、ストレートな内容のお話も非常に多かったため、掲載が出来ないことも多かったですが(笑)、実際は記事の内容の10倍ほどのインタビューをさせて頂きました。現在でも日米協会の会長や、中曽根平和研究所の顧問(前理事長)など、重職をされていますが、これからの日本の未来のために、藤崎さんの知見や経験を次の若い世代に是非継承していって頂きたいと、切に感じるプライスレスな機会になりました。

最後に、貴重な機会を頂いたことに、心より感謝申し上げます。

 

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D-POPS GROUPでは、現在約24社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2024年3月に新規設立した株式会社PlusPassの平井 雄大 社長へ、インタビューしました。 (こちらのインタビューは、2025年5月に実施しました。) 前編の記事は、こちらからご確認ください。 ◆PlusPass設立後の取り組み -杉原- では、すまっぴーを引き継いで約1年が経ちましたが、事業譲渡後の平井さんなりの工夫や変えたこと、またグループ会社との連携事例などがあれば、教えて下さい。 -平井- ディ・ポップスはどちらかというとリアルで商売をしていて、ユーザーに対しては対面で接客をして、ある意味来てくださったお客様のコンサルティングをしながら、お客様のITリテラシーの向上をサポートさせて頂く事業だとは思っています。 ただ、対社内向けは人材育成企業だと思うんですよね。 最近僕もすまっぴーの今後について考えていて、現時点で思っていることは、人とデジタルを融合させるような支援ができる企業になっていきたいという風に思っています。すまっぴーがデジタル分野に近いので、通信の業界でそれをしっかりとやっていきたいと思ってます。 社会的な課題で考えると、人手不足問題がありますよね。ただ本質的には人はたくさんいて、企業側が理想とする、ちょっと言葉が悪いですけど「使える人」「採用したい人」がいないというのが現状で、割とあぶれてるのが実態だと思っているんです。 要はそこに対しては、スキルや知識が足りないなど、教育の面で解決できることがあるんじゃないかなと思っているので、もっと人にデジタルリテラシーを実装できるような支援ができる企業に最終的にはしていきたいなと思ってます。 グループ会社との連携については、PlusPassとしてはアットマーク・ソリューションの西川さんに大変お世話になっています。事業のことはもちろんですが、インフラの移管なども西川さんに助けていただいたので、どこかでお返ししなきゃなと思ってるぐらいです。そのほかいろんなグループ会社と連携を始めていて、これから動いていくプロジェクトも様々予定しています。 -杉原- 先ほど「すまっぴーは、ユーザーが自分自身にぴったりのプランを選べるようになることを最終ゴールにしています」とおっしゃっていましたが、今後社会に必要なデジタル人材になれるように、自ら新しい領域について学べることを目標にするというのは良いですね。 そのためには、もう少し知見を学べるコンテンツや仕組みなども必要になってくるかと思いますが、何か取り組みをされているのでしょうか。 -平井- 実は少しずつAI領域の整理等を行っていて、すまっぴーの事業にもAIって実装できる範囲が広いのと、使えるようになれば、個人の生産性もかなり上がるので、AI分野の教育もできるようになりたいなと思ってます。 あとは記事コンテンツも増やし始めまして、新規のコンテンツもそうですが、今まである記事のリライトも進めながらコンテンツの充実も図っています。 ◆成長戦略 -杉原- では、長期的な目線でPlusPassの成長戦略を教えて頂けますか。 -平井- 先ほどの話と類似する部分はありますが、すまっぴーは会社を立ち上げるきっかけでしかないと思っています。 ただ譲渡していただいた事業がダメというわけではなく、さらに磨きをかけていける事業だと思ってるのでちゃんと作り込んでいきたいですし、今の時代に合うような体制を作っていきたいなと思っています。要は生産性の高い企業を作っていきたいなと考えています。 じゃあ今後どういう展開したいかというと、先ほどお伝えした通り、人とデジタルを融合させて、国内のデジタルリテラシー向上に貢献できる企業を実現していきたいと考えています。僕はどちらかというとリアルの方で生きてきた人間なので、リアルの事業戦略を持った中でしっかりとクライアントに貢献できるような組織体制を作りたいです。 -杉原- 組織としてはどんな組織をどんな人たちと作っていきたいですか? -平井- まだぼんやりしているところもあるんですけど、まず1つは、自ら新しい領域に行って成長する場を持ちたいのはありますし、僕もその支援をしていきたいというのがあるので、まず成長に対する心意気がある人がいいですね。自分たちのサービス・商品を通して成長した人が、次の人とかその次の人にちゃんと与えられるようになりたいので、自分の成長が世のため人のためになると考えられる人を採用していきたいなと思います。 スキル的には、新しいことに対してヘイトがない人がいいので、今後「AIをやります」とか、「新しいツールを使います」といったときに前向きに捉えられる人とどんどん一緒にやりたいなと思います。 最終的にはディ・ポップスでやっているような、経験もないし素人だけど、PlusPassに入ったらちゃんとスキルがついてパフォーマンスできるというような形にはしたいですね。 ◆冒険旅行や登山について -杉原- ありがとうございます。話は変わりますが、趣味で登山をされていたという話を聞いたことがあります。私も登山が好きなんですが、趣味について教えて頂けますか? -平井- 僕も杉原さんと登山の話がしたいとおもっていたので、嬉しいです。(笑) 登山には大学生の頃にはまりました。当時関西にいたので、滋賀県の伊吹山とか、奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原などでしたが、富士山をきっかけに、3000mぐらいの山を選んで登っていました。 登山の思い出は最初にお話しした日本縦断の話ともつながるのですが、日本縦断の時は途中で内定者研修があったので、北海道の稚内から2週間で東京につかなきゃいけなかったんです。 なので宗谷岬からスタートして、函館から大間のところまで船で行って、当時1年前に東日本大震災があったので、南三陸の方をずれて仙台から東京に行く。ここまでを何とか2週間で間に合って内定者研修に参加できました。その研修が富士山登山の研修だったんです。 僕は富士山に登れることを楽しみにしていたんですけど、その日台風で急遽なくなったんですよ。それがとっても悔しくて。 僕は絶対日本一の山に登りたいと思いながら日本縦断をしていたので、そこから自転車で山梨まで行きました。富士山って5合目までバスや車で行って、5合目から登るんですけど、僕らは日本縦断の中で車に乗るのを禁止していたので、0号目まで自転車で行って山に登って8合目で泊まって、山頂に到着しました。それが本格的な3000m超えの登山でしたね。 そこから高い山にはまって、富士山は多分3回ぐらい登っていて、そのあとは長野のアルプスに登ったりしましたね。そこからはちょっとおかしくなっちゃって、スリル系の山に行くようになりました。(笑)ディ・ポップスに入社してから後輩たちもたくさん連れて行きました。 最初に事業部の後輩たちと登山をすると決めたのは、ちょっとメンタルが弱ってしまって、なんかきっかけあげたらこれから伸びるだろうなっていう子たちのために、自分ができることはなんだろうって考えたときに、1つが、後藤さんがよくやってくださっていた、休みの日に新しい商業を一緒にまわって勉強の機会を創ること。もう1つは、登山でメンタルブレイクをやっていくというのをやりました。いろいろと教えを入れながら一緒に登ったら、視界が開けてくる子がたくさんいましたね。 日本縦断は、稚内から沖縄まで完走しました。基本的には野宿で、途中屋根のある家で寝たのはお互いの実家や祖父母の実家など数か所でした。 -杉原- 登山も日本縦断もかなりアクティブですね(笑) 自転車には昔から乗っていたんですか? -平井- 元々高校生の時に、家から高校まで大体自転車で30分ぐらいの距離を通学していました。それで、サッカーの練習試合とかで結構いろんなところに行ったんですが、バスで移動するか、現地で集合するかを選べる高校だったんです。僕はトレーニングの一環で中学生の時から1時間半ぐらいかかる会場まで自転車で毎回行っていたので、高校の練習試合も自転車で行っていました。2時間・3時間ぐらいかかるところにも自転車で行っていましたね。 日本縦断をやりたいと思ったきっかけが、留学した時なんですよね。 カナダにホームステイで留学した時に、日本のことを全然わかってないなっていう反省があって、普段電車とか飛行機で地方は行くけど、ちゃんと見たらどうなんだろうと思ったのがきっかけです。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- やっぱり冒険的な旅とかハードな登山とかが好きな人って、結構ベンチャー企業向きなのかもしれないですね。 さて、D-POPS GROUPでは「ベンチャーエコシステムの実現を目指す」をスローガンにしていますがその目標に共感する部分はどんなところですか?ベンチャーエコシステム作りを意識した上での活動などはありますか? -平井- 僕が今自信を持ってベンチャーエコシステムに貢献できてるかというと、まだまだこれからだなというのはあるんですけど、ただ本当に後藤さんにめちゃくちゃ育てていただいた恩はいっぱいあるので、その後藤さんからのイムズの継承者としては、ディ・ポップスとしてはもちろん、PlusPassとしてもベンチャーエコシステムにしっかりと貢献できるような会社に早くしたいなと常に思っています。 あと後藤さんからの指導は、会社に対する指導はもちろんありますが、やっぱり人としての指導が1番根幹で中心にあるので、人間性をとにかく磨いて、世の中の人にしっかりと貢献しなきゃいけないなというのはあります。 なので、今やれていることがあるとすれば、例えば、代理店さんや、PlusPassのお客さんとなどに対して、ベンチャーエコシステムにあるリソースにつないだり、逆にベンチャーエコシステム側にもベネフィットがあるような案件があればつないだりなどができるかなと考えています。 商談をする時も、新しいお客さんに会うときも、毎回「この人のためになることはなんだろう」というのを考えながら商談していて、その時はディ・ポップスとPlusPassだけじゃなくて、ディ・ポップスグループが持ってる商材やサービスがちゃんと頭に入ってる状態でお客さんとリレーションをとるようにしていますね。 自分自身で課題だなと思っているのは、ベンチャーエコシステムの一環で行っている投資会社説明会にも出させていただいたときに、グループ会社や投資会社についてもっと勉強しないとなってすごく思ったので、もっと積極的にベンチャーエコシステムの仲間について頭に入れてより貢献したいなと思っています。 ◆5年後の理想の姿 -杉原- それでは、平井社長及びPlus Pass社の5年後の理想の姿とは? -平井- すまっぴーの事業はしっかりと推進させて、今僕が考えていることは完成させたいなと思ってます。 もう1つ解像度を上げてやらなきゃいけないなと思ってるのは、さっきお伝えした方針の、人とデジタルを融合させて貢献するというところは、どちらかというと新規の事業に当てはまるので、新規事業を進めていくためにも人を雇用して体制を作り事業を推進していきたいです。 -杉原- それに向けての課題はありますか? -平井- 大きく2つなんですけど、戦略の解像度をしっかりと上げることと、投資できる利益を既存事業をベースにしっかりと上げることのこの2点がしっかりできないと次に進めないと思ってるので、まずはこの2点を進めていきます。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- 最後に、このHPを訪問した読者の方に一言お願いします。 -平井- 新卒の方も、ベンチャーエコシステムに興味がある方も含めてにはなりますが、ディ・ポップスグループって後藤社長を中心に、本当に他にはない事業体を作ろうとしていて、世の中一般的にあるグループ体の親会社とは全く違う形なんですね。組織としてめちゃくちゃユニークだなと思ってます。 ディ・ポップスグループに来ていただくとわかると思うんですけど、個人の裁量が大きいので、傘下に入ったからデメリットがあるってことは逆にほとんどないのかなと感じています。ぜひ挑戦という意味でディ・ポップスグループに入っていただける方がいらっしゃるんだったら、一緒にベンチャーエコシステムの成長に貢献していきたいですし、むしろたくさん学ばせていただきたいなという風に考えています。 新卒の方たちに対しては、僕は10年やっててよかったなって本当に思っています。3年などの短い期間で企業を判断する方も多いかもしれないですけど、10年いたからこそ厳しく指導してもらった経験も自分の身になっています。会社に所属する時間軸を、世の中一般的な3年~5年とかじゃなくて、10年以上所属していて良かったなと感じる体験って絶対できると思うので、その努力ができる人たちが集まってくれるといいなっていう風に思います。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/
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2025.07.08
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D-POPS GROUPでは、現在約24社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2024年3月に新規設立した株式会社PlusPassの平井 雄大 社長へ、インタビューしました。 ◆ディ・ポップスへの入社経緯 -杉原- 今回は、PlusPass 代表取締役の平井社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します! 平井さんは2014年の4月にディ・ポップスに新卒入社されましたね。当時の就活の状況やディ・ポップスに入社を決めた動機などを教えていただけますか? -平井- 僕は京都産業大学出身なのですが、元々プロのサッカー選手を目指していました。 中学生の頃は、コンサドーレ札幌というJリーグの下部組織に入っていて、高校は北海道の北海高校にスポーツ推薦で入りました。 大学では、高校の時に個人ではケガもあり、チームとしては全国大会にも届かなかったこともあり推薦が取れず、初めて受験で入ったんです。大学では部活には入れなかったんですけど、別でチームを立ち上げて全国大会までいきました。その後イタリアで最後のチャンスとしてトライアウトを受けて、落ちてしまったのでサッカーを諦めました。 そこからいざ就職しようとなった時に、たまたまディ・ポップスと出会いました。 僕は当時、大学4年生の5月から自転車で日本縦断をやると決めていたので、就活は大学3年生の2月から3ヶ月間しかやらないって決めていました。 当時は京都の路地裏にある個人経営の飲食店でアルバイトをやってたんですけど、その飲食店が有限会社から株式会社になっていく様を一緒に社長とやってた時に、僕も将来経営者になりたいなと思うようになりました。 就活をする中でたまたまディ・ポップスと出会ったんですが、経営者になる修行ができる場所として企業選びをしていたので、創業者の後藤さんと出会ったときにバチコンとはまるものがありました。 後藤さんと面接をしたことがある人ならみんな言うと思いますが、後藤さんと初めて会った時、僕が1つのことを話すと100以上の反応が返ってきたんです。「うわ、こんな人いるんだ!」とそのとき驚きました。その時に後藤さんの話の濃さについていけなかったので、この人の元にいたら絶対成長できるなと感じたんです。 ほかの大手企業も面接を受けてみたんですが、役員面接で聞かれることや話す内容が本当に薄かったんです。人事の人は熱かったのに、役員面接になると急に温度感が下がる。 ディ・ポップスだけだったんです。面接を重ねる度に熱量が10倍、100倍になっていく。そんな会社は他になかったですし、会社のみんなも本気だとわかったので、やっぱりディ・ポップスに行きたいと思いました。 -杉原- 大手企業も受けたんですね。迷いませんでしたか? -平井- 一瞬だけ迷った瞬間もありましたが、最後は悔いなくしっかり決断しました! 当時大企業の最終面接スケジュールまで決まっていました。でもあんまり気合いが入らなかったんですよね。僕は京都から東京に面接のために上京していたので、大企業の面接を受けた帰りに、どうなったとしてもディ・ポップスに入りたいなと思ったので、内定承諾書を持って後藤さんに会いに行って、「お世話になります」って伝えました。 -杉原- 学生の時にはもう起業家マインドがあったんですね。学生時代のアルバイトの経験から起業したいと思ったとおっしゃっていましたが、アルバイトでの経験を教えてください。 -平井- 居酒屋割烹のお店でアルバイトをしていたんですが、京都に本社があるGSユアサさんや京セラさんなどが会食で使ってくださるようなお店でした。 そのお店は社長が全て任せてくれるので、僕はアルバイトながら給与振り込みをやったりシフトを作ったり、なぜか正社員の面接もしていたんです。(笑) 新店舗オープンのレセプションの調整をやったり、社長の接待にも一緒に行かせてもらったりして、「社長って、こういう感じなんだ」というものを経験させてもらいました。学生の時から社長にいろんな経験をさせてもらったおかげで、周りの飲食経営者の皆さんからもすごい可愛がっていただいて、「もっと頑張れよ」とか声をかけてもらって刺激をいただきました。そういった社長の仕事に触れていた経験から起業したいと思うようになりました。 ◆ターニングポイント -杉原- 入社してから11年になりますが、この11年を振り返るといかがですか?長かったですか?あっという間でしたか? -平井- あっという間ですね。年を取るたびに1年めっちゃ早いと感じますし、やっぱり10年以上続けてこられて良かったなと感じています。 ディ・ポップスに入社してから11年、順風満帆で、右肩上がりで成長出来ているなんてことは全くなかったです。ただ、ちょっとずつ波を上げていく、少しずつ成長していくというのはあったのかなと思っています。 ターニングポイントは色々あったんですが、1番大きかったのは、入社して3年目の時に楽天モバイルの立ち上げをやらせていただいたことです。ディ・ポップスで楽天モバイルショップの立ち上げをやるとなったときに、当時ディ・ポップスの営業本部長で、現在グループ会社の社長である岩間さんからお話をいただいたんですけど、それがターニングポイントでしたね。 当時、とっても生意気だったんですけど、岩間さんに「ディ・ポップスって日本一の店舗ってないですよね。僕作りたいんですよ。」ってラーメンを食べながら話したら、岩間さんが「やろう」って言ってくれて、その年、楽天ショップ5店舗を岩間さんが出店してくれました。ディ・ポップスはほかのキャリアもやっているので、他社さんとリレーションも楽天さんとの交渉も大変だったと思います。 楽天モバイルの立ち上げ部長をやらせていただいて、今では楽天モバイルで何度も日本一を獲得するようになりました。 2つ目のターニングポイントは、KDDI事業部のV字回復です。入社6年目のときに、当時KDDI事業部がauショップ8店舗、UQスポット3店舗あった時代で、月間でかなりの赤字を出している店舗が複数ありました。 会社としても苦しい事業になっていて、組織もみんなネガティブな状態だったんですけど、僕に事業部長を任せてもらってから、最終的に直近3年間の中で過去最高益で着地しました。そのときは、組織を作るというよりは、マイナスをどうやってプラスにするかという状況だったので、組織をもう一度作り直した経験が大きかったです。 そのあと入社当時に所属していた併売店の担当にもう一度戻ったんですが、そのころからディ・ポップスグループの常務取締役(元ヨドバシカメラ 執行役員 事業本部長)で、ディ・ポップスの副会長でもある渡辺さんにマンツーマンで本格的に仕事をやるようになったんですが、渡辺さんに鍛えてもらったから今の僕があるのなと感じています。 当時僕は渡辺さんに全然ついていけなかったんです。ディ・ポップスの転換期、現在代表の増田社長と渡辺さん体制だったころ、僕の中で「本当にもうディ・ポップスについていけないな」と感じた時があったんです。 でも、逃げてもダメだなと思ったので、週末に渡辺さんの事務所に行くと決めて2~3年ぐらい通っていました。そこから渡辺さんと話せるようになって、だんだん話も理解できるようになったことが3つ目のターニングポイントですね。 あの時は、自分の立ち回り方にも悩みました。2番手としてほんとはうまくやる必要があったんですが、物事をまとめる力が僕にはありませんでした。だからまず1回、渡辺さんの方に立ち向かっていこうと決めました。 ◆PlusPassの設立経緯 -杉原- 素晴らしいですね。私も経験がありますが、昭和の時代だからということではなくて、いつの時代でも、厳しい上司とか厳しい先輩って必ずいます。そして厳しさのある先輩って、厳しいからこそ実績がある。 厳しい先輩に出会って逃げてたら、多分いつまでも逃げることになる。そこで食らいついていくことで、そのレベルに近づける。平井さんにはその根性があったんですね。 そして入社11年目となる昨年3月に、今のPlus Passの社長に就任されました。Plus Pass社の社長就任の経緯を教えていただけますか? -平井- 設立のきっかけは後藤さんにいただきました。一昨年の12月ぐらいに後藤さんから、「事業譲渡の話を進めていて、新設会社を立てて受け入れようと思っているんだけど、やってみる?」と有難いことにオファーをいただきました。 ただその代わり、翌年の2月には会社設立と事業譲渡を全部終わらせるから、残り3か月くらいでの準備となるけど、それでもやる覚悟があるかと言われまして、「やります!」とお伝えしました。 後藤さんには、「いつか起業したい」「社長としてパフォーマンスしていきたい」という話をずっと伝えていました。それを覚えていてくださったのかなと思います。 事業に関しては、僕もやったことのない事業をやることになったり、デューデリジェンスにも初めて同席させていただいたりして分からないことだらけではあったんですが、決断しないと進まないということもあったので、後藤さんに背中を押していただいてやることにしました。 -杉原- 大きな決断でしたね。ちなみに現在はディ・ポップスと兼務でPlusPassを経営されているんですよね。どのようにバランスを取っているんですか? -平井- 現状は、ディ・ポップスの割合のほうが比較的多い状況ではあります。 一方で、ディ・ポップスが通信事業で直接キャリアと交渉ができる事業で、PlusPassが広告代理店と交渉できる事業で、やはり両方に所属していることで出来ることも増える印象はあります。 ◆事業概要 -杉原- それは活かすべきですね。それではPlus Pass社の事業概要をご紹介いただけますか。 -平井- 「すまっぴー」という格安SIMの比較メディアの運営をしています。 すまっぴーは、ユーザーが自分自身にぴったりのプランを選べるようになることを最終ゴールにしています。通信業界って8割前後ぐらいが自分に合ってるプランを使ってないという実態があり、その要因は自分で選びづらいことが大きくあると思っているので、ユーザーが自分自身でプランを選べるようになるようなメディア運営を行いたいと思っています。 あとは、youtubeでも情報発信を行っています。 -杉原- すまっぴーは今後もスマホ専門のメディア運営を続けていく予定なのでしょうか。 -平井- 今のところはその予定です。ただ、今商材を増やしているので今後広がる可能性もあります。通信に関連する商材で、よりユーザーの選択肢を増やしていきたいと思っているので、例えばクレジットカードや証券口座、銀行、ポイント、決済などは今後揃えていきたいなと思っています。スマホが中心ではありますが、メディアとしては通信生活のコンサルメディアになっていくと考えています。 -杉原- 今後が楽しみですね。それでは、すまっぴーの特徴や類似他社製品に対しての競争優位性などを教えてください。 -平井- 事業的にはシンプルな状態で、かつ比較メディアの中では販売ボリュームがかなり多いです。背景としては、運用の仕方で今リスティングが中心なんですが、リスティング中心でやっている比較サイトがほぼないので、この点が一番競合優位性があるなと思っています。 ただ、今のままだと比較的真似もされやすい状態ではあるので、もっとこう複合的にビジネスを組み立てる必要があります。   ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【株式会社PlusPass】 代表者:代表取締役 平井 雄大 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2024年3月1日 U R L:https://plus-pass.com/   次回後編のインタビューでは、 ・PlusPass設立後の取り組み ・成長戦略 ・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて ・5年後の理想の姿 などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!  
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2025.07.01
【グループ会社インタビュー】 株式会社アットマーク・ソリューション 西川 明夫 代表取締役COO 松谷 頼人 代表取締役CFO ~後編~
D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2021年にグループ入りした株式会社アットマーク・ソリューションの代表取締役COO 西川 明夫さんと代表取締役CFO 松谷 頼人さんへ、インタビューしました。 (こちらのインタビューは、2025年4月に実施しました。) 前編の記事は、こちらからご確認ください。 ◆最大の強み・特徴 -杉原- エンジニアという職種のやることがどんどん高度化していきますね。 コーディングはやらなくてよい。ただし、どういう構造のプログラムで、どんなインターフェースで、どんな仕様のプロダクトを作るべきか。そこのコーディネートができることが大事ですよね。 そういった方向に向けて、アットマーク・ソリューションの、最大の強み、特徴は何でしょうか? -西川- これは冒頭にお伝えしたどういった事業をやっているかというところにも関係してるんですが、上物のアプリケーションを作るというところだけではなくて、インフラの部分から構築・提案ができるっていうところが強みだと思っています。 それこそ、システムとかサービスって、なんだかんだインフラの基盤の上に乗っかってくるものですので、基盤からトータルでご提案できるというところは1つ強みかなと思っています。 そして、ディレクションができるメンバーを専任で置いていますので、クライアントさんが思っていることとしっかり向き合ってエンジニアに伝えていくことができます。 アットマーク・ソリューションは広い意味でSIerという風に捉えてはいただくんですけれども、そうなるとエンジニアさんの会社だからコミュニケーションが難しい会社さんもたまにある中で、アットマークは「ディレクションの方がいるので相談しやすくていいですよね」というのはよく言っていただけます。この点は強みですね。 -杉原- それは本当に需要がありますね。AIがどれだけ普及しても、最後は人間味とか空気が読めるなど、人間でしかできないところが必要になりますよね。人とのコミュニケーションという部分で差別化すべきですね。 -西川- そうですね。外資系企業、特に海外の企業ですと、エンジニアさんってもうプロフェッショナルにコードをかければいいみたいなことが神格化されてるというか、打ち合わせも何も出ないけど、とにかく生産性が高いからいいということがあります。 ただ私たちはどちらかというとコミュニケーションも大事にしたいですし、大切にしているということをクライアントさんにも知っていただきたいと思ってますので、ディレクションができるメンバーを置いてるっていうところですね。 -杉原- クライアントさんの規模には、特徴ってあるんですか。 -松谷- あまり規模で固めてはいないですが、大企業の案件もありますし、自社サービスで最近展開し始めた新興企業さんもあります。業種で言うと、受託してる案件はtoC向けのサービスを展開してるもののサポートが多いんですね。 SESは元々大規模系の案件が多いです。 -杉原- アットマーク・ソリューションに案件を依頼される企業さんはどういった理由が多いんでしょうか。例えばコードを書く部分をお願いしたい、人手が足りないからお願いしたいなどどういった理由なんでしょうか。 -西川- どちらかというと後者です。人手が足りないという部分と、あとは人脈的なところが多いです。エンジニアさんがそもそも社内にいないというケースを伴走支援させていただいてる案件も最近増えてきています。 それこそ先ほどあった自社サービスをやっているようなクライアントさんですと、プロモーションとかマーケティングのチームは社内にあるんですが、開発ができるエンジニアさんが1人もいないみたいな会社が結構あります。 例えば、これまで10年ほど特定のアプリをリリースして運用されているんですが、エンジニアさんがいないので、これまでも各ベンダーに依頼をしてきたものを今引き継いでやっているとかも、案件として増えてきています。 ◆採用について -杉原- ところで、世の中全般的に日本はエンジニア不足と言われていますよね。 アットマーク・ソリューションは採用に対してどのように取り組んでいるんですか。 -松谷- エンジニア採用としては、一昨年ぐらいが1番の年収バブルでとにかく年収高ければ高いところに行くというような状態だったんですけど、AIがたくさん出てきて、今後エンジニアがいらなくなるのではという流れが出てきて、今は少し落ち着いています。 ただ、今でも現状エンジニアの数はずっと足りていないので、比較的他業種と比べたら年収は高い状態ではあります。 アットマーク・ソリューションでは20年間色々試してきた結果、採用としては新卒が一番相性がいいです。新卒の方に来ていただいてちゃんと教育をするというのがサイクルとしていいので、新卒に力を入れています。 去年はインターンの採用を行いました。インターンといっても数日ではなくて、年間を通して来ていただいて、案件を社員のエンジニアの数時間分だけやってもらうとか、人によってはフルで働いてもらうなど、トータル20名ぐらいの長期インターンを行いました。 インターンで入ってくれた方たちは、うちに入ってくれたら嬉しいんですが、優秀な人が多いので、直近だとサイバーエージェントやDMM、IBMなどに入社していました。 -杉原- そんな優秀な学生さんたちは、アットマーク・ソリューションのインターンにどうして応募してこられたんでしょうか。 -松谷- 皆さんにヒアリングした結果、去年は特にモバイルのFlutterのようにある程度パッケージ化されてるものが流行っていたんですけど、少し経験を積んだ学生さんは、アットマークのようにラボとか受託で社内の案件をやっていたり、ネイティブで自分でごりごりコードを書くような案件をやりたいという学生が多かったんです。 優秀な人ほど、ちゃんと自分で書くのを1回やってみたいというニーズがあり、応募してくれました。 最初の説明の時に「次世代生成を経営理念にしているので、弊社でたくさん経験して活躍できる人材になってください」とお伝えしていたんです。日本のITは諸外国に比べてまだ伸びしろがあるので、優秀なIT人材が増えることが我々にとっても嬉しいことで、パートナーとしても繋がれるので今後が楽しみです。 -杉原- ここで経営理念が生きてくるんですね。アットマーク・ソリューションでインターンをした学生が優秀なIT人財として活躍して、何年後かにアットマーク・ソリューションに転職してくるようなケースが出てくるととてもうれしいことですね。 今後の採用の戦略を教えてください。 -西川- 現在エンジニアが35名程いますが、これから増やしていきたいと考えています。 最大でも10年を目途に200名ぐらいにはしたいです。 -杉原- いい目標ですね!新卒採用だけではなく中途も採用されるのでしょうか。 -松谷- そうですね、中途というか未経験者の採用に力を入れようと思っています。 特に20代などの若い方でスクールに行って勉強している方や、最近だとスクールには行かずに勉強してる方もいらっしゃいます。エンジニアになるにはどうしても興味・関心、好奇心などが必要なので、興味を持って勉強されている方などを採用できたらと思っています。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- D-POPS GROUPは、「社会に変革をもたらす多数の成長ベンチャーを輩出する」をビジョンに掲げています。一言で言えば、「ベンチャーエコシステムの実現」を目指していますが、このベンチャーエコシステムに対してどんな感想を持たれますか? -西川- まずは非常にありがたい環境にいさせていただいてるなと、日々思っています。特に財務の部分では、ディ・ポップスグループに大変心強いサポートをいただいております。 本来であれば、財務面に関しては経営において非常に重要な部分だと思っているのですが、サポートしていただいているおかげで、本業に専念できています。グループとしてその環境を用意していただけてるのはとてもありがたいことだなと感じています。 たぶんこの環境になければ、そもそも採用をどうしようかなどの議論もできていませんし、戦略的にどういうところに投資をしていきたいみたいな話もできません。本当に助けていただいてると思ってます。 -松谷- 私も西川さんとほとんど一緒の感想ではありますが、こんなに面白い環境というか仕組みはなかなかないと思っています。ベンチャーエコシステムというものが目指している座組・人物像って、とにかくチャレンジャーで、でも人はすごく優しくて温和というか。同志という感じもしますし、戦ってる感じもしますし、そういう文化が根付いているのってなかなかないと思います。 その中でいろんなものに挑戦できるし、挑戦するための仕組みもありますよね。例えばアドバイザーさんが皆さんいらっしゃって気軽に相談できることも大きいです。とにかくこういう環境にいることをすごいありがたいなと実感しています。 -杉原- そうですね。ディ・ポップスグループは挑戦に関して二つ大事にしていますよね。 まず、挑戦した人の成功確率を上げる。完璧じゃないにしても、仕組みや環境づくりに努めています。 そして挑戦してうまくいかなくても、またそのエコシステムの中で再挑戦できる。実際に再挑戦した事例がいっぱいあります。 -松谷- そうですね。グループ内での競争もあるし、助け合いもある。グループシナジーを生むという場面もいっぱいあるのでありがたいです。 大体M&Aというと、本部から厳しく指導されるイメージがどこでもあると思いますが、ディ・ポップスグループはほとんどないです。本当の意味でのサポート体制はありますが、厳しく指導されるということはまずないです。 ◆グループシナジー(IT3社の連携) -杉原- 代表の後藤さんが経営者の気持ちが1番わかるからこそ、経営者の意思を尊重しながら一緒になって会社を作っていくということを大事にしているんでしょうね。 そんなベンチャーエコシステムの一環として見えるんですけども、アットマーク・ソリューション×テックビーンズ×アイデアランプで最近事業をされていると伺いました。どういった流れで3社で提携することになったのでしょうか?現在の状況などお伺いしてもいいですか? -松谷- 元々はIT系エンジニアを抱えている会社はアットマーク・ソリューションと、テックビーンズの2社で、以前から連携はしていてテックビーンズで受けた案件に我々も入るとか、逆もまたしかりという形でやっていました。去年ぐらいにアイデアランプさんがジョインしてちょうど3社になったので、より具体化することになりました。 なので、実際に3社一緒に入ってる案件もあったり、一緒に提案しに行ったり、お互い2社同士でやっていたりなど様々な形で連携しています。 メンバー同士も顔見知りになれるような機会をつくったり、勉強会を3社合同開催したりなども考えていて、これからどんどん進めていこうと考えています。 -杉原- 勉強会といえば、先日ディ・ポップスグループの投資先であるBLUEISHさんによる事業説明と質疑応答の場がありましたよね。その時の懇親会で、BLUEISHの為藤社長と西川さんが、すごく盛り上がっていた印象がありますが、ベンチャーエコシステムメンバーからの学びというのはありましたか? -西川- 盛り上がりましたね!私の中では、結構為藤社長が衝撃的でした。プレゼンの仕方も印象的でしたが、実際の事業内容も、元々は受託事業をされていたところから、業界動向を組んだ上でAIに舵を切られて、その中でも、AIエージェントに注力しているという発表をされていたのが本当に衝撃的でした。 AI活用、最近ですとAI駆動開発などいわれたりするんですが、正直私自身知識が少なかったなと思うのですが、為藤社長がおっしゃっている言葉もある程度わかるけれども、ちょっと調べないとなと強く思ったんです。 そこから自分の中でインプットする内容をちょっと変えていきました。 BLUEISHの勉強会をきっかけにして、AIを活用したコンサルテーションをやっていきたいという発想に繋がってきているなと思っていますので、大変勉強になりました。 ◆5年後の理想の姿・それに向けての課題 -杉原- 勉強になったとのこと、開催してよかったです。これからもベンチャーエコシステム内で連携できるような場を作っていきたいと思います。 それではアットマーク・ソリューションさんの5年後の理想の姿・それに向けての課題をそれぞれ教えてください。 -西川- まず数字の観点で言うと売上も大事だと思っていまして、今のアットマーク・ソリューションは3億円ぐらいの会社ですが、それを30億円にしたいなと思っています。 そのためには、私も含めてもっとメンバーがスキルアップをしていかないといけないと思っていますので、AI活用やラボ型開発に注力していき、クライアントのプロジェクト伴走支援させていただきながらもっとスキルアップに努めていくように取り組んでいきたいです。 課題としては、私が本当に強く思ってるんですが、私たち自体の成長が1番課題だろうなと思っています。 なんでそう思ったのかというと、2年ほど前に後藤代表からお声がけいただいて、ファインドスターグループの総会に出席させていただいたことがきっかけです。 その時に、ファインドスターグループの代表であり、ディ・ポップスグループの社外取締役でもある内藤社長が、「会社の成長とかこの先どこまで飛躍できるのかは、その組織のリーダーやトップにかかっているんだよ」というお話をされていました。 それが私の中ですごく残っていまして、従業員の成長に目を向けてしまいがちですが、そんなことよりも、まず最初に自分たちの天井を上げないことには会社としての天井が上がんないんだろうなと感じておりますので、まずは自分たちが成長していこうと思います。 -松谷- 私は、ディ・ポップスグループの中でデジタル人材のハブになりたいです。弊社も含めて、アイデアランプやテックビーンズも含めて、デジタルに関連するものをやろうと思った時に、とりあえずここに相談しようと集まれる場所になっていきたいなとを強く思っています。 それに向けての課題は、このエコシステムって特に経営者にとって学べる場所がたくさんあるので、学んで吸収しながらより多くのアウトプットをしていくことだとおもっています。 そして私自身はコミュニティをどんどん作っていきたいなと思っているので、とにかく行動しまくるというのが課題かなと思っています。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- それでは最後に、ホームページ訪問した読者の方にそれぞれ一言お願いします。 -西川- お読みいただいてありがとうございました。私たちはシステムやITの専門家集団でありますので、ITに関するご相談があれば、まずは思い出していただけたらと思いますし、いつでも飲みに行きましょう!(笑) -松谷- ディ・ポップスグループはすごく面白いグループなので、興味持たれた方はぜひ一度ヒカリエに来ていただけたらと思います。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社アットマーク・ソリューション】 代表者:代表取締役CEO 増田 勝人 代表取締役COO 西川 明夫 代表取締役CFO 松谷 頼人 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:2005年7月 サイト:https://atmarksol.jp/
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