COLUMN

【グループ会社インタビュー】 株式会社グッド・クルー 堀 哲郎 社長 ~前編~

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  • グループ企業
2025.03.18

D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。
今回は、ディ・ポップスグループのグループ会社第1号である株式会社グッド・クルーの堀 哲郎 社長へ、インタビューしました。
(こちらのインタビューは、2025年2月に実施しました。)

◆設立の経緯

-杉原-
今回は、グッド・クルーの堀社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します!

堀さんは、ディ・ポップスの創業間もない頃から社員として会社を盛り上げてきたと伺っています。グッド・クルーはディ・ポップスグループのグループ会社第1号ですけれども、堀さんはグッド・クルーをご自身で創業されたのでしょうか。それとも設立後にディ・ポップスから移動されたのでしょうか。

-堀-
結論は後者です。グッド・クルー立ち上げの目的は、ディ・ポップスのモバイルショップに人材を供給することと、立地の良い店舗を活かしてモバイル販促イベントを行い、別軸で収益を立てることでした。

誰か適任者がいないか探していたところ、店長時代にモバイルイベントのディレクターをしていた男性をスカウトし、「人材会社を作るけど社長やらない?」と声をかけたのが始まりです。

-杉原-
では設立時は堀さんがお誘いした方が社長だったんですね。
その当時は、堀さんはディ・ポップスのモバイルショップの店長だったんですか?

-堀-
私が入社した当時はモバイルショップの店長でした。(1999~2005年)
私が店長をやっていたモバイル店は、今はもうないお店もあると思いますが、大宮の店舗と、八重洲・小岩・高円寺・渋谷などの新店舗の立ち上げをやりました。

-杉原-
1999年入社なんですね!ディ・ポップスは1998年創業なので、後藤社長が会社を設立されて1年後に入社されたんですね。最古参ということでしょうか?(笑)

-堀-
そうですね。長くいさせてもらってまいす(笑)。

-杉原-
グッド・クルーは新しい業態として設立して、スムーズに立ち上げできたんですか?

-堀-
セールスプロモーション事業は、当時の代表の経験もあってすぐに立ち上がりました。1年後に派遣事業も始まり、売上は3億円ほどまで伸びたものの、その後しばらく停滞。ディ・ポップスにスタッフを送るのが主な目的だったんですよね。

◆社長就任までの経緯

-杉原-
そこから堀さんが社長に就任したのはいつなんですか。

-堀-
2016年の10月です。
もともとディ・ポップスで人事をしていましたが、途中からグッド・クルーでは経営企画や新卒採用、研修、人事評価の仕組みづくりにも関わっていました。当時、人材開発に興味があり、自分のキャリアについても考えていましたね。

特に18~20代前半の就職はうまくいかないことが多く、十分な教育が受けられていないのが原因の一つだと感じていました。ディ・ポップスは採用基準が高く、多くの人を不合格にしていましたが、しっかり育てれば活躍の場を広げられるのではと思っていました。

高校を訪問して気づいたのは、惰性で大学に進学する人が多いこと。アルバイトや職場の上司から学ぶだけでは、せっかくの能力を活かせないまま年齢を重ねてしまう。中途採用でもそういう人が多く、社会人になってからの教育がもっと重要なんじゃないかと考え始めました。一度は起業も考えましたが、そもそも「学ぶ場」とは何かを考え直したんです。

社会人になると家で勉強することは少なくなり、「とりあえず仕事していればいい」となりがち。でも、仕事をしながら学び、自分のキャリアと向き合える環境を作れないかと考えたとき、いろんな職種を体験できることが重要だと気づきました。

最初は営業がいいと思って始めても違ったり、ものづくりを目指しても合わなかったり。僕もメーカーで設計をしていましたが違和感があり、今は全く違う仕事をしています(笑)。だからこそ、実際に体験しながら自分に合う仕事を見つける場が必要だと感じました。

そこで、派遣なら「お試しで働く」ことができると気づいたんです。何をやりたいかわからない人が、いろいろ経験しながら天職を見つける準備期間として活用できる仕組みを作れないかと。

この派遣の仕組みを活かして、グッド・クルーのビジネスをブラッシュアップし、世の中に貢献できる形にしていこうと考えました。

◆グッド・クルーのこれまでについて

-杉原-
そこで挑戦されたんですね。グッド・クルーのこれまでを振り返るといかがでしたか。

-堀-
グッド・クルーの設立が2006年、私がグッド・クルーの代表になってからは8年ほどにはなるのですが、私が2016年に入った当時は売上高10億円規模にまで成長していました。
そこから勢いに乗せて2019年で20億円を突破し、よしこのまま行くぞ!というタイミングの翌年にコロナがあって、セールスプロモーション事業がほぼ無くなりました。この事業の売上高で大体6億円ぐらいあったので、それがほぼ全部吹き飛びました。利益は30%以上減少したので、かなり大きな影響がありました。
そこからの3~4年間っていうのは、もうほんとに地べたを這いつくばる思いでした。
そんな中、会社に残って共に頑張ってくれたメンバーには本当に感謝しかありません。

-杉原-
グループの代表の後藤さんは、”逆風だからリストラしよう”という文化ではないですよね。リストラをせずにどうやって乗り越えたんですか?

-堀-
そうですね。当時は本部メンバーに全部正直に現状の経営状況を話して、一部の方には現場に戻ってもらいました。そこからグループアドバイザーの渡辺さん協力のもとV字回復プロジェクトとして、採用、定着、粗利向上、コストコントロールという4つの軸を据えてやっていきました。

-杉原-
今年度の着地見込みはコロナの頃と比べて、V字回復されたんですか?

-堀-
営業利益自体は、2020年度は赤字でしたので、大体+6000万円ぐらい回復しました。赤字の状態から脱出できたのは大きいかなと思います。

ただ、本当にこの4年間で、原因はコロナだけじゃないなというのを知ったのも大きな収穫でしたね。
完全に私自身の経営力の低さなんだっていうことに気づいたんです。
周りからは「今更?」って言われたんですけど(笑)、すごくそこは実感できたなと思います。

会社の代表として、困難があった時、未来を見据える上で、どういったことを進めるべきなのか、本当の意味で僕たちの会社がやりたいことってなんなのか、尚且つ、ちゃんとビジネスをしっかり継続させないとそもそも社会貢献にならないということにも立ち返りました。

-杉原-
その困難のおかげで鍛えられたんですね。その上でのV字回復中ということですね。

-堀-
はい、働く人たちもグッド・クルーで働きたいという人たちがいるわけで、そもそも会社のMission-Visionを実現するために、その構造をしっかり作っていくということが大事なんだっていうのは、すごく勉強になった4年間ではありました。

2025年度は。2024年である程度形が見えてきて、2025年は、採用強化と利益向上の年として見据える1年となります。

この2年間で強化してきた稼働メンバーたちの定着年数に対する施策の成果が出始めてきました。そのノウハウをベースに事業を加速させていきます。

◆事業概要

-杉原-
ありがとうございます。改めてグッド・クルーの事業概要を簡単にご紹介していただけますか。

-堀-
グッド・クルーは、成長支援型の人材派遣事業を展開しています。現在、売上の70%が人材支援事業、30%が劇場特化型のロビープロモーション事業で、今期から研修事業も立ち上げる予定です。

私たちのミッションは、「働くヒト」と「企業」、双方のニーズを解決し、人づくりを通じて世の中を元気にすること。ビジョンは、環境とチャンスを提供し、自分の人生をコントロールできるようにすること。そして、バリューは、人財価値を高め、魅力的な人材を育成することです。

人材支援では、キャリアプラットフォームを活用し、働きながら学べる環境を提供。主に通信業界で、販売・接客(ドコモショップやauショップ、オンライン接客)、法人営業、営業アシスタント、サポートセンター、採用アシスタント、事務など、経験や希望に応じた職種に配属され、異動も可能な仕組みになっています。

コロナ禍を経て、定着率向上がビジネス成功の鍵だと考え、「成長実感プログラム」を導入しました。自分や他者を知り、キャリアステップを明確にすることで、定着年数が2年から3年に延びました。

この成功をもとに、他社でも活用できるようパッケージ化し、今年6月から本格展開を予定しています。

-杉原-
そういうことで言うと、派遣業が70%ととても大きな比率を占める主力のサービスですけども、人材の採用はどのように獲得されているんですか。

-堀-
まず基本的にこの派遣業界の中でもちょっと特殊で、登録派遣ではなく正社員を雇用して派遣するっていう仕組みをとっています。
なので、しっかり教育したメンバーを派遣できるので人材の質(感情移入能力)及び短期でなく長期で人材を提供できるという部分で差別化を図っています。

採用としては、基本的にはエージェントを使って採用するということを行っておりますが、単価上昇傾向でもありますので、広告媒体やSNSにて採用できるように活用し、ノウハウを蓄積しています。

‐杉原-
最近の採用のトレンドなどはありますか。

‐堀-
最近の採用はSNSが主流になってきていて、スタートアップ企業がインスタ広告で募集をかける例も増えています。グッド・クルーでも活用していますが、AIによるスカウトメールサービスも登場し、採用にもAIが入ってきていると実感します。

だからこそ、良いことばかり並べるのではなく、会社の評判や口コミへの誠実な対応が重要になってきます。ただ、最後に企業の魅力を伝えるのは、やっぱり人間の仕事ですね。

-杉原-
そうですね。単純なコールをかけて、職務経歴をヒアリングして、それをエントリーシートに落とし込んでっていうとこはAIがどんどんやっていく。この人に適した仕事はこういうのがありますよと掲示するのは、AIでもできるけれども、あなたにいかにふさわしいかってサポートするような仕事は人の仕事として残ると思います。

 

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

【株式会社 グッド・クルー】
代表者:代表取締役社長 堀 哲郎
所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F
設 立:2006年7月10日
サイト:https://www.good-crew.co.jp/

 

次回後編のインタビューでは、
・同業他社に比べて優れているポイント
・「感情移入能力」と「感情移入接客」について
・ディ・ポップスに入社したきっかけ
・ディ・ポップスグループ 代表後藤とのエピソード
・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

 

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  • INTERVIEW
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2025.05.28
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-増田- 実力主義で勝負するのか、とにかく丁寧な販売をするのか、やっぱりここは1番難しいですね。というのも、やはり数を求めるとどうしても品質が下がるんですよね。そのため業界全体としても多くのコンプライアンス違反事案がありました。ただ、いくら良いことを言っても、結果が出なかったら支援されないじゃないですか。 なので強い営業組織を作ることと、心の教育を掛け合わせることが大切だと思います。理念やビジョンを伝えること。我々はちゃんと人を教育するし、その縁ある大切な人に対してちゃんと貢献する会社なんだから、ちゃんとクオリティあげてかなきゃいけないと思っています。要は人間関係の信頼土台があり、その上に専門スキルや事業環境をのせていけるかかどうかってことですね。 土台がない会社がたくさん昔ありましたよね。そういう会社は数をめっちゃ売ってました。一過性の収益が高く、我々よりも数字の面で貢献していたがいっぱいありましたけど、今では存続していないんです。 だけど品質をあげていきながら、顧客数や販売数も増やしていく必要があるので、ここを組織全体で強化して成長を目指して取り組んでいます。。 ◆新商品「OTHEBES(アザベス)」について -杉原- だから理念経営・理念研修っていうのが生きてくるんですね。その販売方法だけでなく理念研修を経たそのスタッフさんがサービスをやってるから、生活、ライフサポート、ライフデザインの支援ができるようになるんですね。 今後戦略として「OTHEBES(アザベス)」というブランドを立ち上げて顧客基盤を強化していくと伺いましたが、具体的にOTHEBESついて教えてください。 -増田- 「OTHEBES」は3月にローンチしました。執行役員 営業本部長、そして商品開発・事業開発を行っている坂巻を中心に、まず第1弾として、Wi-Fiのレンタルと販売を行っています。OTHEBESとは「others(その他)」+「best(最高)」の造語です。 我々も店舗や商品がありますけど、今ある既存商品でもなかなかエンドユーザーに刺さらない、貢献できない部分ってまだありまして、そこの穴を埋めるのがこのOTHEBESなんですね。 今は第1弾で、Wi-Fiを取り扱っているんですが、今後は例えば、電話しか使わないという人も中にはいるので、電話だけの携帯を自社ブランドにしていく、プラス、いいとこどりできる組み合わせを作っていきたいと思います。 最近でも我々の中で合言葉のようになっているのですが「既存×既存は新規だ!」と。なのでこれを今とにかく現場の要望とお客様の要望を我々が分析する中で、これとこれを掛け合わせたらいけるんじゃないかなど検討しています。 -杉原- 企画もそうですし、現場でもそうですけど、これだけ扱う商品、キャリア、ハードウェア、ブランドが増えて、自社サービスも登場するとなったら、主体性を持った販売員じゃないと、お客様に何を提案しようかわからなくなってしまう危険性もあると思いますが、そこは大丈夫ですか? -増田- なので、ベースとしての教育を大事にしています。実はディ・ポップスって、今まで仕組みがそんなに無かったんです。なので、ここからはちゃんと仕組みを作って、人は忘れる生き物だということを前提に、覚えさせるんじゃなくて、もっとシンプルに伝えられるような仕組みを作るっていうのが今年のテーマでもあります。 人材教育×仕組み化。適材適所、役割分担も含めてやっていければ、もういけるイメージしかないですね!!(笑) ◆サッカーの活動について -杉原- いけるイメージしかない!いいですね!! 話は変わりますが、増田社長はサッカーうまいらしいですね!会社のフットサルクラブで汗をかいていらっしゃるとか。活動をご紹介いただけますか? -増田- 元々はずっとサッカーを学生時代にやっていて、社会人になってからも趣味でずっとやっていました。 最初はディ・ポップスの社内のサークル活動としてやっていたんです。社内は月1回ぐらいやっていて、あとは僕もいろんな交流があるので、外部のメンバーともやっています。多分所属してるのは、メインは3、4個ぐらいあります。 社内だけに目を向けてると、毎回人数がギリギリだったんです。やりたいのにやれない。そんな時にふと考えたんです。どうせなら社内外ミックスしたらどうなんだろうと思って、ミックスしてやり始めたんです。主催は我々がやらせてもらって、うちの社員とディ・ポップスグループのメンバーにも声をかけて来てもらって、プラス、僕の知り合い、その中には元プロの方もいます。 あと、ディ・ポップスグループで投資したBLUEISHさんとのご縁もサッカーつながりだったので、スポーツってそういうご縁もあるんだなと思いました。 ※ディ・ポップスグループは増田社長のサッカー仲間のご紹介で、BLUEISHに投資しました。 D-POPS GROUP、業界特化型AIワークフロー「Omni Workspace」を運営する株式会社BLUEISHへ出資 今までの人生も大体そういうことが多かったんです。 僕は千本さんが開催する千本経営塾に通っていて、その千本経営塾でお会いしたその理事の方がサッカーをやっていて、その方が僕が北京時代にお世話になったドイツ人のマネージャーと高校生の同級生だったんです。 その理事の方と意気投合して、その方が参加しているサッカーの練習に僕が参加するようになって、そこでBLUEISHの方に出会ったんです。 だけどこれって運もタイミングもあるなと思ってて、これが5年早かったら、多分出資とかの話にはならなかったと思うので。僕自身も今までいろんな経験をしてきて、今経営者という立場にもなっているのでいろんな会話ができて、ディ・ポップスグループにトスアップできたんですよね。 先ほど外部の方とやっていると話しましたが、知り合いの経営者の方とか、その社員さんの中でも役員の方や若手の方でも上手い人がいるんですよ。そして大体そういう人って仕事でも活躍している。なんか繋がるんですよね。これがめちゃくちゃいいですよね。 人間性が良くて、仲良くなれる共通点があって、専門分野やスキル、人脈は異なるものをもっているからいろんなつながりに発展しますね。 ◆入社していただきたい学生について -杉原- 来年度卒業の学生さんの就職活動が始まっている時期ですが、どのようなタイプの学生さんにディ・ポップスに入社していただきたいですか?新卒の学生さんにとって、ディ・ポップスの魅力ってどんなとこにありますか? -増田- うちの会社は、とにかく人がいいですね。自己肯定感が高いですし、行動力もあります。あとは周りに対しても手を差し伸べるというか、貢献心が強いんですよね。 プラスして、今のディ・ポップスとかディ・ポップスグループで言うと、経験や技術、人脈などをサポートしたりコーチングしたりできる環境を活用できるので、これ以上にいい環境ってそうそうないぞと思っています。なので、とにかく早く自分は挑戦して、知識だけじゃなく技術を得る、そして、人間力を磨いていく。最終的にはやっぱりマネージメントまでやってもらいたいですね。 我々は学歴はあんまり求めてないんです。ただ、自己肯定感が絶対高くないとダメですね。ネガティブな人はお互い厳しいかなと思います。自分はこんなことできませんみたいなふうに思われちゃうと、何もできなくなってしまうので。 ◆「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて -杉原- さて、D-POPS GROUPでは「ベンチャーエコシステムの実現を目指す」をスローガンにしていますがその目標に共感する部分はどんなところですか?ベンチャーエコシステム作りを意識した上での活動などはありますか? -増田- このエコシステムっていうのは、生きていく上で必要なものだと思うんですよね。というのも、やっぱり人間一人じゃ生きていけないですし、やっぱり誰と過ごすかとか、気づきの違いによって人生が絶対に変わるじゃないですか。それに加えて、できる限り早い方がいい。別に遅くても変わると思うんですけども、できる限り早く気づけた方が正しい選択に繋がると思うんです。 なので私自身も、ベンチャーエコシステムというのは必要不可欠だなと思います。自分の時間やお金を使ってでもお会いしたい人がこのエコシステムにはたくさんいるんで、このグループに入ることで、お金をもらいながら、仕事をしながら、そのコミュニティに属するって、普通じゃないと思うんですよ。 そこにいるだけじゃダメだということをしっかり認識してもらいたいなと思います。どうやって行動に移すかは自分次第なので。そのコミュニティにいるだけじゃなく、結局自分発信で、何か教えてもらうでもいいし、何か自分ができることに貢献するみたいな、そういう集団ができるといいんじゃないかなと思うんです。 ◆5年後の理想の姿 -杉原- 素晴らしいですね!それではディ・ポップスという会社及び増田社長の5年後の理想の姿について教えてください。 -増田- まずは会社がちゃんと成長している。そして顧客のライフデザイン、そして社員の自己実現をよりできるようなステージというのは、5年間で確実にできていると思うんです。それを国内外に展開していくことを目指します。 これが増田将人の生きている使命というかメッセージだと思っていて、自分自身がもっと大きくグローバルな視点で見た時に、じゃあどういったことをしなきゃいけないのかっていうのが、今そこを考えながらいろんな協議ができているんで、そこの実行フェーズがもう今年・来年だったりとかになってくると思うんで、多分会社が大きく変わってんじゃないですかね。 -杉原- いいですね。では、その未来に向けての今後の課題を1つ挙げてください。 -増田- 日本でいうと強烈な人手不足ですよね。私も今子供が3人いますが、この子供たちが大きくなった時、20年後とか30年後って言ったら、かなり人口が減りますよね。8000万人とかなってしまうってなった時に、この日本の今までの文化だったり思いっていうのがどこまで継承できて、これから伝えていけるのかっていうことだと思うんですよね。 なので、やっぱり教育っていうものを自分たちが伝えていって、日本国民だけじゃなくて外国人に対してやっていけるのかみたいな。 あとは、明確に今わからないことではあるんですけど、もう1個は自然ですね。 今僕の中でも挑戦していくことの中で、既存事業とか情報とか通信と、1個はその人に対するパーソナルなところと、最後は自然環境保護だと思っているんです。今は何ができるのか明確にはなっていないですが、情報収集している感じなんです。 ◆ホームページを訪問した読者に向けて一言 -杉原- では最後に、このホームページを訪問した読者の方、一言お願いします。 -増田- このベンチャーエコシステムというは、とにかくベンチャーエコシステムの中だけじゃなくて、強烈な利他精神が働いてるプロフェッショナル集団のエコシステムだと思ってるので、まず見て感じられる部分ってもうすでにあると思うんですよね。 そこから何か自分がいいなとか興味あるなと思ったら、ぜひ進んでみてもらって、何か直接お会いできるような機会を我々も望んでますし、ぜひ何かコンタクトいただけると嬉しいなと思いますね。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社 ディ・ポップス】 代表者:代表取締役社長 増田 将人 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:1998年2月 サイト:https://d-pops.co.jp/
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2025.05.07
【グループ会社インタビュー】 株式会社ディ・ポップス 増田 将人 社長 ~前編~
D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、ディ・ポップスグループの祖業である株式会社ディ・ポップスの増田 将人 社長へ、インタビューしました。 (こちらのインタビューは、2025年3月に実施しました。) ◆入社の経緯 -杉原- 今回は、ディ・ポップスの増田社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願い致します! 増田社長がディ・ポップスに新卒で入社したのは2012年の4月ですよね。入社の経緯を教えていただけますか? -増田- 大学時代、私は留学で北京に行っていました。北京の大学に4年半行ったんですけれども、就職活動というもののやり方自体を知らなかったんです。それで、大学4年の前期が終わった夏休み、7月と8月の2ヶ月間が休みだったので、この期間で就職活動を始めました。 実際に受けたのは、5社ぐらいだったと思います。大手商社などを受けたんですけど、結局ダメで。それで、内定をもらったのが、ディ・ポップスと一部上場している大企業でした。 先に内定をいただいたのはその大企業だったんですが、ディ・ポップスの面接を受ける中で気持ちが変わっていきました。ディ・ポップスの面接を受けてみて、会社の雰囲気がなんか明るく見えたんですよね。未来の発展というのがすごくイメージできました。 あとは、後藤さんと直接お話していて、この会社に入ったらなんか人生変わりそうだなとか、人生にとってすごい大きなプラスの機会に出会えそうだなみたいな、直感が働いたんです。なので、途中から「この会社入りたいな」というマインドに切り替わって、どうにか落とさないでくれと思っていました。(笑) ちなみに、後藤さんとの最終面接は3時間くらいお話しさせて頂きました。 -杉原- 当時、ディ・ポップスの会社規模はどのくらいだったんですか。 -増田- たぶん会社としては15期くらいとかじゃないですかね。 まだ売上も100億円なく、7~80億円とかだったと思います。 当時は「売上100億円行くぞ!」みたいな、そういうのが全体の号令としては強かったイメージですね。 ◆社長就任の経緯 -杉原- ディ・ポップスはグループの代表である後藤さんが1998年設立した祖業ですが、増田さんは2024年3月に、若干30台半ばでその会社の社長になられたのですよね。 この12年の間に部長や本部長、役員等、異例のスピードで出世されたと聞いています。 振り返るといかがですか? -増田- そうですね。「運とタイミング」というのは、もちろんあったと思います。それに加えて、ちょうど会社が大きく変わろうとしていたというのは、外的要因で大きなポイントだったと思うんですね。 というのも、私が入社して翌年くらいにはもうディ・ポップスとグッド・クルーで売上100億円いっていました。そこから後藤さんが、さらに成長戦略を描くときにディ・ポップスだけで成長するということではなくて、徐々にグループ構想になっていったんです。当時私の上司だった藤田さんがアドバンサー創業のために抜けて、次は保坂さんがSTAR CAREER創業のために抜けました。 上司が独立したりいい意味での卒業が訪れたりして、そのタイミングで、これも外的要因・内的要因あると思うんですけど、会社の業績が落ちた時があって、そのときに組織がおおきく変わりました。 当時私が3年目で、まだ現場のマネージャーをやっていたんですけれども、そこでもともと大きなピラミッド組織だったところを一旦フラットにして、ほぼ全員社長直下のような組織になったんです。 3年目のマネージャーって若手じゃないですか。そこに対しても、いろんな裁量をもたせてもらって、今までは上層部だけでやっていた会議を、選ばれし20名ぐらいが午前中に熱い議論を交わすようになり、学びの場を頂きました。当時3年目ぐらいのメンバーがチャンスを掴めるきっかけになったんですね。そこでどんどん挑戦していって、上からポスト与えてもらったっていうよりも、「自分たちで掴みに行くぞ」みたいな感じでした。 平等にチャンスがあったというのは運がよかったんですが、そのチャンスを掴みにいく行動力はすごい大事だったと思います。 -杉原- チャンスをつかみ取ってどんどん上がっていくにあたって、1番努力したポイントってなんですか。 -増田- 努力したのは、目上の方に飛び込み続けることです。ちょうど千本さんがジョインしてくださったタイミングでもありましたし、後藤さんをはじめ周りの経営者の方や、アドバイザーの方、我々からするとものすごい目上の方々に対して、食事会や勉強会の機会があれば隣に座って学ぶようにしました。なかなかみんなやりたくない。だけど、飛び込んだら必ず得られるものがそこにはあるということはわかっていました。 あと仕事でいうと、会社からすると、業績が悪いところって誰かに任せたいじゃないですか。そんなポジションも自分からどんどん引き受けて、どうにかしても早く回復させたいという思いでやっていました。そこで業績が改善したら注目されるし、そもそも難しいポジションなのですぐに結果が出なくても「頑張ってんじゃん」みたいな言葉をかけてもらえる。どんなことも飛び込んでやってみるというのは意識をしていました。 -杉原- 社長就任の時の打診っていうのは、どういうふうに後藤さんから言われたんですか?その時どう思われましたか。 -増田- これがちょっと曖昧な部分もありまして。 後藤さんに呼ばれて「じゃあ社長就任な」っていう感じじゃなかったんですよ。 というのも数年前から後藤さんは、組織上はディ・ポップスの社長としていらっしゃいましたが、ディ・ポップスグループの経営に専念され、ディ・ポップスの経営はほぼ幹部層に権限委譲している状態でした。 その中で、ディ・ポップスが業績的にも組織的にもどんどん悪くなっていったんです。 すごいふわふわした時代があって、当時私は営業本部長がメインの担当だったんですけれども、そこで執行役員になったりとか、常務・専務になったりする中で、やっぱり会社がどうしても良くならない。急激に悪くなっていってる感覚もありますし、回復がなかなか見えないという悩みを抱えていました。 後藤さんとは、年に2回ぐらい2人で食事をする機会をいただいてて、その時に後藤さんに「僕に社長をやらせてください」と伝えました。 自分の中ではもう変わるしかないと思っていました。今更、後藤さんが事業会社に戻ることはグループ全体の判断として効果的ではありません。だったらもうやるしかないんだと自分の中で腹をくくったんです。 -杉原- 増田さんから見て、当時、社長候補は複数人いたりしたんですか。 それとも自分だけしかいないと思っていたんですか。 -増田- 後者ですね。私しかいないと思っていました。もしかしたら違うと考えていた方もいるかもしれませんが、事実上の後継者という意識ではいました。 -杉原- 何年ぐらい前から、社長の後継者という意識で働いてきたんですか。 -増田- 感覚としては、30歳ぐらいだったと思いますね。当時執行役員になっていたんですけど、見ていたのが営業本部だけだったので、会社全体を見られているかというとそうではなかったんです。ただ、後藤さんがグループ経営に専念されている状況ではあったんで、やっぱり自分が見なきゃなと感じてきました。 そこからいろいろと学ぶようになって、千本さんを通しての出会いだったりとか、後藤さんのご紹介だったりとか、自分でも20代後半ぐらいから経営者コミュニティに入ったりとか、周りの刺激が大きかったですね。 なかなか自分の実力も足りてなかったので最初は全然相手にされなかったんですけど、なんとか食らいついていくみたいな。それがようやくここ数年で知り合いも増えましたし、やってきたことが徐々に芽が出てきてるなっていう感覚があります。 ◆事業概要 -杉原- 準備期間も含めるともうベテランですね。 そんな増田さんが正式に社長になってから1年ですけれども、まずはディ・ポップスの会社概要、現在の事業概要を簡単にご紹介いただけますか。 -増田- ディ・ポップスはもう27期目になるんですけれども、元々祖業で始めた通信の代理店事業が、今でもメインではあります。 事業としては、1つが併売店事業です。独自ブランドの「スマホ相談窓口TOP1」というブランド名でやらせていただいてまして、通信の店舗運営をしてるんですけども、様々なメーカーさんや通信キャリアさんの主要商品・サービスが全部入っています。 それに加えて独自ブランドの商品、セキュリティや保険等、あらゆる商品があるんですけども、そこもまるっと包括的にエンドユーザー様に対して、コンサルティングや小売の販売、アフターサポートなどができます。現在、関東を中心に30店舗強運営しております。 もう1つは、専売店事業です。こちらも通信の代理店として、ドコモショップ、auショップ、UQスポット、楽天モバイルの店舗を運営しています。 あとは、メディア運営で、通信に特化した「フォンシェルジュ」というオウンドメディアを展開しています。 そして別会社になりますが、ディ・ポップスを一緒に引っ張ってきた平井が代表を務める『株式会社PlusPass』で、格安SIM/格安スマホに特化したWebメディア「すまっぴー」というメディアを運営しています。なので全体的には、通信専門の、リアルとオンラインを掛け合わせたプラットフォーム、そしてユーザーに対して支援できるようなサービス事業をやっています。 -杉原- ここのところ通信業界、特にショップの運営って変化してきていると思うんですけども、通信業界の波ってどんな感じなんですか。 -増田- 毎年いろんな変化があります。通信キャリアだけでなく、総務省なども含めてですね。そこでいろんな法律が変わることが、1番の大きな要因になると思います。でもその中で、我々も20年以上生き残ってこれたのは、本当に変化に対応してきたからですね。 ◆社長就任で変えたこと・変えなかったこと -杉原- この20年くらい、激動ですよね。 名実ともに社長になってから1年経ったわけですけれども、この間に大きく変えたことと変えなかったことを教えてください。 -増田- この1年は、本当に激動であっという間でした。そもそもまだ社長に就任するかどうかも決まってない時に、1つ決意をしていたものがありました。やっぱりディ・ポップスのいいところって、理念やビジョン、そして人財教育というものが、創業の礎として先代の後藤さんからめちゃくちゃ入っていて、僕自身も教育されましたし、だからこそ生き残れたというところがあるんですよね。 対お客様、対社員、スタッフ、最終的に社会に対しての部分がちゃんと出来上がっていたので、これをもっともっと磨いていかなきゃいけないなと思っていました。 あとはやはり数年間、後藤さんがグループ経営に専念されると覚悟を決めた時期に、実質指揮官不在のような状態だったので、上位レイヤーがふわふわしている、中間層も離職が止まらない、若手も入っては辞めるみたいな負の連鎖があったので、もう1回基礎から徹底しなきゃいけないなと思っていました。 離職率を下げるという短期的なことではなく、そもそも働き甲斐があり、個人も組織も成長できる環境を創るためにまず変えたことは、「毎月1回は全社員をリアルで集めて対話すること」でした。 コロナ期間があったこともそうですが、そもそも我々の拠点が50を超えているので、なかなか全員がリアルで集まる機会というのが、年に数回ぐらいしかなかったんですね。今オンラインでいろんな話をするんですけど、それがメインになってしまったことにすごい違和感を覚えていたのと、ディ・ポップスにはすごくいいものがたくさんあるので、それをちゃんと伝える必要があるなと感じていました。あとは、自分自身ちゃんと教育できている自信がなかったんですよね。 なので、就任するのが3月でしたから、その前の10月ぐらいに自分の中でも決意をして、月1回、全社員をリアルで集めようと決めました。 -杉原- これはすごいことですよね。 -増田- はい。月に1回集まって、とにかく理念とかビジョンとか、そこだけでもいいから1日かけて話そうと決めました。それを10月ぐらいに決意して、そこからいろんな準備をして、実際は2月ぐらいから順次やっていったんですね。 それがうちの月一全体集合研修に繋がっているんですけども、全体集合研修の目的は、1つはリアルで社員同士がちゃんと対話をする。そして自分の理念と会社の理念を、どうやって融合するかなど、その時のテーマに沿って議論を深めていきます。 もう、仕事って人生の一部じゃないですか。それが面白くなかったり、自分の人生の理念とかけ離れていたら、そもそもこのコミュニティにいる理由がなくなってしまうので、リアルで対話をしながらわくわくする未来を一緒にデザインをしていく。 そしてこれは社長が変わったタイミングでもあるので、誰か外部の講師に委託するんじゃなくて、自分の口から言うと決めました。その前までは増田塾というのを3年ぐらいやっていました。その時は有志で、全社員じゃないけどリアルでやっていたんで、それをもうやめて全社員に変えたというのもあります。 あとは会社のロゴとか、ホームページをリニューアルしました。 -杉原- 素晴らしいですね。1日分の稼働を止めてでもやろうというのは勇気がいることだと思います。変えなかったことはありますか? -増田- ディ・ポップスの歴史ある「クレド」は変えませんでした。 僕が就任してから変えたこともたくさんあるんですけど、この行動指針は人として大切なものを教えてくれるので、現時点では変えずに残そうと思っています。 渋谷ヒカリエ本社の会議室内に掲載されている「クレド」 ◆変更したロゴへの思い -杉原- ちなみに、変更したホームページとロゴへの思いについて紹介していただけますか。 -増田- 今回リニューアルした新しいロゴデザインの思いというのは、何かやるんだったらナンバーワンになるという思いを込めています。我々の企業ビジョンでもある、対顧客に貢献するとか、対社員に対して、自分の人生をコントロールできるような自己実現の舞台を整える・与える、最終的に利益を出していって、社会貢献を続けるという思いがあるので、やっているビジネスの中で、ニッチでもいいから、ナンバーワンになる「1番」って思いが強いんですね。 なのでロゴを見ていただくと、1番の1っていう風に見える部分と、D-POPSの「D」と見える部分をつくっています。 あとは、我々のコーポレートカラーってブルーやスカイブルーなど、青が強いんですよね。やっぱり青って晴れやかな気持ちになったり、爽やかな気持ちになったりとかしますよね。 でもそれだけじゃなくて、青い炎の熱い心と冷静さも、コーポレートカラーへの想いとして入っています。 その青色の「1」に見える部分を実はグレーで支えてるんですね。というのも、人生も組織も一緒で、必ずしも前線の人たちだけが成果を作ってるわけじゃなくて、支えてもらってる、支える立場でもあるよと。 なので、この持ちつ持たれつの環境をちゃんと作っていくこと、そして我々はどっちかっていうとしっかり支えていこうよ。会社としても支えられる器をどんどんどんどん大きくする。その中で、自分たちが信じた道とか、やるべきミッションを信じて、この1番を目指していく。 そういう想いでロゴを作成しました。 ディ・ポップス ロゴ ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【株式会社 ディ・ポップス】 代表者:代表取締役社長 増田 将人 所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ32F 設 立:1998年2月 サイト:https://d-pops.co.jp/   次回後編のインタビューでは、 ・マーケット状況における戦略 ・TOP1の販売・積極方針について ・新商品「OTHEBES(アザベス)」について ・サッカーの活動について ・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!  
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2025.04.30
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