COLUMN

名経営者からの学び ー ”道”(松下幸之助)

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2025.12.03

ディ・ポップスグループでは、ベンチャーエコシステムを、「共通のアイデンティティと理念の元に集まり、革新性の高い事業モデルにより、社会課題解決に挑戦し続ける企業群の集合体を支える、成長と永続のためのプラットフォームのこと」と捉え、その理想の形の実現に向けて日々挑戦と努力を続けています。
※詳しくはこちらをお読みください。「ベンチャーエコシステムとは?

その実現のためには、起業から世界的大企業に育てるまでを行ってきた、過去の名経営者から謙虚に学ぶ姿勢が欠かせません。

「名経営者からの学び」シリーズでは、筆者が影響を受けた名経営者や思想家らの言葉をご紹介し、実体験からの想い、事業や実生活で活かされた事例などをご紹介していきます。

第一回目は、グループのアドバイザー、杉原が担当致します。

1. ”道”(松下幸之助)

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。淡々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、思案に余るときもあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのない道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれてたちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。

ーー「道をひらく」(松下幸之助著、PHP研究所発行)より、原文のまま引用

2. この言葉を選んだ理由

これまでに多くのビジネス書、経営関連本、MBA関連本、未来予測本を乱読してきました。その中で、いくつかはその年のベストセラーになったものの、その数年だけのブームに終わったり、未来予測は外れたり(それもまた勉強にはなるが)、名経営者と言われた人がその後凋落したり逮捕されたりというケースも、ありました。

一方で、著者の方が亡くなった後も、長年ベストセラーであり続けるような名著と呼ばれる本は、時代が変わっても普遍的に重要なポイントを教えてくれる、誰にとってもバイブルや羅針盤とも言える本であり、定期的に立ち止まって読み返すべき、価値ある書籍です。

「道をひらく」は、パナソニックホールディングスを一代で築き上げ、その後の数多くの経営者らに影響を与えた、松下幸之助氏のベストセラー本です。私は、折り目や蛍光ペンだらけとなって読み倒した本と、改めて購入した、きれいな本を持っていますが、改めて読むと、経験を積んだからこそ深く共感できることや、今でも新鮮であり、新たな気付きを与えてくれる書籍です。

その本の正に最初のページのタイトルが、”道”です。

この機会に、この本を初めて手に取った30数年前の思いを振り返りたいと思います。

3. 自らの経験とこの言葉への想い

「道をひらく」を購入したのは、会社員となってまだ間もない、20代前半だったと思います。私はその当時、明確なキャリアプランを描けておらず、起業するほどの強い情熱や社会課題意識もなく、何となく会社員を選んでいた、主体性に欠ける若者でした。

そして、運の悪いことに?その時代、すなわち昭和から平成にかけては、「24時間働けますか?」というフレーズのCMが流行るなど、とてもブラックな(笑)環境で、連日、満員の通勤電車に乗って7時半に出社、終電やタクシーで帰るという生活で、じっくりとキャリアをデザインしたり、起業プランを練ったりする熱意も余裕もない若者でした。

この本を読み始めた時に、まず、この「広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。淡々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。この道が果たしてよいのか悪いのか、思案に余るときもあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう」という冒頭の文を読んだ時に、泣きそうになった覚えがあります。・・いや実際泣いていた気がします。心身共に疲れていたのでしょう。

しかし、その後に続く、「道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ」という言葉が心に響き、その言葉に奮い立たされ、この後に続く数々の言葉に励まされ、「何としてでも自分だけの道を切り開いていこう、決して逃げず、諦めず、歩みを止めず、たとえそれが険しくても、自分だけの道を作って行こう」と決心することができた、という思い出があります。

あの時代背景の中で、ある人は失踪してしまい、ある人は自分の意見や意志は捨て言われたことだけをやる姿勢になり、またある人はストレス解消のため、度が過ぎる酒や煙草やギャンブルに走ってしまったりと、険しすぎる道から脱落していく先輩方や同僚達の姿を見ました。

が、私はこの「道をひらく」に出会い、その中の数々の言葉を信じて歩み続けたおかげで、目の前の道を踏み外すことなく、そして新しい道を作っていくことができました。

そして徐々に・・といっても30年程もかかってしまいましたが、自分の道、すなわち社会における役割が、「数多くの国内・海外ベンチャー企業の立ち上げ期とその後の栄枯盛衰の期間に従事してきた経験を通して、ベンチャー起業家やそこで働く人々をサポートする伴走者」という役割ではないか、と思うに至ったのです。

「それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる」という言葉の通り、20代、下っ端で四苦八苦していた頃には上記のような役割、すなわち自分の道、はイメージなどできませんでした。しかしその後の人生において、逃げずに、常に与えられた環境で与えられた目標を達成し、自ら発案し行動を起こし、そしてまた新時代の潮流を感じたら勇気をもってその領域に挑戦する、ということを続けた結果、「新たな道が開けた」という経験をたくさん積み重ねることができました。

不安とコンプレックスの塊だった10代から20代前半を経て、しかしこの本のこの言葉に出会い、その後の人生を歩み、今日この記事を書いていて改めて思います。「歩み続ける者には、必ず道は開ける」のだと。そして、自分の道を切り開いてきた結果、「深い喜びも生まれてくる」のだと。

この本を世に出してくれた松下幸之助氏に感謝すると共に、これまで、登りも下りもあった険しい道を、かきわけ、切り開いてきた自分自身を、今なら褒められるなと感じています。

4. 読者の方々へのメッセージ

自分に与えられた道、すなわち人生という道は、他人と比べるものではありません。他人の人生を羨んだり妬んだり、輝かしい経歴の有名人と比較して嘆いたり、逆に自慢したり過度に誇ったりするべきものではありません。ただ、自分なりに歩み続け、努力し続ける。

あらかじめゴールを立てて歩むことが理想的でしょう。でも、ゴールが明確でない道に価値が無いということではないと思います。今はゴールが見えていなくても、しっかりと歩み続ける中で、突如明確になることもあります。

人生は選択の連続だと言われるように、自分の道にも定期的に分かれ道、すなわち右に行くか左に行くかの選択を迫られるシーンが登場するものです。また乗り越えねばならない大きな壁が登場するものです。それらの選択と挑戦の連続の結果、自分だけの道が描かれます。

舗装された、もしくは決められたレールの上を歩むのか、より険しく先が見えないけれども大きな可能性を秘めた道を選ぶのか。

時代は常に変化します。特にAIがどんどん浸透する今後の10年は激動になると思います。そんな時代背景の中で築いていく道は、ある人にとっては突如途切れてしまうような困難なものに、またある人にとっては新時代を切り開くものにもなり得ます。

ぜひ、AI時代を大きなチャンスにすべく、そして後に「深い喜びが生まれる」ような、自分自身の道を切り開いて下さい。

以上、こちらの記事が、少しでも皆様のお役に立てたら大変嬉しく思います。

D-POPS GROUP アドバイザー 杉原眼太

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不採算事業から撤退できず赤字を拡大してしまったり、潜在的な問題を抱えたまま新規事業のスタートや新商品のリリースをしてしまったり、組織の価値観に合わない人材を採用し、後に大きな軋轢を生んでしまったりと、取り返しのつかない経営判断につながることがあります。 このようなことにならないよう、重要な決断をする際には、自分たちがサンクコストの罠にはまっていないかどうかを、経営者は特に意識し、冷静に判断をすることが求められます。 諦めてはいけない時に諦めないこと。そして、諦めるべき時には、それまで費やした時間やお金、努力に囚われず、潔く撤退すること。その両方ができてこそ、本当の意味で「不撓不屈の精神と、慎重な判断力を併せ持つ」ことになるのだと思います。 ———————— 以上、【百名山から学ぶベンチャー経営論】の第五部でした。 この挑戦も一年が過ぎました。タイトルは「百名山から学ぶ」としていますが、実は裏を返せば、私の想いとしては、「これまでのベンチャー経営の経験を登山にも適用して取り組めば、登山の素人でも短期間で百名山を踏破できる、ということを証明してみよう」というものでした。これまでのところ、大いにその経験が活かされていると思います。 次回は、「失敗から学び、成長を続ける」 をテーマに、場数を踏み、鍛錬を積み、一つ一つ学びながら、自らの成長を続けることについて考えてみたいと思います。 なお、シリーズのこれまでの記事をまだお読みでない方は、こちら↓をぜひお読みください。 第一部「頂を決め、準備する」第二部「計画は綿密に、実行は地道に」第三部「戦略・戦術・戦闘」第四部「アンテナを張り、センサーを研ぎ澄ませ」 D-POPS GROUP アドバイザー 杉原眼太
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2026.09.09
【百名山から学ぶベンチャー経営論】 第四部「アンテナを張り、センサーを研ぎ澄ませ」
ディ・ポップスグループは、「社会に変革をもたらす多数の成長ベンチャー(ユニコーン企業)を輩出する」というミッションを掲げ、「誠実・謙虚・感謝の心で、共に学び、共に成長する」をバリューとしています。 アドバイザーを務める杉原は、昨夏「ユニコーンTシャツを着て日本百名山100座を踏破する」という目標を掲げて以来、全国の山々を登り続け、執筆時点で53座まで登りました。本連載では、その挑戦の中で経験した成功や失敗、判断や学びを、ベンチャー経営や組織運営になぞらえながら考察しています。 山では、計画や装備が万全でも事故は起こります。その多くは、変化の兆候を見逃し、判断が遅れた時に起こります。第四部では、ベンチャー企業経営にも通じる、外部と内部の変化を察知し、適切な判断につなげることの重要性について考えてみます。 10. アンテナを張り巡らせよ ~外部環境の変化に敏感になれ~ バスケットボールや卓球などの屋内スポーツと登山の決定的な違いは、天候の影響を大きく受けること、そして自然が相手だということです。 登山の計画段階で、台風はもちろんのこと、暴風や雷の予報があれば登山を延期すべきことは明白です。しかし、予報段階をクリアして、いざ実行段階に入ってからも、山の天候は変わりやすく油断はできません。また、森深い山では最近特に話題の熊のみならず、猪や蜂やヒルなどに遭遇することもあります。岩山では突然の落石に見舞われることもあります。 それらに適切に対処することはもちろんですが、できるだけ事前に察知できることが理想です。 肌で感じる気温の急激な変化、ザワザワという笹の音、怪しい木の動き、小石が上から転がってくる音…。これらはその後の大きな危機が襲いかかる前兆かもしれません。 私自身も、晴れ予報の日の登山だったにも関わらず、突如としてガスが湧いて視界が真っ白になったために、道を誤り30分ほど道なき道を歩いてしまったことがあります。あの時は、視界が悪くなった段階で早めにGPSで現在地を確認すべきだったと反省しました。 また、笹の濃い山道を歩いている時、突然、笹がざわざわと揺れました。「ついに熊か」と身構え、一度立ち止まり、万が一熊だった場合にどう対処するかを頭の中で整理しました。結局、茂みから現れたのは大きな鹿でしたが、あの時も外部の小さな変化を見逃さないことの大切さを実感しました。 (左:ガスで視界不良となった岩道、中:後を付けられた猿、右:突如現れた鹿) このように、登山中は常に外部にアンテナを張り巡らせ続けなければならないのです。このアンテナの感度を高く保ち、そこで捉えた変化を素直に受け止め、適切に判断できるかどうか。それが、登山中の事故を未然に防げるかどうかを左右するのです。 このことは、ベンチャー経営にも例えられます。屋内スポーツをビジネススクールで学ぶ座学に例えるとすると、外部環境の影響を受ける屋外スポーツは実際の事業運営に、そして自然環境に左右される登山はベンチャー企業の経営に、より近いものだと思います。 企業が受ける外部環境、すなわち市況の変化、新技術の登場、法律の改正などからの影響は計り知れません。あらゆる企業は、外部環境の変化の中で事業を営んでいると言っても過言ではありません。顧客の反応が少し鈍くなった、利用率が減少に転じた、営業現場から同じ質問が増えてきた。こうした小さな変化は、大きな市場変化よりも早く現れることがあります。大企業でも影響を受けるくらいですので、ましてやベンチャー企業にとっては、存続が危ぶまれるほどの激しい変化もあるのです。最近では、AIエージェントの急速な普及、グローバルプラットフォーマーの勢力拡大、少子化、金利上昇による投資家の投資方針の変化などが挙げられます。 ベンチャーの経営チームは、これらの変化を敏感に察知すると共に、先手先手で戦略や計画を練り直し、適切に対処する。場合によっては、ピンチをチャンスに変えるほどの大胆な一手を打つ。その覚悟と行動力が求められるのです。 危機は、突然現れるように見えて、その多くは小さなサインを出しています。そのサインに気付けるかどうかが、登山でも経営でも、生き残る者とそうでない者を分けるのです。 11. センサーを研ぎ澄ませよ ~内部環境の変化に気が付け~ 外部環境の変化に目を向けることと同じくらい重要なのが、内部環境の変化に気付くことです。 登山における内部環境とは、ソロ登山であれば自分自身の、グループで登る場合には自分だけでなく、メンバー一人ひとりの調子やバイオデータの変化を指します。登山中は、自分の体が発するさまざまな情報を受け取るセンサーを持つ必要があります。 バイオデータの取得に関しては、最近、登山用アプリやスマートウォッチなどで、歩行ペースを確認したり、歩きながら心拍数を確認したり、休憩中に血中酸素濃度を測定したりできるようになりました。また、そういったデバイスでは測れない、膝や足腰の関節の調子、筋肉の疲労度、発汗量などの変化にも敏感である必要があります。 デジタル機器では測れない変化こそ、自分自身の感覚で捉えなければなりません。 私の場合、登山を始めたばかりで膝が今よりも弱かった頃は、山を登っている間に、「この調子で登り続けたら、下山できなくなる」と感じた日は、途中で勇気を持って下山に切り替えたことがあります。あのまま登り続けて、下山できなくなるよりも、はるかに正しい判断だったと思います。 (左:通常の登山中、中:異常な心拍数、右:2700m下での血中酸素濃度) 一方、ベンチャー経営においては、社長の体調を整えることはもちろん重要ですが、会社の内部環境の微妙な変化を察知することも重要です。 何気ない会話や挨拶が減った、オフィス内の整理整頓が乱れ始めた、ボトムアップで情報が上がってこなくなった、無断欠勤者や理由が不明確な退職者が増えてきた…。これらはいずれも会社が傾く前の予兆です。 経営者は、ビジネスのセンスだけでなく、こういった内部環境の変化に敏感に気付けるセンサーも持ち合わせていなければなりません。 そのセンサーが鈍いと、社長自身はエネルギーにあふれ、やる気に満ち、前を向いて邁進しているにもかかわらず、ふと立ち止まると、メンバーは誰一人ついてきていなかったとか、皆疲弊してパフォーマンスを発揮できなくなっていた、ということが起きがちです。 リーダーは前を見るだけでなく、社内全体を見渡し、小さな異変を見逃さない余裕を持たなければなりません。組織は突然崩れるのではなく、小さなほころびが積み重なった結果として崩れていくからです。 12. 重要な局面では特に冷静になれ ~状況を見極め、最善の一手を打て~ さて、張り巡らせたアンテナから情報を受け取り、研ぎ澄ませたセンサーが危険な信号を捉えたら、その時、どう対処すればよいのでしょうか。 登山においても経営においても、特に悪い情報、危険な信号を検知した時ほど、冷静になることが大事です。登山では、濃霧の中での道間違い、突然の土砂降り、岩場での捻挫や打撲、疲労による筋肉の痙攣など、さまざまな外部環境・内部環境の変化から生じる危機に直面します。 ベンチャー経営においても、AIの普及による顧客ニーズの劇的な変化、競合企業同士の合併発表、関連法規の変更、経営幹部の突然の退職、顧客情報の漏洩事故など、同じく様々な危険信号を受信します。 そんな時こそ、決してパニックに陥らず、冷静さを保ち、慎重かつ適切に判断し、その判断に基づいて迅速に行動することが求められます。パニックになり右往左往すれば、間違った方向にさらに進んだり、無駄な体力を消耗したり、怪我を悪化させたりすることにもなりかねません。 事が起きたら、まず一旦落ち着いて情報を集め、状況を把握し、分析する。次に、最悪の事態を想定しながら、それでも生き残る方法、登山であれば無事に下山する方法を考える。 そして、取るべき行動を決めたら、迅速に実行する。熟考は必要です。しかし、決めた後まで迷い続けていては、対応が遅れます。 私自身も、月山で雪渓を下山中に滑落したことがあります。その瞬間は頭が真っ白になりました。しかし、すぐに冷静さを取り戻し、這って安定した場所まで移動し、靴下を脱いで患部をチェックしました。パニックになって慌てて歩き出すのではなく、まず体の状態を確認し、山頂を目指すべきではないと冷静に判断し、しっかりと休みを取ってから下山を開始しました。 また久住山では、登頂に成功した後の下山中ということで疲労が溜まっていたとに加え、ガスによる視界不良、そして晴れていても間違えやすいという藪道が重なって、数度の道間違いを起こしました。いずれも立ち止まって現在位置を確認し、間違えたポイントまで引き返す、という鉄則を守ったことで事なきを得ました。 いずれも、焦って無理な行動を取っていたら、状態をさらに悪化させていたかもしれません。 (二度も道に迷った久住山の藪の道) これらは登山でもベンチャー経営でも同じです。重要な岐路を迎えた時、危険を察知した時ほど、冷静に対処し、最善のアクションを考え、行動に移すことが求められるのです。 日本百名山には様々なタイプの山があり、それぞれに様々な危険が潜んでいます。そしてその自然環境は季節により、日により変化するし、自分の体調も日々変わります。ベンチャー経営の現場においても、市場も、競合も、顧客も、そして社内のメンバーも日々変化しています。 アンテナを張り巡らせる。センサーを研ぎ澄ます。危険を察知した時ほど、慌てず冷静に状況を見極める。熟考した上で取るべき行動を決めたら、迅速に最善の一手を打つ。 これらの習慣が、ベンチャー企業が生き残り、飛躍的な成長を遂げるための土台となるのです。 ———————— 以上、【百名山から学ぶベンチャー経営】の第四部でした。 この挑戦も一年が過ぎました。当初は恐る恐る始めた本格的な登山ですが、今や全ての行程や景色を楽しめる余裕が出てきました。と同時に、挑戦する山も徐々に険しくなり、怪我や事故のリスクが高まってきました。 アンテナを張り、センサーを研ぎ澄ませて細心の注意を払いながら、諦めない心で、一座一座挑戦しながら、この連載を続けていきたいと思います。 次回は「不撓不屈と慎重さの両立」 をテーマに、「もう無理」と「あと一歩」が紙一重であること、大胆さと慎重さの両立、恐怖心を乗り越えることなどについて考えてみたいと思います。 D-POPS GROUP アドバイザー 杉原眼太
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