COLUMN

【投資先インタビュー】スマートフォン時代における「位置情報」ビッグデータ化への挑戦 クロスロケーションズ株式会社 小尾 一介社長

  • INTERVIEW
2024.09.19

先日弊社は、人流データ分析プラットフォーム 及び スマホの位置情報データを利用した広告配信サービスを提供するクロスロケーションズ株式会社へ出資を行い、ベンチャーエコシステムの仲間として歩み始めました。

☆クロスロケーションズ株式会社への出資に関するプレスリリースはこちら
https://d-pops-group.co.jp/column/x-locations/

 

今回は、クロスロケーションズ株式会社の創業者である小尾一介社長へ、創業の経緯や人流分析プラットフォーム「Location AI Platform®(LAP)」等についてお伺いしました。

 

①創業のきっかけは?

スマートフォンが普及し、誰もがスマホアプリを通じて「位置情報(緯度経度データ)」を利用した便利なサービスを利用できる時代になりました。それらサービスの裏側では膨大な位置情報データがビッグデータとしてネットの中に存在しています。これまで単なる「ログデータ」として見過ごされていた位置情報も、近年のMobile Internet、GPS、GIS、AIの技術革新により、新たにデータの収集・解析ができるようになったことで、統計モデル化や可視化、インサイトの抽出が可能となり、その価値は今後ますます高まっていきます。

当社は、検索エンジンや生成AIのように、「膨大なデータから有用な情報を引き出し、活用する新たな時代」が到来したと確信し、この情報を生活やビジネスに役立てるためのプラットフォームが必要と考えて、そのビジョンを実現するためにクロスロケーションズを設立しました。

 

②サービスの概要を一言で簡単にご紹介ください

クロスロケーションズが提供する人流分析プラットフォーム「Location AI Platform®(LAP)」は、位置情報ビッグデータをAIで解析し、人流データの可視化と分析を提供するサービスです。

また、人流データを活用した広告サービスでは、ターゲットの移動履歴に基づいて効果的な広告配信を提供しており、インバウンド広告や分析など、訪日外国人の行動データを活用し、旅行者向けのマーケティングや観光施策の最適化を支援しています。

 

③ここがどんな類似会社よりも優れている、というポイントは?

クロスロケーションズの最も強みのあるポイントは以下の通りです。

1.偏りのない包括的なデータソース(標本データ)を使用

分析の基となる標本データではスマートフォンがGPS衛星の信号から取得したデータをメインとして、特定のキャリアやアプリに依存しないデータを利用しています。コロナ以前からさまざまなデータソースを統合し、包括的な位置情報データ収集して分析を行っており、偏りのない正確な人流データを提供できる点が他社と異なる強みです。

2.高精度な位置情報データと独自のAI解析技術。個人情報の懸念無し

位置情報ビッグデータを高頻度で収集・解析し、独自のAIアルゴリズムを活用することで、精度の高い分析結果とインサイト(人々のリアルな行動を見える化)を把握できる独自のプラットフォーム(LAP)を提供しています。スマホからの位置情報ビッグデータの取得と分析を完全分離することで個人情報に抵触する懸念はなく、ピンポイント地点の分析・可視化も可能です。

3.国内最大級の位置情報データを活用したスマホ広告サービス

高精度な人流データとAI解析を組み合わせることで、特定のエリアや行動パターンに基づいたスマホ広告(ジオターゲティング広告)を提供しています。また、需要が高まる訪日外国人(インバウンド)向けの行動データを国内最大級に保持し、効果的なインバウンド広告やプロモーションの設計が可能です。地域や観光施設ごとのデータに基づき、最適なタイミングと場所で広告を展開することで無駄のないマーケティングを実現します。

 

④起業以来、最も苦労したことは?

ベンチャー企業として、限られたリソース(資金や人材など)の中で、ビッグデータの蓄積、独自アルゴリズムの開発や独自のユーザーインターフェースの継続的な開発を行い、新たに登場した「人流データ」の有用性を企業に伝え、採用してもらうこと。

サービスの市場提供開始時期がコロナ禍期と重なったこと。

 

⑤株主に対して最も期待することは?

「人流データ」は今後、経済や社会活動において極めて基礎的(ファンダメンタル)なデータとなることが確実です。その有用性を広める活動にぜひご支援をお願いしたいと考えています。

 

⑥D-POPS GROUPからの出資を受けて良かったことは?

グループ傘下の各種事業会社、投資先ベンチャー企業においても当社のサービスが広く活用されて、当社も含め、それぞれの企業の事業発展の契機になる機会となったことです。

 

⑦ベンチャーエコシステムの実現に対して共感する部分はどんなところですか?

スタートアップ、ベンチャーはそれぞれ独力で事業成長することに注力しているわけですが、エコシステムに繋がることで情報、機会などを共有できるのでそうした場の実現に共感しました。

 

⑧理想とする10年後の会社とは?

グローバル企業

 

⑨その未来に向けての今後の課題は?

技術開発とパートナー作りです。
パートナーとしては当社製品のリセラーパートナーのみならず、当社の人流分析プラットフォーム上でサードパーティーとしてエコシステムを構成するパートナーも募集して行きます。

 

⑩最後に一言

ディ・ポップスグループさんには当社のミッションにご賛同をいただき、資金、事業育成の両面でご支援をいただきまして誠にありがとうございます。

 

【クロスロケーションズ株式会社】

代表者:代表取締役 小尾 一介
所在地:東京都渋谷区恵比寿南1丁目2-9 小林ビル6階
設 立:2018年1月
コーポレートサイト:https://www.x-locations.com/

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  • INTERVIEW
2024.11.22
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-保坂- はい、ある大学の商学部の授業の一環として、肉フェスなどのイベント会場で縁日のブースを出し、ビジネスとしてどのように収益を上げていくのかを学ぶため、協賛活動も積極的に行っています。実際には、射的やヨーヨー釣りといったアトラクションの機材発注や景品選び、人員の手配、納期のスケジュール管理、当日の運営など多岐にわたる作業がありますが、学生の皆さんにとって貴重な実践経験になることを期待しています。 また、就活生に向けた講演なども積極的に行っていく予定ですが既に大学やハローワークからのご依頼もいただいている状況です。 私はもともと教員を志し教員免許を持っているので、ある意味夢が一つかなったことになります。 -杉原- この活動を行う狙いというのはどんなところにあるんですか? -保坂- そもそも起業したことや、その後に就活カフェやキャリポというアプリを立ち上げたことも、社会で活躍する人財を事業を通して生み出していきたいという思いから始まりました。ありがたいことに、こうした活動に共感してくださる仲間が増え続けています。 まず『キャリポ』に関してで言うと、情報格差によって生じる就職の不平等を解消したいというコンセプトなのですが、色々な大学の教授や講師の方々から応援の声を頂戴しています。いち企業目線で物事を進めるのではなく、学生や学生団体、大学関係者まで広く指示してもらえるようなプロダクトを目指しています。多方面から『キャリポ』が便利で役に立つものになって欲しいですね。 -杉原- それはすごいですね。努力しない人は広告にひたすらお金かければある程度取れるんですけど、そのお金に変わるものとしては、いろんな工夫だとか自分の汗というか足と汗で稼ぐというか、これは広告よりはるかに価値が高いですからね。サステナブルですしね。 -保坂- はい。大学やハローワークで講師をする事は肩書きやブランディングではなく、単純に知ってもらいたいし、その活動の中で応援してくれる人も増えている実感があるためです。 あと、『情報格差で生じる就活の不平等の解消』これはメディアリリースしたものなんですけど、ある大学の学部長から、実際に地方大学では切実な問題で向き合わないといけない課題でもあるという言葉をもらいました。 例えば関東の場合、就活イベントやセミナーが開催されるとすれば東京のどこかで開催される事が多いのが実状です。栃木県在住の学生と東京都在住の学生が就活しよう・企業の説明会に行こう・就活イベントに行こうとなったときに、栃木県の学生も行こうと思ったら、当然行けるんですが、少なからず段取りが必要になってしまいます。東京に行ってる間に何件も回ろうとかって、そのアレンジしなきゃいけないというのはまず不便ですよね。 つまりその就活という短い時間の中で出会える企業数も、同時にその企業と面接などを通して会える機会が減れば、経験値も大きく差が出るんです。であれば、このアプリを通してオンラインでも参加ができるとか、オフラインに関しては我々の就活カフェのアドバイザーに、それぞれの学生さんにあったイベントの情報提供が出来るので、効率よくコスパ・タイパよく就活ができるという事も情報格差で生じる不平等解消にもつながると考えています。 -杉原- 首都圏と地方の情報格差は、どんな分野でもなんとかしなくちゃいけないという課題意識がみんなありますよね。その意識の浸透が大事で、とても素晴らしい事業ですね。 ◆STAR CAREERの社風について -杉原- ガラッと話が変わるんですが、STAR CAREERはグループの中でも、性別関係なく、年齢も関係なく、いろんな人が活躍しているなという印象があります。ホームページや社内報などを見ると、みんなすごく笑顔がキラキラしていて魅力的なんですよね。ホームページのメッセージにも、「自分らしく輝ける」「お互いを受け入れて尊重する」というメッセージがありますが、保坂社長の中で意識している方針があるのか、「自分らしく輝ける」というメッセージを送るようになった背景等あればお聞かせ下さい。 -保坂- そうですね、STAR CAREERのホームページに載っている本部のメンバーも現場のメンバーも、弊社のメンバーは基本的にみんなあの感じで間違いないと思います(笑) でもそれは、後藤社長が築いてきた文化だと僕は思っています。 元々教師を目指していた私が、ディ・ポップスに入社した1番の決め手というのは、後藤社長から「これから30億円・100億円、そこからさらに300億円・1000億の会社を作っていく中で、若い人たちがとにかくチャレンジできる環境を作りたいと思っていて、そこに教師みたいな人がいたらとてもいいと思う。」というお言葉をいただいたことなんですね。 そういうのが基盤にあるので、今、後藤社長はグループ全体を率いていらっしゃって、ベンチャーエコシステムというところから起業家の社会貢献というと次なる大きな領域に行かれていらっしゃいます。 僕が意識してるのは後藤社長のその若い人たちがチャレンジして壁にぶつかりながら乗り越えていくステージを提供するという思いを、僕は伝承したいと思ってるんです。そしてこのスターキャリアで伝承したものを継続していくぞという思いでやってるので、若い人たちに向けてどんどんチャレンジできる環境を作る、壁にぶつかることの素晴らしさ伝える、と後藤社長がこう私に言ってくれたことをスターキャリアで実践してるだけなんですよね。   ~D-POPS GROUP 後藤社長 インタビュー~ エコシステムにたどり着くまで、そしてこれから https://d-pops-group.co.jp/philosophy/   -杉原- なるほど、たしかにディ・ポップスから巣立っていった社長たちの会社のメンバーは、自然な笑顔の人が多い会社がほとんどですね。最近はディ・ポップス生え抜きではなくジョインしてくださった会社も多いですが、他のグループ会社の社長と語る機会とかもあるんですか? -保坂- あります!ディ・ポップスグループにジョインしてくれたいろんな会社の社長さんと仲良く交流させてもらっています。単純に僕は、ディ・ポップスグループに入ってくれた社長や会社の皆さんに興味があるんです。僕自身、ずっとディポップスの中にいるので、これから同じ仲間として、グループにジョインする前と後では、どのように見えるのかという事も知りたいです。 -杉原- 保坂社長のように、興味を持ってどんどん輪を広げていってくれる方がいるというのも重要ですよね。   ◆「ベンチャーエコシステムの実現」について -杉原- 先ほどお話にも合ったように、後藤社長を含めてディ・ポップスグループのメンバーとして、これからベンチャーエコシステムというキーワードを日本にどんどんどんどん広げていきたいと思ってるんですが、ベンチャーエコシステムの実現に対して共感できること、そして意識して活動してることなどございますか? -保坂- そうですね。ディ・ポップスグループは今ベンチャーエコシステムの実現に向けて動いていますが、元々私が入社したディ・ポップスから、若い人たちがチャレンジできるステージがありました。今のディ・ポップスグループでは、ディ・ポップスでのビジョンがもっと大きな世界観になったと思っています。基盤にあったディ・ポップスでの考えが、ディ・ポップスグループでもっと大きな世界観になったということなのも、心から共感をしています。 私が今目指しているものというのは、例えばディ・ポップスグループの本社がある渋谷ヒカリエという場所もそうですし、ディ・ポップスグループの中に様々な業種の会社があるので、渋谷ヒカリエという場所の提供やノウハウの提供だけではなくて、やっぱり各社のこれから中核になってくる社員の採用などをこのグループに入るとこういう場所が活用できる・ノウハウを得られる・採用難の市場感でも採用力が増す、みたいなものが伝えられるような形になってほしいので、そこまでしっかり確立したいと思っています。 -杉原- 今グループ会社23社あるので、「採用力はうちの会社がピカイチだ」とか「人の教育に関してはうちの会社がピカイチだ」とか「このバックエンドのシステムは任せてください」とか、各社苦手な部分も頼れる会社があるってベンチャーエコシステムならではですよね。 ◆STAR CAREER・graphDの10年後の理想の姿 -杉原- そんな保坂社長、そしてSTAR CAREER・graphDの10年後の理想の姿を教えてください。 -保坂- シンプルに僕自身は、STAR CAREERとgraphDという会社、そしてこのディ・ポップスグループが目指してる世界観の実現にむけて、この2社の領域が僕自身に任せられた担当だと思ってやっています。例えばディ・ポップスグループがまた成長していく中でこういうことに困ってる、こういうことをやるやつがいないってなった時に、いつでもそこに対してやる準備ができる人間でありたいと思ってます。 -杉原- その未来に向けて今取り組んでることや、課題などはありますか? -保坂- その課題について、この下期の10月から解消する動きを今取っているんです。 実はスターキャリアの各事業の責任者をやっていた部長以上のメンバーが全員、次世代に権限委譲を行いました。そして今まで部長の下で働いていたメンバーが実務の最終責任者で、それぞれクライアントにも動いて、メンバーフォローも自立してやっていくことにしました。 コア事業20年の企業生存率がどうしても低いのは、登りのエスカレーターの時に事業を立てても、それが安定期や停滞期に入ったときに先の波を乗り継いでいけないからだと思っているんです。なので、既存事業とコア事業とサブ事業を3つ作りつつ、モバイルからコールセンターやカスタマーサポート、バックオフィス事務とステージのバリエーションを広げる事ができたので、この今の波は既存事業としてこれからまだまだ育てていきます。 アップトレンドであったモバイルは今は安定期となりましたが、コールセンターやカスタマーサポートはDX化の波もあり今後も伸びていく事が予想されます。その既存事業の成長を今の若手に一気に任せることにしました。そして、次なる事業であるRPO事業やキャリポや就活カフェ事業を、これまでの役職者が行っていく。こういった事業を3年計画で、売上を目標値まで持ってってくださいという流れにして、今までの役職者が新事業の立ち上げ責任者・実務責任者としてやる体制に今回切り替わりました。 -杉原- なるほど。会社の立ち上げの時にジョインした人たちが養ってきたものは、派遣事業を通してアントレプレナーシップを身につけてきたというか、新規事業開拓を勉強してきた・経験してきたということなんですよね。まさにベンチャーですよね。 -保坂- そうですね。最近では、コロナで事業の転換を図るときに、新たな事業領域の拡大や人財育成、そこに紐づく評価制度をメンバー総力戦で作る事で形になってきたので、ここからは次世代のメンバーに事業を動していってもらうという判断をしました。 次は、キャリポやRPO事業のところをしっかり立ち上げることに注力していこうと思っています。そして3年間で現在派遣事業の粗利のシェア90%のところを50%にすることを目標にしています。新規事業と派遣事業の粗利シェアを半分ずつにするイメージです。   ◆ホームページを訪問した読者の方へ、メッセージ -杉原- 素晴らしい目標ですね。 では最後にこのホームページを訪問した読者の方に一言メッセージをいただけますでしょうか。 -保坂- はい。ディ・ポップスグループの色々な方と話ていると、いつも感じる事があるんです。 例えば「俺は海賊王になる!」というセリフが有名な漫画があると思うんですが、その主人公は宝の島にたどり着いて、海賊王という称号を得るために目指していますよね。でも同じ船に乗ってるメンバーの中で実は海賊王になりたいと思ってるのはその主人公だけなんです。 あるメンバーは世界一の剣豪になるとか、また違うメンバーは世界中の海図を作れるようになるとか、実はそこにたどり着くという一つの目標に向けて頑張るんですけど、たどり着いて得たいものってみんな違うんですよね。僕はこのディ・ポップスグループってそういう場所だと思っているんです。 ベンチャーエコシステムのなかで、自分の実現したい夢をかなえる。そこにはたくさんの仲間がいるので、協力し合いながらお互いの夢をかなえていくことが出来る。これからもいろんなメンバーがベンチャーエコシステムの仲間になってくれることをとても楽しみにしています。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太   【株式会社STAR CAREER】 代表者:代表取締役 保坂 龍政 所在地:東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー25F 設 立:2016年 5月 サイト:https://star-career.co.jp/
  • INTERVIEW
  • グループ企業
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D-POPS GROUPでは、現在約23社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2016年に株式会社 STAR CAREERを創業した保坂 龍政社長へ、インタビューしました。 --------------------------------------------------------------------------------------- ◆STAR CAREER設立の経緯 -杉原- 今回は、STAR CAREERの保坂社長にインタビューさせていただきます。宜しくお願いします。 まず現在STAR CAREERの社長を務められていますが、STAR CAREERの社長を務めることになった経緯を教えていただけますか。 -保坂- はい。STAR CAREERは2016年に創業しました。 私は2006年にディ・ポップスに入社し、店舗責任者や統括部長をしていました。実は2014年〜2015年あたりから、ディ・ポップスを創業し現在ディ・ポップスグループの代表を務める後藤社長が、ディ・ポップスのメンバー向けに後藤塾を実施していました。 意味合いとしては起業家養成塾のような形でしたので、ディ・ポップスの店舗のメンバーも後藤塾に参加していました。後藤塾でMVPをとり、社内起業家第1弾となったのが現在アドバンサーの会長を務める藤田さんだったんですね。 実は私はその後藤塾には一度も出ていなくて、どちらかというとディ・ポップスの中で「起業家になりたい」「グループ会社を作りたい」というメンバーを応援する側の立場だったんです。 ある日後藤社長から、ディ・ポップスが売上高100億円を達成して、次の300億円・500億円・1000億円を目指していく中でグループ会社構想を立ち上げまして、「人材系の新たなグループ会社を作ろうと思っているんだ」というお話を受けたんです。その時に私は「〇〇くんなんかいいんじゃないですか?」っていうふうにメンバーを推薦していたんですね。 そしたら後藤社長から、「保坂くんは自分で手を挙げたりしないの?」と言われまして。「いや僕はどちらかというと、今このディ・ポップスが300億円・500億円となるために、全力で若いメンバー引き連れて実現させますから!」っていうお話をしていました。 それでその日の夜に、定期的に飲んでるディ・ポップスの後輩メンバーに、実は今日後藤社長からこんなお話があったんだ、でも俺断ったよと。みんなと一緒に次の300億円・500円達成していきたいからと伝えたら、「何やってるんですか!やってくださいよ!こっちは任せて背中見せてくださいよ!」と言われて、確かにみんなの言うとおりだなと思い、次の日後藤社長に、「昨日の件ぜひ僕にやらせてください」と言ったところからスタートしました。 -杉原- ディ・ポップスでの経験って経営に活かされましたか? -保坂- 活かされています。当時の店舗というのが独立採算制になっていて、売上・粗利がいくらで、店舗の人件費でキャンペーンを独自で入れたりするなどやっていたので、ある意味プチバーチャル経営のような形を取っていました。 ですので店長次第でめちゃめちゃ黒字になったり赤字になったりもする。そういった販売台数や契約台数だけじゃなくて、経営をその個店ごとにしてたんです。店舗でプチ経営をやっていたので、今の経営に非常に活かされているなと思います。 -杉原- 店舗で経営を学べるというのは非常に勉強になりますね。ちなみに、その時点でディ・ポップス以外に何社グループ会社があったんですか? -保坂- 当時はまだグッド・クルーとアドバンサーだけでした。 -杉原- なるほど、それでは人材会社で3社目ということだったんですね。 -保坂- 実は当時、アドバンサーは人材会社じゃなかったんです。スマートフォンのリユースの会社でした。その後ピボットして今の人材会社になりました。 -杉原- そうだったんですね!では当時グッド・グルーとSTAR CAREERではどういった違いがあったんでしょうか。 -保坂- 2つありました。まず1つ目は、STAR CAREERはモバイルだけではなくて、箱型のストアビジネス、つまりオリンピックを見越してホテルであったり飲食店であったり、そこの接客と店舗運営に特化した人材派遣を行うというコンセプトで立ち上げました。 あともう1つは、当時、グッド・クルーが採用に苦戦している時期があり年間30名〜40名の採用が続いていました。後藤社長の発案により「じゃあ保坂くん、100人採用やろう」というミッションをいただきました。結果として4月にSTAR CAREERに新卒が社員107人、入社することとなります。 ただこれは面白いことに、次の年にグッド・クルーが今度100人採用できたんです。ここは後藤社長の戦略で、競わせながら成長させていこうと考えていたんだと思います。 創業してすぐ採用活動を行い新卒107人入社というところで結構ハードだったんですが、11月ぐらいに後藤社長から、「来年4月からM&Aで入ってくる会社があるんだけど、そこもやってもらおうかな」と言われました。創業当時は、私含めて2人だけで最初立ち上げてるので、マジですかと思いながらも「やります!」とお伝えして、現在のgraphDの経営もやることになりました。 -杉原- すごいスピード感のある展開ですね!ボールを投げられたらなんでもこなこなせるというか、こなそうとするというタイプなんですね。 -保坂- それが最高ですよね。「便利なやつ」って思われたいですね。 -杉原- とっても重要なことですよね。会社の中の幹部って、トップから見たら「便利な人」は絶対に必要で、その人にどんどん仕事が投げられる。投げられれば投げられるほどその人は鍛えられるし経験ができる。幹部にとっておいしい話なんですけど、グループ会社経営でも似たようなようなところがありますよね。社長としても1つの組織を回しているけど、グループの代表からしたら「便利なやつ」と思われることが大切というか。 -保坂- そうですね、もうすごい嬉しかったですね。逆に4月に新卒107人入ってくるのに、4月に新しい会社が設立されちゃうってまじか~と思いつつ(笑) ◆STAR CAREERの事業 -杉原- それでは次に、STAR CAREER社の事業概要を簡単にご紹介いただけますか? -保坂- 2024年現在においては、就活カフェを運営する総合人材サービス会社です。就活カフェというものを軸として、人材派遣業・人材紹介業・採用代行業の3本立てで経営しています。 -杉原- そうなんですね。就活カフェというのは事業の核となるんですね。 -保坂- おっしゃる通りです。企業が人材採用するには、マイナビなどの媒体に出して応募を待つか、もしくは人材紹介会社にお願いして人財を送ってもらうかだと思うんですけれども、やっぱり学生求職者から見た時に、媒体でもない・人材紹介会社でもない、ここに問い合わせしてみようというプラットフォームが就活カフェの立ち位置です。 -杉原- 学生求職者の方は、就活カフェをどうやって知ることが出来るんですか? -保坂- 基本的には我々が学生団体とのパートナー契約をやっていますので、例えば ラオスとかカンボジアとかの難民支援をしている学生団体さんとか、保護犬・保護猫活動を行う学生団体さんなどいろいろな団体があるんですが、彼らはミーティングをする場所を我々の就活カフェでやれるように開放して、活動するための場所の提供であったりとか、定期的に彼らの活動資金として、協賛金を1口5万円とか10万円みたいにスポンサーとして提供する。 代わりに学生団体に登録してる学生さんが、我々の就活カフェでイベントやる時とか、説明会をやる時に来てくれるというような関係になってます。 -杉原- その就活カフェによる就活支援事業を核として、主には学生さんを採用や、紹介をしたりされているんですね。自社で採用する場合は学生を含め、若手の方が多いと思うんですが、研修や教育はどのようにされているんでしょうか。 -保坂- まず内定者研修・入社研修入社してから、月1回の集合研修を1年間やっています。 他のグループ会社やグループ外の人材派遣会社も同じような会社はいっぱいありますが、我々の派遣先への出勤日数は他社よりも1日少ないんですね。ある意味出勤として研修しているので、派遣先に行くのは減ることになります。 メンバーに対して内定から入社のタイミングでずっと言っているのは、「仕事っていうのは、やりたいことをやるためには、できることが増えてくればいつの間にかやりたいことができるようになってる」という話をしています。 レベルとスキルというのがあるとして、結構みんなスキルを求めたがるんです。資格を取るとか留学をするとか。スキルをあげたいと言う人が多いですし、スキルってのは強い武器だと思います。だけど、ドラクエで例えると、レベル1の子がレベル50の強い武器(スキル)を持ったとしても使いこなせないですよね。自分自身のレベルを上げていかないとそのスキルは活かせないので、まずは社会的に市場価値を上げるためにスキルを上げるだけじゃなくて、まず1年間で自分自身のレベルを上げようと。 自分自身をレベル10→レベル20→レベル30にしてスキルも磨きなさいというようなレベルとスキルの話をしています。なので、どちらかというと店舗で働きなさいではなくて、店舗でいろんな壁にぶつかったりするけど、そこに心の向き合い方とか周りへの協力の仰ぎ方とか、自分自身のレベルが上がることで仕事ってできるようになってくので、それを月1回の研修の中で伝えていますね。 -杉原- 素晴らしいですね。レベルを上げていく中で身につくものの方が、資格を取るなど先にスキルを磨くよりもよっぽど濃いですよね。資格が無駄だとは思ってはいないんですが、英語でいうと喋れないのにTOICE990点ですっていう人よりも、仕事で英語を使うなど場数を踏んでいくことで英語を使いこなしたビジネスパーソンになっていく・その過程で試験を受けてやってみたら点数が上がったというほうが自分の自信にも繋がるし、価値としても絶対高いですよね。 ◆コロナ禍の苦難 -杉原- では次の質問です。その人材会社を経営して8年経ったと思いますが、この直近の事業運営はどうでしたか。そして3年前のコロナ禍のとき、会社の状況はいかがでしたか。 -保坂- コロナ禍のときは、一度、会社の方向性を揺るがすほどのダメージを受けました。もともとストアビジネスというところで、ホテルや飲食店の派遣事業をやろうとしていたのがオリンピックがなくなってしまい・・・。 そもそもSTAR CAREERのロゴマークの星の色には1つ1つ意味があって、例えば、ホテル・ブライダル・アパレル・飲食・携帯ショップなど5領域の接客に特化した派遣事業という意味でスタートしたんですが、コロナで見通しが見えずらくなってしまった事業はホームページなどこの意味を掲載していたものはすべて削除することになりました。同時にそのタイミングで開始した事業が就活カフェ事業です。 長いコロナ期間によって人々はライフスタイルや人生観に大きな転機を迎えました。特に私たちは接することの多い就活生はまさに大学1年生の時にコロナがはじまり、コロナが5類に分類されたタイミングで4年生。面接で学生時代にやりきったことは?と聞かれても困ってしまう事でしょう。コロナと同時に始まったこの就活カフェ事業は、事業領域から自分の選択肢を広げる・人生の選択肢をカラフルにしてほしいという思いを込めたものへと変革をしました。 ただ、就活カフェの立ち上げ当初は、ホテルや飲食を目指して入社した方から、「もともと聞いていた話と違う、最初はこう言ったからこの会社入ったのに、なんだやらないんだ」と辞めていくメンバーも少なからずいましたが、その本質であった【人と人を繋ぐ】という軸は変えずにコロナ禍で大きく市場が拡大した非対面のコールセンターや在宅でのカスタマーサポートにも取り組んでいきました。また対面においてもコロナの収束に合わせ、オフィス事務の領域にも進出しています。今ではメンバー自身が自らの成長に合わせた環境の提供という概念に加え、人生設計によって働き方のバリエーションの提供という意味合いも強くなりました。 結果としてコロナによって私たちが再認識した事はBtoCでもBtoBでも結局そこに人と人の繋がりがあって、例えばお店で自分のところに来てくれるのは、「この人だったらなんとかしてくれるかも」と店舗に来てくれる。そしてBtoBもそこに人と人がいるので、納期やばいな、これでも◯◯さんにお願いしたらなんとか頑張ってくれるかもしれないって連絡が来るわけじゃないですか、結局。だとすれば、やっぱり仕事は人と人なんですよね。 最初、新卒で入社した時は、もうガンガン働きます!と言っていたメンバーも結婚して産休・育休から戻ってきてくれて、変わらず頑張りますという人も、もう少しバランスを取って働きたいとか、働きたいけどこういう形だったら働ける人も全員正解だと思うんです。 もっと年収を上げに行きたいのか、それともプライベートを充実させていきたい・家族重視でいきたいのかなどいろんなことがが出てきた時に、その社内の中でバリエーションを作ってあげたい、長く安心して働ける会社にしたい、これが自分の人生をカラフルにしてほしいというロゴに込められた新しい意味と思いです。 また、業績に関しては、コロナ前より業態そのものが変化しているのでトップラインは一時的に落ちてはいるものの、営業利益は以前より良くなっています。 -杉原- 素晴らしいですね。大変な時期があったけど、それを乗り越えて今少しずつ骨太の事業形態に切り替えつつあるんですね。 -保坂- そうですね。今はモバイル派遣よりも、コールセンターやバックオフィスの方が、派遣する人数が多くなったので、ある意味グループ会社のリスクポートフォリオは広がったかなと思っています。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【株式会社STAR CAREER】 代表者:代表取締役 保坂 龍政 所在地:東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー25F 設 立:2016年 5月 サイト:https://star-career.co.jp/ --------------------------------------------------------------------------------------- 次回後編のインタビューでは、 ・市場環境 ・「キャリポ」のリリースについて ・産学連携イベントについて ・STAR CAREERの社風について ・「ベンチャーエコシステムの実現」について ・その他 などについてお伺いしています。 後編もぜひご覧ください!    
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2024.10.25
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