
今回は、2025年10月に開催したベンチャーエコシステムサミット2025の主催である後藤社長と運営本部の3名にインタビューいたしました。
(このインタビューは2025年12月に実施いたしました。)
◆イベントを終えての感想
-杉原-
本日は、「ベンチャーエコシステムサミット2025」の主催者である後藤社長と、運営本部の柴田さん、松谷さん、川口さんにお話を伺います。
まずは、イベントの大成功、本当におめでとうございます!参加者の方々からの反響も凄まじかったですし、私自身も一参加者として心から楽しませていただきました。大きなプロジェクトを終えられた今、率直なご感想をお一人ずつお聞かせいただけますか。
-後藤-
今はただ、安堵の気持ちでいっぱいです。というのも、起業家の方々は非常に目が厳しいんですよね。たとえ言葉で「よかったです」と言ってくださっても、本心でなければ表情ですぐに分かってしまいます。もし納得いかない点があれば、遠慮なく直接フィードバックをくださる方々ばかりですから。
そうした厳しい視点を持つ起業家の皆さんに満足していただけるイベントを無事に開催できた。その意味では、とにかく「ホッとした」という言葉に尽きますね。
-杉原-
全力を出し切ったかと思いますが、イベント終了後に体調を崩されたり、熱を出されたりしませんでしたか?
-後藤-
幸い高熱までは出ませんでしたが、一瞬ガクッときましたね(笑)。やはり本番までは気を張っていたのか、翌日は何とも言えない脱力感というか、ぐったりしてしまいました。
-杉原-
本当にお疲れ様でした。それでは続いて柴田さんお願いします。
-柴田-
そうですね、私も後藤社長と非常に近いのですが、一言で表すなら「熱狂」と「安堵」、この2つに集約されます。
ただ、私の感じた「安堵」は後藤社長のものとは少し性質が違っていて、まずは何よりも「無事にイベントを完走できた」という事務局としての安堵がひとつ。
そしてもうひとつは、今回私はグループの事務局長という立場で参加させていただいたのですが、準備期間中は運営本部の皆さんに少なからず負担をかけたり、思い通りに進まず苦労した場面もありました。だからこそ、終了後に皆さんから「素晴らしいイベントだった」という言葉をいただいたとき、ようやく肩の荷が下りたような安心感がありました。
振り返ってみれば、準備から本番まで走り抜けたあの期間は、まさに「熱狂」そのものだったなと感じています。
-杉原-
皆さん本当に生き生きとされていて、内側から輝いているようでしたね。続いて、松谷さんはいかがでしょうか。
-松谷-
私は今、静かに込み上げてくるような充実感に包まれています。イベントの最後、千本さんのご講演と後藤社長の締めのご挨拶を伺っている時、形容しがたいほどの感動を覚えたんです。
この形で開催できて本当に良かった。まるで、重厚で美しい交響曲を聴き終えた時のような、晴れやかな心地でした。会場全体のバランス、そして登壇者の方々や参加者の皆さんが放つ凄まじい熱量とパワーを肌で感じ、「このイベントを形にして、本当に良かった」と心から実感しました。
また、スタッフ一人ひとりの動きも素晴らしかったです。私たちが大切にしている「感情移入」というスタンスを、全員が現場で体現してくれていたことも印象的でした。
-後藤-
スタッフの動きについては、参加者の方々からも本当によく褒めていただきました。スタッフの細かな動きまでしっかり見ているあたりは、さすが経営者の方々だなと感心しましたね。
駅から会場までの道中、看板を持って誘導に立ってくれていたスタッフもいましたが、屋外での案内業務は想像以上にハードな仕事です。そうした陰の努力まで見てくださった社長の皆さんが、「運営が本当に素晴らしかった」と口々に仰ってくれました。会場内での細やかな配慮も含め、皆さんの対応は一貫して見事なものでしたね。

-杉原-
ありがとうございます。それでは、川口さんお願いいたします。
-川口-
私も皆さんと同じく、まずは無事に終わってホッとしたという思いと、まだ10月ではありましたが「この1年をやり遂げた」という達成感でいっぱいです。
実は、このイベントの準備をスタートしたのは2024年の12月からなんです。ホテルの会場見学から始めたのですが、当初は予約を取ること自体が難しく、日程調整に奔走したところからのスタートでした。そうした経緯もあり、自分の中ではこの1年間の全エネルギーを注ぎ込んだような感覚があります。
今年1年、「ベンチャーエコシステムサミットを成功させよう、盛り上げよう!」という強い気持ちで走り続けてきました。10月にしては少し気が早かったかもしれませんが、自分にとって今年最大のミッションを終え、今は心地よい脱力感に包まれています。
◆イベント開催の理由
-杉原-
1年も前から準備を重ねてこられたのですね。一参加者として、後藤社長の熱い想いがダイレクトに伝わってくる素晴らしいイベントだと感じました。改めて、ベンチャーエコシステムサミットを開催しようと決めた背景や理由を教えていただけますか。
-後藤-
D-POPS GROUPでは毎年、年末のグループ総会に、KDDIの共同創業者であり弊社の会長を務める千本さん、そして元駐米大使で弊社顧問の藤崎さんが登壇しています。お二人の話には、毎年魂を揺さぶられるような「特別なもの」を感じるんですよね。
ふと思ったんです。これほど価値のある体験をグループ内だけに留めておくのは、社会的な損失ではないかと。内輪だけで完結させるのではなく、今まさに全力で挑戦している起業家の皆さんに「見て、聴いて、感じてほしい」と考えたのが、一番の動機です。
それと同時に、これまでにない「ベンチャーエコシステム」を構築し、社会の役に立つプラットフォームを作ろうとしている。その私たちの姿勢を多くの方に知っていただきたいという思いもありました。
世の中にはVCやエンジェル投資家、国や自治体による支援など、多種多様なベンチャー支援が存在します。しかし、現状はどこか「縦割り」なんですよね。あらゆる角度から全方位的な支援ができるプラットフォームは、まだこの世に存在しないと思っています。もちろん、我々もまだその完成形には達していません。ですが、このエコシステムに関わる起業家やメンバーが、「自分たちは世界で初めてのプラットフォームを作り上げようとしているんだ」と実感できる場所まで辿り着きたいと考えています。
その構想を世の中にしっかりと伝えていくためには、今回のタイミングがベストでした。あれだけの起業家が集まれば、彼らのインフルエンサーとしての発信力は凄まじいものがあります。1人が10人に伝えてくれれば、一気に数千人にまで広がっていく。素晴らしい起業家の皆さんにエコシステムの意義を伝えることは、今後の展開において非常に大きな意味を持つと確信しています。
-杉原-
確かにおっしゃる通りですね。一般的なイベントであれば、たとえ1,000人の来場者が集まったとしても、その中には会社の指示でやむを得ず参加している方や、途中で集中力が切れてしまう方もいらっしゃるのが現実です。
しかし、今回のサミットは参加者全員が経営者。会場全体の「この1日で何かを学び取ろう、吸収しよう」という意識の高さには、圧倒されるものがありました。
-後藤-
実は今回の参加者の皆さんは、全員私からの直接招待なんです。私の周囲には情熱的で努力家な方が非常に多く、本当はもっとたくさんの方をお呼びしたかったのですが、会場キャパシティの関係でお声がけを断念せざるを得ない方もいたほどでした。
それだけに、選ばれた参加者の皆さんはこのイベントに対して並々ならぬ熱量を持って臨んでくれました。あの会場の熱気は、そうした志の高い方々が集まってくださったからこそ生まれたものだと思います。
-杉原-
参加者の皆さんも、並外れて成長意欲の高い方ばかりでしたね。当日、お客様対応を一手に引き受けられていた柴田さんは、現場で皆さんの熱量をどのように感じていましたか?また、運営にあたって苦労された点などもあれば教えてください。
-柴田-
冒頭で感想として挙げた「熱狂」という言葉は、まさに会場の「熱量」そのものを指しています。
正直なところ、私も仕事柄さまざまな勉強会に参加する機会がありますが、やはり杉原さんがおっしゃるように「会社の指示で来ているんだろうな」という空気感の方を見かけることも少なくありません。 ですが今回のイベントでは、全体を俯瞰する運営の立場から見ていて、参加者の皆さんが一瞬たりとも目を逸らさず、全員が顔を上げて登壇者の方々を凝視していた光景が非常に印象的でした。「この一瞬からすべてを学び取り、絶対に自社に活かしてやろう」という本気の気迫が、後方にいてもひしひしと伝わってきたんです。客席でこれほどですから、壇上の方々はより一層強いエネルギーを感じていたのではないでしょうか。
苦労した点について、結果的には取り越し苦労で終わったのですが、準備段階では後藤社長と「いかにして経営者の方々に集中してもらうか」という戦略をかなり練り上げました。 経営者の皆さんは意思が強く自由な方が多いので、最後まで飽きさせないコンテンツの内容や登壇の順番、緻密な時間配分など、細部まで徹底的にこだわったんです。
ただ、いざ蓋を開けてみたら、そこには後藤社長が心から信頼して招待した方々の姿がありました。登壇者も参加者も、驚くほど「誠実・謙虚・感謝」を重んじる方ばかりで、全員が自分事として本気で参加してくださった。苦労するだろうと覚悟して準備したことが、拍子抜けするほどスムーズに進んだことが、私の中では一番の驚きであり、深い感銘を受けたポイントでした。
◆イベントの出演者について
-杉原-
ありがとうございます。今回のセミナーは、登壇者のラインナップも非常に豪華でしたね(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。まずは、千本さんや藤崎さんといった日本を代表する方々に講演を依頼された経緯と、参加者の皆さんの反応について教えてください。
-後藤-
まず、千本さんと藤崎さんのご講演が聴けるというだけで、「何としても参加したい」と感じた方は相当多かったのではないでしょうか。
お二人の話がどれほどプライスレスな価値を持っているか。それは弊社のメンバーであればよく理解していますが、多くの起業家にとっても同様です。千本さんは、挑戦を続ける起業家なら誰もが一度は直接お話を伺いたいと願う存在ですし、一方で藤崎さんのような、元駐米大使という立場で外交や国際情勢の最前線にいらした方のお話は、経営者といえども普段はなかなか触れる機会がありません。
しかし現在、世界情勢は激動の中にあります。アメリカや中国といった大国の動向がビジネスに直結する今、経営者の皆さんは非常に高いアンテナを張っています。だからこそ、藤崎さんの視点を知りたいというニーズは確実にありました。このお二人の登壇が決まった時点で、イベント成功に向けた「盤石な土台」は固まったと確信していました。
ですので、企画の真っ先に、まずはお二人にお願いすることを決めました。千本さんにご相談したところ、「素晴らしい試みだ。ぜひ私も参加するし、全面的に協力しよう」と即諾していただいたんです。当日のプレゼンテーションからも、お二人が本気で起業家たちにメッセージを届けようとしてくださっているのがひしひしと感じられましたね。

-杉原-
今回はさらに、ファインドスターグループの内藤社長や、NTTドコモビジネスの本髙様にもご講演いただきました。お二人に依頼される際、どのようなやり取りがあったのでしょうか。
-後藤-
内藤さんは弊社の社外取締役を務めていただいていますし、本髙さんも親友のような間柄ですので、お二人とも快く引き受けてくださいました。ただ、非常に深い関係性だからこそ、あえてこちらからも高いハードルをお願いしました。
相手は感度の鋭い起業家集団です。例えば内藤さんであれば、これまで数多くの講演や勉強会に登壇されていますが、「今までどこにも話したことがないような、一歩踏み込んだ内容をプレゼンしてほしい」とオーダーしました。資料も事前に提出していただき、こちらの意図を反映していただくようお願いしたのですが、私にとって内藤社長は兄のような存在の深い間柄だからこそ、そこまでの依頼ができ、それを引き受けて頂けたのだと思っています。
参加者の皆さんが満足し、納得するためには、全体の設計が極めて重要です。すべてのピースをフルスペックで揃え、内容に重複が一切ないよう、パズルを埋めるように構成を練り上げました。「今の起業家が求めているピースは何か」を徹底的に考え、それを埋めにいく感覚です。
例えば、数百億円規模の売上を築き上げた内藤さんがお話しされる横で、同じ規模感の社長が同じような話をしても重なってしまいます。だからこそ、大企業の視点というピースがどうしても必要でした。その役割を担っていただくには、人間的にも心から尊敬している本髙さんが最適だと考えたのです。
-杉原-
プログラムの構成ひとつとっても、そこまで綿密に計算されていたのですね。
-後藤-
そこはもう、めちゃくちゃ考えましたね。若手起業家による魂の揺さぶられるようなピッチや、書道家の岡西佑奈さんによるパフォーマンスもそうです。岡西さんのパフォーマンスは、当初はプログラムの最後に持ってくる予定でしたが、チームで議論を重ねた結果、あえて冒頭に持ってくることにしました。
最初にあの圧巻のパフォーマンスを観ていただくことで、会場の空気を一気に引き締め、参加者の意識を一点に集中させることができました。普段のイベントでは少しやんちゃな振る舞いをする社長さんも、この日ばかりは背筋を正して聞き入っていましたね。
岡西さんは華があるだけでなく、人間性も素晴らしく、彼女から放たれる気が会場を良いエネルギーで満たしてくれたのだと感じています。ちなみに、パフォーマンスで書き上げていただいた2枚のパネルは、1枚をヒカリエに展示し、もう1枚を抽選でプレゼントしたのですが、イベント終了後に「あのパネル、売ってもらえませんか?」と問い合わせがあったほど好評でした(笑)。
◆準備過程の裏話
-杉原-
確かに、あのパフォーマンスは素晴らしかったですね。制作物の手配や、書道家さんとの連携は川口さんが担当されたと伺いました。パフォーマンスを実現させるにあたって、準備段階で工夫されたことはありますか?
-川口-
後藤社長から「イベントで書道パフォーマンスをやりたい」というお話をいただいたとき、実は私が当初イメージしていたスケールと、社長が描いていた理想の大きさが、あまりにもかけ離れていたんです(笑)。
私は「1メートルくらいの高さかな」と予想していたのですが、いざ相談してみると、社長室に飾ってある大きなユニコーンパネルを指して「あれの倍、2メートルくらいの高さにしたい」と仰ったんです。「本当にその大きさで作るんですか・・・?」と何度か確認しながら、実際にメジャーでサイズを測り、最終的に「やはり2メートルの迫力が必要だ」という結論に至りました。
ただ、いざ発注しようとすると、それほどの特大サイズを制作できる業者さんがなかなか見つかりませんでした。見つかっても「紙を2枚繋ぎ合わせるしかない」「強度が保てるかわからない」という回答がほとんどでした。
そこで、弊社のオフィス内装を手掛けてくださったベストサポートシステムズさんに相談したんです。社内のユニコーンパネルをすべて制作してくださった実績がありましたので。内装業者さんにパネル制作だけの依頼ができるか不安でしたが、快く引き受けてくださいました。サイズはもちろん、ユニコーンの顔の位置といった細かなデザインの微調整まで、何度も何度もやり取りを重ねて完成させてくださったんです。彼らの真摯な協力がなければ、あのパフォーマンスは実現しませんでした。本当に感謝しています。
結果的にあのパネルは大好評で、参加された社長様から「自社のイベントでも使いたいから業者さんを紹介してほしい」というお声をいただいたり、書道家の岡西さんからも「とても書きやすい材質だったので詳しく知りたい」と問い合わせをいただいたりしたほどでした。

-杉原-
これほど盛りだくさんな内容のセミナーですから、当日の進行や準備にも相当なご苦労があったかと思います。進行担当の松谷さんは、当日の朝3時に起きて進行台本を完成させたと伺いました。進行を司る上で、特にこだわったポイントを教えてください。
-松谷-
後藤社長には「起業家の未来が変わる1日にする」という明確なビジョンがありました。私の役割は、その想いをいかに具体的な形に落とし込むかだ。そう考えていました。 イベント運営において最も避けるべきは、進行が滞ることで参加者の集中力を削いでしまうことです。参加者の皆さんに余計なストレスを感じさせず、コンテンツだけに没入していただくにはどうすればいいか。そこを一番に考えました。
イベントの大きな流れは後藤社長が作り込まれていたので、私は、懇親会会場へ移動する際の誘導ルートやスタッフの配置、さらには飲食テーブルのレイアウトといった細部に至るまで徹底的にこだわりました。それらをいかに正確にスタッフ全員へ共有し、動いてもらうかという点に心血を注ぎましたね。
実は学生時代にも1,000人規模のプレゼンイベントを運営した経験があるのですが、当時は若さゆえに2日間一睡もせずに準備をしていました。さすがに社会人になるとそうもいかず、前日は深夜1時から3時まで2時間ほど仮眠をとってから最後の仕上げに取り掛かりました(笑)。
司会を務めていただいたトークナビの樋田さんには、前々日に台本のたたき台をお送りし、最終版をお渡ししたのは当日の朝でした。そんなタイトなスケジュールにもかかわらず、樋田さんは当日の変更や修正にも非常に柔軟に対応してくださり、抜群の安定感で進行を支えてくださいました。本当に感謝しかありません。
-杉原-
確かに、これだけの規模のイベントにありがちなミスやトラブルが、当日は一切見受けられませんでしたね。
-松谷-
ミスがなかったわけではないですが。(笑)実は事前の全体リハーサルも行えていなかったので、個人的には「奇跡的だった」と感じています。 スライド投影の最終確認なども当日の朝に行いましたが、会場スタッフの皆様の多大なるご協力のおかげで乗り切ることができました。会場の支配人の方も様子を見に来てくださり、途中で「本当に素晴らしい会ですね」とお褒めの言葉をいただいたことも、大きな励みになりましたね。
~後編に続く~
☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太
次回後編のインタビューでは、
・懇親会について
・運営メンバーについて
・後藤社長と準備を進める中で感じたこと
・「ベンチャーエコシステムの実現」について
などについてお伺いしています。
後編もぜひご覧ください!
