COLUMN

採用DXで人事を刷新。HRクラウド中島社長と「採用一括かんりくん」の挑戦 ~Part3~

  • INTERVIEW
2026.06.26

Part 1Part2では、中島社長の創業の原点から、「採用一括かんりくん」の急成長と、AI活用による採用革新をお届けしました。Part 3では、創業から続いた組織マネジメントの苦悩と乗り越え、CESでのヒューマノイド体験、D-POPS GROUPとの出資関係の背景、そして「1万社導入」を目指す5年後のビジョンをお届けします。

◆ 創業から5年間の「最大の危機」――組織マネジメントの失敗

-杉原-
13期目に入ったということで、この12年間の中で最大の危機はどんなことでしたか?

-中島-
組織マネジメントが大きな壁でした。私はマネジメントをほとんど知らない状態で会社をスタートしています。ありがたいことに「中島さんと働きたいです」と言って入社してくれる方たちはたくさんいたんですが、実際入社してもらった後、マネジメントが全然できていなかったんです。自分は外ばかり見ていて、社員を放置してしまっていたんです。

それが原因で、入っては辞めて、入っては辞めてをずっと繰り返していたというのが最初の5年間で、とても辛かったです。私の責任なんですけどね。

-杉原-
それは2億円の債務超過よりも大きな危機だったんですか?

-中島-
そうですね。お金に関しては社員が少人数でしたので、自分が営業して稼げばなんとかなる状態でした。人の問題のほうが精神的に辛かったですね、同じことを繰り返してしまっていましたから。

大きく変えたのは、採用においてカルチャー採用にシフトしたことと、評価制度を変えて、本人たちがどれだけ頑張ればどれだけ成長していくかを可視化できるようにしたこと。この2つです。2018年入社の方たちからだいぶ落ち着き始めました。僕自身がプレイヤーから経営者へ移行できなかった、やらなかった失敗です。

-杉原-
カルチャーフィットや人事評価制度の設計は重要ですよね。オフィスの入り口にあるコアバリュー10か条やクレドは、とても共感できるものばかりなのですが、これらはその頃に作られたんですか?

-中島-
そうですね。ただ、あの時からだいぶ中身も変わっています。会社の経営テーマというものを毎年作っていて、去年のテーマは「未来プラス思考」、その前は「ワンチーム」というテーマでやっています。そういったテーマがクレドに加わることは多いです。

◆ 100名突破――企業文化の浸透と次期幹部育成

-杉原-
この4月に18人も社員さんが加わって社員が100名を超えたとのこと。この規模になってくると企業文化の浸透やスピードの問題も出てくると思うのですが、どのように取り組まれていますか?

-中島-
ちょうど100名になるところで、今まで役職を3階層でやってきたところを4階層に変えました。今やっているのは次期幹部育成のため、私が毎月研修をやっています。文化の浸透がしっかりできていないことがスピードの遅さに繋がると思うので、私がどういう考えで経営しているのかを、今15人ぐらいの次期マネージャーたちに研修しています。

-杉原-
社員の皆さんが集まる機会はありますか?

-中島-
毎月表彰式があります。月1で小さい表彰式、クォーターに1回大きい表彰式、年間にもっと大きい表彰式という流れなんですが、月1のものはこのオフィスで表彰式をやって、その後みんなで懇親会をしています。

-杉原-
それは営業成績だけでなく、いろんな職種が対象なんですよね?

-中島-
そうですね、誰でも受賞できるチャンスがあります。

◆ 企業バリュー「Honest・Respect・Challenge」に込めた思い

-杉原-
ホームページには、企業バリューとして「Honest(誠実・素直)」「Respect(尊敬・尊重)」「Challenge(挑戦)」を掲げています。ディ・ポップスグループが掲げるバリュー「誠実・謙虚・感謝の心で、共に学び、共に成長する」とも極めて類似しています。この類似点への想いや感想を聞かせてください。

-中島-
我々が『明日の仕事が楽しみな世の中を創る』というビジョンを掲げているので、それを一番大事にしている会社でありたいと思うんですね。うちの社員たちも仕事に本気で向き合って楽しんでほしいというのがあって、そのために大事なものが「Honest(誠実・素直)」「Respect(尊敬・尊重)」「Challenge(挑戦)」になります。

仕事が楽しくなっていくためには、やっぱり自己成長がないと楽しくない。成長していくには素直さや謙虚さがないと成長していかないし、チャレンジ・挑戦していかないといけない。

また、会社側からも挑戦する場所を提供することが大事ですし、尊重という意味でいくと、うちにはエンジニア、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス、管理部と多岐に渡っていることから横の連携がすごく大事な会社なので、ちゃんと相手を尊重し合うことは大事にしようと。チームでやっているんだという思いを込めて3つのバリューにしています。

-杉原-
お話を伺っていて、中島社長は素直さや誠実さにあふれる方だなと感じましたし、社員の皆さんにもそのバリューが伝わっているんだと思います。

-中島-
この3年間で新卒で入社した社員が30名ほどいるんですが、その中で辞めたのは1名だけなんです。

-杉原-
それは素晴らしいですね!採用基準に特徴はあるんですか?

-中島-
採用基準というほどでもないのですが、とにかく素直でいい子であることが一番ですね。どれだけスキルが高くて仕事ができても、素直であることが一番大事です。

◆ CESで体感したヒューマノイドの未来

-杉原-
ところで、年明けにCESに視察されたと伺いました。世界の潮流について感じたことや気になったことを教えてください。

-中島-
これはもう中国企業のヒューマノイドですね。ロボットの上にAIが組み合わさると世界が変わるなということをお肌で感じました。犬型のロボットもあって、すごい速度で走るんです。センサーが、AIを搭載しているので、銃を持って戦争で使われるイメージがすごく湧いてきたんです。想像するのも怖いですが、今後こうなるんだなと思いましたね。

人材業界でいくと、広義な意味でヒューマノイドも入ってきます。我々はブルーワーカーのお客様も多いので、今人手不足で採用できないという状況に対して、別の選択肢としてヒューマノイドはどうですかという提案は、事業としてなくはないので、情報を仕入れていこうと思っています。

-杉原-
その出張の際に、ディ・ポップスグループの千本会長、後藤社長ともご一緒されたと聞きました。また帰国後は千本会長とゴルフもご一緒されたと伺いました。ベテラン経営者のお二人とのお付き合いを通じてどんな感想を持たれましたか?

-中島-
千本さんがおっしゃった、「とにかく社会のためになる、とてつもないでかいことをやる」という言葉が、自分の中ですごく響いています。それと、いつもお会いするたびに「創業して何年?売り上げは?社員数は?」と聞かれて答えると、「全然ダメだね」と言われるんです。そのたびに毎回悔しいなと思うんですが、いつもそうやってエネルギーをいただいています。一方で「えらいじゃん!」とすごく褒めてくださることもあり、そのたびにまた頑張ろうと思えます。

◆ D-POPS GROUPからの出資を受けた理由

-杉原-
上場を見据えているHRクラウド社さんに対しては、数多くの出資候補企業があったと思うのですが、D-POPS GROUPからの出資を受け入れていただいた理由、また出資を受けてよかったと思われたことはありますか?

-中島-
たくさんあります。まず、なぜお願いしたかというと、後藤さんが創業前からずっと応援してくださったということ。創業したタイミングで、最初の事業が人材紹介だったんですが、後藤さんから「1人採用するのにいくらでサービス提供してるの?」と聞かれて、「80万円です」と答えたら「じゃあ5人分お願いするよ」と最初に言っていただいたんです。当時お金も全然回らなくて大変だった時期に、400万円いただいたのは経営として本当に助かりました。

そして今でも年1~2回、後藤さんに経営アドバイスをいただくのですが、その時にいただくアドバイスがグッと心に刺さるものばかりで、何度も助けていただいたという恩がたくさんあります。その恩を返したいという気持ちがあって、後藤さんに出資をお願いしたんです。

-杉原-
時々後藤さんから話を聞きますが、恩返し出資だったんですね。

-中島-
まさにそのパターンで、恩返しをしたいということでお願いしました。まだ上場できていないので完全な恩返しはできていませんが、HRクラウドがしっかり大きくなって上場できたら恩返しができるなと思っています。

◆ ベンチャーエコシステムへの共感――「日本を強くしたい」

-杉原-
D-POPS GROUPが目指している「ベンチャーエコシステムの実現」に対して、共感する部分はどんなところですか?

-中島-
「日本を強くしたい」というのが私の根底にあります。理由は、私の祖父から戦争の話をよく聞いていたのと、祖父の弟が特攻隊に在籍をしていて、その時の日記を読ませていただいたことが今も頭に残っているからです。やっぱり日本を強くしたいんですよ。

日本を強くしたいから、我々も仕事が楽しみな人たちを作っていきたいという考えなんですが、そこにおそらく通ずるものだと思うんです。ベンチャーエコシステムって、結局ベンチャーが日本を変えていくと思うので、それをその土台から支えていらっしゃるベンチャーエコシステムというのは、日本を強くするという思いの中で共感できるものです。

-杉原-
千本会長もよくおっしゃいますが、これまで日本を大きくしてきたのはベンチャーですもんね。ベンチャーを強くすること・応援することが日本を強くすることにつながるというのは本当にそうですね。

◆ 5年後のビジョン――「1万社」と「ビッグデータ活用」

-杉原-
今後さらに成長を加速させるために準備している新しい機能やサービス、もしくは「5年後に目指す姿」について教えていただけますか?

-中島-
5年後には導入社数が1万社を超えたいということと、その1万社があるおかげで出てくるビッグデータを活かしたビジネスを展開していきたいです。1800社の企業様にお使いいただいている採用プラットフォームなので、かなりのデータ量が集まってきていて、それを活かしたAIビジネスをどんどん進化させていくことができると、常にワクワクしています。

そのためにはやっぱり人がまだまだ足りないなと思っていて、人をもっと育てていく、強い組織文化と柔軟性のある企業を作りたいと思っています。

-杉原-
その将来のビジョンに向けての一手として、去年の10月にオフィスをここ紀尾井町に移転されましたよね。

-中島-
移転を決めた理由はロイヤリティを高めるのがテーマでした。それは社内外です。お客様とのロイヤリティ、社内メンバーとのロイヤリティ。ここで懇親会やユーザー会をやったり、先週の金曜日もここに寿司職人の方をお呼びして新入社員歓迎会をやりました。

◆ 読者へのメッセージ

-杉原-
最後に、読者の方に一言お願いします。

-中島-
僕の経営人生もそうなんですが、やっぱり1人の力じゃできなかったなと思います。いろんな人の支えがあって今こうして会社を続けてこられています。

まだまだ小さい会社なんですが、いろんな仲間にも恵まれてきたので、いろんな人の力を借りるということが大事だと思います。その繋がりを作るということも。そして、その一端を担っているのがベンチャーエコシステムだと思います。そういうものをうまく活用すると成長しやすいんじゃないかなと思います。

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

【HRクラウド株式会社】
代表者:代表取締役社長 中島 悠揮
所在地:東京都千代田区紀尾井町3-6 紀尾井町パークビル7階
設 立:2014年4月
コーポレートサイト:https://hr-cloud.co.jp/

 

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  • INTERVIEW
2026.07.27
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part2~
全3回にわたるインタビューの第2回となるPart2では、「コドマモ」がauだけにとどまらず、ドコモ・ソフトバンクを含む3大キャリア全てとの協業へと広がった経緯、さらには韓国・台湾への海外展開の現状、「コドマモ for School」という学校向けサービスの取り組み、そして大人の詐欺対策という新たなフロンティアへの挑戦を紹介します。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 「コドマモ」加入後の状況と反響 ―杉原― サービスプラン組み込み後の「コドマモ」の評判はいかがですか?加入状況や現場の声などを、差し支えない範囲でご紹介いただけますか? ―冨田― 店頭でご案内いただいた結果、コドマモを利用し始める率がコツコツと上がってきています。使ってくださったユーザーが使い続けてくださっているということも数字に表れてきています。良いものとして受け止めていただけているという実感がありますね。 まだ改善できる余地はたくさんあります。営業現場の方が売りやすくなるための新機能開発や改善も続けていますし、現場へのインタビューも今後どんどんやっていく予定です。より本格的なユーザーの声、営業現場の声はこれから届いてくる感じですが、数字面ではすでにかなり良い傾向が出ています。 U12バリュープランに加入した人の中でコドマモにきちんとログインID登録している人の割合が、サービスリリース直後よりもだんだん上がってきています。 ―杉原― それはおそらく、営業現場でだんだん説明に慣れてきたこと、個人として使っている営業担当者が現れてきたことで、勧めやすくなってきたという面もあるのでは? ―冨田― そのような側面はあると思います。また、微力ながら弊社側でも改善を行なってまいりました。最初は店頭でご案内いただいて加入しようとしたときに、間違って有料プランに加入してしまうというケースが初期にありました。プランに組み込まれているので本来は無料で使えるはずなのに、通常のアプリストアの有料プランに入ってしまうという混乱です。 そのユーザーの声を受けて、オンボーディングの中でどちらから来たのかを確認し、auから来たユーザー向けの独自の導線を用意して、わかりやすく整理しました。その改善の結果、そういった声はだいぶ減ってきました。走りながら改善を繰り返してきたということですね。 ―杉原― アプリの完成度だけでなく、オペレーションの改善が利用者数を増やすために重要ですよね。 ◆ 3大キャリア全てとの協業へ拡大 ―杉原― KDDI様のauショップ各店で紹介されていることはもちろん素晴らしいのですが、NTTドコモ様、ソフトバンク様の系列ショップでも取り次ぎが広がっているそうですね。他の2社との協業状況はいかがでしょうか? ―冨田― 我々は大きな社会課題を解決するという意識でやっているので、複数の通信キャリア様とご一緒できることは、最初から目指していたことでもあります。最初にドコモショップでのお取り扱いが始まり、次にauで料金プランに組み込んでいただき、その後ソフトバンク様のショップでも全店取り扱いいただいています。 もちろん始まるまでにはいろいろな運用の調整があり、現場の方々が大変頑張ってくださいました。今では利用者数もしっかり増えてきていて、本当にありがたいですね。 ―杉原― ソフトバンクさんの販売店の取り次ぎ数、急激に伸びていますよね。 ―冨田― ものすごく伸びています。ソフトバンクC&Sの皆様のご尽力と、代理店の皆さんの頑張りで、今年の頭からぐっと勢いが出てきました。 ―杉原― au様との取り組みで経験したオペレーション上の課題以外に、NTTドコモ様、ソフトバンク様特有の課題にぶつかったりはしましたか? ―冨田― それぞれのキャリアがすでに展開されているサービスと競合しないようにするという点は特に意識しました。例えばソフトバンクさんには独自のセキュリティサービスがあるので、そういったものと競合しないか、互いに悪影響を与えないかということをテストしながら進めました。ただ一方的に「売ってください」というのではなく、お互いのために細かな調整をしながら進めているという感じです。 現場でバグやトラブルが出てしまうと、忙しい店頭の皆さんが案内したくなくなってしまいますから、そういったことが起きないよう、何かあればすぐに対応できる体制は常に整えています。 ◆ 韓国・台湾への海外展開の現状 ―杉原― 昨年にはコドマモの海外展開も開始されています。どの国に進出済みで、どのような状況か、簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 韓国と台湾に展開しています。実際にやってみて難しいことも色々ありましたが、モバイルアプリの良いところは、翻訳して広告を打って小さく検証するということが50〜100万円程度の予算でできるという点です。 韓国については、出してみた上でしっかりニーズがあることが確認されてきました。危険なチャットの検知機能が思った以上に刺さっています。最初は位置情報機能のほうがメインかと思っていたのですが、蓋を開けてみると最初から危険チャットの検知が購入の最大の理由になっていました。ユーザーインタビューをしていると、韓国の親御さんが「子どもがドラッグに関わっていないか心配」とおっしゃるケースもあり、日本では聞かないような声もあって、ローカルな課題感の違いを感じます。 ただ韓国ではLINEよりカカオトークが主流なのですが、カカオトークへの本格対応がまだできていない部分があります。これをやれば伸びるという感触はあるので、もう少しバージョンアップしてから本格的に広告費などを投じていきたいと考えています。 台湾はLINEが広く使われているので、今出してみて非常に低いコストでユーザーを獲得できています。市場ニーズも高く、日本以上にしっかり使ってくれる方もいらっしゃいます。これからさらに力を入れていきたいと思っています。台湾の次はタイなど、アジア各国へも広げていきたいですし、WhatsAppに対応できればインドネシアやイギリスをはじめとする様々な国への展開も見えてきます。 ―杉原― 本当に積極的ですね。創業した時から世界を見ていらっしゃいますよね。 ―冨田― この事業はグローバルに共通するニーズを解決できるものだと思っています。最初からそこを見据えています。日本からグローバルに頑張る事業が出てくると、やはり応援したくなりますよね。そうなれればいいなと思ってやっています。 ◆ 「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み ―杉原― 足は長いですが、とても興味深い活動として、全国の自治体と連携した学校向けプラン「コドマモ for School」について簡単にご紹介いただけますか? ―冨田― 「コドマモ for School」は、学校で使用されている学習用タブレット端末に入れるサービスです。通常の「コドマモ」が親子のスマホに入れるサービスであるのに対し、「for School」はお子さんたちのタブレット端末の安全な利活用を促進するものです。 機能としては、性的な自撮り写真のやり取りや、いわゆる「裸の画像のやりとり(グルーミング)」を検知してアラートを出す機能や、ウェブサイトの見守り機能などがあります。基本的な機能は通常版と大きくは変わりませんが、ステークホルダーが自治体・教育委員会になるという点が異なります。 ―杉原― これまで通信キャリア3社と折衝してこられたわけですから、会社としての信頼度も大きく上がってきていますね。 ―冨田― 本当にありがたいことだと思っています。 ◆ 次の挑戦 — 大人向け詐欺対策サービスの開発 ―杉原― 続いて、コドマモに続く現在開発中の新サービスや新機能についてご紹介いただけますか? ―冨田― 今作っているのは、より広く一般向けに、SNSを通じた詐欺対策のサービスです。日本のみならず世界中で、特に投資詐欺やロマンス詐欺など、SNSやチャットを通じた詐欺が深刻な社会問題になっています。毎日何億円もの被害が発生している状況です。 電話詐欺は有名ですが、チャット経由の詐欺も非常に大きな問題です。弊社であればSNSにおける詐欺を検知できるという強みがあります。コドマモが子どもを対象にしているのに対し、大人の詐欺被害を検知して守るというサービスを絶賛開発中です。1日でも早くリリースできるように取り組んでいます。 一方で、詐欺被害に遭う方は自分からアプリをインストールしようとはなかなかならないので、子ども以上にステークホルダーの皆さんと一緒に動くことが重要だと考えています。様々な方にご意見をうかがいながら進めているところです。 ―杉原― こういうサービスを考えると、ますます大手企業との連携・提携ができる会社作りが重要になってきますね。 ―冨田― そうですね。弊社は技術力のある小さな開発チームではありますが、大企業さんや自治体さんと一緒に我々ならではの特徴を出しながら社会実装していくことが、大きな社会問題を解決するために不可欠だと思っています。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://corporate.kodomamo.com/ja Part 3では、 ・平均年齢26〜27歳 — 未来を作るチームの構成 ・「Sunny・System・Solid」 — 3つのバリューを策定 ・ベンチャーエコシステムの実現について などについてお伺いしています。 Part3もぜひご覧ください! Part1の記事はこちらからご確認ください。  
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2026.07.23
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part1~
全3回にわたるインタビューの第1回となるPart1では、子ども向けSNS見守りアプリ「コドマモ」を開発・運営するAdora株式会社・冨田社長が語る、創業から現在に至るまでの急成長の軌跡に迫ります。株式会社ディ・ポップスグループが2024年7月に出資して以来の約2年間で何が変わったのか。auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという異例の快挙はどのような経緯で実現したのか。泥臭く走り続けてきたスタートアップのリアルな歩みをお伝えします。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 出資から2年、創業から3年を振り返って ―杉原― 本日は、2024年7月に出資をさせていただき、ベンチャーエコシステムの仲間になっていただいた、Adora株式会社の冨田社長にインタビューさせていただきます。冨田社長には2024年9月にもインタビュー記事の作成にご協力いただいておりますが、その後も急成長を続ける「コドマモ」などについてさらに深掘りをさせていただきます。(前回の記事はこちらをご参照ください。) 冨田社長とは、2024年の5月に出会いましたよね。あれから2年が経ちました。また、2023年7月の創業からは約3年ですね。弊社の出資と協業開始からの約2年、そして創業以来の3年を振り返って、いかがですか?感想をお聞かせください。 ―冨田― そうですね。ご出資いただいたことで、社内のメンバーだけではなく社外の方も含めて「みんなの事業、みんなの会社」だという意識が改めて強くなりました。責任感をより強く持って頑張らなければという気持ちが湧いてきましたし、苦しいときもありながら、一生懸命泥臭くやってきたなと思います。気づけばあっという間でしたね。 ―杉原― 3年って長いですか?短いですか? ―冨田― 短いですね。やばいな、もっと頑張らなきゃなって感じです。 もちろん、できる限りすべてにおいてベストを尽くし続けてきたという自負はあります。ただ、後から振り返ればもっとこうすればよかったということはたくさんあります。でも、その時々のベストを尽くしてきたのは事実なので、仕事していたらあっという間だったというのが率直な感想ですね。 ―杉原― 2年間の事業の進み具合を振り返ると、ちょうど弊社が出資させていただいた頃は、本田圭佑さんのファンドからの資本調達活動を始めたばかりのフェーズでしたよね。そこから加速した感じはありますか? ―冨田― ありますね。あの頃はドコモショップさんとの取り組みも始まった時期で、売り上げもほとんどない状態でした。夢は語っているけれど、まだトラクションが全然ついてきていないという段階で、これはいけるのかなという感じでした。そんな段階で信じてコミットしていただいたことはとても嬉しかったです。 そこからドコモショップとの提携や有料サブスクの販売も始まり、徐々にトラクションが出てきました。出資いただいた時点では売り上げがほぼゼロだったところから、最初の1年はサービスを磨き続けること、ショップとの提携関係を構築することに注力していました。その1年間の下積みがあって、2025年の夏から秋ごろにぐっと売り上げが伸び、一気に10倍どころではない成長を遂げました。 3年間を振り返ると、準備期・資本調達期・加速期という流れがあって、2025年から2026年にかけてグッと実績が出てきたんじゃないかなと思います。 ◆ auの新料金プラン「U12バリュープラン」への組み込みという快挙 ―杉原― この間の最大のイベントといえば、主力サービス「コドマモ」がKDDI様のauスマートフォン向け2025年夏の新料金プラン「U12バリュープラン」に組み込まれたことではないでしょうか。 ―冨田― そうですね。もともとディ・ポップスさんの店舗での取り扱いは走っていたんですが、通信キャリアの料金プランに正式に組み込ませていただくのはこれが初めてのことで、本当に大きなイベントでした。 ―杉原― 創業からまだ2年半ほどの会社のサービスをauが料金プランに組み込むのは、かなり異例のことだと思います。世間にまだ普及していないブランドを大企業が採用するのはリスクもあると思いますが、どのような経緯でこの大きな提携が実現したのでしょうか? ―冨田― KDDIさんのほうで「子どもたちの安全を守るサービス」を探されていた中で、弊社のサービスを発見していただいたのがきっかけです。KDDIさんの社内でも、従来のフィルタリングにとどまらず、「スマホを禁止するのではなく、使わせながら守る」という本質的なアプローチが必要だというディスカッションがあったそうで、その中で弊社のサービスに目を留めていただいたとのことです。(KDDI記事:https://mugenlabo-magazine.kddi.com/list/adora/) ―杉原― KDDIさんが他のサービスも調査した上でAdora社を選んだ要因は何だと思いますか? ―冨田― 利用時間の管理サービスは他にもあるかもしれませんが、LINEをはじめとするSNSのチャットの見守りにしっかり力を入れているのは、今も市場で弊社だけだと思っています。日本で最も普及しているSNSのセキュリティ対策ができるというのは大きなポイントだったと思います。 また、愛知県警と連携していたり、国内のパートナーとの実績も積み上げてきていたことも評価されたのではないかと思います。もちろんKDDIさんとしても、ブランドイメージに関わる話ですから慎重に、本当に任せられるかをじっくり検討していただいた上での提携でした。 ―杉原― 単にサービスを紹介するだけでなく、開発も伴いますよね。 ―冨田― そうです。auのIDでログインできる連携機能なども実装しました。KDDIのユーザーさんがスムーズに加入できる仕組みを開発したというところです。 ◆ 他社には真似できない技術的優位性 ―杉原― コドマモにはAI技術やセキュリティ技術が深く組み込まれていますが、この技術力の高さが評価されたのでしょうか?特に優れていると考える技術的な優位性や、開発において特に工夫・苦労されたポイントを教えてください。 ―冨田― チャットを見守るというのはシンプルに聞こえますが、実際にそれを実現するためには、裏側でさまざまな技術が必要です。従来は分析が難しかったSNSのチャット内容を解析できるようにしたこと自体に大きなイノベーションがあります。 自然言語で危険かどうかを判定するモデルや、画像が不適切かどうかを判定するモデル、それを端末上で軽量に動かす仕組みなども開発しています。チャット自体を分析可能にするという、これまで誰もやってこなかったことを実現したというところが、大きな技術的優位性だと思っています。 それと同時に、使いやすいUI・UXへのこだわりも重要です。私自身も開発チームの中でコミットして、みんなの努力で磨いてきました。どんなに優れた技術でも使いやすくなければ社会実装されないと思っているので、わかりやすく使いやすいアプリにすることを常に意識してきました。 ―杉原― LINEなどのSNSのやりとりを読み取り、分析して危険なチャットを検知するこの仕組みは、他のスタートアップがすぐに作れるものではないという自信がありますか? ―冨田― はい。今ではAIが既存のアプリをさっと作れるようになっていますが、世の中にすでにあるものを作るのとは違います。まだ誰も作っていないものを実現するのはAIだけに任せても難しい。そこに我々の技術チームの強みがあると自負しています。 また、ユーザーインタビューやユーザーデータの分析を細かく積み重ねてきたことで、継続率(リテンションレート)も毎月上がり続けています。 ―杉原― 最近は安定し始めましたね。 ―冨田― 一般的なCtoCのサービスはリテンションレートがどんどん下がっていくことが多いのですが、弊社の場合は6か月ほどでしっかり下げ止まっています。適切なユーザーに刺さっているという検証ができているという意味では、プロダクトマーケットフィットに近い状態に来ているかなと思っています。技術力だけでなく、UXや総合的なブランディングも含めて、親御さんにとって使えるアプリができているということだと思います。 ―杉原― 難しい技術を極めるだけでなく、ユーザー目線で使えるものをという意識が、冨田社長の総合プロデューサーとしての役割なんですね。 ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://www.kodomamo.com/about-us Part 2では、 ・「コドマモ」加入後の状況と反響 ・3大キャリア全てとの協業へ拡大 ・「コドマモ for School」— 自治体・学校向けの取り組み などについてお伺いしています。 Part2もぜひご覧ください!
  • INTERVIEW
2026.07.17
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