COLUMN

【投資先インタビュー】 The Salons Japan株式会社 大木 結女さん ~前編~

  • INTERVIEW
2025.02.13

昨年弊社は、完全個室型のビューティーモール®️を運営するThe Salons Japan株式会社と資本業務提携を行い、ベンチャーエコシステムの仲間として歩み始めました。

☆The Salons Japan株式会社との資本業務提携に関するプレスリリースはこちら
https://d-pops-group.co.jp/column/the-salons-japan/

今回は、The Salons Japan株式会社で社員1号として創業者のお二人を支える大木さんへ、インタビューしました。
(こちらのインタビューは、2025年1月に実施しました。)

 

◆入社の経緯

-杉原-
今回は、The Salons Japanの社員第1号である大木さんにインタビューさせていただきます。宜しくお願いします。

まず始めに、大木さんがThe Salons Japanに入社した経緯を教えていただけますか。

-大木-

まず1番最初に出会ったのが取締役の窪島でした。

私は以前に美容室のレセプションをしていたのですが、その経歴を知った窪島が「実はThe Salons Japanという会社で美容モールという事業をしているんだ」という話をしてくれて。その美容モールは私が以前その美容室のレセプションで働いてた時に課題だと思っていたところを解決してくれるサービスだと感じたんです。

なので、The Salons Japanにすごく興味が湧いて、入社を希望しました。

-杉原-
それはいつぐらいの話なんですか?

-大木-
2019年に初めてお会いして、 入社したのが2020年の4月ですね。ちょうどコロナ禍でした。

-杉原-
2018年11月にThe Salons Japanを設立して、1店舗目のオープンが2019年とのことなので、創業者2人に次ぐ従業員第1号だったわけですね。

では、現在のThe Salons Japanにおける役割を教えて下さい。

-大木-
基本的な内容としては、まず美容師さんからのお問い合わせの対応で、それに伴う店舗の内覧対応ですね。内覧は代表の清水と一緒に活動しており、申し込み・契約までのお手続きの手配をしています。

あとは店舗オープンに伴う各種手配や契約書の作成、あとは通信機器の設置など、店舗管理に関する様々なことをやっています。その他業者さんの対応やトラブル対応なども行っています。

-杉原-
契約書の対応もされているんですね。たくさんの美容師さんが入居されていると思いますが、今までどのくらいの契約書を作成されてきたんですか。

-大木-
そうですね…数えきれないですね(笑) もともと契約や不動産に関する知識はなかったのですが、弊社にかかわる契約書であれば、契約書に書かれている大事なポイントについてはお伝えできるようになりました。

私は仕事をするうえで、コミュニケーションを一番大切にしています。普段のコミュニケーションはもちろんですが、相手の気持ちに沿いながら大事なことはきちんとお伝えすることを大事にしています。

ここは本当に最初の美容室のレセプションの経験が生かされているなと思う部分ですね。一方的なコミュニケーションにならないようにするとか、相手の気持ちに寄り添うとか。レセプションの仕事の中でカスタマーサポートやクレーム対応というところも含めてやってきたので、頂いたご意見を通じて問題解決をしていくというのが、今後さらに良くなっていくステップでもあるので、大事にしています。

-杉原-
素晴らしいですね。THE SALONSでの契約や内覧の担当をするには、美容業界での経験が必要だなと感じることはありますか。

-大木-
そうですね、不動産を経験してきた方よりも、美容業界にかかわってきた方のほうがスムーズに話が進むというのはあるかもしれません。

ただこれに関しては私が1番歯痒い部分なんですけど、私は美容業界に関わってきた人間ではあるものの、美容師ではないんです。美容師さんとお会いして感じるのは、美容師さん同士ならではのわかりあえる感覚というのもあるので。内覧の時に話が一気に進んだりすると、「美容師さんですか?」って聞かれるんです。そう聞かれるたびに、美容師さんだったらよりよかったんだろうなって思うところは少しあります。

代表の清水は、内覧の時によく「僕も美容師なんです!」と言っています(笑)

◆THE SALONSとシェアサロンのモデルの違い

-杉原-
さて、”シェアサロン”っていう言葉をよく耳にするようになったと思うんですけど、THE SALONSのモデルと、よく聞く”シェアサロン”との違いを説明していただけますか?

-大木-
そうですね。明確な違いとしては、一般的なシェアサロンは席貸しだったり、半個室のスペース貸しとなっていますが、THE SALONSに関しては完全に区分けされてる中で、区画1つ1つを店舗オーナーさんとして利用することができるというところが1番大きな違いかなと思います。

先ほどの席貸しと言ったのは、このTHE SALONSと同じように、ワンフロアはその会社が貸し切っているけれども、全ての売上や営業の管理は、その借りているところに付属してしまうんですね。

ただ、THE SALONSはビル側に許可を取りながらすべての個室を店舗として応援していただけるようにお願いしておりますので、フロアの個室であっても店舗オーナーとして営業できる・店舗を持つ事業者として実績を積むことができるというのは、1番大きな違いかなと思います。

-杉原-
自分のお店のオーナーになれるわけですね。シェアサロンとTHE SALONSのモデルを比較検討した結果、THE SALONSに入居しますっていう美容師さんもいらっしゃるんですか?

-大木-
もちろんいらっしゃいます。そしてシェアサロンからTHE SALONSに移る方も結構います。というのも、独立したいと思ってもすぐにはTHE SALONSに入れない方っていうのもいらっしゃるかもしれないなと想定しています。

今はプランを多数用意してるのでハードルを少し下げてはいるんですけれども、そこまで気持ちが決まってない方には、お店が持てますよというよりかは、 自分で一旦独立してシェアサロンや席貸しで給料が増えますよと言われたほうがいい方もいらっしゃると思うんです。

ただ、検討した結果THE SALONSに入られる方は、ゆくゆく路面で店舗を出したいと思われてる方が多い印象です。

-杉原-
THE SALONSのそれぞれのお店は表で宣伝などされていないと思うのですが、利用者の方は固定の方が多いのでしょうか。

-大木-
基本的にはそうです。新規集客を目指してる方もいらっしゃるものの、お客様がある程度ついているサロンが圧倒的に多いです。理由としては、例えば、さっきのシェアサロンモデルと比較すると、シェアサロンモデルは売り上げの何パーセントかをバックする。そして席の利用料は数万円くらいなんですね。

例えば、50万円の売上であれば、その10%である5万円と席の利用料数万円のお支払いで済むんですね。THE SALONSのモデルは、店舗を借りる時点で30万円~40万円ぐらいかかるとなると、売上を持ってない方は入居が難しいモデルになるので、自分の売上を考えた時に、お客さんが確実についてきてくれるという自信のある方が多いなという印象です。

◆入居されている美容師さんの特徴

-杉原-
入居されているオーナー美容師さんたちは、どんな方が多いんですか?

-大木-
美容師さんという職種自体なんですけれども、やっぱり「より良くしたい」っていう気持ちも強いですし、こだわりのある方が全体的に多いなという印象はあります。ただ、 ぶつかったり店舗でトラブルになったりなどはほとんどないです。そのトラブルにしないように、プライス表やメニュー表を表に出さないというルールを設けてます。

あとは個室空間なので、完全に予約制のサロンが多く、お客様は直接サロンに向かわれてると思うんです。そうなると、わざわざTHE SALONSの中を歩きながら見て回って、ここのサロンがどういうサロンなのかとかを調べたりすることもないのかなと想定しています。 お客様の取り合いもないですし、スタッフの取り合いもないです。

-杉原-
THE SALONSに入居して従業員美容師さんからオーナー美容師になったからこそのサクセスストーリーはありますか?

-大木-
あります!美容業界って、給料が低いイメージがあると思うんです。労働時間は長いけれども、給与や待遇がそんなに良くない状況でも1人前になるまで長い。その状況でずっと働いていらっしゃった美容師さんがTHE SALONSに入られてから、収入が7倍になったというのを伺いました。

-杉原-
収入が7倍!!それはすごいですね!!

-大木-
そうなんです!それを聞いた時は本当に衝撃でした。細かく今までの給料とかさすがに聞けなかったんですけれども、 7倍になったということに衝撃を受けたっていうのが1点と、 どこまでも可能性があるんだなっていうのをすごく感じたところもあります。

あと、THE SALONSの区画の利用方法は様々で、1区画でやってみたけど、思ったより売り上げが伸びて従業員も集まってきたから、隣も借りちゃおうということで1オーナーさんで最大で4区画まで増やしたサロンもありました。

また、すごくありがたいなと思った話なんですが、オーナー美容師さんとアシスタント美容師さんお二人で入居された方が、お二人とも売上を伸ばされて、アシスタント美容師として入られていた方も卒業して他の店舗を借りてくださったことがありました。

THE SALONSをもともと利用されていた方が次も借りたいって思ってくださるということは、THE SALONSのサービスをいいと思ってくれていたということなので、そんな独立の形があったことはすごく嬉しかったです。

-杉原-
美容師さん側からすると、シェアサロンモデルの場合は売上が上がるにつれて、そのシェアサロンのオーナーへの支払いも比例して大きくなる。THE SALONSの支払いは固定だから、固定費を超えたものは自分のサロンの資金にできる。 本当に1人のオーナーですよね。

ちなみに、皆さん経営ってできるんですか。

-大木-
経営に関しては、皆さん1番最初に不安に思われます。内覧案内時に「経営とか全然わからないんです。」っていう方がすごく多いんですよね。 ただし、ここはもうご自身のサロンになる以上やっていくしかないので、皆さんここで学んでいくようなイメージです。わからないことがある場合には、弊社でもサポートしています。

ただ、美容師さんたちのすごいところは、勉強家の方が本当に多いことです。税理士さんにご自身で相談されたりとか、 最初は自分でやってみて、法人化する時に税理士さんに頼まれている方とかもいらっしゃいます。

-杉原-
THE SALONSでは税理士さんを紹介するサービスなどもされているんですか?

-大木-
やっています。THE SALONSの枠として特価でやっていただいてます。

あと社労士さんと弁護士さんに関しては、何かあった時にトラブル対応としてはご相談いただけるような方を用意してます。ただ、もちろんパックとかではないので、THE SALONSのサービスを知ってくれている弁護士さんや社労士さんを紹介できるけれども、直接契約という形になります。

-杉原-
代表の清水さんから聞いた話だと、すごく人気の美容師さんが、入居してからしばらく段ボールにお金を入れていたと(笑)

-大木-
そんな方もいらっしゃいますね(笑) オープンしたばかりだとやることも多くて、どうしようどうしようと余裕がなくなってしまうんですよね。

その点でいうと、THE SALONSへの賃料に光熱費も含まれているんです。支払先が多いと忙しくて支払いを忘れてしまうこともあると思うのですが、支払いする手間は減らせているかなと思います。そのくらい最初は余裕がない方もいらっしゃいます。

◆店舗の特徴

-杉原-
支払いが一括で済むというのはとてもありがたいですね。

さて話は変わりますが、昨年までに7つのビルの店舗がオープンしていますが、それぞれに特徴はあるのですか?

-大木-
まず全体のコンセプトで一貫しているものとしては、 それぞれのサロンを邪魔しない、どちらかというと共用部は華美なものではなくて、 シンプルにおしゃれで嫌がる人が少ないような作りにしていることが多いです。

ただ、表参道店は本当にシンプルな白を基調とした作りだったんですけれども、だんだん進化してきています。清水がよく言ってるのが、ニューヴィンテージやアメリカのホテルのイメージで、 それぞれのサロンを邪魔しない程度にちょっと淡いグレーを入れてみたりとか、より共用部でも満足していただけるようなデザインにアップグレードしてます。

また、原宿Cat St.店では2点ほど今までの課題点を活かしてアップグレードしました。
THE SALONSはサロンがいっぱい入っている関係で、共用部を歩く方が多く足音が気になるときがあるので、原宿Cat St.店からはそれをカーペットタイルにして、足音が響かないようにしてみたりとか、真っ白の床だと汚れが目立ちやすいから、ちょっと暗めの色にしてみたりなど、前の店舗での改善点を活かして、次の店舗でアップグレードしています。

あとは雰囲気ですね。青山店は地下なので、地下に見えにくいようにちょっとライトを多くするとか、鉄扉がついてるんですけど、それを活かしてちょっと倉庫っぽい雰囲気にしてみたりとか、清水のこだわりが結構詰まっています。

原宿Cat St.店に関しては初めて清水が私に任せてくれまして、私も床材などを選ばせていただきました!そして今月オープンする新宿店は、新しく入ってきてくれたメンバーもいるので、みんなで選びました。

-杉原-
東京都だけで8店舗ありますが、それぞれの店舗ごとに美容師さんの特徴などあるんですか?

-大木-
原宿Cat St.店でいうと、原宿にはカラーやブリーチ特化にするサロンが周りに多いので、ブリーチやハイトーンカラーを行うお店、若いお客様、 そして若い美容師さんが多いです。

一方で、銀座の店舗はお客様と美容師さんの年齢層も少し上がりますし、単価の高い髪質改善ストレートのサロンなどが多いです。

少し郊外にある吉祥寺店で言うと、地域密着型の美容師さんたちが多いです。店舗の近くに住んでらっしゃる方がとても多くて、 美容師さんたち皆さんおっしゃるのが、吉祥寺で働き続けたい方が多いです。アットホームな空間作りというのを大切にされてる方が多いなと感じています。

-杉原-
店舗の空き状況はいかがですか?

-大木-
どの店舗もほとんど埋まっています。今現状(2025年1月時点)だと、すぐに入ることができるのが青山店に1区画、原宿店に2区画のみですね。

吉祥寺店はもう満室で、ありがたいことに、内覧に来てくださった方が、「誰かが出たらすぐに入りたい」と言ってくださっています。

◆苦労したこと・やりがい

-杉原-
大木さん自身が5年やってきて、苦労したことややりがいを感じたってエピソードなどはありますか?

-大木-
苦労したことは、青山店のオープン時に通信機器が間に合わないということがありました。発注はしていたんですけれども、半導体不足で機器が間に合わないと言われまして・・・。

青山店は地下階もあるので、Wi-Fiを繋がないと何もできないんです。ポケットWi-Fiとかでつなぐしかないという話になった時が1番ピンチでした。小型の機械なのでみんなで使うと熱くなっちゃうんですけど、機械の前で扇風機を回して冷ましながら、過度な利用にならないように騙し騙し繋がるまで使いました。

通信が繋がらないと予約も取れないし、売上も反映されない。お客様からの連絡も来ないとなってしまうと本当に困ってしまうので、本当にピンチでした。

やりがいとしては、先ほどお話しした給与から7倍の報酬になった話ももちろんなんですけど、 皆さんの話を聞く中で、働く環境が良くなったんだろうなっていう話を聞ける機会がたまにあります。例えば 土日祝日に休めるとか。

通常のサロンだと、企業側が土日祝日休みな分、繁忙日なんですよね。一方で、自分の指名のお客さんが来てくれるとなると、土日休みにすることにもご理解があったりとか、旅行に行けるようになったなどのお話を聞くととても嬉しいです。

あとは、 以前ある店舗の忘年会に呼んでいただいたんですけど、「本当に入ってよかったです!」って言ってくださった時はすごい良かったなと、思わずちょっとうるっと来てしまいました。
美容師さんの人生を変えられるようなサービスになってきたのかなって思った時はすごく嬉しかったですね。

個人的に言うと、自分自身で契約を決められた時も大きかったです。自分自身の手でこの方が未来を想像できる、問題解決ができたということだと思うので、それもやりがいの1つだったかなと思います。

 

☆インタビューアー
D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太

【The Salons Japan株式会社】
代表者:代表取締役社長/CEO 清水 秀仁
所在地:東京都世田谷区松原2-43-11 キッドアイラックビルヂング 2F
設 立:2018年11月30日
サイト:https://www.thesalons.co/

 

次回後編のインタビューでは、
・創業時からの変化
・資本業務提携後の変化
・創業者の清水さん・窪島さんについて
・新店舗オープンの状況
・「ベンチャーエコシステムの実現」に向けて
などについてお伺いしています。

後編もぜひご覧ください!

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—赤松— 当時、会社は5年目ぐらいで、10億円にいくかいかないかぐらいの規模感だったんですが、一定の規模まで成長していく中で、次のフェーズに進むためには自分たちだけでは持てない経営資源や知見が必要だと思うようになったのが、最初のスタートでした。 順調に成長していたので、いろいろな企業からお話をいただいたんですが、単純に会社を買収するという考え方ではなく、経営者である私自身や会社の個性をしっかり残しながら一緒に成長していくという、D-POPS GROUPの考え方と、後藤さんの人柄に魅力を感じたというのが理由です。 M&Aをした仲間も多いんですが、結局グループ入りした後に経営方針が変わったり、創業経営者が経営から離れるケースも多々見てきたので、そういう意味でも、ディ・ポップスグループは引き続き私自身が経営をさせていただいていますし、opztの文化や強みを尊重しながら成長させてくれています。優しく見守ってくれているというのがすごくいいなと思っています。 本当に、条件面などではなく、誰と一緒に経営するか、グループ入りした後に社員が前向きに働けるかというところを重視して選んだという感じです。 —杉原— その時の期待通り、10億円ぐらいの規模だった会社は、この6年間で大きくなりましたよね。経営体制が変わらないまま、後藤社長やディ・ポップスグループの経営会議などからの学びは結構ありますか? —赤松— そうですね。本当にいろんな面で日々勉強させていただいていますし、今もメンターシップもいただいていて、日々勉強させてもらっている感じです。 ◆ 「グループから次々と経営者が生まれる」ベンチャーエコシステムへの共感 —杉原— 素晴らしいです。では最後に、「ベンチャーエコシステムの実現を目指す」をスローガンにしているディ・ポップスグループですが、この目標に共感する部分や、エコシステム作りを意識した活動などがあればご紹介ください。 —赤松— たくさんあるんですが、特に共感するのは、一社だけが成功するのではなく、グループ内から次々に経営者や新規事業が生まれていくという考え方です。 僕自身も創業経営者として、会社を大きくすることだけが目的ではなく、社員の中から次の事業責任者や経営者が生まれ、その人がまた新しい会社や事業を作っていく、そういう循環する環境を作りたいと思っています。 opztでも、各拠点に権限と裁量を与えて、小さな会社を経営する感覚で拠点運営をやってもらっています。その事業で生まれた人材や資金、信用を次の事業に循環させていくというところが、ベンチャーエコシステムにつながるのではないかと考えていて、そこにすごく共感しています。 —杉原— opztさん自身の中でも、エコシステムができているようなイメージですね。 —赤松— そうですね。規模はまだ小さいですが、通ずる部分があると思っています。 ◆ 5年後、人とテクノロジーで企業の成長を支える会社へ —杉原— 5年後のopztはどのような姿、あるいは具体的な目標があれば教えてください。 —赤松— 5年後は、先ほども出た通り、単純に人材を派遣するだけの会社ではなく、人とテクノロジーを組み合わせて企業の成長を支援していくような会社になりたいと思っています。引き続き派遣事業は大きな基盤でもあるので、しっかりここはやりつつ、AIやデータ、データセンター領域の比率をより高めていきながら、専門性と収益性の高い事業構造に変えていきたいと思っています。あとは、社員やスタッフがきちんと成長して、お客様から長く必要とされること、適正な利益を出しながら新しい事業に投資できるくらいの会社にしていきたいと思っています。 ◆ 読者へのメッセージ —杉原— では最後に、読者の方に一言、何でも結構ですのでお願いします。 —赤松— opzt自体はまだまだ未成熟な会社ですし、これからAIをはじめテクノロジーもすごいスピードで変化していくと思いますが、当社としても過去の成功にとらわれず、新しいことにチャレンジしたいと考えています。仕事を探している方がもしこの記事を見てくださる機会があれば、今の経験だけで自分の可能性を決めてほしくないなと思っています。今経験がなくても、学んで挑戦することで新しいキャリアを作ることができますし、企業の方が見てくださっている場合は、人材の紹介だけでなく、組織作りや業務の改善、新しい事業の挑戦についても一緒に考えられるパートナーでありたいと思っていますので、少しでも興味を持っていただけたら、お気軽にお声がけください。 —杉原— 素晴らしいです。ありがとうございました! ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【opzt株式会社】 代表者:代表取締役 赤松 文則 所在地:大阪市中央区本町4-2-12 野村不動産御堂筋本町ビル5階 設 立:2013年9月10日 コーポレートサイト:https://opzt.net/ Part1はこちらからご覧ください!
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2026.09.03
大手企業との信頼を積み重ね続けるopzt赤松文則社長に聞く、人が育つ人材派遣ビジネスのつくり方【Part1】
【このパートについて】 全2回にわたるインタビューの第1回となるPart1では、opzt株式会社の事業内容や大手企業との信頼関係の築き方、テクノロジー領域への展開、人材育成、そして生成AI時代への向き合い方についてお聞きしました。(このインタビューは2026年8月に実施しました。) ◆ 人材とテクノロジーを軸に、5拠点で全国展開する事業を紹介 —杉原— D-POPS GROUPでは、現在26社のグループ会社が仲間となっています。 今回は、2018年にグループ入りしたopzt株式会社の代表取締役 赤松 文則さんへ、インタビューさせていただきます!宜しくお願い致します。 まず初めに、ホームページにも掲載されていますが、改めて赤松社長ご自身の言葉で、事業内容の概要をご紹介いただけますか? —赤松— 事業としては、人材派遣・人材紹介、アウトソーシングを含めたHR事業と、ITのテクノロジー領域を扱うTech事業を中心に展開している会社です。創業当初からやっているのは、通信業界を中心とした事務系やコールセンター、営業支援・販売支援の人材サービス事業です。現在は大阪、東京、名古屋、四国、福岡の5拠点で展開しており、全国で多くのメンバーが働いてくれています。直近では、従来型の人材サービスだけでなくITのテクノロジー領域にも力を入れておりまして、その中でもAI、データサイエンティスト、インフラエンジニアといった専門性の高い人材サービスを展開しています。 今はSES(システムエンジニアリングサービス)や業務委託・受託という形が中心ですが、将来的には自社開発したものを販売していく、自社でも開発をやっていきたいという思いはあります。 —杉原— ちなみに社名の由来を教えてください。 —赤松— お客様に選んでいただく会社になりたいというのが元々の由来です。「チョイス」は複数の中から選ぶイメージがありますが、「オプト」は特定の一つだけを選ぶという意味合いがあるので、そういう会社になりたいという思いを込めました。すでに「オプト」という有名な会社があったので、同じ表記は避けたいと思い、アルファベットの最後の文字である「z」を入れて「これ以上ない、いい会社」という意味を込めた造語にしました。 —杉原— 英語から着想を得て、造語で完成させたということですね。派遣している人材の規模は、社員として何名くらいになるんですか? —赤松— 社員といわゆる登録派遣の方を合わせて、今550名ぐらいです。 ◆ NTTとの絆を築いた、創業2年目からの信頼の積み重ね —杉原— とても大きな人材の母数をお持ちですが、その方々を派遣する先の開拓についてお聞きしたいです。事前にお聞きしていますが、NTT関連の取引先がとても多いと聞いています。そんな大企業と取引できるようになったのはどんな背景があったんでしょうか? —赤松— 元々は僕自身がサラリーマンとして働いていた時に、NTTグループさんを担当していたというのが大きいです。当時は本当に若造だったんですが、その時からいろいろな重鎮の方々に可愛がっていただいて、仕事上のお付き合いだけでなく、人としての信頼関係を築くことができました。その後、僕自身が独立するタイミングで、当時お世話になっていたNTTの幹部の方が「赤松が独立するなら応援したい 」と言ってくださって、顧問という形で力を貸してくださることになりました。 それがきっかけというわけではないんですが、独立のタイミングで前職のメンバーや、NTTで実力のある方々が色々とジョインしてくださったのがきっかけになります。 そういう方々の長年の信頼とネットワーク、人脈も含めて、NTTさんをはじめとする大手企業とのつながりが非常に多い方が多かったので、そこをきっかけに取引ができたというのが最初のスタートになります。 そして、本当に奇跡的に、創業2年目という非常に早い段階で、NTTさんと契約することができました。 NTTさんとしても、当時は弊社が帝国データバンクの評価も定まっていない、まだ評価されるべき会社ではなかったので、かなり異例だとは思います。 —杉原— NTTさん以外にも大手企業が顧客として多くあると思うんですが、営業で悩んでいるスタートアップも多い中、赤松社長及び経営チームはどうやってここを開拓してこられたんですか? —赤松— 本当にありがたいことに、2年目でNTTさんという大きな企業と取引できたことで、大きな会社と取引する難しさ(情報管理やコンプライアンス、人材の質など)を試行錯誤しながら学べたことが大きかったです。ある程度、NTTさんとの信頼関係ができたり、大手との付き合い方が組織としてできるようになったので、それを他の大きな企業にも横展開していくのが、比較的早く立ち上がったという感じがあります。 以前からそうですが、契約を取る営業というよりも、契約をいかに長く続けられるかという営業を大切にしています。今もNTTさんをはじめドコモさんなど、大手企業との取引が続いているのは、一つ一つの積み重ねでできたんじゃないかと思っています。 —杉原— 赤松社長が特に気をつけていること、大手企業と取引を継続するために、あるいは先輩たちから可愛がられる理由として、ご自身ではどう思われますか? —赤松— 本当に、小さな約束を守り続けた結果の積み重ねだと思っています。信頼関係というか、先ほどお伝えしたような人材の質、コンプライアンスや情報管理がきちんとしているか、現場で問題が起きた時に隠さず、すぐに報告し、会社としてどう改善するか、 大きな企業ほどそこを見ていらっしゃるので、一つ一つ、スピーディに対応しながら徹底する。社員もそれを徹底する、その積み重ねなのかなと思います。 僕たちも何もないところからのスタートで、最初の入口は人脈だったかもしれませんが、これだけ長くお取引が縁だけで続くとは思っていません。積み重ねなのかなと思っています。 ◆ 「単純業務から専門性の高い領域へ」――AI時代を見据えた事業の差別化 —杉原— 提供するサービスである事業についても、この13年の間にピボットされているという印象があります。特に最近、テック関連の派遣ビジネスを始められたと思うんですが、どのように差別化をされているんでしょうか? —赤松— 元々ピボットしようという意識ではなく、ずっと人材マーケットを見ていく中で、単純業務や定型業務はAIによる自動化になっていくというのが一つのきっかけとしてありました。一方で、AIやデータの領域、データサイエンティストなど、そういうAIを活用できる人材の需要が高まってきたというのも一つのマーケットの動きとしてありました。当社としても、今まで通りの人材サービスをやっていれば必ず淘汰されると思ったので、成長性の高い分野に力を入れないといけないと考えたのが、今から3、4年ぐらい前のことです。 ただ、従来型のSES企業と同じことをしても意味がないと思っていたので、私たちは特にAI・データ領域のエンジニアやデータサイエンティスト、さらにデータセンターを支えるインフラ領域の人材など 、これから企業の競争力に直結するところに絞って展開しています。 また、すでに高いスキルを持っている方だけを採用するのではなく、未経験でポテンシャルの高い人材を採用し、教育し、実務経験を積ませながら専門人材に育てるという取り組みも並行して行っています。人材派遣で培ってきたノウハウと、テクノロジー領域の専門性を組み合わせているところが、他社にはない差別化の部分だと思っています。 —杉原— 今お話に上がったデータセンター周りというのは、さすがだなと思いました。米国ではITエンジニアのリストラが増える一方で、電気工事士の需要が高まっている、公認会計士をやめて電気工事士や配管工になる人までいるというニュースを見て、単純に手に職ということなのかと思っていたんですが、それがデータセンター建設に関わる仕事だったんですね。人手がまったく足りないと聞きますし、半導体やサーバーで日本のメーカーも潤っていますが、最終的にそれを設置する人という需要もあるということですよね。 —赤松— おっしゃる通りです。特に大阪は、東京のバックアップとしてデータセンターがどんどん増えています。東京がこけても大阪でデータを守れるという位置づけで、今どんどん建設されています。24時間監視が必要だったり、辺鄙な場所にあったりして、通信キャリアさんも人手不足でずっと困っていらっしゃるので、ここはしっかり取り組みたいと考え、力を入れています。 僕自身もAIをいろいろ使っていますが、結局トラフィックがどんどん増えていっているのは事実ですので。 ◆ 「選ばれる会社」であるための採用戦略と教育プログラム —杉原— さて、そういったサービスを提供する顧客に対して、実際に派遣する人材の獲得についてお聞きしたいです。うちのグループの中でも採用にはなかなか苦労しているという話を聞きます。コストだけでなく、そもそも人が少ない中で、赤松社長としてはどう取り組んでいらっしゃいますか? —赤松— 当社も完璧にうまくいっているわけではないですが、一つの採用手法だけに依存しないということを大切にしています。求人媒体、人材紹介、リファラル、SNS、採用イベントなど、職種や地域に応じて複数の採用経路を使い分けているのが特徴です。 それ以上に重要視しているのは、応募者から選ばれる会社になることです。今の求職者は、給与や仕事内容だけでなく、入社後にどんな経験ができるか、どんなキャリアにつながるか、会社が自分をどう扱ってくれるかをよく見ていらっしゃいます。そのため当社としても、いいことだけを伝えるのではなく、仕事内容、職場環境、期待される役割をすべて正直に説明するようにしています。採用した人数よりも、入社した人が活躍して長く働いていただけることを重視して取り組んでいます。 —杉原— 素晴らしいです。opztさんに入社した時、必ずしも高いスキルを元々持っている人だけではなく採用して、教育プログラムがあるというお話でしたが、もう少し詳しく教えていただけますか?テクノロジーに縁のなかった人でも、その分野に派遣されるような人材になれるんでしょうか? —赤松— 基本的な教育として、ビジネスマナーや情報セキュリティ、コンプライアンスの基礎教育に加えて、それぞれの配属先に応じた研修を行っています。特にテックの領域では、オンラインで学んでいただくだけでなく、課題を作って発表してもらったり、資格取得を支援したり、先輩エンジニアによるフォローを組み合わせたりして、学んだ内容を実務で使える状態にすることを重視しています。 また、技術力だけでなく、コミュニケーション力や報連相、お客様の意図を理解する力も重要だと思っているので、そういったところも人によってプログラムを変えて実施しています。「またこの人にお仕事をお願いしたい」と言っていただけるような人材を育てるのが目標です。 ◆ 荒波か、追い風か――エージェンティックAI時代への対応 —杉原— さて、このような人材派遣業、特に最近注目されている技術者の派遣業にとって、気になるのが生成AI、特に最近ではエージェンティックAIですね。この波は荒波だと捉えていますか?それとも乗っかるチャンスだと捉えていますか?どのような対策や対処を行っているでしょうか? —赤松— 荒波であり、危機ではあると思っていますが、それ以上に大きなチャンスだと考えています。先ほどもお伝えした通り、定型業務や単純業務はどんどんAIに置き換わっていっていますし、実際に置き換わっている実感がすでにあります。 ただ、今までと同じような人材サービスを続けていれば、間違いなく淘汰されると思っています。一方で、データを活用できる人材や、AIを企業に導入できる人材、AIでは代替できないコミュニケーション力・対人能力を持つ人材の需要は、右肩上がりに増えている実感があります。そういう意味でも、opzt自体が変化してこの波に乗っていくことができれば、非常に大きな波に乗れるのではないかと考えています。 当社では、AIやデータサイエンティスト以外の事務職や管理、採用といった職種でも、AIを使える人材を育成しようとしています。AIに使われるのではなく、AIを使う側の教育をすることで、他にはない差別化ができればと思っています。 ◆ さらなる成長へ向けた3つの新しい取り組み —杉原— ありがとうございます。事業のさらなる成長のために、直近で具体的に新しく取り組んでいることはありますか? —赤松— 大きくは3つあります。1つ目は先ほども出た、AI・データ、そしてデータセンター周りのインフラ領域の事業をまず伸ばしていくことです。2つ目は、1人単位の派遣ではなく、チームでご支援していく、アウトソーシングでより付加価値の高い契約形態をどんどん増やしていくことです。3つ目は、既存の人材サービスの部分でも、AIを活用して採用や面談、スタッフフォローといった業務の生産性を高めていくことです。 —杉原— チーム丸ごと派遣するというニーズがあるんですか? —赤松— あるんですよ。今は、そもそもそのスキルを持っているエンジニアがもういないというか、金額も高くなっているので、経験者と、私たちが育成している若手人材をチームとして組成して支援する 形が増えています。育ったら次の若手をチームに加えることで、現場の中で育成が循環する仕組みを作っています。 —杉原— 経験を積めますし、若手の方はその先輩と一緒に、同じ仕事、同じ顧客の中で同じ分野の仕事をすることで経験を積んで、いずれリーダーになっていくということですね。 —赤松— はい。企業側もそういう人材を育てられないので、丸ごとお願いしたいというニーズがあります。 大変な部分も多いですが、当社としても未経験者を入れられるということで、最近はその手法で企業さんにご紹介しているパターンが多いです。 —杉原— 確かに、一人で送るよりも、その人個人のスキルや経験は積めますが、会社としてノウハウが溜まっているのかという疑問がありますよね。おそらく戻ってきて、その人が今度は先生として社内でトレーニングをする。でも、その時間ってなかなか売上にならないですからね。むしろ、先生役だけをやらせるのではなく、現場で学ぶ経験を先輩から、派遣先から募集をいただきながら、そこで学びも得ているということですね。 —赤松— そうですね。それでどんどん今、この手法を広げていっています。 ☆インタビューアー D-POPS GROUP アドバイザー 杉原 眼太 【opzt株式会社】 代表者:代表取締役 赤松 文則 所在地:大阪市中央区本町4-2-12 野村不動産御堂筋本町ビル5階 設 立:2013年9月10日 コーポレートサイト:https://opzt.net/ Part 2では、 ・バンドマン時代の経験と経営への活かし方 ・opzt創業のきっかけと十三年間の軌跡、組織づくり ・大病を経て立ち上げたエンタメ事業「SELEBRO」 ・D-POPS GROUPとのM&Aの経緯とベンチャーエコシステムへの共感 ・5年後のopztが目指す姿と読者へのメッセージ などについて伺っています。Part2もお楽しみに!  
  • INTERVIEW
  • グループ企業
2026.08.31
auプランに組み込まれた子どもの安全を守るアプリ「コドマモ」の挑戦|Adora株式会社・冨田社長インタビュー~Part3~
全3回にわたるインタビューの最終回となるPart3では、Adora株式会社の「人」と「文化」に迫ります。インドで出会ったCTOのSaurabhをはじめとする開発チームはなぜ名もなきスタートアップに参画したのか。エストニア留学で出会った仲間たちとの絆、「Sunny・System・Solid」という3つのバリューなど、インタビューの総まとめをお届けします。(このインタビューは2026年6月に実施しました。) ◆ 錦糸町のオフィスに込めた想い -杉原- ここのインタビュー場所は錦糸町のマンションの一室ですね。とても居心地よさそうで、お花もあって。この春に引っ越しされたとのことですが、なぜここを選んだのですか? -冨田- いくつか理由があります。もちろんメンバーみんなが来やすいというのもあります。ただ私個人の感覚として、キラキラしている場所よりも、錦糸町のほうが合っているなと思いました。錦糸町はスターバックスが5軒もあるほど栄えているのに、同時に人間らしい雰囲気も共存しています。 個人的に、お酒という毒を皆でシェアしながら絆を深めていって、「みんなで頑張ろうぜ」となるのが好きなんです。ほどほどにお酒を一緒に飲むことを大事にしたいと思っているので、居酒屋も近くにあって、みんなが来やすい錦糸町がいいなと思いました。 ◆ 平均年齢26〜27歳 — 未来を作るチームの構成 -杉原- この半年ほどで徐々にメンバーが増えましたね。現在のメンバー構成について、差し支えない範囲でご紹介いただけますか? -冨田- 正社員ベースでまだ10名以下という小さな会社ですが、人事担当が入ってくれたり、エンジニア中心の会社にビジネス開発・UX・公共政策担当のメンバーも加わったりと、徐々に会社らしくなってきました。バックオフィスのメンバーも入り、各ファンクションが揃いつつある感じです。若手が多い会社で、平均年齢は26〜27歳くらいでしょうか。インターン生の大学生も多いので、そちらも含めるともっと若くなりますね。 -杉原- 本当に未来を作るチームですね。以前一緒に飲んだ創業者CTOのSaurabhをはじめ、開発チームはインド人チームですよね。彼らの技術力はやはり凄いですか?また、なぜ日本のスタートアップに参画してくれたのでしょうか? -冨田- もちろん国籍による差よりも個人差の方が大きいとは思いますが、弊社のインド出身メンバーはみんな技術力も高いし、コミットメントと熱量が高いです。いいものを作りたいという当事者意識が強いと思います。 -杉原- 真面目で熱量が高くて、技術力だけでなく人としてもとても素敵な方たちですよね。 -冨田- そうですね。Saurabhの人柄が良いことが全ての源だと思います。人柄が良いから、良い人が集まってきているんだと思います。 -杉原- 当時まだ無名で、auとの提携も起きていなかったAdoraというスタートアップに、Saurabhをはじめとするインドチームはなぜ参画してくれたのでしょうか? -冨田- 私とSaurabhはインドのカフェで出会いました。私がその店でお客様にコーヒーやお茶を出すというアルバイトをしていた学生時代のことで、彼は常連のお客さんでした。本当に友達のような感じで始まった関係です。その縁でSaurabhが後輩や仲間を集めてきてくれたというのが経緯です。 -杉原- 冨田さんとSaurabhのカフェでの出会いが全ての始まりなんですね。Saurabhが会社に加わってくれたのはすんなりいきましたか? -冨田- 最初は別の会社で働きながらという状態でしたが、本当に序盤の序盤にフルタイムでコミットしてくれました。私を信頼してベットしてくれているわけですから、その信頼に応えられるように頑張らなければという気持ちは常にあります。人を信じるということをとても大事にしている人です。 ◆ エストニアの寮で一緒にうどんを作った仲間たち -杉原- 各役割のメンバーの中には、エストニア留学で出会った仲間たちもいますよね。どんな方たちですか? -冨田- UI・UXの責任者や人事の責任者とはエストニアで出会いました!私のいた寮で「日本が恋しいね」と言いながら一緒にうどんを作ったりしたこともあります(笑)。 彼らに限らず、一緒に働いてくれている人たちに対して「一緒に働いていて楽しい」「この人のために頑張りたい」と思える瞬間がたくさんあって、そういう感覚を個人的には大切にしています。私自身にもできないことがいろいろあるので、チームで補い合えている点に感謝しています。チームであるからこそできることを積み重ねていきたいですね。 ◆ 「Sunny・System・Solid」— 3つのバリューを策定 -杉原- そんな仲間たちと一緒に、先日ミッション・バリューを策定されたと伺いました。ぜひ今日ご紹介ください。 -冨田- 最近、スローガンとして3つのバリューを試験的に作り始めました。今年から運用しています。 3つとも「S」で始まる、覚えやすいものにしました。「Sunny」「System」「Solid」の3つです。 「Sunny」は、一緒に働いていて楽しいと思ってもらえる、応援したいと思ってもらえるような振る舞いをしようということです。 「System」はトヨタを意識したもので、「人を憎まず、仕組みを改善しよう」という考え方です。何か問題が起きた時に「誰が悪い」という話になると、指摘された人は否定された気分になってしまいます。でも目的語を人ではなく仕組みにすると、「じゃあどう改善しようか」という前向きな議論ができます。我々は社会に対して責任のある事業をやっているからこそ、心理的安全性を保ちながら間違いを間違いと言える環境が必要だと思っています。 「Solid」は、ちゃんとしよう、着実にやり切ろうということです。ベンチャーだから許されるということはなく、大企業の皆さんや自治体の皆さんと組んでいる以上、言ったことをきちんとやり切るという信頼が最も大切だと思っています。 -杉原- とても良いと思います。セキュリティサービスで、提携先が大企業という業態で「Solid」を掲げるのは非常に共感できますね。 ◆ 企業ホームページはあえて後回しにしてきた -杉原- ところで、Adoraさんはコドマモのサービスサイトはありますが、企業としての一般的なホームページがないですよね。理念やカルチャーを紹介する場があったほうがいいと思うのですが、あえて作っていないのには何か意図があるのですか? -冨田- そこを作る時間があったら、もっとユーザーが喜ぶことをやろうという考えで初期からやってきました。ホームページ作成の時間があるならバグを直そうというマインドですね。 ただこれからは、仲間を集めて大きく展開するためにも、企業サイトを作って人が集まりやすい場にする必要があると思っています。今まで怪しい会社に見えていたかもしれませんが(笑)、これから作っていくつもりです。(※現在会社ホームページは公開済み https://corporate.kodomamo.com/ja) -杉原- サービス開発を優先していたということですね。ホームページだけ立派で実態がないというスタートアップも世の中にはありますから(笑)、実態のものを作ることに集中していたのはむしろ正しいと思います。 ◆ 2026年〜2027年の目標 -杉原- 今年から来年にかけての目標や大きなイベントは何でしょうか? -冨田- 国内ではキャリアのショップでの販売をさらに強化していきたいと思っています。現在ユーザー数が30万人ほどになってきたところで、これを50万人、さらにその先へと伸ばしていきたいです。 海外では台湾でプロダクトマーケットフィットを確認しながら成功パターンを作り、インドネシア・イギリスなど様々な国での展開につなげていきたいと思っています。国内外での成果によって、社内外の期待を高めていける数値を作っていきたいですね。 また、より多くのステークホルダーの皆さんを巻き込んでいきたいと思っています。省庁との連携なども含めて、大きな社会実装・社会インパクトを生み出せるような1年にしたい。その広がりを見せていける1年にしたいというのが目標です。 一方で、カルチャーの構築と、大事にしたい価値観をより「Solid」にやっていくことも大事にしたいですね。人も丁寧に増やしながら、良い組織にしていきたいと思っています。 ◆ D-POPS GROUPの「ベンチャーエコシステム」への共感 -杉原- D-POPS GROUPが目指している「ベンチャーエコシステムの実現」に対して、共感する部分はどんなところですか? -冨田- 全般的にとても共感しています。1人でも1社でも、大きな社会的インパクトを生み出したり、社会課題を解決することはできないと思っています。1人で会社を作れないのと同様に、会社という単位だけでなく、さまざまなステークホルダーと一緒に解決しなければならないと思っています。 スタートアップだけでなく、その夢に賭ける投資家がいて、一緒にスタートアップの夢を社会に広げるために事業をやろうという大企業がいて、国としても良いことをやっているから応援しようという政府があって、大学が一緒に研究してくれて・・・そういうステークホルダーを全員で巻き込んで初めて、大きな社会課題を解決できると思っています。 弊社も創業当初から愛知県警にご協力いただいて共同開発を始めたり、大学とも連携してきたりと、1社だけでなく周りと一緒に補い合いながら頑張ることを意識してきた会社です。これからも、子ども・親子向けの安全な通信環境、そして人々を犯罪から守るために必要なエコシステムを弊社の側からも作っていければと思っています。それが全体的なベンチャーエコシステムの中で良い一例になれるんじゃないかと思っています。 -杉原- D-POPS GROUPはベンチャーエコシステムを作っていきたいと言っていますが、1社でプラットフォームを作ってその中でみんながエコシステムを作って循環していくというような形が理想ですよね。 -冨田- そうですね。最終的には自分たちにも良い形で返ってくるという考え方だと思います。私もそこはとても共感しています。 ◆ 読者へのメッセージ -杉原- 最後に、読者の方に一言お願いします。 -冨田- 大きな社会インパクトを生み出したいという気持ちを我々は強く持っています。そこに共感してくださる方には、メンバーとしてでも株主としてでも、どういった形であれ、一緒にこの夢を叶えるために動いていただけたら嬉しいです。 ディ・ポップスグループさんはとても良い株主なので、ぜひおすすめですよ(笑)。そして錦糸町は最高の町なので、ぜひ遊びに来てください! ☆インタビューアー 株式会社ディ・ポップスグループ アドバイザー 杉原 眼太 【Adora株式会社】 会社名:Adora株式会社 代表者:代表取締役 冨田 直人 設 立:2023年7月 サービスサイト:https://www.kodomamo.com Part1の記事はこちらからご確認ください。 Part2の記事はこちらからご確認ください。  
  • INTERVIEW
2026.07.27
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